57 / 113
第二章 海へ
第十五話 米だと...
しおりを挟む
「お兄さん、ありがと~」
「ありがとうございました」
アルフレドの馬車と一緒にシーラインの街に入る。そこでお客さんを降ろしていくと子供も大人もお礼を言ってきた。俺も答えて手を振ると嬉しそうにみんなそれぞれ離れていった。ふれあいパークもどきの効果はかなりの物のようだな。
「タツミさんありがとうございます。お客さんも喜んでいましたよ」
「いえいえ、馬車に乗せてもらったお礼ですよ」
アルフレドが深くお辞儀をしてお礼を言ってきた。アルフレドの肩に手を乗せて顔をあげてもらって握手を求めた。これで二回目の出会いだからな。こういう縁ってまたありそうだ。大事にしていこう。
「じゃあ、馬車をしまってきますね。あっそういえばタツミさんはどの宿に泊まる予定なんですか?」
「始めてくるからわからないんだけど、何処か良い所知ってる?」
「それなら、[シーラインの米どころ]っていう所がいいと思いますよ。僕もそこに泊まろうと思ってるんです」
「米どころ!!」
アルフレドのおすすめの宿屋の名前を聞いて俺は目を見開いた。これ以上開かないほどに目を見開きアルフレドに肉薄する。肉やらパンやらシチューやらと今まで食べてきたが米は見ていなかった。米だぞ米~、港町というだけあってそう言った食べ物も入っているのか。
すっごい肉薄するもんだから、アルフレドが青ざめて「はい・・」って言っている。何だか悪いことしたけど、米なんて聞いたら黙ってはいられん。絶対に手に入れて俺は異世界米ライフを送るのだ。
「じゃ、じゃあ。馬車をしまってきますね。[シーラインの米どころ]は海の方に行けばわかると思います」
アルフレドは「じゃあまた~」と言って馬車に乗り込んで進んでいった。
「米だぞ米・・」
「コメ~?」
「そうだぞルキア」
アルフレドとのやり取りを見ていたルキアも米の名前に反応して首を傾げていた。サンとトラも同様で首を傾げている。この子達にも米の素晴らしさを教えてあげたい。この街での目的は大きく変わってしまったな。孤児院よりも米だ。行くぞ。
という事で海の方へと歩いて行くと大きな市場が三本の道を作っていた。テントのような物で作られたお店がずらっと道の横に並んでいる。よく見ると道ではなくて店があることで道になっているようだ。大きな広場を利用しているのが伺える。
「お~これはドリアンかな?」
市場の店を見ると見たことのある果物が色とりどりあった。リンゴは見たことあるがバナナは初めてだな。緑色のバナナだから堅そうだけど。ドリアンは食べたことないから食べてみたいな、買っておくか。
「すいませんこれをください」
「あいよ。銅貨三枚ね」
「三枚か、高いな。二枚にならない?」
「それじゃ利益にならないだろ。じゃあこうしよう、二個買ってくれれば五枚にするよ」
意図せずに値切りがスタートしてしまった。銅貨よりも下の通貨がないからまとめ売りで安くするといった感じなのか、なかなか面白い。
「じゃあ、10個買うから銅貨八枚にならないか?」
「兄さん計算早いね・・えっと~あ~めんどくさいいいよそれで」
「交渉成立だな」
銅貨を八枚渡してドリアンを受け取る。トラの背に荷物袋を設置しているのでアイテムバッグを取り出す必要はない。こういう所は抜かりなし。ポーターの服に着替えて街に入ってもいいんだけど、あんまりポーターっていい印象受けていないのをポロロちゃんに聞いていたのでやめておいた。無駄な争いはしない主義なのだ。常備の服は剣士にすることにしている。
「あんまり匂いしないな」
ドリアンは臭いという芸人達が言っていたがそれほどしない。切ってからが本領発揮なのかな?
「兄さん、街中では切らないようにね。あとアイテムバッグとかに入れておいた方がいいよ。熟すと勝手に開いちゃうから」
ほ~ドリアンってそんなもんなのか。じゃあ人目のない所にいってアイテムバッグに入れちゃうかな。野営とかの時に楽しんでみよう。
「ありがと・・。米探してるんだけどどこにあるか知ってる?」
「ドリアンの次は米かい?あんた結構詳しいんだな。米はもっと海よりの店で売ってるよ。安いから魔物の飯にはもってこいなんだよな」
「ああ・・・」
ドリアンを売っていた店の青年がそんなことを言っている。米って魔物の餌なの?軽いショックなんだけど~。
「まあいい、米があることが分かったのだから」
俺は言われた通り、海の方へと歩いて行く。米米こ~め~。
「ありがとうございました」
アルフレドの馬車と一緒にシーラインの街に入る。そこでお客さんを降ろしていくと子供も大人もお礼を言ってきた。俺も答えて手を振ると嬉しそうにみんなそれぞれ離れていった。ふれあいパークもどきの効果はかなりの物のようだな。
「タツミさんありがとうございます。お客さんも喜んでいましたよ」
「いえいえ、馬車に乗せてもらったお礼ですよ」
アルフレドが深くお辞儀をしてお礼を言ってきた。アルフレドの肩に手を乗せて顔をあげてもらって握手を求めた。これで二回目の出会いだからな。こういう縁ってまたありそうだ。大事にしていこう。
「じゃあ、馬車をしまってきますね。あっそういえばタツミさんはどの宿に泊まる予定なんですか?」
「始めてくるからわからないんだけど、何処か良い所知ってる?」
「それなら、[シーラインの米どころ]っていう所がいいと思いますよ。僕もそこに泊まろうと思ってるんです」
「米どころ!!」
アルフレドのおすすめの宿屋の名前を聞いて俺は目を見開いた。これ以上開かないほどに目を見開きアルフレドに肉薄する。肉やらパンやらシチューやらと今まで食べてきたが米は見ていなかった。米だぞ米~、港町というだけあってそう言った食べ物も入っているのか。
すっごい肉薄するもんだから、アルフレドが青ざめて「はい・・」って言っている。何だか悪いことしたけど、米なんて聞いたら黙ってはいられん。絶対に手に入れて俺は異世界米ライフを送るのだ。
「じゃ、じゃあ。馬車をしまってきますね。[シーラインの米どころ]は海の方に行けばわかると思います」
アルフレドは「じゃあまた~」と言って馬車に乗り込んで進んでいった。
「米だぞ米・・」
「コメ~?」
「そうだぞルキア」
アルフレドとのやり取りを見ていたルキアも米の名前に反応して首を傾げていた。サンとトラも同様で首を傾げている。この子達にも米の素晴らしさを教えてあげたい。この街での目的は大きく変わってしまったな。孤児院よりも米だ。行くぞ。
という事で海の方へと歩いて行くと大きな市場が三本の道を作っていた。テントのような物で作られたお店がずらっと道の横に並んでいる。よく見ると道ではなくて店があることで道になっているようだ。大きな広場を利用しているのが伺える。
「お~これはドリアンかな?」
市場の店を見ると見たことのある果物が色とりどりあった。リンゴは見たことあるがバナナは初めてだな。緑色のバナナだから堅そうだけど。ドリアンは食べたことないから食べてみたいな、買っておくか。
「すいませんこれをください」
「あいよ。銅貨三枚ね」
「三枚か、高いな。二枚にならない?」
「それじゃ利益にならないだろ。じゃあこうしよう、二個買ってくれれば五枚にするよ」
意図せずに値切りがスタートしてしまった。銅貨よりも下の通貨がないからまとめ売りで安くするといった感じなのか、なかなか面白い。
「じゃあ、10個買うから銅貨八枚にならないか?」
「兄さん計算早いね・・えっと~あ~めんどくさいいいよそれで」
「交渉成立だな」
銅貨を八枚渡してドリアンを受け取る。トラの背に荷物袋を設置しているのでアイテムバッグを取り出す必要はない。こういう所は抜かりなし。ポーターの服に着替えて街に入ってもいいんだけど、あんまりポーターっていい印象受けていないのをポロロちゃんに聞いていたのでやめておいた。無駄な争いはしない主義なのだ。常備の服は剣士にすることにしている。
「あんまり匂いしないな」
ドリアンは臭いという芸人達が言っていたがそれほどしない。切ってからが本領発揮なのかな?
「兄さん、街中では切らないようにね。あとアイテムバッグとかに入れておいた方がいいよ。熟すと勝手に開いちゃうから」
ほ~ドリアンってそんなもんなのか。じゃあ人目のない所にいってアイテムバッグに入れちゃうかな。野営とかの時に楽しんでみよう。
「ありがと・・。米探してるんだけどどこにあるか知ってる?」
「ドリアンの次は米かい?あんた結構詳しいんだな。米はもっと海よりの店で売ってるよ。安いから魔物の飯にはもってこいなんだよな」
「ああ・・・」
ドリアンを売っていた店の青年がそんなことを言っている。米って魔物の餌なの?軽いショックなんだけど~。
「まあいい、米があることが分かったのだから」
俺は言われた通り、海の方へと歩いて行く。米米こ~め~。
18
お気に入りに追加
866
あなたにおすすめの小説

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
スキル【僕だけの農場】はチートでした~辺境領地を世界で一番住みやすい国にします~
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
旧題:スキル【僕だけの農場】はチートでした なのでお父様の領地を改造していきます!!
僕は異世界転生してしまう
大好きな農場ゲームで、やっと大好きな女の子と結婚まで行ったら過労で死んでしまった
仕事とゲームで過労になってしまったようだ
とても可哀そうだと神様が僕だけの農場というスキル、チートを授けてくれた
転生先は貴族と恵まれていると思ったら砂漠と海の領地で作物も育たないダメな領地だった
住民はとてもいい人達で両親もいい人、僕はこの領地をチートの力で一番にしてみせる
◇
HOTランキング一位獲得!
皆さま本当にありがとうございます!
無事に書籍化となり絶賛発売中です
よかったら手に取っていただけると嬉しいです
これからも日々勉強していきたいと思います
◇
僕だけの農場二巻発売ということで少しだけウィンたちが前へと進むこととなりました
毎日投稿とはいきませんが少しずつ進んでいきます

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています

没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。

レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる