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第六章 学園都市ブラウディア

第三十八話 上級生が現れた

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 何故か決闘するようになった僕らは赤毛のモイと青い髪のムイという上級生と戦闘になった。

 僕にはムイの方が攻撃してきた。上級生がどの程度なのか興味があったので僕は回避に徹する。

「手も足もでないのか?いつまで避けられるかな」

 何だか聞いた事のあるようなセリフを吐くムイ、ルクス君よりも少し良いか悪いかといった感じ。僕らよりもかなり年上と考えるとルクス君はやっぱりすごいね。

 ムイの槍を躱しながらフローラちゃんの方を見るとフローラちゃんも回避に徹しているようで難なく躱している、モイの武器は少し大きい剣かな?ロングソードって奴?。

 変わり映えしない攻撃に僕とフローラちゃんは辟易としてきた。魔法もいくらか放ってくるんだけど上級生なので中級魔法くらいはできるみたい。炎や水の槍が飛んでくる。

 飛んでくる炎や水の槍は僕の出した[マナソード]で両断すると二つに分かれて爆発した。

「何だあの魔法は!」
「あんなの見た事ねえぞ!」

 そういえば初めて学園で出したかもしれない。僕の半透明の剣を見てアリーナのみんながどよめきだった。その光景が鬱陶しかったのかムイが水の槍と武器を構えながら前進してきた。

「目立ちやがって!これでもくらえ」
「もういいかな?」

 ムイの懐に潜りこんでムイの顎に掌底を当てた。ムイの体はかろうじて結界内に残っていたが宙にういている間にフェニックスが襲う。

「これが僕の[ファイアーボール]だよ。先輩!」

 フェニックスの爆発で結界の外に出ていったムイは仰向けに倒れて少し服が焦げてた。少しダメージが残っているのかもしれない、まあしょうがないよね。

「この!、ちょこまかと!」

 フローラちゃんに翻弄されるモイは愚痴をこぼす。遊ばれている事にも気づかない。

「もうネタはないの?」
「!?」

 フローラちゃんはモイの背後に回り話しかける。モイは反応して剣を横なぎに切りつけるがフローラちゃんはそこにはいなかった。

「ふ~ん・・・もう終わりみたいだね~」

 フローラちゃんはそう言うとボルケーノと戦った時に見せた炎を身に纏った。

「そんな、こけおど。!?」

 モイの体がくの字に曲がった。フローラの肘が腹に食い込んだのだ。たまらずに後退するモイにフローラは追い打ちといわんばかりの大量の[ファイアボール]を放っていた。

 モイの体は結界の外に出されてムイと同じように服にダメージを残して焼けこげていた。

「すっすげ~~」
「「「「「オオオオオオーーーー」」」」」

 静かになったアリーナに一人の歓声が火蓋を切ると一斉に大きな叫びがアリーナを揺らした。

「その・・・ありがとう」

 タスク君が僕らにお礼を言ってきた。

「そのエリンはどうしたんだ?」
「お母さんを治してあげたから。それで親子の邪魔をしちゃダメだと思って帰ってきたんだ。そうしたら君が絡まれてたってわけ」
「そうか・・・あれが治ったのか。やっぱりすごいんだな。おま・・・ジーニは」

 タスク君は改めて僕の名を呼んで褒めてきた。

「これでも責任感じてたんだよ。僕のせいで迷惑かけちゃってたみたいだからね。とりあえず僕は君達に誠心誠意謝るよ。謝る事しかできないもん。失ったものは帰ってこないもんね。それで許してくれるならいいんだけど・・・」

 僕は俯いて話す。タスク君も少し考えて視線を僕へと戻して口を開いた。

「俺の家族は自力で内戦を収めた。お父様の腕はもう帰ってこないと思ってたがジーニなら治せるのか?」
 
 タスク君の問いに僕は頷いて答える。タスク君は少し喜んで話続けた。

「それなら俺のお父様も治してくれよ。そうすればお父様も元の元気なお父様に戻るはずだ」

 やっぱりタスク君の国にも迷惑をかけていたみたいだね。

「すぐにも行きたいけどタスク君のお父さんはタスク君の国にいるんだよね?」
「ああ、この大陸の西の端にある国だ。結構大きいんだけど知らないのか?」
「えっと~、ははは、僕は田舎の国から来たから・・・ごめんね」
「まあ、いいんだが。改めて、俺はベントスって国の第二王子、タスクだ。よろしくな」

 タスク君と固く握手を交わしてタスク君のお父さんの回復を約束した。

 学園都市から馬車で10日と言っていたのでかなりの距離になる。

 明日は大司祭の粛清日になりそうだし少し時間がかかりそうだね。
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