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第二章 支配地
第57話 僕はこれから
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あの夢のような時間を過ごして一週間程が経った。
僕らは今王都、セントラルアルステードにやってきた。
すでに教会はミエルの指導の元腐敗は無くなりつつある。孤児院もニールキャニオンに移すこととなり平和になりつつある。
「まさか、ステファンが騎士団をやめて鍛冶屋になっているとは。現実ってホント凄いな。いろんな道を見せてくれる」
「ふふ、本当に」
王都の道路を歩きながら呟く。レッドは僕の腕を抱き寄せて微笑む。
「む~、師匠! なんか二人とも距離が近くないですか?」
「私も! ランカさん!」
アスノ君がふてくされて頬を膨らませる。レッドの真似をしてアビゲールも腕を抱き寄せてくる。何故かレッドとにらみ合う二人。仲がいいな~。
レッドとアビゲールは師弟関係に落ち着いた。アビゲールは嫌だって言っていたんだけど、僕が説得するとすぐに納得してくれた。これから勇者となる僕には必要な子だからな。今のうちに強くしてあげたい。
「よくぞ参られたランカ君」
僕らが王都にやってきたのはこの人に会うためだ。セントラルアルステードの王、セントラル様。玉座の間について跪いているとセントラル様が迎えてくれた。玉座からわざわざ降りて僕の肩に手を置いてくれる。少し震えているように見えるのは気のせいか?
「此度の教会の不手際は本当にすまなかった。許してほしい」
「あ、はい。それはもう話が済んでいるので。それで今日は」
「おお、許してくれるか。既に話は聞いている。ニールキャニオンに新たな街を作ったとか?」
セントラル様は焦った様子で話を進めていく。すでに町の話は聞いてるみたいだな。
「話が早くて助かります。それで許してもらえれば」
「許すも何もない。許可しよう。別の国とも話は通しておく」
早足に話が進んでいく。何かあったのかな?
「私が話は通しておいたのだ。人間のくせにごちゃごちゃと言っていたのでな」
「あ! ミエル!」
玉座の後ろに光じゃなくて普通の天使の姿で現れるミエル。光の姿じゃないってことはアルステードさんに体を授かったってことかな?
「今回の事でアルステード様に体を承った。感謝するぞ人間のランカ」
「感謝じゃなくて謝罪が欲しい所だけどな」
「ふ、流石はランカ。冗談が上手いな」
「別に冗談じゃないけど」
お礼を言ってくるミエルに本音を話す。彼は何もわかってない様子で鼻で笑う。まったく、これだから天使は。
「す、すごい。天使と対等に話している。対等どころか上から! それに名前も憶えられている!?」
僕とミエルの様子を見てセントラル様が狼狽え始める。なるほど、ミエルに怯えていたわけか。
この後、町となることで名前を付けると言われて【ニールキャッスル】という名前を承った。僕が着けたのを改めてセントラル様が命名してくれた。王様が着けなくちゃ正式につけられないらしい。王族ってめんどくさいな。
そして、ニールキャッスルの名に相応しく城を作ることとなる。
「は~、あれが僕の城になっちゃうのか~」
「なんじゃ? 不満なのか?」
「いや~、不満じゃないんだけどさ」
ルドマンと出来上がっていく城を見上げて話す。城が家ですなんて想像もつかないからな~。小市民な僕には不釣り合いだよな~。
「さて、そろそろ僕はレベル上げに」
「じゃあ、私達も」
僕が呟くとレッドが話に加わる。ルドマンとアスノ君も頷て答えてくれる。
「と言ってもいいレベルあげが出来る所に行くにはまたあいつからアイテムを買わないといけないんだよな」
50レベルを超えた僕らの経験値稼ぎは別次元が好ましい。地獄にいければ一番いいんだよな~。オルコッドのマネーマネーからアイテムを買わないといけない。お金はあるんだけど、いちいち戻るの面倒だな~。
「あいつとは私のことか?」
『!?』
声が聞こえて振り向くと中央に作られた噴水からぬっと出てくるマネーマネー。周りの時間は止まっていない。別の街に現れるなんてゲームじゃ聞いたことないぞ。
「ふ、いつまでもあの街にとどまる理由もないのだ。私は夢を届ける精霊だからな」
マネーマネーの声に確かにと納得してしまう。オルコッドにいなくちゃいけない理由はないよな。でも、なんで僕の街に。
「真新しい噴水の匂いがして来てみたら寂しいお前がいたというわけだ。ほれ、また人からの手紙が欲しくはないか?」
「……別に寂しくないよ」
マネーマネーの声にレッドを抱き寄せて答える。しかめっ面になったマネーマネーにしてやったりと笑みを浮かべる。
「コホン! ふん、流石はランカと言ったところか。それで私から何を買いたいのだ?」
「地獄への門の鍵。【極悪非道の鍵】だよ」
「なに!? や、やはりお前は……死にたいのならば友など作らなければいいのに。金貨20枚だ」
マネーマネーにアイテムの名を言うと涙を流しながらお金を要求してくる。失礼な事ばっかいうくせにお金はしっかりと受け取ってくる。まったく、いい性格してるよな~。
「では、お前の死は無駄にはせんぞランカ。死んでも元気でな。アンデッドとなって蘇ったら会いに来いよ」
「早く帰れ!」
マネーマネーがいつまでも帰らずに元気づけようとしてくる。僕が思わず声を荒らげると鼻で笑って噴水の中へと帰っていった。まったく、あんなにうざい奴だったとは。ゲームじゃわからないことばかりだな。
「ら、ランカ。今の……」
「ああ、みんなには紹介してなかったね。ただの噴水の精霊だよ。みんなは関わらないようにね」
レッドの質問に答えるとみんなポカ~ンと口を開いたまま頷いて答えた。まあ、これで地獄への門を開けるぞ。
「さあ、この世界を更に平和にしていこ~」
『お~』
こうして僕らはこの世界で一番の強さを手に入れていくこととなる。早く勇者になってみんなと一緒に魔王を倒すぞ~。そして、ただのキャラクターだったみんなを幸せにしてやる。
◇
どうもカムイイムカです
最後までランカを見ていただきありがとうございます
平和になったランカ達という事でここでおしまいとなります
これから更なる平和を求めて頑張っていくランカ、彼の前に立ちふさがる者達は苦労するでしょうね
では、最後まで読んでいただきありがとうございました
僕らは今王都、セントラルアルステードにやってきた。
すでに教会はミエルの指導の元腐敗は無くなりつつある。孤児院もニールキャニオンに移すこととなり平和になりつつある。
「まさか、ステファンが騎士団をやめて鍛冶屋になっているとは。現実ってホント凄いな。いろんな道を見せてくれる」
「ふふ、本当に」
王都の道路を歩きながら呟く。レッドは僕の腕を抱き寄せて微笑む。
「む~、師匠! なんか二人とも距離が近くないですか?」
「私も! ランカさん!」
アスノ君がふてくされて頬を膨らませる。レッドの真似をしてアビゲールも腕を抱き寄せてくる。何故かレッドとにらみ合う二人。仲がいいな~。
レッドとアビゲールは師弟関係に落ち着いた。アビゲールは嫌だって言っていたんだけど、僕が説得するとすぐに納得してくれた。これから勇者となる僕には必要な子だからな。今のうちに強くしてあげたい。
「よくぞ参られたランカ君」
僕らが王都にやってきたのはこの人に会うためだ。セントラルアルステードの王、セントラル様。玉座の間について跪いているとセントラル様が迎えてくれた。玉座からわざわざ降りて僕の肩に手を置いてくれる。少し震えているように見えるのは気のせいか?
「此度の教会の不手際は本当にすまなかった。許してほしい」
「あ、はい。それはもう話が済んでいるので。それで今日は」
「おお、許してくれるか。既に話は聞いている。ニールキャニオンに新たな街を作ったとか?」
セントラル様は焦った様子で話を進めていく。すでに町の話は聞いてるみたいだな。
「話が早くて助かります。それで許してもらえれば」
「許すも何もない。許可しよう。別の国とも話は通しておく」
早足に話が進んでいく。何かあったのかな?
「私が話は通しておいたのだ。人間のくせにごちゃごちゃと言っていたのでな」
「あ! ミエル!」
玉座の後ろに光じゃなくて普通の天使の姿で現れるミエル。光の姿じゃないってことはアルステードさんに体を授かったってことかな?
「今回の事でアルステード様に体を承った。感謝するぞ人間のランカ」
「感謝じゃなくて謝罪が欲しい所だけどな」
「ふ、流石はランカ。冗談が上手いな」
「別に冗談じゃないけど」
お礼を言ってくるミエルに本音を話す。彼は何もわかってない様子で鼻で笑う。まったく、これだから天使は。
「す、すごい。天使と対等に話している。対等どころか上から! それに名前も憶えられている!?」
僕とミエルの様子を見てセントラル様が狼狽え始める。なるほど、ミエルに怯えていたわけか。
この後、町となることで名前を付けると言われて【ニールキャッスル】という名前を承った。僕が着けたのを改めてセントラル様が命名してくれた。王様が着けなくちゃ正式につけられないらしい。王族ってめんどくさいな。
そして、ニールキャッスルの名に相応しく城を作ることとなる。
「は~、あれが僕の城になっちゃうのか~」
「なんじゃ? 不満なのか?」
「いや~、不満じゃないんだけどさ」
ルドマンと出来上がっていく城を見上げて話す。城が家ですなんて想像もつかないからな~。小市民な僕には不釣り合いだよな~。
「さて、そろそろ僕はレベル上げに」
「じゃあ、私達も」
僕が呟くとレッドが話に加わる。ルドマンとアスノ君も頷て答えてくれる。
「と言ってもいいレベルあげが出来る所に行くにはまたあいつからアイテムを買わないといけないんだよな」
50レベルを超えた僕らの経験値稼ぎは別次元が好ましい。地獄にいければ一番いいんだよな~。オルコッドのマネーマネーからアイテムを買わないといけない。お金はあるんだけど、いちいち戻るの面倒だな~。
「あいつとは私のことか?」
『!?』
声が聞こえて振り向くと中央に作られた噴水からぬっと出てくるマネーマネー。周りの時間は止まっていない。別の街に現れるなんてゲームじゃ聞いたことないぞ。
「ふ、いつまでもあの街にとどまる理由もないのだ。私は夢を届ける精霊だからな」
マネーマネーの声に確かにと納得してしまう。オルコッドにいなくちゃいけない理由はないよな。でも、なんで僕の街に。
「真新しい噴水の匂いがして来てみたら寂しいお前がいたというわけだ。ほれ、また人からの手紙が欲しくはないか?」
「……別に寂しくないよ」
マネーマネーの声にレッドを抱き寄せて答える。しかめっ面になったマネーマネーにしてやったりと笑みを浮かべる。
「コホン! ふん、流石はランカと言ったところか。それで私から何を買いたいのだ?」
「地獄への門の鍵。【極悪非道の鍵】だよ」
「なに!? や、やはりお前は……死にたいのならば友など作らなければいいのに。金貨20枚だ」
マネーマネーにアイテムの名を言うと涙を流しながらお金を要求してくる。失礼な事ばっかいうくせにお金はしっかりと受け取ってくる。まったく、いい性格してるよな~。
「では、お前の死は無駄にはせんぞランカ。死んでも元気でな。アンデッドとなって蘇ったら会いに来いよ」
「早く帰れ!」
マネーマネーがいつまでも帰らずに元気づけようとしてくる。僕が思わず声を荒らげると鼻で笑って噴水の中へと帰っていった。まったく、あんなにうざい奴だったとは。ゲームじゃわからないことばかりだな。
「ら、ランカ。今の……」
「ああ、みんなには紹介してなかったね。ただの噴水の精霊だよ。みんなは関わらないようにね」
レッドの質問に答えるとみんなポカ~ンと口を開いたまま頷いて答えた。まあ、これで地獄への門を開けるぞ。
「さあ、この世界を更に平和にしていこ~」
『お~』
こうして僕らはこの世界で一番の強さを手に入れていくこととなる。早く勇者になってみんなと一緒に魔王を倒すぞ~。そして、ただのキャラクターだったみんなを幸せにしてやる。
◇
どうもカムイイムカです
最後までランカを見ていただきありがとうございます
平和になったランカ達という事でここでおしまいとなります
これから更なる平和を求めて頑張っていくランカ、彼の前に立ちふさがる者達は苦労するでしょうね
では、最後まで読んでいただきありがとうございました
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