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第八章 倍倍

第九話 久しぶりのデート

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 という事で僕は早速デートです。今日はデシウス。

 デシウスは僕をぬいぐるみのように前に抱えて街を散策。

「デシウス、デート何だから横並びで歩こうよ」
「だめです。ジーニ様は私に抱かれるのです」

 頬をスリスリとしながらデシウスは頑なに抱きかかえる。僕はため息をつきながらされるがままです。

 しばらく歩いて噴水広場に着いた。デシウスは僕を抱きながらベンチに座った。

 街は魔人によって少し壊されていた。ブラウディアはそれほどダメージは多くなかった、グロリアさんの力もあって事前に魔人を取り押さえることが出来ていたのだ。

「この街はグロリアのおかげで無事でしたね。アステリアはジーニ様のおかげですし」

 デシウスは僕に笑みを向けて話した。とても綺麗で優しさのこもった笑顔だった。

 それからデシウスとお買い物をしてレストランで食事をすると外は暗くなっていた。

「ジーニ様、何か私達に隠している事はないのですか?」

 デシウスが珍しく真剣な顔で問いかけてくる。僕は無言で首を横に振るとデシウスは俯いた。

「ジーニ様はいつもそうやって自分だけで苦しんで、たまには私達を頼ってください。正直寂しいです」

 涙を溜めて呟くデシウスは月明りで輝いて見えた。僕は別に隠し事何てないんだけどな...。

「デシウスはみんなを守ってあげて。みんなよりも長命なエルフのデシウスにしか頼めないんだ」
「...ヘリアもいますが..やはり何か..」

 デシウスは何かを感じて口ごもったけど深くは問いただしてこなかった。

「ジーニ様は優しい方。前にもギールを懲らしめてくれた。それは少し早とちりでしたけど、私の為にしてくれた。私はジーニ様の大切な人を守ると共にあなたを守りたい。どうか私を一緒に」

 言葉をつづけようとしたデシウスの唇を僕は人差し指で止めた。ニッコリと微笑んだ僕はデシウスを抱き上げて空へと舞う。

 無言で空を舞っていると雨が顔に当たった、その雨はしょっぱかったけど僕の涙と混じって地面へと落ちていった。






 次の日、僕はララさんとデート。何だか鋭い目つきのララさんは僕の手を引っ張って書斎へと向かった。

 ララさんに告白されたのもこんな感じの本がいっぱいある部屋だった。感慨深く本を眺めているとララさんに本を差し出された。

「ん、ジーニ様は女ごころがわかってないからこれを読んで」

 ララさんは僕と図書館デートのような事をしたかったみたい。たまに本の感想を聞いたりおすすめの本を聞いたりして過ごした。

 最初のララさんのおすすめは女心とは、というタイトルのもので本を読んだ感想としてはとても為になりました。ララさんが何を思って読ませたのかも分かりました。

 ララさんはずっと寂しかったようです。おすすめされた本を読み終わるとララさんの視線に気付いた、ララさんの視線はしょっちゅう僕を見ていたようで頬を赤く染めていた。どうやら僕の行動を待っているみたい。

 本に書いてあったことを実践していきます。

 まずは椅子に座るララさんを後ろから抱きしめる。ララさんは耳まで真っ赤にして驚いてる。可愛いな~。

「ララさん、大好きだよ」

 その一言でララさんは両手で顔を隠した。これは本に書いてあった以上の効果です。本には思った事を直球で話せとあったので実践してみました。

「今夜は君を帰さない」

 これも書いてあったんだけど、僕にはまだ早かったかな。ララさんは俯いちゃった。恐る恐る前からララさんの顔を見るとララさんは何と失神していました。

 慌てて僕はララさんに[ヒール]と[キュア]唱えるとララさんの意識は回復して何事もなかったかのようにいつものララさんに戻った。

「ん、ジーニ様はエッチ。油断してた」

 ララさんは本で顔を隠して照れ隠し。ふむ、可愛い。

「僕はララさんを守るよ」
「ん、ジーニ様それはもういい」
「ううん、これは本のセリフじゃないよ。これからの事だよ」
「・・・」

 ララさんは首を傾げながらも何か思ったのか頷いた。それから僕とララさんは街の本屋さんに行ったりして過ごした。

 
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