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第一章 新しい世界
第24話 冒険者ギルド
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「ここか~」
冒険者さん達を追いかけて町の中央までやってきた。両開きの扉に入って行く冒険者と一緒に入ると小説や漫画で見たことのある併設された酒場と受付が見える。思わず感嘆の声をあげてしまう。
「ん? おいおい、従魔は入れないぜ」
「あ、すみません」
感嘆の声で僕に気がついた冒険者さんがブレイドに気がついて声をあげる。従魔は入れないのか。
「ブレイドはちょっと外で待っててね。道を使う人がいるから端っこに寄るんだぞ」
「キャン」
ブレイドに声をかけて中に戻る。早速受付にむかおうかな。
「坊や、どういった用件で来たの?」
受付に座るとお姉さんが優しく聞いてくる。
「冒険者登録と村でとれた魔物を卸したいんですけど」
「登録と買取ね。ごめんね登録は年齢制限があるのよ。もう少ししてから」
「えっと、グランさんの紹介なんですけど」
「あら、グランの知り合いなのね。なら大丈夫ね」
グランさんの名前を出すとすぐに登録の手続きが始まる。水晶を取り出すお姉さんが僕の手を取る。
「水晶に手を置いて。あ、私の名前はエリ。これからよろしくね」
「あ、はい。僕はエルクと言います」
水晶に手を置きながら自己紹介。少しすると水晶が形を変えてカードに変わっていく。
「カードには冒険者のランクや年齢、名前が書かれるの。レベルやステータスは教会じゃないと分からないからね」
エリさんの説明で教会にも用があることを思い出す。夢にまで見たステータスだ。絶対に行かないとな。
「ランクの説明は必要かしら?」
「魔物のランクと一緒ですよね?」
「あら? 知っているのね。じゃあ説明はしなくてもいいわね」
お母さんの本で散々読んだからな~。
「登録はこれでおしまい。えっと後は買取だったわね。獲物は何かしら?」
「えっと、コボルトやゴブリン、あとは狼です」
「ゴブリンは買取は出来ないわね~。ウォーリアやチャンピオンとか、職業のあるゴブリンならいいんだけど」
ゴブリンは買い取ってくれないのか。それなら今度から戦利品だけでいいかな。顔に傷のあるゴブリンは職業持ってるかもな~。聞いてみよう。
「顔に傷のあるゴブリンとかもあるんですけど」
「顔に傷? それってもしかしてチャンピオン? と言うかどこに持っているの? カバン一つしか持っていないけど」
「あ、え~っと。獲物は持ってこれなかったので話だけきこうと思って~、ははは~」
「……?」
エリさんに追及されて誤魔化すと彼女は大きくため息をつく。。
「はぁ~。村の代表で来たんでしょ? ちゃんと売却しないとダメなんじゃない? 話せないようなことがあるなら別室で聞くわよ?」
「えっと……口外しないでほしいんですけど」
エリさんなら大丈夫だと思ってマジックバッグのことを小声で伝える。村の物と言えば少しは信用してくれるかも。
「なるほどね。確かにそれは口外しにくいわね。でも、ダンジョンで落ちることもあるって聞くから冒険者ギルドじゃ珍しくもないわよ。じゃあ、解体室で出してもらおうかしら。こっちに来てくれる?」
「あ、はい」
受付の奥の部屋へ案内される。薄暗い通路に入って下っていくと大きな部屋に案内された。マジックバッグはそんなに珍しい物じゃないのか。
「ここならどんな大きな魔物も出せるでしょ。と言っても話を聞く限りそんな大きな魔物はいないみたいだけどね」
「はい。じゃあ」
「え!? こ、こんなに!?」
マジックバッグから今まで狩った魔物を取り出す。数が凄いからエリさんがすっごい驚いている。
「す、ストップ! これ以上は無理よ」
「あ、はい」
部屋いっぱいに魔物を出すとストップがかかる。エリさんは唖然として周りを見回した。
「リビングアーマーにリベンジウルフ、ゴブリンはウォーリアが沢山……。これを村の人が?」
「あ、はい……」
村の人と言うか僕なんだけどね。まあ、嘘ではないよな。僕も村の人だからね。
「Eランクの魔物ばかりではあるけど、CランクやBランクの魔物もまじってる。あなたの村には強い人がいるのね。ソロで倒すにはAランク以上はないと無理なのに」
「ははは」
なるほど、僕はすでにAランクの冒険者に匹敵する強さを持っているわけか。教会に行くのが楽しみだ。
「査定には時間がかかるわ」
「え? すぐにお金が必要で。外にいる従魔の鞍とか買いたいんです」
「なら金貨を一枚と使いやすい銀貨を五枚程渡しておくわ。それ以上の査定額になるだろうから」
エリさんはすぐに金貨を手渡してくれた。
「じゃあ、明日にでも来てね」
「明日ですか……。えっともっと先でもいいですか?」
「あら? 先約があるの?」
「そ、そう言うわけじゃないんですけど」
今も抜け出してきてるような状況だからな~。来れるか分からないな。
「予定がつかないならいつでもいいわよ。明日以降なら一年以上だって大丈夫よ」
「そうですか、よかった」
「ふふ、じゃあ査定しておくわね」
「お願いします」
エリさんにお願いして部屋をあとにする。ギルドに戻ると酒場が大賑わいになってる。
「僕も大きくなったらあそこで騒げるのかな~」
大人たちが楽しそうにしているのを見るとついつい笑みがこぼれる。僕もとうとう冒険者になったんだよな~。
「さあ、次のお楽しみ教会へ行こう!」
次は異世界ものの醍醐味ステータスだ。僕はどれだけレベルが上がったんだろう。楽しみだな~。
冒険者さん達を追いかけて町の中央までやってきた。両開きの扉に入って行く冒険者と一緒に入ると小説や漫画で見たことのある併設された酒場と受付が見える。思わず感嘆の声をあげてしまう。
「ん? おいおい、従魔は入れないぜ」
「あ、すみません」
感嘆の声で僕に気がついた冒険者さんがブレイドに気がついて声をあげる。従魔は入れないのか。
「ブレイドはちょっと外で待っててね。道を使う人がいるから端っこに寄るんだぞ」
「キャン」
ブレイドに声をかけて中に戻る。早速受付にむかおうかな。
「坊や、どういった用件で来たの?」
受付に座るとお姉さんが優しく聞いてくる。
「冒険者登録と村でとれた魔物を卸したいんですけど」
「登録と買取ね。ごめんね登録は年齢制限があるのよ。もう少ししてから」
「えっと、グランさんの紹介なんですけど」
「あら、グランの知り合いなのね。なら大丈夫ね」
グランさんの名前を出すとすぐに登録の手続きが始まる。水晶を取り出すお姉さんが僕の手を取る。
「水晶に手を置いて。あ、私の名前はエリ。これからよろしくね」
「あ、はい。僕はエルクと言います」
水晶に手を置きながら自己紹介。少しすると水晶が形を変えてカードに変わっていく。
「カードには冒険者のランクや年齢、名前が書かれるの。レベルやステータスは教会じゃないと分からないからね」
エリさんの説明で教会にも用があることを思い出す。夢にまで見たステータスだ。絶対に行かないとな。
「ランクの説明は必要かしら?」
「魔物のランクと一緒ですよね?」
「あら? 知っているのね。じゃあ説明はしなくてもいいわね」
お母さんの本で散々読んだからな~。
「登録はこれでおしまい。えっと後は買取だったわね。獲物は何かしら?」
「えっと、コボルトやゴブリン、あとは狼です」
「ゴブリンは買取は出来ないわね~。ウォーリアやチャンピオンとか、職業のあるゴブリンならいいんだけど」
ゴブリンは買い取ってくれないのか。それなら今度から戦利品だけでいいかな。顔に傷のあるゴブリンは職業持ってるかもな~。聞いてみよう。
「顔に傷のあるゴブリンとかもあるんですけど」
「顔に傷? それってもしかしてチャンピオン? と言うかどこに持っているの? カバン一つしか持っていないけど」
「あ、え~っと。獲物は持ってこれなかったので話だけきこうと思って~、ははは~」
「……?」
エリさんに追及されて誤魔化すと彼女は大きくため息をつく。。
「はぁ~。村の代表で来たんでしょ? ちゃんと売却しないとダメなんじゃない? 話せないようなことがあるなら別室で聞くわよ?」
「えっと……口外しないでほしいんですけど」
エリさんなら大丈夫だと思ってマジックバッグのことを小声で伝える。村の物と言えば少しは信用してくれるかも。
「なるほどね。確かにそれは口外しにくいわね。でも、ダンジョンで落ちることもあるって聞くから冒険者ギルドじゃ珍しくもないわよ。じゃあ、解体室で出してもらおうかしら。こっちに来てくれる?」
「あ、はい」
受付の奥の部屋へ案内される。薄暗い通路に入って下っていくと大きな部屋に案内された。マジックバッグはそんなに珍しい物じゃないのか。
「ここならどんな大きな魔物も出せるでしょ。と言っても話を聞く限りそんな大きな魔物はいないみたいだけどね」
「はい。じゃあ」
「え!? こ、こんなに!?」
マジックバッグから今まで狩った魔物を取り出す。数が凄いからエリさんがすっごい驚いている。
「す、ストップ! これ以上は無理よ」
「あ、はい」
部屋いっぱいに魔物を出すとストップがかかる。エリさんは唖然として周りを見回した。
「リビングアーマーにリベンジウルフ、ゴブリンはウォーリアが沢山……。これを村の人が?」
「あ、はい……」
村の人と言うか僕なんだけどね。まあ、嘘ではないよな。僕も村の人だからね。
「Eランクの魔物ばかりではあるけど、CランクやBランクの魔物もまじってる。あなたの村には強い人がいるのね。ソロで倒すにはAランク以上はないと無理なのに」
「ははは」
なるほど、僕はすでにAランクの冒険者に匹敵する強さを持っているわけか。教会に行くのが楽しみだ。
「査定には時間がかかるわ」
「え? すぐにお金が必要で。外にいる従魔の鞍とか買いたいんです」
「なら金貨を一枚と使いやすい銀貨を五枚程渡しておくわ。それ以上の査定額になるだろうから」
エリさんはすぐに金貨を手渡してくれた。
「じゃあ、明日にでも来てね」
「明日ですか……。えっともっと先でもいいですか?」
「あら? 先約があるの?」
「そ、そう言うわけじゃないんですけど」
今も抜け出してきてるような状況だからな~。来れるか分からないな。
「予定がつかないならいつでもいいわよ。明日以降なら一年以上だって大丈夫よ」
「そうですか、よかった」
「ふふ、じゃあ査定しておくわね」
「お願いします」
エリさんにお願いして部屋をあとにする。ギルドに戻ると酒場が大賑わいになってる。
「僕も大きくなったらあそこで騒げるのかな~」
大人たちが楽しそうにしているのを見るとついつい笑みがこぼれる。僕もとうとう冒険者になったんだよな~。
「さあ、次のお楽しみ教会へ行こう!」
次は異世界ものの醍醐味ステータスだ。僕はどれだけレベルが上がったんだろう。楽しみだな~。
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