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第七章 異変

第四話 忘れられてた

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 代り映えのしない部屋に着くと僕はまず鍵を探した。二人も一緒に探したんだけど見つからない。

「あれ~、無いね」
「ありませんね...」

 仕方ないので僕は扉に手をかける。

 そして、思いっきり押し込んだ!。

 扉は勢いよく壊れて奥の部屋の壁に食い込んだ。二人はその様子を見て唖然としてる。

「鍵なんてなかった...」
「そうですね」

 二人はなかった事にしたみたいです。現実逃避だね。

 僕は二人を見てそんな感想を思ったけど口にはだしませんでした。だってだすとまたガミガミ言われそうだったからね。

 時間も惜しいので僕はすぐに広い部屋に入っていく。すると今度は地面から何かが浮き出てきた。

「わ!、レイスだ!」
「ゴーストの上位です!、数も多いですから気をつけて」

 二人は驚いてる。それもそのはずレイスは部屋いっぱいに出てきてる、ざっと数えて50くらいかな。すぐにタスク君が僕にアドバイスを、

「レイスに物理は効かないから魔法で攻撃して」

 僕はタスク君に頷いて答えると[マナバレット]を展開して全方位に放った。

 部屋いっぱいのレイスは魔法を放ってきたけど中級程度の各属性のランスを放って終わった。

 僕の[マナバレット]を受けて無事でいられるわけもなく霧散していきました。

 全員退治し終わるとまた穴が現れて下っていく。二人も駆け足で後をついてきた。

 そして僕は地下四階にたどり着いた。









「たのも~」

 ジーニの留守中に一人の甲冑を着た男がブラウディアの屋敷に訪れた。

 門をたたく音に気が付いたジャンヌはいち早く駆けつけて話しかける。

「どなたですか?」
「うお、珍妙な。流石はジーニの屋敷だな」

 甲冑の男はジャンヌを見て狼狽えた。しかしジーニを知っているようでそれほどびっくりはしていないようだ。

「お兄ちゃんのお知り合い?」
「おお、やはり妹君か?拙者はグルドバーグ、こう見えてもドラゴンだ」

 甲冑の男は胸を張りドヤっと話した。ジャンヌの反応は男の斜め上をいっていた。

「姿は人だけどそれがどうしたの?お兄ちゃんをいじめに来たの?」

 ジャンヌは殺気をばら撒いた。グルドバーグは殺気に当てられてブルブルと震えている。

「いや!断じて違う。拙者はジーニと約束した事をしてもらおうと思ってきたんだ。それにこの姿は人化の術でブラウディアに入る為にしているんです」
 
 グルドバーグの言葉にジャンヌは落ち着きを取り戻す。この一連の動きでみんなが駆けつけて来て庭に座りグルドバーグの話を聞いていく。







「という事なんです。だからあの騎士の部下を幾人かくれるというので待っていたのですが一向に来ないので忘れられているのだと思い馳せ参じました」

 グルドバーグは頭を垂れて話した。

「ジーニが忘れていただけか」

 ローズはやれやれとうなだれた。みんな、それに賛同するように頷く。

「ジーニ様は忙しいお方なのです。仕方ないですよ」
「ん、シリカはジーニ様に甘い!、これはお仕置きが必要な案件」

 甘いシリカにララは叱咤して縄でバシバシと音を立てる。帰ってきたジーニは何をされるのだろうか。

「取りあえず、ユーラ達は全員ナイトフォレストの森へ行ったから商人達だけでも案内しますか?」
「おお、そうしてくれると助かる。しかし妹君も素晴らしい力の持ち主なんだな。感服いたした」
「えへへ」

 ジャンヌはグルドバーグに褒められて照れている。そして気を良くしたジャンヌは商人達と一緒にドラゴンの里に行くと言い出した。

「ジーニ様がいないから私達は屋敷でお留守番しなくちゃね」
「ああ、ここはナナ達に同行してもらうか」

 デシウスとローズはドラゴンの里へナナ達を向かわせるようだ。ブラウディアの守りを薄めるのも気が引けるのでローズとデシウスは残る事にした。

「そろそろ[鴉]の部隊が来てもおかしくないので警戒してくださいね。ララさんは幼女趣味の4番に気をつけてください」
「...ナナ、私は幼女じゃない。お仕置き!」
「だから心配しているだけですよ~。縄で吊るさないで~」

 ナナは一言多いんだよとナナ以外の[鴉]のメンバーは呆れた。ナナの叫びはしばらく続き、自分で縄を切って先に行ったジャンヌ達と合流するのだった。

 ジャンヌ達はジーニアス商会の商人達と一緒にドラゴンの里へむかった。
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