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第一章 ゲームの世界へ
第30話 奇襲
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「ゾンビども! 我らの街は落ちんぞ!」
リッチの率いるゾンビの群れがオルコッドに到着した。アドラーさんの声が近くの森にまで響き渡る。それから少しすると魔法の爆発音とゾンビ達のうめき声が聞こえてくる。
「もう少し回り込まないとダメだな」
レッドと顔を見合って呟く。彼女は無言で頷く。
「見えた。リッチだ」
オルコッドの攻撃で削られていくゾンビの群れ。前へ前へ進む群れのおかげでリッチが近づいてくる。これ以上は近づいてこないみたいだ。地面からゾンビを召喚して前線に送るだけ。あれで一生戦う事が出来る。まあ、マナが続く限りだけど。
「マナが無くなったらどうなるの?」
「いい質問だね。それが普通のクリアだよ」
レッドの質問に答える。ゾンビに耐える持久戦が本来のクリア。でも、それじゃダメなんだ。何故かというと、
「マナが無くなるとリッチが撤退を開始しちゃう」
耐えてしまえばいいだけのクエスト。簡単だと思われがちだけど、あの大量のゾンビが襲ってくる。NPCが死んでしまうことも多々あった。
ゲームの世界だと現実の時間で5時間もすれば生き返ってくれるけど、ここは現実だ。死んでしまったゲームの住人は生き返らない。
「そんなことなってたまるか」
「ランカ?」
思わず決意を口にするとレッドが不思議そうに呟く。彼女もその守りたい一人だ。絶対に傷つけさせない。
「いくよレッド」
「う、うん」
やる気に満ち満ちて声をあげるとレッドが顔を赤くさせて答えてくれた。
「ゾンビの群れを越える!」
ミスリルのロングソードを鞘から引き抜き、ゾンビの群れへと切りかかる。レッドと並走しながらゾンビを紙きれのように切り捨てていく。ゾンビは数が多いだけ、かまれても感染してゾンビになることはない。僕らなら余裕で蹴散らせる。
「そろそろ接敵するよ」
「了解!」
ゾンビを蹴散らしながらレッドに合図をおくる。彼女の返事を聞きつつリッチへと近づいていく。
「リッチ!」
リッチに接敵して声をあげる。僕に気が付いたリッチはすぐに杖を構えて火の球を作り出す。
「【ファイアボール】か! 木の盾で」
「私に貸して!」
魔法を使うのは分かっていたけど、反応が速い。驚きながらゴブリンの戦利品で拾った木の盾を取り出す。レッドがもってくれてファイアボールを受け止める。見事に燃える木の盾はすぐに捨てられてしまった。いくらでもあるからいいんだけど、ちょっぴり寂しい。
「ってそんなこと思ってる場合じゃない。リッチ! 【手紙】だぞ!」
ノンナちゃんから返してもらった手紙を差し出す。リッチは手紙を赤く光る眼で見つめると静かに受け取る。その間もゾンビ達は僕たちに襲い掛かってくる。そのすべてをレッドが止めてくれる。流石レッドだな。
「ノンナ……」
リッチからこぼれてくる言葉。生前の記憶が彼女の中で復活してる。
そう、リッチはノンナちゃんのお母さん。ゲームの時は名前もないノンナちゃんのお母さんはノンナちゃんの手紙を見ると動きを止める。そして、しばらくすると。
「ゾンビ達が消えてく……」
レッドがそう言ってあたりを見回す。オルコッドの城壁に群がっていたゾンビもアドラーさん達と戦っていたゾンビもすべて霧散して消えていく。
「お母さん!」
ゾンビが消えるのと同時にノンナちゃんがオルコッドの方向から走ってくる。涙してリッチに飛びつくノンナちゃんの頭を撫でるリッチ、光り出して姿が女性に変わっていく。
『ノンナやっと抱きしめられたのにごめんね。私は死んでしまったみたい』
「お母さん……」
ノンナちゃんのお母さんは涙を浮かべながらノンナちゃんの頬を撫でる。半透明な霊体の体がどんどん薄くなっていく。
「お兄ちゃん! お母さんを助けて!」
「もちろん、助けるよ」
ノンナちゃんの声に頷いて答える。僕はインベントリから上級ポーションを取り出す。
『私はもう死んでいます。無駄になるだけ』
「そうとも限らないですよ」
ノンナちゃんのお母さんの声に笑顔で答えて、彼女に上級ポーションをかける。くまなくかけると仕上げにラストエリクサーを使った。
「え!? 【死霊病】が!?」
上級ポーションで彼女のHPを回復させてすぐにエリクサーを使うことで死へと導いていた【死霊病】を解呪。半透明で死を待つだけだったノンナちゃんのお母さんは死を遠ざけることに成功した。
「お母さん!」
「ああ、ノンナ! またあなたをこんなに力強く抱きしめることが出来るなんて!」
泣きじゃくる二人。僕はレッドと顔を見合ってハイタッチを交わす。
「お兄ちゃん! ありがとう!」
「ありがとうございました!」
二人がひとしきり泣くとお礼を言ってくる。目を張らせながら笑顔でお礼を言ってくれる二人。
本来のゲームのストーリーではこんなことにはならない。リッチになった彼女は見る見るHPを減らしていき、0になると死を迎えていた。
それならHPを回復して解呪したらいいんじゃないかと思った。現実となったことで出来るんじゃないかと思ったら出来た。本当に良かった。
「私はアンナと申します。お名前を伺ってもよろしいですか?」
「僕はランカです。こっちはレッド」
自己紹介をしてくれるアンナさん。僕も名乗ると彼女は僕の両手を握った。
「本当にありがとうございますランカ様」
「そんなかしこまらないでください。それにまだお礼には早いですよ」
「え?」
まだノンナちゃんのクエストは終わっていない。両親がそろって初めてハッピーエンドと言えるんだ。
「お兄ちゃん! お父さんも?」
「そういうこと!」
嬉しそうに瞳を輝かせるノンナちゃん。僕の答えを聞くとアンナさんに抱き着いて嬉しさを爆発させる。
「夫も私のようになっているという事ですか?」
「細かくは知りませんがなってます」
アンナさんが心配して声をあげる。僕の声を聞くと俯いて涙を流した。
「ランカ。いつまでも外で話してないで宿屋に戻りましょ」
レッドがそう言って肩に手を置いてくる。確かにいつまでも城壁の外で話しているのも変だよな。
「ああ、そうだね。アンナさんも同じ宿を取りますから」
「持ち物もすべてなくなってしまったので助かります。この御恩は必ずお返しします」
深くお辞儀をしてお礼を言ってくるアンナさん。ノンナちゃんも真似してお辞儀してる。彼女をうれし泣きさせられた、嬉しすぎるな。運命……未来は変えられるんだ。
「お~い。飲むぞ~」
「げっ!? ドーシャさん!? この飲みに行かされる未来は変えられないのか……」
ドーシャさんが城壁上から叫んでる。運命を変えるって難しい。
リッチの率いるゾンビの群れがオルコッドに到着した。アドラーさんの声が近くの森にまで響き渡る。それから少しすると魔法の爆発音とゾンビ達のうめき声が聞こえてくる。
「もう少し回り込まないとダメだな」
レッドと顔を見合って呟く。彼女は無言で頷く。
「見えた。リッチだ」
オルコッドの攻撃で削られていくゾンビの群れ。前へ前へ進む群れのおかげでリッチが近づいてくる。これ以上は近づいてこないみたいだ。地面からゾンビを召喚して前線に送るだけ。あれで一生戦う事が出来る。まあ、マナが続く限りだけど。
「マナが無くなったらどうなるの?」
「いい質問だね。それが普通のクリアだよ」
レッドの質問に答える。ゾンビに耐える持久戦が本来のクリア。でも、それじゃダメなんだ。何故かというと、
「マナが無くなるとリッチが撤退を開始しちゃう」
耐えてしまえばいいだけのクエスト。簡単だと思われがちだけど、あの大量のゾンビが襲ってくる。NPCが死んでしまうことも多々あった。
ゲームの世界だと現実の時間で5時間もすれば生き返ってくれるけど、ここは現実だ。死んでしまったゲームの住人は生き返らない。
「そんなことなってたまるか」
「ランカ?」
思わず決意を口にするとレッドが不思議そうに呟く。彼女もその守りたい一人だ。絶対に傷つけさせない。
「いくよレッド」
「う、うん」
やる気に満ち満ちて声をあげるとレッドが顔を赤くさせて答えてくれた。
「ゾンビの群れを越える!」
ミスリルのロングソードを鞘から引き抜き、ゾンビの群れへと切りかかる。レッドと並走しながらゾンビを紙きれのように切り捨てていく。ゾンビは数が多いだけ、かまれても感染してゾンビになることはない。僕らなら余裕で蹴散らせる。
「そろそろ接敵するよ」
「了解!」
ゾンビを蹴散らしながらレッドに合図をおくる。彼女の返事を聞きつつリッチへと近づいていく。
「リッチ!」
リッチに接敵して声をあげる。僕に気が付いたリッチはすぐに杖を構えて火の球を作り出す。
「【ファイアボール】か! 木の盾で」
「私に貸して!」
魔法を使うのは分かっていたけど、反応が速い。驚きながらゴブリンの戦利品で拾った木の盾を取り出す。レッドがもってくれてファイアボールを受け止める。見事に燃える木の盾はすぐに捨てられてしまった。いくらでもあるからいいんだけど、ちょっぴり寂しい。
「ってそんなこと思ってる場合じゃない。リッチ! 【手紙】だぞ!」
ノンナちゃんから返してもらった手紙を差し出す。リッチは手紙を赤く光る眼で見つめると静かに受け取る。その間もゾンビ達は僕たちに襲い掛かってくる。そのすべてをレッドが止めてくれる。流石レッドだな。
「ノンナ……」
リッチからこぼれてくる言葉。生前の記憶が彼女の中で復活してる。
そう、リッチはノンナちゃんのお母さん。ゲームの時は名前もないノンナちゃんのお母さんはノンナちゃんの手紙を見ると動きを止める。そして、しばらくすると。
「ゾンビ達が消えてく……」
レッドがそう言ってあたりを見回す。オルコッドの城壁に群がっていたゾンビもアドラーさん達と戦っていたゾンビもすべて霧散して消えていく。
「お母さん!」
ゾンビが消えるのと同時にノンナちゃんがオルコッドの方向から走ってくる。涙してリッチに飛びつくノンナちゃんの頭を撫でるリッチ、光り出して姿が女性に変わっていく。
『ノンナやっと抱きしめられたのにごめんね。私は死んでしまったみたい』
「お母さん……」
ノンナちゃんのお母さんは涙を浮かべながらノンナちゃんの頬を撫でる。半透明な霊体の体がどんどん薄くなっていく。
「お兄ちゃん! お母さんを助けて!」
「もちろん、助けるよ」
ノンナちゃんの声に頷いて答える。僕はインベントリから上級ポーションを取り出す。
『私はもう死んでいます。無駄になるだけ』
「そうとも限らないですよ」
ノンナちゃんのお母さんの声に笑顔で答えて、彼女に上級ポーションをかける。くまなくかけると仕上げにラストエリクサーを使った。
「え!? 【死霊病】が!?」
上級ポーションで彼女のHPを回復させてすぐにエリクサーを使うことで死へと導いていた【死霊病】を解呪。半透明で死を待つだけだったノンナちゃんのお母さんは死を遠ざけることに成功した。
「お母さん!」
「ああ、ノンナ! またあなたをこんなに力強く抱きしめることが出来るなんて!」
泣きじゃくる二人。僕はレッドと顔を見合ってハイタッチを交わす。
「お兄ちゃん! ありがとう!」
「ありがとうございました!」
二人がひとしきり泣くとお礼を言ってくる。目を張らせながら笑顔でお礼を言ってくれる二人。
本来のゲームのストーリーではこんなことにはならない。リッチになった彼女は見る見るHPを減らしていき、0になると死を迎えていた。
それならHPを回復して解呪したらいいんじゃないかと思った。現実となったことで出来るんじゃないかと思ったら出来た。本当に良かった。
「私はアンナと申します。お名前を伺ってもよろしいですか?」
「僕はランカです。こっちはレッド」
自己紹介をしてくれるアンナさん。僕も名乗ると彼女は僕の両手を握った。
「本当にありがとうございますランカ様」
「そんなかしこまらないでください。それにまだお礼には早いですよ」
「え?」
まだノンナちゃんのクエストは終わっていない。両親がそろって初めてハッピーエンドと言えるんだ。
「お兄ちゃん! お父さんも?」
「そういうこと!」
嬉しそうに瞳を輝かせるノンナちゃん。僕の答えを聞くとアンナさんに抱き着いて嬉しさを爆発させる。
「夫も私のようになっているという事ですか?」
「細かくは知りませんがなってます」
アンナさんが心配して声をあげる。僕の声を聞くと俯いて涙を流した。
「ランカ。いつまでも外で話してないで宿屋に戻りましょ」
レッドがそう言って肩に手を置いてくる。確かにいつまでも城壁の外で話しているのも変だよな。
「ああ、そうだね。アンナさんも同じ宿を取りますから」
「持ち物もすべてなくなってしまったので助かります。この御恩は必ずお返しします」
深くお辞儀をしてお礼を言ってくるアンナさん。ノンナちゃんも真似してお辞儀してる。彼女をうれし泣きさせられた、嬉しすぎるな。運命……未来は変えられるんだ。
「お~い。飲むぞ~」
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