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第六章 学園都市ブラウディア

第四十三話 アルベルトとエアリア

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「じゃあ、2体1でもう一回ね」
「チッ、なんでエアリアがまざるんだ。俺は一人で」
「舌打ちは僕がしたいよ。何で二人共やる気になってるの..」

 二人はすでに臨戦態勢。アルベルトは戦斧をエアリアさんはレイピアのような刺突剣を構えてる。

「お喋りはお終い、あとは剣で語らいあいましょう」

 エアリアさんのこの言葉に緊張が結界内を覆った。

 僕が距離を取るとじりじりと2人が距離を詰める。二人共僕よりもリーチがあるので少しスピードを上げれば僕に攻撃が当たる距離になる。

 僕は攻撃がギリギリ当たらない距離を保ちつつ動いてるんだけど。

「そこ!」
「あれ?」

 エアリアさんの突きが僕のポヨンとしたお腹にあたった。ダメージはないので僕のお腹は大丈夫。

 見える物が全てではないみたい。エアリアさんの刺突剣は風の魔法で少し攻撃範囲が上がっていると思われます。

「こういう魔法の使い方もあるのよ。あなたは素手が基本みたいだけどね」

 エアリアさんは僕に教えるように囁く。でも僕は全身をマナで覆っているからあんまり関係ないかも。

「俺もまぜろよ」

 なんの工夫もしないアルベルトの攻撃は空を切るばかりで何にも学んでいない様子。

「アルベルト、あなたにも言っているのよ。それに観客にもね」
「え?」

 いつの間にか観覧席にいっぱいの人が、みんな勉強したいのかメモを取ってる。エアリアさんが輝かん目で見ているので全部エアリアさんの仕込みだね。

 僕とアルベルトはうまく利用されたってわけみたい。

「じゃあ、みんなの勉強の為にもあなたにはしっかり攻撃を捌いてもらうわよ」

 ありゃ、これは時間がかかる。だって”私達の攻撃を捌いて”っていってるんだもん。僕は攻撃しちゃダメなんだってさ・・・。

「でもでも~、強者の攻撃の避け方って言うのも勉強になるんじゃないの?」
「・・・言うわね。じゃあ今度そういう授業をしましょう。今回は複数人からの攻撃の躱し方ね」

 エアリアさんは悪い顔をして僕の提案を却下してきた。だけど今度、僕の提案を採用するみたい。言質はとりました。その時が楽しみだな~。うふふふ。

 僕は二人の攻撃を躱していく。共闘を嫌がってたアルベルトだったけどエアリアさんの合図で縦に重なり前衛を勤めてる。

 アルベルトが前衛でエアリアさんが中衛のような動きをし始めた。斧のリーチを利用して横に構えて僕を捕えようと突進してくる。それに捕まるとすぐにエアリアさんの突きが顔面に来るわけだけど、まず僕はその突進を避けるので問題なし。

 今度は二人がスイッチして前衛中衛を入れ替えてきた。エアリアさんはレイピアを構えた。

「今度は私よ。[エアプレッシャー]」

 エアリアさんは僕に風による下への圧をかけてきた。たぶん避けるのを嫌がったんだよ思う。僕の素早さを奪おうとしたみたい。

「何で膝をつかないの、ほんとに化物ね」

 エアリアさんひどい、僕は化物じゃないよ。
 
 エアリアさんから繰り出される突きを紙一重で避ける。避ける際はアルベルトのいる位置に気をつけてます。エアリアさんが間に入るようにすることで戦斧見たいな大きな物をふりまわせなくしました。

「チィ、強いだけなら攻略できるかもしれないが頭もいいときたもんだ...」

 わ~アルベルトが褒めてる。今度から先輩って呼ばなきゃだめだね。
 
 この後も素手で十回、剣を持たされて十回、剣と盾を持たされて十回と色々な状況を再現されて更に十回と剣を振るわれました。

 僕が一切無傷で息も切らせていなかったのを見て二人は不満顔だったけど何とか乗り越えました。

 でもこれで更に僕はみんなに知られる存在になっちゃった。

 この後エルダートレントの所に行かなくちゃいけないのに夕日が降りてきてるよ。流石に暗くなってから行くのもトレント達に悪いと思うんだけど仕方ないから行くことにします。
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