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第二章 海へ
第十三話 精霊の扱いは慎重に
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洞窟の中にいるというのに月明かりが見える、ノームの魔法によって大きな縦穴ができてしまった。縦穴といってもまっすぐなものではなくてクレーターのような穴だ。丁度満月だったみたいで下から見るとド真ん中に満月が鎮座している。
《あ~面白かった。じゃ、マスター、僕は帰るね。また呼んでね》
ノームはそう言うと地面に溶けるように消えていった。この風景を作ってしまった人物とは思えないほど軽かったな。
「俺達はすぐにワッツの元に帰ろう。心配しているだろうしな」
九死に一生を得て俺達は洞窟から出ることができた。改めて、精霊の強さがわかったな。
「おお~無事だったか~。凄い音がしたから心配したぞ」
洞窟の出口でワッツが迎えてくれた。やっぱり大きな音がしたみたいだけど、外からじゃそんなにわからないみたいだな。洞窟も広かったから少し遠い所にあの穴ができているはずだ。埋めることもできないから放置だな。俺がやったなんてわからないから大丈夫だろう。
「それで何とか逃げれたのか?」
ワッツは俺達が逃げてきたと思っているようだ。逃げたことにした方がいいか?だけど、今は仲間であるワッツに嘘は不要か。
「普通に倒したよ」
「え?今何と言った?」
「いや、倒したって」
「・・・」
ワッツに倒したと言うとワッツの時間が止まった。持っていた斧を落としてしばらくすると時間が戻ったみたいで口を開いた。
「倒したといったのか?どうやって?」
「えっと~それは秘密で」
ワッツの表情を見て、やっぱり俺は秘密にすることにした。精霊を使ってなんて言ったら流石にやばそうだ。
「ドワーフの街をいくつも滅ぼした魔物だぞ。ドワーフがどれだけ恐怖したか・・・それを従魔がいるとはいえ一人でなんて信じられん」
ワッツは驚きを通り越してしまって頭を抱えてしゃがみ込んでしまった。
「ワッツ、倒したんだからそれでいいじゃないか。それよりも早く寝よう。流石に疲れたよ」
「おお、すまん。疲れているだろうと思ってテントは儂のを立てておいた。ゆっくりしてくれ、見張りは儂がやるからルキア達も寝なさい」
ワッツはそういってテントを指さした。俺のも建てようと思ったけどワッツの心遣いに甘えることにしてそのままテントで寝ることにした。あ~色々疲れたよ。
「タツミ、起きろ。朝だぞ」
「うんん。もう朝か」
テントの外からワッツの声で聞こえてきて俺は目を覚ます。ルキア達と一緒に無理ありテントに入った感じだからサンとトラが起きないと出られない。この光景も野営をし始めてからの日常風景だから、慣れてきたな。
「ワッツありがとう」
「いやいや、礼は儂が言うところだ。多くのドワーフの仇を取ってくれてありがとう」
ワッツは深々とお辞儀をしてお礼を言ってきた。仇をとったつもりではないんだけど、そんなに畏まれると何だか恥ずかしいな。
「頭をあげてくれよ。今は仲間なんだからお礼もなしで」
「ああ、すまない。鉱石もいっぱい取れたから儂はドワーフの国に帰るつもりなんだがタツミ達はどうする?」
「実は用事があるんだよ。だから、港町に行く予定だ」
「そうか、ではここでお別れだな。急な依頼をやってくれてありがとう」
ワッツとはここでお別れのようだ。しみじみとするのも何なので俺達は笑顔で別れた。ワッツは見えなくなるまで俺達に手を振っていた。何だか涙目になっていたんだがそんなに俺達と別れるのが悲しかったのか?それだけ親しまれていたって事だよな。何だか俺も涙がこみ上げる。
「お父さんどこか痛いの?」
「ん?ああ、違うんだよ。別れっていうのは悲しいものなんだ、だから、悲しくて泣きそうになっているんだよ」
「お父さんが泣くと私も悲しくなる」
「ガウガウ」
「キャルルルル」
俺が涙目で答えるとルキア達も泣き出してしまった。俺よりの先に泣いてくれるこの子達の為に俺はもっと強くならなくちゃな。精霊ばかりに頼ってばかりもいられない。まあ、最終的には頼らせていただきます。こんどは派手な魔法を欲しがりません、そこんところよろしく。
いつも通り、俺はトラの背に乗って、ルキアはサンの背に乗って森の街道を行く。ルキアの今日の着ぐるみはダークネスアラクネだ。抜かりなくダークネスアラクネの着ぐるみはゲットしていたのだよ。褒めてくれて構わんぞ。
蜘蛛の胴体が尻尾のように垂れているので何とも言えない可愛さがルキアの可愛さをアップさせている。本当に俺は親ばかだなと思うが可愛いは正義だから仕方がないっと。
しばらく森の街道を歩いていると泥に足を取られた馬車が止まっていた。馬は必死な声を上げて馬車を引っ張っているが一向に進まない。手助けをするか。
「手伝いますね」
「ああ、すみません・・・ってタツミさんじゃないですか」
「ああっと確かアルフレド?」
「そうですよ。奇遇ですね。この道を通っているという事はシーラインですか?」
「ああ、そうなんだよ。押すぞ」
「すいません」
奇遇にも、馬車はアルフレドの馬車だった。中には複数のお客さんがいて従魔に驚いている。
「ルキア達はいい魔物だよ~」
ルキアはニカっと馬車のお客さん達に笑って見せた。大人も子供もホッとしたように胸をなで下ろした。ルキア、マジで天使だな。
「よし、これで大丈夫だろう」
「ありがとうございます。どうですか?一緒に」
「ああ、同行させてもらうよ」
俺は遠慮なく馬車に乗せてもらった。中には8人ほどの人が入っていて、子供が3人、大人が5人といった感じだ。
《あ~面白かった。じゃ、マスター、僕は帰るね。また呼んでね》
ノームはそう言うと地面に溶けるように消えていった。この風景を作ってしまった人物とは思えないほど軽かったな。
「俺達はすぐにワッツの元に帰ろう。心配しているだろうしな」
九死に一生を得て俺達は洞窟から出ることができた。改めて、精霊の強さがわかったな。
「おお~無事だったか~。凄い音がしたから心配したぞ」
洞窟の出口でワッツが迎えてくれた。やっぱり大きな音がしたみたいだけど、外からじゃそんなにわからないみたいだな。洞窟も広かったから少し遠い所にあの穴ができているはずだ。埋めることもできないから放置だな。俺がやったなんてわからないから大丈夫だろう。
「それで何とか逃げれたのか?」
ワッツは俺達が逃げてきたと思っているようだ。逃げたことにした方がいいか?だけど、今は仲間であるワッツに嘘は不要か。
「普通に倒したよ」
「え?今何と言った?」
「いや、倒したって」
「・・・」
ワッツに倒したと言うとワッツの時間が止まった。持っていた斧を落としてしばらくすると時間が戻ったみたいで口を開いた。
「倒したといったのか?どうやって?」
「えっと~それは秘密で」
ワッツの表情を見て、やっぱり俺は秘密にすることにした。精霊を使ってなんて言ったら流石にやばそうだ。
「ドワーフの街をいくつも滅ぼした魔物だぞ。ドワーフがどれだけ恐怖したか・・・それを従魔がいるとはいえ一人でなんて信じられん」
ワッツは驚きを通り越してしまって頭を抱えてしゃがみ込んでしまった。
「ワッツ、倒したんだからそれでいいじゃないか。それよりも早く寝よう。流石に疲れたよ」
「おお、すまん。疲れているだろうと思ってテントは儂のを立てておいた。ゆっくりしてくれ、見張りは儂がやるからルキア達も寝なさい」
ワッツはそういってテントを指さした。俺のも建てようと思ったけどワッツの心遣いに甘えることにしてそのままテントで寝ることにした。あ~色々疲れたよ。
「タツミ、起きろ。朝だぞ」
「うんん。もう朝か」
テントの外からワッツの声で聞こえてきて俺は目を覚ます。ルキア達と一緒に無理ありテントに入った感じだからサンとトラが起きないと出られない。この光景も野営をし始めてからの日常風景だから、慣れてきたな。
「ワッツありがとう」
「いやいや、礼は儂が言うところだ。多くのドワーフの仇を取ってくれてありがとう」
ワッツは深々とお辞儀をしてお礼を言ってきた。仇をとったつもりではないんだけど、そんなに畏まれると何だか恥ずかしいな。
「頭をあげてくれよ。今は仲間なんだからお礼もなしで」
「ああ、すまない。鉱石もいっぱい取れたから儂はドワーフの国に帰るつもりなんだがタツミ達はどうする?」
「実は用事があるんだよ。だから、港町に行く予定だ」
「そうか、ではここでお別れだな。急な依頼をやってくれてありがとう」
ワッツとはここでお別れのようだ。しみじみとするのも何なので俺達は笑顔で別れた。ワッツは見えなくなるまで俺達に手を振っていた。何だか涙目になっていたんだがそんなに俺達と別れるのが悲しかったのか?それだけ親しまれていたって事だよな。何だか俺も涙がこみ上げる。
「お父さんどこか痛いの?」
「ん?ああ、違うんだよ。別れっていうのは悲しいものなんだ、だから、悲しくて泣きそうになっているんだよ」
「お父さんが泣くと私も悲しくなる」
「ガウガウ」
「キャルルルル」
俺が涙目で答えるとルキア達も泣き出してしまった。俺よりの先に泣いてくれるこの子達の為に俺はもっと強くならなくちゃな。精霊ばかりに頼ってばかりもいられない。まあ、最終的には頼らせていただきます。こんどは派手な魔法を欲しがりません、そこんところよろしく。
いつも通り、俺はトラの背に乗って、ルキアはサンの背に乗って森の街道を行く。ルキアの今日の着ぐるみはダークネスアラクネだ。抜かりなくダークネスアラクネの着ぐるみはゲットしていたのだよ。褒めてくれて構わんぞ。
蜘蛛の胴体が尻尾のように垂れているので何とも言えない可愛さがルキアの可愛さをアップさせている。本当に俺は親ばかだなと思うが可愛いは正義だから仕方がないっと。
しばらく森の街道を歩いていると泥に足を取られた馬車が止まっていた。馬は必死な声を上げて馬車を引っ張っているが一向に進まない。手助けをするか。
「手伝いますね」
「ああ、すみません・・・ってタツミさんじゃないですか」
「ああっと確かアルフレド?」
「そうですよ。奇遇ですね。この道を通っているという事はシーラインですか?」
「ああ、そうなんだよ。押すぞ」
「すいません」
奇遇にも、馬車はアルフレドの馬車だった。中には複数のお客さんがいて従魔に驚いている。
「ルキア達はいい魔物だよ~」
ルキアはニカっと馬車のお客さん達に笑って見せた。大人も子供もホッとしたように胸をなで下ろした。ルキア、マジで天使だな。
「よし、これで大丈夫だろう」
「ありがとうございます。どうですか?一緒に」
「ああ、同行させてもらうよ」
俺は遠慮なく馬車に乗せてもらった。中には8人ほどの人が入っていて、子供が3人、大人が5人といった感じだ。
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