249 / 252
第八章 倍倍
第二十話 ダインズの最後
しおりを挟む
「あ、ああ」
[光闇の槍]は鈍い音を立てて誰かに当たった。僕はその方向を見て涙で前が見えなくなる。
「ダインズ!!!」
僕は気を膨れ上がらせる。その光はマナを纏い邪悪な者達を退けていった。アダマイオスやオークレは光に消えていったんだ。心なしか二人は安らかな顔をしていたように見える。
「凄い!!凄いですね~ジーニ様、まさに最終決戦ですね~」
ダインズは槍を手元に戻してにやけている。
「アステラ!!」
「アステラ様!」
槍の軌道は確かにアステラ様にあたる軌道だった。だけど間にシリカさんが入っていったんだ。でもアステラ様は腰の抜けた状態でもシリカさんを突き飛ばして自分を守ろうとしたシリカさんを庇ったんだ。アステラ様は血を流して倒れてる。
「ジーニ心配するな。神は死なない!神は死なないんだ!!」
シャイン様の必死な声は僕に心配させないように嘘を言っているようにも取れた。僕はその気遣いに涙してダインズへと迫る。
「涙の最終決戦とでも名付けましょうか」
「おふざけはそこまでだ!。僕は本当に怒ったぞダインズ!」
油断していたのかダインズは[光闇の槍]を簡単に弾かせた。僕は魔剣グリードで連撃を当てる。
「中々の剣筋。ですがあなたは元々素手の達人でしたよね。まだまだですね」
ダインズはステータスの上がっている状態の僕の攻撃を紙一重で躱す。余裕な顔を見ると更に上げても大丈夫そうだ。
「これが本気なわけがないでしょ!。[エンゲージリング]解放!」
これで更に僕のステータスが倍になる。最高まで上がっている状態から2倍だ。これは天文学的数字になっている。
「この時を待っていました!」
「負け惜しみは見苦しいよ!最後だ![シャイニング・スクライド]!」
聖属性の魔法を纏った魔剣グリードは光闇を纏い螺旋を描きダインズへと突き刺さった。
「グハッ....引き分け..いえ、私の勝ちですね」
「負け惜しみはそれまで...。...えっ..何で槍が、それに僕のHPがどんどん減ってる?」
背中に衝撃が走った。僕は自分の背中を見て愕然とする。レジーの盾を背中に背負っていたんだけどそれを貫いて[光闇の槍]が僕を背中から胸まで貫いた。ダインズは神殺しの槍で神の領域に達した僕を刺した。神になった事で僕はこの槍の効果の対象になってしまったんだ。
「ガハッ...」
「フハ、フハハハハ」
「「ジーニ様!!」」
シリカさん、ララさんごめんなさい。
「ジーニ様謝らないで」
「じっとしてください」
でも約束守れなかったし...。
「そんな約束なんて..」
「ん、死なないで」
死にたくないよ。死にたく。
「感動ですね感動ですよ。英雄の死はいつも悲しい物です。でもジーニ様、私は自分で自分を殺したのです。あまり気を病む必要はありません。ではジーニ様、先に地獄へと行っていますよ。」
ダインズは自分の身を焦がして死んで行った。僕に殺されたんじゃないって言いたかったのかもしれない。ダインズはその時薄っすらと涙を浮かべていたんだ。それは僕を殺してしまった事を後悔しているようだった。
「ジーニ!」
「ダメだ!アステラ、この状態で槍を抜くと血が噴き出てすぐにジーニは死んでしまう」
よかった。アステラ様は本当に死んでなかったんだね。[光闇の槍]でも一発で殺すことはできなかったんだ。
それにしても、みんな必死にこの状態の僕を助けようとしてる。だけどダメだよ。まだ仕事が残っているからね。寝ていられないよ。
「ジーニ様どこに!」
立ち上がる僕にシリカさんが心配している。
心配しないでシリカさん。僕はみんなを守るんだ。
「転移!」
「神になったのか!」
僕は一瞬で狭間の世界に転移した。アステリアの屋敷はなくなっていて真っ暗な世界になってた。
「はは、こんなぽっかりと穴が開いてる。痛そうだな~」
時の止まっているこの世界なら僕の体は生きていられる。でもそうじゃない。この世界にはもう一つ問題があったんだ。ダインズが勝ち誇ったように逝った理由。
[光闇の槍]は鈍い音を立てて誰かに当たった。僕はその方向を見て涙で前が見えなくなる。
「ダインズ!!!」
僕は気を膨れ上がらせる。その光はマナを纏い邪悪な者達を退けていった。アダマイオスやオークレは光に消えていったんだ。心なしか二人は安らかな顔をしていたように見える。
「凄い!!凄いですね~ジーニ様、まさに最終決戦ですね~」
ダインズは槍を手元に戻してにやけている。
「アステラ!!」
「アステラ様!」
槍の軌道は確かにアステラ様にあたる軌道だった。だけど間にシリカさんが入っていったんだ。でもアステラ様は腰の抜けた状態でもシリカさんを突き飛ばして自分を守ろうとしたシリカさんを庇ったんだ。アステラ様は血を流して倒れてる。
「ジーニ心配するな。神は死なない!神は死なないんだ!!」
シャイン様の必死な声は僕に心配させないように嘘を言っているようにも取れた。僕はその気遣いに涙してダインズへと迫る。
「涙の最終決戦とでも名付けましょうか」
「おふざけはそこまでだ!。僕は本当に怒ったぞダインズ!」
油断していたのかダインズは[光闇の槍]を簡単に弾かせた。僕は魔剣グリードで連撃を当てる。
「中々の剣筋。ですがあなたは元々素手の達人でしたよね。まだまだですね」
ダインズはステータスの上がっている状態の僕の攻撃を紙一重で躱す。余裕な顔を見ると更に上げても大丈夫そうだ。
「これが本気なわけがないでしょ!。[エンゲージリング]解放!」
これで更に僕のステータスが倍になる。最高まで上がっている状態から2倍だ。これは天文学的数字になっている。
「この時を待っていました!」
「負け惜しみは見苦しいよ!最後だ![シャイニング・スクライド]!」
聖属性の魔法を纏った魔剣グリードは光闇を纏い螺旋を描きダインズへと突き刺さった。
「グハッ....引き分け..いえ、私の勝ちですね」
「負け惜しみはそれまで...。...えっ..何で槍が、それに僕のHPがどんどん減ってる?」
背中に衝撃が走った。僕は自分の背中を見て愕然とする。レジーの盾を背中に背負っていたんだけどそれを貫いて[光闇の槍]が僕を背中から胸まで貫いた。ダインズは神殺しの槍で神の領域に達した僕を刺した。神になった事で僕はこの槍の効果の対象になってしまったんだ。
「ガハッ...」
「フハ、フハハハハ」
「「ジーニ様!!」」
シリカさん、ララさんごめんなさい。
「ジーニ様謝らないで」
「じっとしてください」
でも約束守れなかったし...。
「そんな約束なんて..」
「ん、死なないで」
死にたくないよ。死にたく。
「感動ですね感動ですよ。英雄の死はいつも悲しい物です。でもジーニ様、私は自分で自分を殺したのです。あまり気を病む必要はありません。ではジーニ様、先に地獄へと行っていますよ。」
ダインズは自分の身を焦がして死んで行った。僕に殺されたんじゃないって言いたかったのかもしれない。ダインズはその時薄っすらと涙を浮かべていたんだ。それは僕を殺してしまった事を後悔しているようだった。
「ジーニ!」
「ダメだ!アステラ、この状態で槍を抜くと血が噴き出てすぐにジーニは死んでしまう」
よかった。アステラ様は本当に死んでなかったんだね。[光闇の槍]でも一発で殺すことはできなかったんだ。
それにしても、みんな必死にこの状態の僕を助けようとしてる。だけどダメだよ。まだ仕事が残っているからね。寝ていられないよ。
「ジーニ様どこに!」
立ち上がる僕にシリカさんが心配している。
心配しないでシリカさん。僕はみんなを守るんだ。
「転移!」
「神になったのか!」
僕は一瞬で狭間の世界に転移した。アステリアの屋敷はなくなっていて真っ暗な世界になってた。
「はは、こんなぽっかりと穴が開いてる。痛そうだな~」
時の止まっているこの世界なら僕の体は生きていられる。でもそうじゃない。この世界にはもう一つ問題があったんだ。ダインズが勝ち誇ったように逝った理由。
0
お気に入りに追加
5,867
あなたにおすすめの小説
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク
普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。
だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。
洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
------
この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが
ラストダンジョンをクリアしたら異世界転移! バグもそのままのゲームの世界は僕に優しいようだ
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はランカ。
女の子と言われてしまう程可愛い少年。
アルステードオンラインというVRゲームにはまってラストダンジョンをクリア。
仲間たちはみんな現実世界に帰るけれど、僕は嫌いな現実には帰りたくなかった。
そんな時、アルステードオンラインの神、アルステードが僕の前に現れた
願っても叶わない異世界転移をすることになるとは思わなかったな~
聖なる幼女のお仕事、それは…
咲狛洋々
ファンタジー
とある聖皇国の聖女が、第二皇子と姿を消した。国王と皇太子達が国中を探したが見つからないまま、五年の歳月が過ぎた。魔人が現れ村を襲ったという報告を受けた王宮は、聖騎士団を差し向けるが、すでにその村は魔人に襲われ廃墟と化していた。
村の状況を調べていた聖騎士達はそこである亡骸を見つける事となる。それこそが皇子と聖女であった。長年探していた2人を連れ戻す事は叶わなかったが、そこである者を見つける。
それは皇子と聖女、二人の子供であった。聖女の力を受け継ぎ、高い魔力を持つその子供は、二人を襲った魔人の魔力に当てられ半魔になりかけている。聖魔力の高い師団長アルバートと副団長のハリィは2人で内密に魔力浄化をする事に。しかし、救出したその子の中には別の世界の人間の魂が宿りその肉体を生かしていた。
この世界とは全く異なる考え方に、常識に振り回される聖騎士達。そして次第に広がる魔神の脅威に国は脅かされて行く。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
最強の赤ん坊! 異世界に来てしまったので帰ります!
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
病弱な僕は病院で息を引き取った
お母さんに親孝行もできずに死んでしまった僕はそれが無念でたまらなかった
そんな僕は運がよかったのか、異世界に転生した
魔法の世界なら元の世界に戻ることが出来るはず、僕は絶対に地球に帰る
墓守の荷物持ち 遺体を回収したら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアレア・バリスタ
ポーターとしてパーティーメンバーと一緒にダンジョンに潜っていた
いつも通りの階層まで潜るといつもとは違う魔物とあってしまう
その魔物は僕らでは勝てない魔物、逃げるために必死に走った
だけど仲間に裏切られてしまった
生き残るのに必死なのはわかるけど、僕をおとりにするなんてひどい
そんな僕は何とか生き残ってあることに気づくこととなりました
転生した社畜は異世界でも無休で最強へ至る(旧題|剣は光より速い-社畜異世界転生)
丁鹿イノ
ファンタジー
【ファンタジア文庫にて1巻発売中!】
深夜の職場で人生を終えた青桐 恒(25)は、気づいたらファンタジーな異世界に転生していた。
前世の社畜人生のお陰で圧倒的な精神力を持ち、生後から持ち前の社畜精神で頑張りすぎて魔力と気力を異常に成長させてしまう。
そのうち元Sクラス冒険者である両親も自重しなくなり、魔術と剣術もとんでもないことに……
異世界に転生しても働くのをやめられない!
剣と魔術が存在するファンタジーな異世界で持ち前の社畜精神で努力を積み重ね成り上がっていく、成長物語。
■カクヨムでも連載中です■
本作品をお読みいただき、また多く感想をいただき、誠にありがとうございます。
中々お返しできておりませんが、お寄せいただいたコメントは全て拝見し、執筆の糧にしています。
いつもありがとうございます。
◆
書籍化に伴いタイトルが変更となりました。
剣は光より速い - 社畜異世界転生 ~社畜は異世界でも無休で最強へ至る~
↓
転生した社畜は異世界でも無休で最強へ至る
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる