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第3章 ルインズ
第14話 アテナ
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獣人達も連れて俺達はポートミルトに向かう。オラストロの船もあそこに停泊しているらしい。彼らは凄い協力的だよ。
「王子! 国を迫害のない国にしましょうね」
とトムが言って来た。彼は獣人とも仲良くしたいらしい。だからルキア達にも優しく接しているんだな。
オラストロは迫害を押している国だけど、若い者たちは別のようだ。ルインズに来ていたオラストロの兵士達はみんな若いんだよな。若いと行動が早くて考えの違う人についてきやすいということだろうな。
まあ、こっちは助かるがオラストロには行かないぞ、俺は。
「キャン!」
馬車を走らせていると先頭のトラが大きく吠えた。その合図に俺は後方を見る。
後方から白い煙を立たせている集団が見える。
「魔物!」
魔物に馬車を引かせている集団。ものすごいスピードでこちらへとやってきている。明らかに俺達が目的だな。
魔物は赤く光っていて炎を纏っているのがわかる。
「あれはフレアボアです。イノシシの魔物で厄介な相手です」
アルの説明に頷くと俺はすぐに精霊使いの服に着替えた。
「寒いときの水はきっついぞ~。ウンディーネ!」
想像しただけでも寒くなってくると身震いしてウンディーネを召喚。ウンディーネはクスクスと笑うと敵を見据えた。
「凍えるといいわ。【ダイダルウェーブ】」
雪降る雪原に大波が現れる。追手を一瞬で飲み込んでいった。
「口ほどにもない」
「ありがとうウンディーネ」
「いえ、このくらいお安い御用です」
ウンディーネが消えようとした時。後方から強い殺気を感じた。
「マスター!」
「ウンディーネ!」
殺気を感じた方向から剣が投げつけられ、ウンディーネがかばう様に貫かれた。傷ついた彼女を抱き上げる。
「大丈夫ですマスター。私は精霊、あなたのマナがあれば何度でもよみがえります」
「よかった……安心したら怒りが込み上げてきたな」
「ふふ、いったん私は帰ります。少しの間留守にしますが代わりにアテナを推薦しますよ。ノームと私ばかり呼ばれて拗ねていましたからね。では」
ウンディーネは残念そうな表情で消えていった。
「さて! ルキア」
「は~い!」
「さっきみたいに剣が飛んで来たら防いでくれ。アスベルも頼めるか?」
「はい!」
ノームの着ぐるみのままいてくれた二人に防御を任せる。そして、ウンディーネの言葉通り、アテナをよんだ!
「アテナ!」
輝きが降りそそぐと人型をかたどって現れた。ノームが好きになるのも無理はない。金色の髪をなびかせて微笑んでいる。
「やっとお呼びでございますねマスター。待っていましたよ。早速極大魔法を使いますわね」
「おいおい、そんなに」
「冗談でございます」
アテナはクスクスとからかってきた。まったく、ノームが使ったような魔法はあんまりやめてもらいたい。地形が大きく変わるからな。
フレアボアとは別に空を飛んできた追手がいたみたいだ。白い服と白いそりで武装している。あいつらが剣を投げてきたんだな。ウンディーネがかばってくれなかったら無傷じゃすまない。俺だったからよかったが他の誰かだったらどうなっていたか。
「死なない程度に済ませてくれ。アルの国の人達なんだ」
「あら? ウンディーネの波で死んでるんじゃないかしら?」
「いや、ウンディーネのことだ。手加減しているさ。彼女は言わなくてもわかってくれているからね」
「あらあら、妬いちゃうわ。マナでつながっているみたいね。私も繋げてほしいわ」
アテナがそういって身を寄せてきた。いやいや、お前にはノームがいるだろ?
「そういうことなら【スロウワールド】」
カチカチと時計の針の音が聞こえて空から光が差すと俺達以外の時間がゆっくりになった。一瞬で距離を離すことが出来た。
「これでいかが?」
「ありがとうアテナ」
「ふふ、感謝するなら次は極大魔法ね」
「はいはい」
精霊たちはみんな大きな魔法を使いたがるな。
アテナは微笑んで消えていった。
「お父さん! あれ~」
「ん? あ! 前にもいたのか」
ルキアに言われて前を見るとトラの前にもフレアボアと馬車がいくらかいた。その中にアルを連れ去った時にいた女を見つけた。
「あいつだよな。こんなに早く追いつくなんておかしいな」
「うん。何か魔法を使ったのかも。奴隷商を落としたのも彼女だし。何か隠し玉を持っていてもおかしくないよ」
疑問を呟くとアルが答えてくれた。奴には要注意だな。今はアテナの魔法で何とかなるがこの次は危ないかもしれない。
アテナと同じような時間をいじるものを使っているのかもしれないからな。
アテナの魔法の効果は一日続いたよ。
流石は精霊だな。誰も勝てなさそうだ。まあ、油断はしないようにしないとな。
「王子! 国を迫害のない国にしましょうね」
とトムが言って来た。彼は獣人とも仲良くしたいらしい。だからルキア達にも優しく接しているんだな。
オラストロは迫害を押している国だけど、若い者たちは別のようだ。ルインズに来ていたオラストロの兵士達はみんな若いんだよな。若いと行動が早くて考えの違う人についてきやすいということだろうな。
まあ、こっちは助かるがオラストロには行かないぞ、俺は。
「キャン!」
馬車を走らせていると先頭のトラが大きく吠えた。その合図に俺は後方を見る。
後方から白い煙を立たせている集団が見える。
「魔物!」
魔物に馬車を引かせている集団。ものすごいスピードでこちらへとやってきている。明らかに俺達が目的だな。
魔物は赤く光っていて炎を纏っているのがわかる。
「あれはフレアボアです。イノシシの魔物で厄介な相手です」
アルの説明に頷くと俺はすぐに精霊使いの服に着替えた。
「寒いときの水はきっついぞ~。ウンディーネ!」
想像しただけでも寒くなってくると身震いしてウンディーネを召喚。ウンディーネはクスクスと笑うと敵を見据えた。
「凍えるといいわ。【ダイダルウェーブ】」
雪降る雪原に大波が現れる。追手を一瞬で飲み込んでいった。
「口ほどにもない」
「ありがとうウンディーネ」
「いえ、このくらいお安い御用です」
ウンディーネが消えようとした時。後方から強い殺気を感じた。
「マスター!」
「ウンディーネ!」
殺気を感じた方向から剣が投げつけられ、ウンディーネがかばう様に貫かれた。傷ついた彼女を抱き上げる。
「大丈夫ですマスター。私は精霊、あなたのマナがあれば何度でもよみがえります」
「よかった……安心したら怒りが込み上げてきたな」
「ふふ、いったん私は帰ります。少しの間留守にしますが代わりにアテナを推薦しますよ。ノームと私ばかり呼ばれて拗ねていましたからね。では」
ウンディーネは残念そうな表情で消えていった。
「さて! ルキア」
「は~い!」
「さっきみたいに剣が飛んで来たら防いでくれ。アスベルも頼めるか?」
「はい!」
ノームの着ぐるみのままいてくれた二人に防御を任せる。そして、ウンディーネの言葉通り、アテナをよんだ!
「アテナ!」
輝きが降りそそぐと人型をかたどって現れた。ノームが好きになるのも無理はない。金色の髪をなびかせて微笑んでいる。
「やっとお呼びでございますねマスター。待っていましたよ。早速極大魔法を使いますわね」
「おいおい、そんなに」
「冗談でございます」
アテナはクスクスとからかってきた。まったく、ノームが使ったような魔法はあんまりやめてもらいたい。地形が大きく変わるからな。
フレアボアとは別に空を飛んできた追手がいたみたいだ。白い服と白いそりで武装している。あいつらが剣を投げてきたんだな。ウンディーネがかばってくれなかったら無傷じゃすまない。俺だったからよかったが他の誰かだったらどうなっていたか。
「死なない程度に済ませてくれ。アルの国の人達なんだ」
「あら? ウンディーネの波で死んでるんじゃないかしら?」
「いや、ウンディーネのことだ。手加減しているさ。彼女は言わなくてもわかってくれているからね」
「あらあら、妬いちゃうわ。マナでつながっているみたいね。私も繋げてほしいわ」
アテナがそういって身を寄せてきた。いやいや、お前にはノームがいるだろ?
「そういうことなら【スロウワールド】」
カチカチと時計の針の音が聞こえて空から光が差すと俺達以外の時間がゆっくりになった。一瞬で距離を離すことが出来た。
「これでいかが?」
「ありがとうアテナ」
「ふふ、感謝するなら次は極大魔法ね」
「はいはい」
精霊たちはみんな大きな魔法を使いたがるな。
アテナは微笑んで消えていった。
「お父さん! あれ~」
「ん? あ! 前にもいたのか」
ルキアに言われて前を見るとトラの前にもフレアボアと馬車がいくらかいた。その中にアルを連れ去った時にいた女を見つけた。
「あいつだよな。こんなに早く追いつくなんておかしいな」
「うん。何か魔法を使ったのかも。奴隷商を落としたのも彼女だし。何か隠し玉を持っていてもおかしくないよ」
疑問を呟くとアルが答えてくれた。奴には要注意だな。今はアテナの魔法で何とかなるがこの次は危ないかもしれない。
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アテナの魔法の効果は一日続いたよ。
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