転生してしまったので服チートを駆使してこの世界で得た家族と一緒に旅をしようと思います

カムイイムカ(神威異夢華)

文字の大きさ
59 / 113
第二章 海へ

第十七話 インゴット作り

しおりを挟む
「兄ちゃん、肉三人分追加だ」

「了解」

 慣れたもんでこういう作業も三回目だ。宿代はタダになるは、いい部屋に泊まれるはで料理チートでウハウハである。
 急遽、料理人が倒れたという事で俺が料理をすることになった、運がよかったな。

「お父さん、お肉四人分~」

「あいよ」

 ルキアも元気にホールをやっている。サンとトラは船と船着き場をつなげる橋をでてすぐの邪魔にならない所で子供たちの相手をしている。宿の客の中に子供もいてこちらも急遽、ふれあい広場を開催することになった。
 お客の中にアルフレドの馬車に乗っていた人がいてその流れになったのだ。因みに大人の人もサンとトラを撫でまわしている。人気者って大変だな。

「タツミさん」

「おお、アルフレド」

 厨房にアルフレドが入ってきて声をかけてきた。なんでか首を傾げている。

「なんでタツミさんが料理しているんですか?」

 ああ、なるほど。それで首を傾げてるのか。

「厨房長が酒の飲み過ぎで寝込んだんだってさ。それで急遽俺が」

「そうなんですね。でも、よかった~。僕、タツミさんの料理食べたかったんですよ」

 アルフレドはそう言って満面の笑顔で話した。美味しいと言ってくれるのはとても嬉しいがなんで頬を赤く染めてんだ。俺はそっちのけはないぞ。

「僕にも一つお願いします」

「おう、ルキアが持っていくから席で待っていてくれ」

「はい」

 アルフレドは楽しそうに厨房から出ていった。そんなに俺の料理が楽しみなのか、何だか嬉しいな。それからしばらく俺は厨房で働いた。夕食の時間が終わって宿の客たちが甲板から部屋に帰っていくと俺達の食事の時間だ。帰っていく全員と握手したのでいい服も手に入った、詳細は寝るときに調べておこう。
 船長やその部下たち全員分の料理も作った。全員が集まるのを待って集まると船長が大きな木のジョッキをもって俺の横へと歩み寄ってきた。

「今日はタツミのおかげで大盛況だ。願わくば明日もやってくれればいいんだがな」

「明日は色々用事があるからな。早めに終わるようだったらやってもいいぞ」

「やったぜ。明日も酔いつぶれる!」

「てめえはもうちょっと酒に強くなってから飲め!」

 船長が明日も厨房に立ってくれというものだから、時間があればやってもいいと答えると酔いつぶれていたコック帽子をかぶった恰幅のいいおっさんがガッツポーズをしている。船長はジョッキをその男に投げつけて怒っているがそのジョッキをうまく咥えて飲み干していた。酒狂いだな。

「ったくよ・・・」

「ははは」

 こういう野蛮で賑やかなのも何だかマンガの世界に来たみたいで楽しいな。海賊ってこんな感じなんだろうな。

「今日は本当にありがとうな」

 船長のダイロはそう言って俺に握手を求めた。俺はそれに答えて握手を交わす。

「一番いい部屋は甲板から入れる部屋だからよ。船長室を部屋にしたんだ。舵のすぐ下の部屋だ。防音の結界もされているから。好きに使ってくれ」

「そんないい部屋を使っていいのか?」

「ああ、タツミ達には色々迷惑かけたからな。それに従魔達に触れ合えて俺の部下たちも喜んでたからな。その分の料金を考えるとそれでも安いくらいだぜ」

 そういえば、ごつい男たちがサンとトラを撫でまわしていたな。ルキアを高い高いしていた時は目を光らせていたがただただ可愛がっていてくれ、外見ではわからない人の良さを感じたよ。

「それじゃ遠慮せずに使わせてもらうよ」

「ああ、広いから従魔も満足してくれるはずだぜ。風呂は船底に大風呂がある。男湯と女湯になっているがタツミ達の為に貸し切りにしておくぞ。準備ができたら呼ぶからよ。それまでは我慢してくれ」

「そんなことまでしてくれるのか?」

「それだけタツミには恩を感じたって事だよ。料理はうめえし、従魔達もいい子だ。タツミの人柄が知れるぜ。何か困ったことがあったら、このダイロ、相談に乗るからよ。何でも言ってくれよ」

 こんなに良くしてもらうと何だか申し訳ないな。俺はチートを駆使しているから努力で得た物じゃないという引け目があるんだよな。まあ、喜んでくれるならいいんだけど。

 しばらく、俺はダイロと言葉を交わして食事を済ませていった。ルキア達もごつい男たちと遊びながら食事を済ませていた。

 俺達は楽しい食事の時間を終えて自分達の部屋にやってきた。

「豪華すぎないか?キングサイズのベッドもあるじゃないか」

 金の装飾に天幕も張られていて何処かのお姫様でも寝ているかのようなベッド。他の家具も全部、金の装飾がされている。あまり触るのはやめておいた方がいいな。貧乏性な俺にはストレスが多そうな部屋だ。

「キラキラ~」

「みんな、あんまり傷つけないようにな」

 ルキア達が興味津々と言った様子で家具とかを触っている。気が気ではないけど、みんないい子なので大丈夫だろう。あんまり心配していると胃に穴が開いてしまうから気にしないようにしよう。

「ちょっとアイテムの整理をするかな」

 鍛冶屋の服に着替えて鉱石をインゴットとかにしておかないとな、売る時にもインゴットだと高いそうだし。

「ミスリルと銀、それに鉄か」

 一個ずつ取り出して試しに加工してみよう。

「おお、ヤットコ鋏で掴んでいると熱くなってく・・」

 鍛冶屋チートでヤットコ鋏には火属性の魔法がかかるようだ。掴んだものだけに熱を与えるもののようでそれ以外は熱くならない、チートってやっぱ凄いな。

「あとは金槌で叩けばいいのか」

 不純物も多いはずの鉱石もヤットコ鋏で掴んだことでポロポロと不純物が落ちて行く。不純物は床に落ちると霧散して消えていく、これも鍛冶チートなのか、恐ろしすぎる。
 カンカンカンと叩くと大きな音を立てていくが防音の結界がされているので迷惑にならないか気にしないで済むのは助かるな。

「拳大くらいでこれだけか」

 棒アイスの棒くらいの延べ棒ができたのだが、流石に少ないな。映画とかの延べ棒はもっと大きかった。10キロとかにするには15個くらいは必要かもしれないな。

「こういうのは根気がいるものだよな。ゲーマーをなめるなよ。全部やってやる」

 無限に近いほどミスリルと銀の鉱石を入れているので時間かかりそうなんだよな。流れ作業でやっていくぞ。

 まずは鉄からやろう。ヤットコ鋏で一個一個を握っていくと不純物が落ちて行く。それから重ねて叩いていく、上の物から徐々に金槌の形にへっこんでいくとどんどん一つになっていった。叩くだけで思った通りの延べ棒に変換できていくようだ。素人な俺でも映画とかのインゴットを知っているのでイメージは簡単だった。

「とりあえず10個ずつだな」

 10個もあれば十分だよな。

「よし、完成」

 順調に鉄、銀、ミスリルの10キロくらいの延べ棒を10個、完成させて俺は一息ついた。

「タツミ、風呂の準備ができたぞ」

「ああ、ありがとう」

 丁度終わった時に扉が開いてダイロが顔だけ出してそう言ってきた。頼むからノックしてくれ、やばいことしているんだからさ。
しおりを挟む
感想 47

あなたにおすすめの小説

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

村人召喚? お前は呼んでないと追い出されたので気ままに生きる

丹辺るん
ファンタジー
本作はレジーナブックスにて書籍化されています。 ―ー勇者召喚なるものに巻き込まれて、私はサーナリア王国にやって来た。ところが私の職業は、職業とも呼べない「村人」。すぐに追い出されてしまった。 ーーでもこの世界の「村人」ってこんなに強いの? それに私すぐに…ーー

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。 そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。 「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」 バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!? 最強が無双する異世界ファンタジー開幕!

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス

於田縫紀
ファンタジー
 雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。  場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。

最強の赤ん坊! 異世界に来てしまったので帰ります!

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
 病弱な僕は病院で息を引き取った  お母さんに親孝行もできずに死んでしまった僕はそれが無念でたまらなかった  そんな僕は運がよかったのか、異世界に転生した  魔法の世界なら元の世界に戻ることが出来るはず、僕は絶対に地球に帰る

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

処理中です...