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第八章 倍倍

第五話 賢者の塔

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 ジーニお兄ちゃんは賢者の塔へ向かった。

 私はドラゴンの里で事情を話して注意をはらってもらってすぐにナイトフォレストへと飛んでいく。

 ナイトフォレストに着くと驚いた顔でみんなが私を見やる。

「美しい人...」
「綺麗だ..」

 ため息のような声を上げてるみんな。そりゃそうだよ、急ぐために本気出して美少女戦士になったんだから。これでお兄ちゃんも悩殺だよ!。

「ジーニお兄ちゃんに言われてみんなに現状を話しに来ました。トレントのみんなも聞いてね」

 私の言葉を聞いてどよめきが、明らかにジーニお兄ちゃんよりも年上と思われる私が行っちゃってるから驚いてるみたい。なので私は変身を解除。すると男性陣のさっきと違うため息が。

「...ハァァ」
「俺はロリコンじゃない」

 何だか失礼しちゃう。やっぱりお兄ちゃんしかいないな。

 私の説明を聞いてみんな愕然としてる。だけどブラウディアが無事なのを聞いて安心もしているみたい。外の国から来た人達は気が気じゃなかったけどお兄ちゃんが見て回って全員怪我を治した事を話すとホッとしてた。

 ここからが問題、加護なしの知り合いのいる人達だ。その人達には真実を話さなかった。加護なしがまた難しい立場になるのが怖かったから話さなかった。

 トレント達にもこの場を守ってほしいと話すと快く了承してくれた。ユーラさんもいるから大丈夫だと思う。

「俺達はしばらくここで安全になるまで待機しているぞ」
「そうね。私もそれがいいと思うわ」

 エンカさんとエアリアさんがそう話すと皆頷いてる。統率されている団体だと話が早くて助かります。

 話がついたところで私はお兄ちゃんを追いかける。今度は戦いに間に合うようはず!、私がお兄ちゃんを守る!。





 砂漠の土地ガザード大陸、砂漠には色とりどりのサボテンがなっている。あのサボテンが醤油なのはブラウディアの市場で見たので知っています。あとでアイテムバックに入れておこう。

 しばらく飛んでいると地平線に一本の線が立っているのが見えてきた。

 白い線は近づくにつれて大きくなっていき、近くまでくるとその大きさに驚いた。

 半径100Mはあるその塔は所々に窓があって中を見ようと思ったのだが中は見えない。すべての窓は鏡のように反射していて中が見えない。窓としての機能を考えるとたぶんこれはミラーガラスなのではないだろうか。

 まあそんな事はどうでもいい。塔の高さを尋常ではない。雲を突き抜けてもまだ伸びる塔、まるで宇宙まで伸びる宇宙エレベーターのようだ。

 では入口を探そう。

 半径100Mを回るのは時間がかかるので二手に分かれる。ここでデシウスが我儘を言って離れようとしなかったけど何とか言い聞かせて左周りで回ってもらった。

 何で地面を歩いて回るかと言うと飛んで回った時に入口に気付かなかったのだ。だから塔を触りながら回る事になっちゃった。

 半分まで回るとデシウスと合流した。どちらも塔に変化がない。おかしいと思ってある事を思い出す。

「あ、そういえば賢者の塔は賢者しか入れないって言ってたんだった」

 そうです。そんな話があって我獣の町にいったんでした。称号通り天然を発揮した僕はお茶目に舌をだしてドジっ子ポーズ。二人共僕にジト目だけど許してね。

「フォフォフォ、やっと来たかフォ」
「その声は..」

 僕は聞いた事のある声に振り向く、するとそこにはアルキンメンデスさんが立ってた。

「来る頃だろうと思い先に来ていたんだフォ」

 ルインズガル大陸からかなり離れているはずなのだがどうやってきたんだろう?。

「どうやってきたかという顔だフォ?。それは君の物になったアルデバランを使ったんだフォ」

 あ、よく見たらアルデバランの塔モードの建物が立ってた。先にアルデバランにマナを上げておこう。

 という事でアルデバランにマナをあげてきました。

「準備いいかフォ?」

 アルキンはそう言って塔に手を掛けた。アルキンの触った辺りの塔の表面が記号で埋め尽くされ集まっていき開いて行く。

 賢者に反応して塔のすべてが入口になるみたい。とても便利な建物だね。

 僕らはそのまま賢者の塔へ入っていく。

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