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第二章 不思議な洞窟
第45話 神界
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「シャドウさん!」
「ん、シン? どうした?」
ヴィラさんから話を聞いた次の日。マールちゃんと共にシャドウさんの研究所にやってきた。
「お母さんがステイタム獣国にいるみたいなんだ!」
「それは本当か!?」
「はい!」
「そうか……ということは通路を通るということか」
あっ、そう言えば。レッドと融合した僕は特異点になるからティアラ様に何かされるかもしれないんだっけ。だけど、船じゃ一週間かかる道のりだからな。
「覚悟を決めるか」
「大丈夫ですよ。シャドウさん、シン様! ティアラ様は何もしてきません」
「それならいいのだが。自分で女神などとのたまうものをそのまま信じるのもな」
渋々といった様子のシャドウさんにマールちゃんが声をかける。シャドウさんはまだティアラさんを信じていないみたいだな。正直、僕も半々と言った感じだ。神が身近にいなかった前世の記憶がそうさせるな。
「まったく……」
「早速のお出ましか」
通路に入ると早速声が聞こえてきて壁にティアラさんが映し出される。彼女は怪訝な表情でシャドウさんを見つめる。
「私がなぜあなた達に何かするという発想が生まれるの!」
「……見ていたなら説明は不要だろう。信用していないからだ」
「私は光の女神なのよ! 闇の精霊の情報だってあっていたでしょ?」
いがみ合う二人。情報はあっていたけど、それだけじゃ信用できないのもわかる。
「情報があっていてもやらされているのは私達だ。お前は何もやっていないだろ。そういうのが信用ならない。お前のいいようにうごいているだけだからな」
「そ、それじゃ一生信用できないってことじゃない!」
「干渉できないのであれば確かにそうだな」
シャドウさんの言葉に涙目になるティアラさん。僕らが一方的に奉仕していたら確かに信用できないな。
「では聞くがシンの母上の場所は分かるか?」
「シン君のお母様? わかったわ。信用してもらえるように頑張ってみる……」
シャドウさんの声に目を瞑るティアラさん。しばらくすると目を開けて光で地図を作り出す。
「お母様の場所はわからなかった」
「フンッ。本当に役立たずだな」
「酷いいいようね。お母様は分からなかったけど、妹さんの場所が分かったの」
「妹!?」
ティアラさんの声に悪態をつくシャドウさん。彼女はすぐに付け加えると驚きの事実が。
僕の妹?
「彼女もまたレアリティレッドの力を持っているわ。人の心を読めるスキル【心眼】。シン君が死んでしまったと思っているライナさんの心を毎日読んで、苦しんでる」
「す、すぐに行かないと! 場所は?」
ティアラさんの現状報告を聞いて僕は声をあげた。僕が死んだと思ってるなんて、早く知らせてあげないと。
「ステイタム獣国の東端。獣王都ラスト。その中の赤い塔の中に住んでいるわ」
「獣王都ラスト……。帝国人なのに獣王都に住んでるのか」
「あなたのお母様はとても優秀だったみたい」
ティアラさんの話を聞いて嬉しいやら悲しいやら。それだけ偉くなると会いに行くのもやっとだよな。
「獣王都には貴族しか入ることが出来ないって聞いたことがあります」
「ふむ、あとは奴隷だな。貴族と奴隷しか入ることができない」
マールちゃんの言葉に付け加えるシャドウさん。一般人はいないってことか。入るのも苦労しそうだ。
「ケビンの協力を得るか。妻に会いに行くのだから」
「あ~!」
シャドウさんの提案に思わず声がもれた。そうだ、帝国軍人のお父さんなら入れるかも。
「早速行きましょう」
早速、魔族領への扉へ歩き出す。
「ちょっと待ってください。心配していたシン君の話をしていませんよ」
「あっ!?」
そういえば、レッドと融合しちゃった僕はどうなっちゃうんだ?
「結果からいいます。あなた達は特異点にはなりません」
ほっ、よかった。
「ん? あなた達ということは?」
「そうです。レアリティレッドの者達は特異点にはならない。それはなぜか」
シャドウさんが首を傾げて質問する。ティアラさんは自分を指さして話しだす。
「神だからです。正確に言うとレアリティレッドの者は神の卵なのです」
「前にも言っていた神界に通じるというやつか」
「ええ」
ティアラさんの説明を聞いてシャドウさんが声をあげる。彼女はなぜかその声に悲しそうに頷く。
「なぜ悲しんでいる? 仲間が増えるのだから嬉しいものじゃないのか?」
「嬉しいですよ。ですが神が増えるということは悲しみも増えるのです。神の領域へと達したものは神界に送られてしまうのですから」
シャドウさんも疑問に思ったみたいで質問する。ティアラさんの答えを聞いてシャドウさんと顔を見合う。
「つ、強くなったらこの世界にいられないってことですか?」
「そうです。神の領域に達したものは世界に干渉してはいけない。我々の創造主がそう世界を作ってしまったの」
「……神の創造主」
僕の驚きの声に答えてくれるティアラさん。その答えを聞いて僕たちは唖然とする。女神、神であるティアラさん達の上が存在する。驚きの事実だ。
「もういい。これ以上話を聞いている暇はない」
「……帝国を止めてください。闇の精霊だけでは留まらない。これ以上の魔物との融合は危険です」
「……」
シャドウさんが魔族領への扉を開く。ティアラさんの悲痛な声を彼は無言でやり過ごす。僕らも無言で魔族領へと入って行く。
「ん、シン? どうした?」
ヴィラさんから話を聞いた次の日。マールちゃんと共にシャドウさんの研究所にやってきた。
「お母さんがステイタム獣国にいるみたいなんだ!」
「それは本当か!?」
「はい!」
「そうか……ということは通路を通るということか」
あっ、そう言えば。レッドと融合した僕は特異点になるからティアラ様に何かされるかもしれないんだっけ。だけど、船じゃ一週間かかる道のりだからな。
「覚悟を決めるか」
「大丈夫ですよ。シャドウさん、シン様! ティアラ様は何もしてきません」
「それならいいのだが。自分で女神などとのたまうものをそのまま信じるのもな」
渋々といった様子のシャドウさんにマールちゃんが声をかける。シャドウさんはまだティアラさんを信じていないみたいだな。正直、僕も半々と言った感じだ。神が身近にいなかった前世の記憶がそうさせるな。
「まったく……」
「早速のお出ましか」
通路に入ると早速声が聞こえてきて壁にティアラさんが映し出される。彼女は怪訝な表情でシャドウさんを見つめる。
「私がなぜあなた達に何かするという発想が生まれるの!」
「……見ていたなら説明は不要だろう。信用していないからだ」
「私は光の女神なのよ! 闇の精霊の情報だってあっていたでしょ?」
いがみ合う二人。情報はあっていたけど、それだけじゃ信用できないのもわかる。
「情報があっていてもやらされているのは私達だ。お前は何もやっていないだろ。そういうのが信用ならない。お前のいいようにうごいているだけだからな」
「そ、それじゃ一生信用できないってことじゃない!」
「干渉できないのであれば確かにそうだな」
シャドウさんの言葉に涙目になるティアラさん。僕らが一方的に奉仕していたら確かに信用できないな。
「では聞くがシンの母上の場所は分かるか?」
「シン君のお母様? わかったわ。信用してもらえるように頑張ってみる……」
シャドウさんの声に目を瞑るティアラさん。しばらくすると目を開けて光で地図を作り出す。
「お母様の場所はわからなかった」
「フンッ。本当に役立たずだな」
「酷いいいようね。お母様は分からなかったけど、妹さんの場所が分かったの」
「妹!?」
ティアラさんの声に悪態をつくシャドウさん。彼女はすぐに付け加えると驚きの事実が。
僕の妹?
「彼女もまたレアリティレッドの力を持っているわ。人の心を読めるスキル【心眼】。シン君が死んでしまったと思っているライナさんの心を毎日読んで、苦しんでる」
「す、すぐに行かないと! 場所は?」
ティアラさんの現状報告を聞いて僕は声をあげた。僕が死んだと思ってるなんて、早く知らせてあげないと。
「ステイタム獣国の東端。獣王都ラスト。その中の赤い塔の中に住んでいるわ」
「獣王都ラスト……。帝国人なのに獣王都に住んでるのか」
「あなたのお母様はとても優秀だったみたい」
ティアラさんの話を聞いて嬉しいやら悲しいやら。それだけ偉くなると会いに行くのもやっとだよな。
「獣王都には貴族しか入ることが出来ないって聞いたことがあります」
「ふむ、あとは奴隷だな。貴族と奴隷しか入ることができない」
マールちゃんの言葉に付け加えるシャドウさん。一般人はいないってことか。入るのも苦労しそうだ。
「ケビンの協力を得るか。妻に会いに行くのだから」
「あ~!」
シャドウさんの提案に思わず声がもれた。そうだ、帝国軍人のお父さんなら入れるかも。
「早速行きましょう」
早速、魔族領への扉へ歩き出す。
「ちょっと待ってください。心配していたシン君の話をしていませんよ」
「あっ!?」
そういえば、レッドと融合しちゃった僕はどうなっちゃうんだ?
「結果からいいます。あなた達は特異点にはなりません」
ほっ、よかった。
「ん? あなた達ということは?」
「そうです。レアリティレッドの者達は特異点にはならない。それはなぜか」
シャドウさんが首を傾げて質問する。ティアラさんは自分を指さして話しだす。
「神だからです。正確に言うとレアリティレッドの者は神の卵なのです」
「前にも言っていた神界に通じるというやつか」
「ええ」
ティアラさんの説明を聞いてシャドウさんが声をあげる。彼女はなぜかその声に悲しそうに頷く。
「なぜ悲しんでいる? 仲間が増えるのだから嬉しいものじゃないのか?」
「嬉しいですよ。ですが神が増えるということは悲しみも増えるのです。神の領域へと達したものは神界に送られてしまうのですから」
シャドウさんも疑問に思ったみたいで質問する。ティアラさんの答えを聞いてシャドウさんと顔を見合う。
「つ、強くなったらこの世界にいられないってことですか?」
「そうです。神の領域に達したものは世界に干渉してはいけない。我々の創造主がそう世界を作ってしまったの」
「……神の創造主」
僕の驚きの声に答えてくれるティアラさん。その答えを聞いて僕たちは唖然とする。女神、神であるティアラさん達の上が存在する。驚きの事実だ。
「もういい。これ以上話を聞いている暇はない」
「……帝国を止めてください。闇の精霊だけでは留まらない。これ以上の魔物との融合は危険です」
「……」
シャドウさんが魔族領への扉を開く。ティアラさんの悲痛な声を彼は無言でやり過ごす。僕らも無言で魔族領へと入って行く。
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