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第一章 新しい世界
第20話 ロトナ建設
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「ここに宿屋を作ってくれるかな?」
「分かりました!」
ネイアさんがやってきて次の日。
早速宿屋を建設してもらう。外観は木材風のミスリルの建物。木材は普通に森から取ってくれば手に入るからけど、折角ならロトナのダンジョンで手に入ったものを使いたい。魔物も襲ってくることもあるから出来るだけ丈夫にもしたいしね。
魔物か、折角だから町の周りの柵も城壁にしてしまおうか……。いや、流石にそれはお父さんに相談してからにしよう。
「おはようエルク君」
「あ、おはようございますネイアさん」
石塔のダンジョンへ向かうネイアさんが声をかけてくれる。彼女の仲間も一緒で子供の僕に会釈で挨拶してくれた。
「エルク君は朝早いんだね。僕達は今起きて来たのに」
「ははは、この村は田舎ですから。みんなで働かないといけないんですよ」
ネイアさんが感心して声をあげる。
「偉いな~。……あの人は家を作ってるのかな? すごいスピードだけど」
「はい。宿屋を作ってもらってます。ロトナは何でも作れるみたいなので」
「この村の人達は色々と規格外だね」
ネイアさんが呆れながらロトナの建設を見上げて話す。みるみる出来上がっていく宿屋、ロトナの力は偉大だな。
「さて、そろそろ行ってきます」
「行ってらっしゃい。気をつけてくださいね」
呆れながらロトナを見るネイアさんを見送る。みんな手を振ってダンジョンに向かって行く。いいな~……。
「僕もダンジョンに行きたいな~」
思わず呟いてしまう。ブレイドも最近は魔物が出なくなってきて退屈しているし。どうにかしてあげたいところだな~。
「マスター。出来ました」
ブレイドを遠巻きに見ていると宿屋が出来上がってロトナが声をあげた。
「ありがとうロトナ」
「マスターのためなら。中を案内いたしますか?」
「じゃあ、お願いしようかな」
「喜んで!」
ロトナはすぐに僕を抱き上げて宿屋に入る。入口から入るとすぐに受付がある。階段の横にある受付で帳簿に名前を書いて階段を上がった先に部屋があるみたいだな。
「一階は食堂になってます。受付で帳簿を済ませて二階にあがると部屋が10部屋ですね。一つ一つの部屋もご案内いたします」
「うん、ありがと。でも、下ろしていいよ」
「え? 下ろすのは嫌です」
「え……」
そろそろ下ろしてもらおうと思ったら断られてしまった。まあ、ロトナがいいならいいんだけど……誰かに見られたら恥ずかしいな~。
「まあ! 立派な宿屋!」
「お母さん!?」
お母さんが宿屋に入ってきて声をあげる。恥ずかしくて顔を隠すとお母さんは受付の奥へと入って行く。
「私が受付をすればいいのかしら?」
「え? えっと」
恥ずかしいと思っていたけど、思ってみれば3歳の僕は抱き上げられていても違和感がないんだった。
「一人では難しいでしょう。私もお手伝いいたしますお母様」
「ロトナちゃんは料理も出来るの?」
「はい。一通りの料理は」
二人が厨房に入って話を進めていく。身重なお母さんに働いてほしくないんだけどな。大丈夫なのかな?
「お母様は受付であまり動かないでください。妹様に何かあったら」
「大丈夫よロトナちゃん。少し動かないと子供にも悪いのよ。動かさないと体が硬くなっちゃうでしょ」
確かにそうかもしれないな。
「ダメなときはロカおばあちゃんたちに頼るから大丈夫」
「それならいいんだけど……」
お母さんはそういって受付に戻る。
「二階は泊る部屋かしら?」
「はい。三階もありましてそこは特等室となっています」
お母さんが階段を見上げて話すとロトナが答えた。特等室ってなんだろう? スイートルームってやつかな?
「普通の部屋を見ても仕方ないかしらね。その特等室を見たいわ」
「ではご案内します」
階段を上がって左右に部屋のある通路の二階にたどり着く。そのまま三階にあがるとすぐに豪華な作りの扉が。
「まあ、銀?」
「はい。金にしようか悩んだのですが金はいやらしく思いましたので銀に」
豪華な扉は銀の装飾がされている。お母さんが扉を触りながら話すとロトナが説明してくれる。
金じゃなくても十分いやらしいぞロトナ。
「では中へ」
「まあ!?」
ロトナが扉を開くと天幕のあるダブルベッドが見える。仕切りのない大きな部屋、その部屋にお母さんが声をあげた。
「私ここに住みたい!」
「お母様。それならば家を改装いたしましょう」
「できるの!?」
「はい。豪勢にアダマンタイトでおつくりいたしましょう。もちろん、外装は木造のように」
お母さんの声に答えるロトナ。やり過ぎなければいいけれど。
「お風呂も作っておりますのでそちらもご自宅に」
「それはいいわね~。お貴族様になったみたい」
ロトナが指さす方向を見ると透明なガラスの先にバスタブが見える。金の装飾が施されたバスタブ……ここは金を使ってるんだな。かなりいやらしいぞ。
「では増築に入ります。こちらでお待ちください」
「早速やるの!?」
僕を下ろしたロトナが窓から飛び出して自宅を増築し始めた。元の内装を生かすように作っていく。
「あらあら、メイナちゃんのところは改築しているの。いいわね~。うちも雨漏りが酷くてね~」
「では後で皆さんのところを致します。少しお待ちくださいね」
ロカおばあちゃんが感心して声をあげるとロトナが村のみんなの家を改築すると言い出した。どうやら、この村は世界一裕福な村になる模様です。
「分かりました!」
ネイアさんがやってきて次の日。
早速宿屋を建設してもらう。外観は木材風のミスリルの建物。木材は普通に森から取ってくれば手に入るからけど、折角ならロトナのダンジョンで手に入ったものを使いたい。魔物も襲ってくることもあるから出来るだけ丈夫にもしたいしね。
魔物か、折角だから町の周りの柵も城壁にしてしまおうか……。いや、流石にそれはお父さんに相談してからにしよう。
「おはようエルク君」
「あ、おはようございますネイアさん」
石塔のダンジョンへ向かうネイアさんが声をかけてくれる。彼女の仲間も一緒で子供の僕に会釈で挨拶してくれた。
「エルク君は朝早いんだね。僕達は今起きて来たのに」
「ははは、この村は田舎ですから。みんなで働かないといけないんですよ」
ネイアさんが感心して声をあげる。
「偉いな~。……あの人は家を作ってるのかな? すごいスピードだけど」
「はい。宿屋を作ってもらってます。ロトナは何でも作れるみたいなので」
「この村の人達は色々と規格外だね」
ネイアさんが呆れながらロトナの建設を見上げて話す。みるみる出来上がっていく宿屋、ロトナの力は偉大だな。
「さて、そろそろ行ってきます」
「行ってらっしゃい。気をつけてくださいね」
呆れながらロトナを見るネイアさんを見送る。みんな手を振ってダンジョンに向かって行く。いいな~……。
「僕もダンジョンに行きたいな~」
思わず呟いてしまう。ブレイドも最近は魔物が出なくなってきて退屈しているし。どうにかしてあげたいところだな~。
「マスター。出来ました」
ブレイドを遠巻きに見ていると宿屋が出来上がってロトナが声をあげた。
「ありがとうロトナ」
「マスターのためなら。中を案内いたしますか?」
「じゃあ、お願いしようかな」
「喜んで!」
ロトナはすぐに僕を抱き上げて宿屋に入る。入口から入るとすぐに受付がある。階段の横にある受付で帳簿に名前を書いて階段を上がった先に部屋があるみたいだな。
「一階は食堂になってます。受付で帳簿を済ませて二階にあがると部屋が10部屋ですね。一つ一つの部屋もご案内いたします」
「うん、ありがと。でも、下ろしていいよ」
「え? 下ろすのは嫌です」
「え……」
そろそろ下ろしてもらおうと思ったら断られてしまった。まあ、ロトナがいいならいいんだけど……誰かに見られたら恥ずかしいな~。
「まあ! 立派な宿屋!」
「お母さん!?」
お母さんが宿屋に入ってきて声をあげる。恥ずかしくて顔を隠すとお母さんは受付の奥へと入って行く。
「私が受付をすればいいのかしら?」
「え? えっと」
恥ずかしいと思っていたけど、思ってみれば3歳の僕は抱き上げられていても違和感がないんだった。
「一人では難しいでしょう。私もお手伝いいたしますお母様」
「ロトナちゃんは料理も出来るの?」
「はい。一通りの料理は」
二人が厨房に入って話を進めていく。身重なお母さんに働いてほしくないんだけどな。大丈夫なのかな?
「お母様は受付であまり動かないでください。妹様に何かあったら」
「大丈夫よロトナちゃん。少し動かないと子供にも悪いのよ。動かさないと体が硬くなっちゃうでしょ」
確かにそうかもしれないな。
「ダメなときはロカおばあちゃんたちに頼るから大丈夫」
「それならいいんだけど……」
お母さんはそういって受付に戻る。
「二階は泊る部屋かしら?」
「はい。三階もありましてそこは特等室となっています」
お母さんが階段を見上げて話すとロトナが答えた。特等室ってなんだろう? スイートルームってやつかな?
「普通の部屋を見ても仕方ないかしらね。その特等室を見たいわ」
「ではご案内します」
階段を上がって左右に部屋のある通路の二階にたどり着く。そのまま三階にあがるとすぐに豪華な作りの扉が。
「まあ、銀?」
「はい。金にしようか悩んだのですが金はいやらしく思いましたので銀に」
豪華な扉は銀の装飾がされている。お母さんが扉を触りながら話すとロトナが説明してくれる。
金じゃなくても十分いやらしいぞロトナ。
「では中へ」
「まあ!?」
ロトナが扉を開くと天幕のあるダブルベッドが見える。仕切りのない大きな部屋、その部屋にお母さんが声をあげた。
「私ここに住みたい!」
「お母様。それならば家を改装いたしましょう」
「できるの!?」
「はい。豪勢にアダマンタイトでおつくりいたしましょう。もちろん、外装は木造のように」
お母さんの声に答えるロトナ。やり過ぎなければいいけれど。
「お風呂も作っておりますのでそちらもご自宅に」
「それはいいわね~。お貴族様になったみたい」
ロトナが指さす方向を見ると透明なガラスの先にバスタブが見える。金の装飾が施されたバスタブ……ここは金を使ってるんだな。かなりいやらしいぞ。
「では増築に入ります。こちらでお待ちください」
「早速やるの!?」
僕を下ろしたロトナが窓から飛び出して自宅を増築し始めた。元の内装を生かすように作っていく。
「あらあら、メイナちゃんのところは改築しているの。いいわね~。うちも雨漏りが酷くてね~」
「では後で皆さんのところを致します。少しお待ちくださいね」
ロカおばあちゃんが感心して声をあげるとロトナが村のみんなの家を改築すると言い出した。どうやら、この村は世界一裕福な村になる模様です。
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