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第二章 見知った大地
第61話 教育
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精霊の地にやってきて次の日。早速教育をうける。円卓の間を抜けた先にある教壇と大きな石板のある部屋。教室みたいな部屋だ、黒板の代わりに白い石板に文字を書くのかな?
「エルクおはよう」
「リッカさん。おはようございます」
僕が一番早く来ていたみたい。リッカさんがアイスさんと一緒に入ってきた。クロックさんは別の用があるって言って来なかったけど、精霊さんも一緒に来ることがあるんだな。
「リッカ、仲がいいんだね」
「うん。魔法のお師匠様みたいな感じ」
アイスさんの質問に答えるリッカさん。嬉しそうに報告するものだから、僕は照れ臭い。
「そうね。エルクは本当に才能がある。人類史上最高の逸材でしょうね」
アイスさんはそういって僕の頭を撫でてくれる。彼女の手はとても冷たい。
「じゃあ、歴史のお勉強を始めるね」
「え? アイスさんが教えてくれるんですか?」
どうやら、僕とリッカさんだけの授業になるみたいだ。教壇に立ったアイスさんが本を開いて説明し始める。
「まず、今から受けるこの教育というのは個別のもの。他の眷属候補は別のところで戦闘訓練をしている。精霊の地の説明とこれからについての時間だと思って」
なるほど、他の人も来てるのか。
アイスさんに頷いて答えると席についた。
「この精霊の地は星の外にある。そして、精霊に眷属候補として印をつけられて、力を示すと強制的に転移させられる。ここまでは知ってるね?」
アイスさんに頷いて答えた。
「精霊の地ではあなた達の世界でいうところの学校のようなことをしている。力あるものはその力に責任が生じる。常識を学ぶための施設だと思ってもらえればいい。もちろん、力を鍛える場でもある」
力のある人はない人よりも多くの常識が必要ってことかな。
「ん、そこはエルク大丈夫。私なんかよりも優しいし。魔物を生き返らせちゃうくらいだから」
「それは聞いてる。ダークが困ってたから。人には決して使わないようにね」
リッカさんが褒めてくれるとアイスさんが注意してくれる。人にはやっぱり使っちゃいけないのか。でもなんでなんだろう?
「あの、聞いてもいいですか?」
「人をなぜ生き返らせちゃいけないのか?」
「は、はい」
僕の考えていることを察したアイスさん。少し考えて話し出す。
「人は魔物とは大きく違います。魔物はマナと言われる魔力だけで作り上げられています。人は魂とマナの器で作られています。生き返らせる魔法【リザレクション】はマナを元に戻す力を持ってる。人の魂は生き返らないのです」
「え!? じゃあ」
人は生き返らないってこと? アイスさんの説明に首を傾げる。
「生き返るわ。でも、それは別の魂になってる」
悲しい表情になるアイスさん。それは僕も少し考えた話だ。
「マナが意思を作り出している魔物はそのまま生き返ることが出来ます。ですが、人は別の魂を入れられて生き返ります。人は死ぬとすぐに転生の為の輪廻に加わってしまいます。輪廻の輪で次の転生に入る予定の魂が入れられてしまうのです」
「そ、そんな……」
その人を生き返らせたと思ったら別の誰かを生き返すことになっちゃうってことか。
「これの質の悪いところは記憶は前の魂のものというところです。本人も気づかないでその人になりきってしまうのです」
「うげぇ。なんだそれ! 生き返す魔法って呪いみたいだな」
残酷な話をアイスさんから聞いてツリーが怪訝な表情で声をあげる。これを聞いたら使いたいとは思わないな。
「それって本人か確認出来ない?」
「精霊である私達ならわかる。魂が違うと少しだけマナの色も変わるから」
リッカさんの質問にアイスさんが答える。
そうか、魂が変わるってことは得意な属性が変わるってことか。それで体を作っているマナの色が変わるんだ。じゃあ、僕がマナを見えるようになれば。
「気づいたところでどうするの?」
「あ……」
アイスさんが悲しそうに呟く。その声で気づかされる。生き返らせたい人が別の人だと気づいてどうするんだ。自分の不甲斐なさに絶望するだけだ。
「人は死んでしまったらおしまい。そうならないようにしなさい」
アイスさんが僕の手を取って諭してくれる。大事な人は死ぬ前に救わないとダメってことだな。当たり前のことだけど、ジェラルみたいにやられちゃダメなんだよな。
「【リザレクション】の話はこれでおしまい。次は眷属についてね」
教壇の後ろにある石板に属性を書いていくアイスさん。それぞれの属性に人の名前を描いていく。
「私の眷属候補はリッカ。クロックはエルク」
リッカさんと僕の名前を先に書いていく。
「あとシャインの眷属がオルカ、ダークの眷属がウルカ。この二人は兄弟、弓の名手。後の眷属はアクアがゼックウ」
「ゼックウさんは知ってます。風魔法が得意なのに水の精霊の眷属なんですよね」
アイスさんの声に得意げに答える。候補はすくないってことかな?
「フレイムは候補も眷属もいない。ウィンドは眷属を持ったことがない。あとはアースの眷属候補のヴィル」
僕らと同じ眷属候補は一人だけか。あとは眷属になってるから先輩かな。
「眷属になるとその精霊の加護がもらえる。魔法の威力があがるのはもちろん、その属性の影響を受けなくなる」
「すげぇ!」
アイスさんの説明にツリーが目を輝かせる。
その属性の最強になれると思っていいかもしれないな。
「眷属になると自由に精霊の地の出入りが出来るようになる。だから頑張って眷属になって」
「は、はい……」
アイスさんの声にリッカさんが力なく答えた。自信がないのかな?
「エルクほどじゃないから自信がない……」
「大丈夫よリッカ。エルクと一緒に切磋琢磨すればすぐになれる」
自信なさげなリッカさんの頭を撫でて励ますアイスさん。眷属候補同士で切磋琢磨か。戦闘訓練もするんだもんな。僕も頑張らないと。早く帰りたいしね。
「常識はこのくらいでいい。つぎは戦闘訓練の中庭にいく」
アイスさんはそういって円卓の間への扉に入って行く。僕らも後に続いた。
------
どうもカムイイムカです
ここまでよんでいただきありがとうございます
ここで打ち切り完結といたします
少々癖のある作品になってしまいました、残念です
ではまた次の子でお会いしましょう
「エルクおはよう」
「リッカさん。おはようございます」
僕が一番早く来ていたみたい。リッカさんがアイスさんと一緒に入ってきた。クロックさんは別の用があるって言って来なかったけど、精霊さんも一緒に来ることがあるんだな。
「リッカ、仲がいいんだね」
「うん。魔法のお師匠様みたいな感じ」
アイスさんの質問に答えるリッカさん。嬉しそうに報告するものだから、僕は照れ臭い。
「そうね。エルクは本当に才能がある。人類史上最高の逸材でしょうね」
アイスさんはそういって僕の頭を撫でてくれる。彼女の手はとても冷たい。
「じゃあ、歴史のお勉強を始めるね」
「え? アイスさんが教えてくれるんですか?」
どうやら、僕とリッカさんだけの授業になるみたいだ。教壇に立ったアイスさんが本を開いて説明し始める。
「まず、今から受けるこの教育というのは個別のもの。他の眷属候補は別のところで戦闘訓練をしている。精霊の地の説明とこれからについての時間だと思って」
なるほど、他の人も来てるのか。
アイスさんに頷いて答えると席についた。
「この精霊の地は星の外にある。そして、精霊に眷属候補として印をつけられて、力を示すと強制的に転移させられる。ここまでは知ってるね?」
アイスさんに頷いて答えた。
「精霊の地ではあなた達の世界でいうところの学校のようなことをしている。力あるものはその力に責任が生じる。常識を学ぶための施設だと思ってもらえればいい。もちろん、力を鍛える場でもある」
力のある人はない人よりも多くの常識が必要ってことかな。
「ん、そこはエルク大丈夫。私なんかよりも優しいし。魔物を生き返らせちゃうくらいだから」
「それは聞いてる。ダークが困ってたから。人には決して使わないようにね」
リッカさんが褒めてくれるとアイスさんが注意してくれる。人にはやっぱり使っちゃいけないのか。でもなんでなんだろう?
「あの、聞いてもいいですか?」
「人をなぜ生き返らせちゃいけないのか?」
「は、はい」
僕の考えていることを察したアイスさん。少し考えて話し出す。
「人は魔物とは大きく違います。魔物はマナと言われる魔力だけで作り上げられています。人は魂とマナの器で作られています。生き返らせる魔法【リザレクション】はマナを元に戻す力を持ってる。人の魂は生き返らないのです」
「え!? じゃあ」
人は生き返らないってこと? アイスさんの説明に首を傾げる。
「生き返るわ。でも、それは別の魂になってる」
悲しい表情になるアイスさん。それは僕も少し考えた話だ。
「マナが意思を作り出している魔物はそのまま生き返ることが出来ます。ですが、人は別の魂を入れられて生き返ります。人は死ぬとすぐに転生の為の輪廻に加わってしまいます。輪廻の輪で次の転生に入る予定の魂が入れられてしまうのです」
「そ、そんな……」
その人を生き返らせたと思ったら別の誰かを生き返すことになっちゃうってことか。
「これの質の悪いところは記憶は前の魂のものというところです。本人も気づかないでその人になりきってしまうのです」
「うげぇ。なんだそれ! 生き返す魔法って呪いみたいだな」
残酷な話をアイスさんから聞いてツリーが怪訝な表情で声をあげる。これを聞いたら使いたいとは思わないな。
「それって本人か確認出来ない?」
「精霊である私達ならわかる。魂が違うと少しだけマナの色も変わるから」
リッカさんの質問にアイスさんが答える。
そうか、魂が変わるってことは得意な属性が変わるってことか。それで体を作っているマナの色が変わるんだ。じゃあ、僕がマナを見えるようになれば。
「気づいたところでどうするの?」
「あ……」
アイスさんが悲しそうに呟く。その声で気づかされる。生き返らせたい人が別の人だと気づいてどうするんだ。自分の不甲斐なさに絶望するだけだ。
「人は死んでしまったらおしまい。そうならないようにしなさい」
アイスさんが僕の手を取って諭してくれる。大事な人は死ぬ前に救わないとダメってことだな。当たり前のことだけど、ジェラルみたいにやられちゃダメなんだよな。
「【リザレクション】の話はこれでおしまい。次は眷属についてね」
教壇の後ろにある石板に属性を書いていくアイスさん。それぞれの属性に人の名前を描いていく。
「私の眷属候補はリッカ。クロックはエルク」
リッカさんと僕の名前を先に書いていく。
「あとシャインの眷属がオルカ、ダークの眷属がウルカ。この二人は兄弟、弓の名手。後の眷属はアクアがゼックウ」
「ゼックウさんは知ってます。風魔法が得意なのに水の精霊の眷属なんですよね」
アイスさんの声に得意げに答える。候補はすくないってことかな?
「フレイムは候補も眷属もいない。ウィンドは眷属を持ったことがない。あとはアースの眷属候補のヴィル」
僕らと同じ眷属候補は一人だけか。あとは眷属になってるから先輩かな。
「眷属になるとその精霊の加護がもらえる。魔法の威力があがるのはもちろん、その属性の影響を受けなくなる」
「すげぇ!」
アイスさんの説明にツリーが目を輝かせる。
その属性の最強になれると思っていいかもしれないな。
「眷属になると自由に精霊の地の出入りが出来るようになる。だから頑張って眷属になって」
「は、はい……」
アイスさんの声にリッカさんが力なく答えた。自信がないのかな?
「エルクほどじゃないから自信がない……」
「大丈夫よリッカ。エルクと一緒に切磋琢磨すればすぐになれる」
自信なさげなリッカさんの頭を撫でて励ますアイスさん。眷属候補同士で切磋琢磨か。戦闘訓練もするんだもんな。僕も頑張らないと。早く帰りたいしね。
「常識はこのくらいでいい。つぎは戦闘訓練の中庭にいく」
アイスさんはそういって円卓の間への扉に入って行く。僕らも後に続いた。
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どうもカムイイムカです
ここまでよんでいただきありがとうございます
ここで打ち切り完結といたします
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ではまた次の子でお会いしましょう
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