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第七章 異変
第五話 涙目の先生
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私はアウローラです。
ジーニ様を追いかけてこのブラウディアに来たけどやっぱりジーニ様は凄い子供でした。
暗殺者は仲間にしちゃうし、エルダートレントと更にドラゴンと仲良くなってるし、初めて見る稲の魔物?とも仲良くなってるし、言い始めたらきりがないです。
私とアグリッサだけが驚く事にも驚きました。シリカ達はみんな当然のように構えてる。それだけジーニ様を信頼しているのかもしれない。
ドラゴンと名乗る甲冑を着た男の人とジャンヌちゃんが出ていってから少しした時、お客様が来た。
「ジーニ!ジーニはいないか?」
外の門をたたいて声を張り上げる女の人、フード付きの外套を目深く被って如何にも怪しいです。私は毅然とした態度で応対。
「ジーニ様に何か用ですか?あなたは誰なんですか?」
すると外套を被った女性はモジモジしながら口を開いた。
「私は学園の先生をしているフィーフィーというものです。ジーニ...君にある約束を守ってもらおうと思ってきました」
「....本当ですか?」
私は信じられなくて冷たくあしらう。
「本当です。信じてください」
泣き出しそうに話すその人、何だか可哀そうだと思ったけどララさんにはあまり知らない人を入れるなっていわれてるしな~。
「アウローラ様、どうしたのですか?」
「あ、シリカ!この人が学校の先生って言うんだけど知ってる?」
私が指さして話すとシリカは首を傾げてしばらく考えているとポンッと手を叩いて思い出したみたい。
「入学式で見た顔ですね」
「そうです。そうなんです。それでジーニ君に状態異常の回復を頼んでいたんですけど学園が休みになっちゃったのであえなくてやっと屋敷を見つけたんです!」
外套から顔を覗かせると泣き出しそうというより泣きはらした顔になってた。ここまで来るのにそんなに苦労したの?何だか申し訳ない気持ちになった。
「ごめんなさい、そんなに困ってたなんて知らなくて」
「え?いえ、いいんです。普通、初めてあった人を信用する方がおかしいんですよ」
フィーフィーさんは泣きはらした顔で笑顔を作った。何だかすいません...。
「それでどうしたんですか?」
シリカはフィーフィーさんを屋敷に招き入れて質問した。フィーフィーさんは目深く着ていた外套を外す。
「それは!」
「猫さん?」
「ん、ジーニ様に飲まされたポーション」
フィーフィーさんを見てみんなジーニ様のポーションの事を思い出した。みんなジーニ様に飲まされて色んな耳を生やしたんだよね。その時のジーニ様の目はハートになってみんなの耳を触りまくってました。ちなみに私は飲んでいません....悲しいです。でもあきらめません。
「あ、よく見たら尻尾もありますね」
「そうなんです。最初は尻尾だけだったんですけど徐々に獣人化が進んできて今では背中に毛も...」
フィーフィーさんはみんなに背中を見せます。猫の毛並みでジーニ様じゃなくてもモフモフしたくなるほどの毛並み、触ったら怒られるかな?
「あいにくジーニ様は今、お友達のタスク君の家にいってるんです」
「タスク君....という事はベントス!!....遠いい」
フィーフィーさんは落胆しました。
可哀そうだけどジーニ様を待つしかないよ。
「大丈夫ですよ。ジーニ様なら明日には帰ってくるでしょう」
「ええ!...あ~そういえばナイトフォレストの森にも20分もかからずに行ったとか言っていたな!」
「それまでこの屋敷に寝泊まりするといい」
みんなフィーフィーさんに優しく接してる。私にもそのくらい優しくしてくれてもいいんだよって思ったけど黙ってます。だって私はジーニ様のお嫁さんだもん。
「ではお言葉に甘えて....尻尾が敏感過ぎて歩く事もあまりしたくなかったんです」
「そうなんですね....ジーニ様はそんなものも私達に飲ませようとしていたのかも...」
「ん、ジーニ様お仕置き」
「これは弁護できません。すみませんジーニ様」
シリカとララが不敵な笑顔で縄を握ってる。デシウスはジーニ様に謝ってる。
「リビングをお使いください、あいにく部屋はいっぱいなので」
「どこでもいいです。玄関でもいいくらいですよ。とにかくこれを早く治してもらわないと先生の仕事もままなりません」
仕事ができないほど敏感になるのかな?。私は好奇心でフィーフィーさんの背後に回って尻尾を掴んだ。
「にゃにゃにゃ!!、にゃにをするんですにゃ!」
フィーフィーさんはさっきまでの姿からは予想だにしない声を上げて飛び上がった。そして毛を逆立てて私に威嚇してる。何だか可愛い。
「アウローラ様いけませんよ。人の嫌がる事をしてはジーニ様に嫌われますよ」
「あう、ごめんなさい。どの位、敏感なのかな~って疑問に思っちゃったの」
私は俯いて謝った。はっきりいって嘘なきです。だって好奇心には勝てないもん。
「ん、アウローラ様は嘘なき上手。だけど私も興味はあったから今回は許す」
ララさんの言葉にみんな唖然としてたけど何故か私は許されました。みんな実は知りたかったんだよね。やってよかった~。
ジーニ様を追いかけてこのブラウディアに来たけどやっぱりジーニ様は凄い子供でした。
暗殺者は仲間にしちゃうし、エルダートレントと更にドラゴンと仲良くなってるし、初めて見る稲の魔物?とも仲良くなってるし、言い始めたらきりがないです。
私とアグリッサだけが驚く事にも驚きました。シリカ達はみんな当然のように構えてる。それだけジーニ様を信頼しているのかもしれない。
ドラゴンと名乗る甲冑を着た男の人とジャンヌちゃんが出ていってから少しした時、お客様が来た。
「ジーニ!ジーニはいないか?」
外の門をたたいて声を張り上げる女の人、フード付きの外套を目深く被って如何にも怪しいです。私は毅然とした態度で応対。
「ジーニ様に何か用ですか?あなたは誰なんですか?」
すると外套を被った女性はモジモジしながら口を開いた。
「私は学園の先生をしているフィーフィーというものです。ジーニ...君にある約束を守ってもらおうと思ってきました」
「....本当ですか?」
私は信じられなくて冷たくあしらう。
「本当です。信じてください」
泣き出しそうに話すその人、何だか可哀そうだと思ったけどララさんにはあまり知らない人を入れるなっていわれてるしな~。
「アウローラ様、どうしたのですか?」
「あ、シリカ!この人が学校の先生って言うんだけど知ってる?」
私が指さして話すとシリカは首を傾げてしばらく考えているとポンッと手を叩いて思い出したみたい。
「入学式で見た顔ですね」
「そうです。そうなんです。それでジーニ君に状態異常の回復を頼んでいたんですけど学園が休みになっちゃったのであえなくてやっと屋敷を見つけたんです!」
外套から顔を覗かせると泣き出しそうというより泣きはらした顔になってた。ここまで来るのにそんなに苦労したの?何だか申し訳ない気持ちになった。
「ごめんなさい、そんなに困ってたなんて知らなくて」
「え?いえ、いいんです。普通、初めてあった人を信用する方がおかしいんですよ」
フィーフィーさんは泣きはらした顔で笑顔を作った。何だかすいません...。
「それでどうしたんですか?」
シリカはフィーフィーさんを屋敷に招き入れて質問した。フィーフィーさんは目深く着ていた外套を外す。
「それは!」
「猫さん?」
「ん、ジーニ様に飲まされたポーション」
フィーフィーさんを見てみんなジーニ様のポーションの事を思い出した。みんなジーニ様に飲まされて色んな耳を生やしたんだよね。その時のジーニ様の目はハートになってみんなの耳を触りまくってました。ちなみに私は飲んでいません....悲しいです。でもあきらめません。
「あ、よく見たら尻尾もありますね」
「そうなんです。最初は尻尾だけだったんですけど徐々に獣人化が進んできて今では背中に毛も...」
フィーフィーさんはみんなに背中を見せます。猫の毛並みでジーニ様じゃなくてもモフモフしたくなるほどの毛並み、触ったら怒られるかな?
「あいにくジーニ様は今、お友達のタスク君の家にいってるんです」
「タスク君....という事はベントス!!....遠いい」
フィーフィーさんは落胆しました。
可哀そうだけどジーニ様を待つしかないよ。
「大丈夫ですよ。ジーニ様なら明日には帰ってくるでしょう」
「ええ!...あ~そういえばナイトフォレストの森にも20分もかからずに行ったとか言っていたな!」
「それまでこの屋敷に寝泊まりするといい」
みんなフィーフィーさんに優しく接してる。私にもそのくらい優しくしてくれてもいいんだよって思ったけど黙ってます。だって私はジーニ様のお嫁さんだもん。
「ではお言葉に甘えて....尻尾が敏感過ぎて歩く事もあまりしたくなかったんです」
「そうなんですね....ジーニ様はそんなものも私達に飲ませようとしていたのかも...」
「ん、ジーニ様お仕置き」
「これは弁護できません。すみませんジーニ様」
シリカとララが不敵な笑顔で縄を握ってる。デシウスはジーニ様に謝ってる。
「リビングをお使いください、あいにく部屋はいっぱいなので」
「どこでもいいです。玄関でもいいくらいですよ。とにかくこれを早く治してもらわないと先生の仕事もままなりません」
仕事ができないほど敏感になるのかな?。私は好奇心でフィーフィーさんの背後に回って尻尾を掴んだ。
「にゃにゃにゃ!!、にゃにをするんですにゃ!」
フィーフィーさんはさっきまでの姿からは予想だにしない声を上げて飛び上がった。そして毛を逆立てて私に威嚇してる。何だか可愛い。
「アウローラ様いけませんよ。人の嫌がる事をしてはジーニ様に嫌われますよ」
「あう、ごめんなさい。どの位、敏感なのかな~って疑問に思っちゃったの」
私は俯いて謝った。はっきりいって嘘なきです。だって好奇心には勝てないもん。
「ん、アウローラ様は嘘なき上手。だけど私も興味はあったから今回は許す」
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