転生してしまったので服チートを駆使してこの世界で得た家族と一緒に旅をしようと思います

カムイイムカ(神威異夢華)

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第一章 異世界

第二十三話 変な洞窟

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「この洞窟、なんでこんなに回復系のアイテムがいっぱいあるんだろう?」

 ポロロちゃんがキノコやヒール草なんかをすべてアイテムバッグに詰め込んでいる。確かにこの洞窟は妙だ。回復アイテムがいっぱいあるなんて・・・そういえばこういう状況ってどこかで見たことあるんだが。

「こんなにお金になるものが手に入るなんて、俺達ついてるよな」

「そうだね。これで借金も一気に返済だね」

 最初は罠があると思って全部を拾わなかったがポロロちゃんが来たことで試しに拾ってみた。何事もなく拾えたので遠慮なく拾うことにした。これだけで金貨3枚ほどになるとオッズ達は喜んでいる。

「・・・」

「どうしたんですかタツミさん?」

「いや~流石におかしいと思ってね。ゴブリン達は武器を持てない状態で棒立ちさせられてた。それも4セットだぞ。それで最後のゴブリンを解体していると落とし穴が作動した。それでこの洞窟だ。普通に考えておかしい」

 これまでの経緯を考えるとおかしすぎる。これは巧妙な罠なんじゃないのか?

「タツミさん、考えすぎだよ。たぶん、前来た冒険者達の拠点だったんだよ。魔物に負けて帰っちゃったからそのままとか」

「う~ん。そうだろうか?」

 アイサは俺と違って、楽観的に考えているようだ。

「俺もタツミさんと一緒で楽観視はできないな。このまま奥に行くのはやめたほうがいいかもしれない。アイテムを拾ったら一度村に帰ろう」 

「え~。もっといいアイテムがあるかもよ~」

 オッズは俺に賛同してくれた。ここにあるアイテムを拾ったらすぐに帰還しようと提案してきた。流石、オッズだな。それが賢明だよ。

「じゃあ、帰ろう」

「チェ~、きっと金銀財宝があるのにな~・・・って落とし穴ってここだったよね?」

「・・・」

 俺達が落ちた辺りに戻ると穴が塞がっていた。一応、印として木の棒を立てて置いておいたし、ポロロちゃんが降りてくる為に垂らしたロープもあるんだ。確かにここに落ちてきたはず。

「自力じゃ上がれないな・・・」

「私の魔法は火だから、こんな空間じゃあぶないし・・」

 天井の高さは5メートルはある。とてもじゃないが上がれないな。火の魔法も危険だ。

「やっぱり、罠だったって事か。でも誰が?」

 オッズは顎に手を当てて考え込んだ。こんな手の込んだことができるのは人? でも、人の目撃情報はなかった。冒険者達も一人の犠牲者もなく、帰っていったはず。誰もいないはずの森で何が起こってるんだ?

「仕方ない、奥に進むか」

「何だか怖いねルキアちゃん」

「よしよし」

 オッズはヤレヤレといった様子で奥に歩き出した。アイサも先ほどは奥に行きたがっていたが今は怖気づいてしまっていて、ルキアを抱きしめて紛らわせている。
 ルキアは後ろから抱き着いているアイサの頭を撫でてあげて声をかけてあげている。優しくて可愛いって天使ですか?

 オッズを先頭に奥に進んでいく、じめじめした洞窟を進んでいくと外の乾いた風を感じた。俺達は共に見合って笑顔になると自然と走り出していた。

「外だ~」

「あ~よかった~。何事もなくて~」

 ハァハァと息を切らせて外へ出た。オッズとアイサが喜んで声を上げていたのでそちらを見ると洞窟の不自然さの理由が分かった。

「三眼熊!」

「それだけじゃないよ。大きなトライホーンも」

 洞窟を出るとそこは大きく円に拓けた闘技場のような空間だった。壁のようにせりあがった大地に囲まれている。自然の要塞ともいえるだろうか。そこに4メートル級の熊が四つん這いでこちらをみて、トライホーンという鹿が静かにこちらに顔を向けた。

「違和感はこれか・・」

 俺が洞窟で感じていた違和感はこれだ。ゲームで言うところのボス戦前、過剰な回復アイテムとセーブポイント、ご丁寧に武器までくれる。ゲームの世界ではないからセーブポイントなんて言うのはないが違和感の正体はこれだったんだな。
 強敵二匹との同時戦闘だ。これはやばいんじゃないのか?

「オッズ、経験で今の状況はどのくらいヤバイ?」

「・・・良くて一人逃げれて、悪くて全滅ってところ・・かな」

 おいおい、こりゃ本格的にやばいな。まだ若いオッズだが、無理をしてお金を稼いでいた経験がある。それがこんな言葉が出てしまうのだからよっぽどだろう。

「たたかう!」

「ああ、やるっきゃねえ!」

 ルキアの言葉に感化されたオッズが気合を入れて顔を両手で叩いた。俺達は武器を構えた。

「皆さん頑張って・・・私は回復アイテムで援護します」

 ポロロちゃんが涙目で洞窟の入り口で顔を覗かせている。彼女に戦闘を求めるのはお門違いだ。俺達は必ず勝つ。そうしないと彼女は何の抵抗もなく、熊の腹の中に納まるだろう。
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