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第六章 学園都市ブラウディア

第二十三話 シリカさんとイチャイチャタイム

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「私?私は最初からあなたを桃花会に入れるつもりだったわよ。恨んでいないと言えばうそになるけどそんな強大な力を手に入れちゃったらどうしても魔法使っちゃうだろうしね」

 僕の問いにエアリアさんは何の抵抗もなく答えた。でもやっぱりお母さんの事は教えてくれない。

「それで?私達の察しの通り、あなたは4種類のスキルを持っているのね?」

 僕は無言で頷く。エアリアさんは僕の答えに笑顔で頷いた。

「そうなのね。本当はステータスも見せてほしいけどそれはいいわ。じゃああとの二人にも教えてあげなくちゃね。あとの二人には妹と弟がいるのだけど知ってるかしら?同じクラスのはずなんだけど」
「え?そうなの?」

 確かにクラスメイトの視線が強いと思ってたけど。

「桃花会の二人はそれほど気にしてないみたいだけど下の子達は違うかもしれないから気をつけてね」

 エアリアさんが心配そうに僕を見つめて話した。

「話は変わるんだけど、桃花会の仕事って言うのがあってね。それに参加してもらうんだけど大丈夫かしら?」
「大丈夫だよ。フローラちゃんが一緒でもいいかな?」
「構わないわ」

 何だかフローラちゃんはみんなの代わりに僕を警護しているつもりらしくておトイレまでついてきそうになるんだよね。

 だからたぶんそう言う仕事にもついてくるはず。

 了承を得るとフローラちゃんは喜んでる。

「それじゃそろそろ教室にもどりましょ。二時限目をサボらせちゃったわね」
「いえ、皆さんの事が分かってよかったです。ではまた」

 エアリアさんは笑顔で手をふった。僕らは手を振り返して教室へと向かう。







 教室につくとすぐに三人のクラスメイトに囲まれた。どうやら二時限目が丁度終わったらしく休憩時間みたい。

「何で連れてかれたの?」

 先頭の子がそう聞くとみんな興味があるみたいで目を輝かせてる。

「桃花会に正式に入ることになったんだ。それでエンカ先輩に呼ばれたの」

 僕がそう言うとみんなが歓声を上げた。それを遠巻きに聞いていたルクス君が不貞腐れてるのが見えて何だかいたたまれない。

「それで?エアリア様にはあったの?」
「え?うん、あったよ。凄くいい人だった」

 みんなエアリアさんに興味があったみたい。外でも有名なんてすごいな~。

 その後も授業が始まるまで質問攻めにあいました。エアリアさんが言っていた二人って言うのはルクス君と同じように遠巻きから見てる二人なのかな。何だかルクス君と一緒に不貞腐れてる。
 
 





「ルクス、お前もあいつらウザがってたよな」
「私達と手を組んであの子を学院から追い出さない?」

 やはりジーニを恨んでいた二人の少年少女はルクスに手を組まないかと持ち掛けている。

 しかしルクスは不満顔である。

「お前達はジーニを追い出したいだけか?」
「ああ」
「あの人のせいで私の国は...」

 少女は泣き出した。しかしルクスは良い返事を返さなかった。

「僕を味方につけたかったのならそれなりの物を企画してみろ」
「そうか、その時は一声かける」

 二人はそう言ってルクスから離れていく。

「強い者には必ずそれよりも弱い者からの恨みがやってくる。これでもお前はみんなと仲良くできるのか?見せてくれよジーニ」

 ルクスは誰にも聞こえない声をもらした。









「シリカさん、あ~ん」
「ジーニ様恥ずかしい」

 僕は授業が終わってすぐにアルス様とシリカさんと合流した。

 東地区は食べ物屋が多くておやつの時間という事もあって甘味をいただいております。

「ジーニ様もどうぞ、あ~ん」
「うあ~ん」

 僕とシリカさんは久しぶりの二人っきりでイチャイチャしてます。

「二人共、僕を忘れているんじゃないか?」
「「え?」」

 あ~忘れてました。とっても幸せだったのでついつい。

 アルス様は一人黙々とパンケーキを食べていく。アルス様は何で僕と買い物何て行きたがってたんだろう?。

「何で僕と買い物なんですか?お父様でもよかったんじゃ?」
「僕は君と買い物がしたかったんだ。ただ買い物がしたかったわけじゃないよ」

 どういう事だろう?、僕と買い物がしたかったって。この後は帰さないぜ的な、薄い本展開をアルス様は僕に求めているのかな。はっ!だからシリカさんはついてくるって言って守ってくれたのかもしれない。さっすがシリカさん!僕の女神様~。

「ジーニ様。アルス様はジーニ様と仲良くしたいんです。同盟国として親交を深めたいと」

 シリカさんの言葉にアルス様はうんうんって頷いてる。

 流石シリカさん。自分が考えていた事がバカみたいだよ~恥ずかしい。でもそんな事考えなくてもいいのに。

「大丈夫ですよアルス様。僕はアルス様の味方だよ。もちろんアドスバーンやベンジャミンともね」
「いや、もうすでに僕は一歩遅れているんだ。王としてそれを取り戻さなくてはいけない」
「え?何かありましたっけ?」
「アステリアが独立する時にベンジャミンとジェイラが言いあっていただろ。あの話だよ」

 あ~村をあげるっていうやつね~。まあ確かに一歩遅れているね。でも僕個人と仲良くしてもしょうがないんじゃ。

「君は僕のお父様と同じように迫害を無くそうとしている。それを手伝いたいと思っているんだ。だけどいざその時に頼ってもらえなかったら意味がないだろ?。一本の槍が強くても多数の敵には勝てない。君がどんなに強大な力を持っていてもいつかは無理が生じてしまうんだ。だからその時に僕を頼ってほしい。だから僕を知ってくれ」

 アルス様は潤んだ瞳で僕に詰め寄る。

 何だかいや~んな感情が芽生えそうになるけど隣にシリカさんがいるので何とか耐えました。シリカさんの甘い香りの方が魅力的さ。

「アルス様分かりました。これから頼らせてもらいます。早速何ですがアルサレムの方でエグバンの宰相に手紙をしたためてほしいんですけど」
「ああ、君を狙っている件だろ。もうすでに送っているよ。戦争にならない程度に強くね」

 アルス様は言う前に行動していたみたい。すでにエルエスに頼んで魔道具でファックスみたいに送ったらしい、あれは便利だよね。

「返事がないみたいなんだが、もう少し様子を見ようと思っている」
「[鴉]って部隊をよこすくらいだからね。宰相が秘密裏に処分しているのかも」
「そうですね。ツヴァイ様が言うにはエクス様はそれほど攻撃的ではないみたいですから」

 そうは言ってもツヴァイお父様は何年前の話か分からない情報だ、今は違うかもしれない。何せグラーテって宰相の息子の傭兵は加護なしを嫌っていると言っていたみたいだしね。

「エグバンもルクス王子がいるのだから無茶はできないと思うが気をつけなくちゃね」
「は~い、じゃあシリカさん。あ~ん」
「あ~ん」

 シリアスが長かったので僕はすぐにシリカさんとイチャイチャタイム。こんなに静かにシリカさんとイチャイチャできるのは当分来そうにないからね。

「僕は邪魔かな?。僕にも誰かいないものか」
「え?アルス様にはエルエスがいるじゃないですか?」
「何故そこでエルエスが出てくるんだ?。彼は男だぞ」

 あれ~?アルス様はノーマルだったのね。これはアルサレムの一部の方々が涙してしまいそうだよ。

「ジーニ、そう言えば巫女様、ソフィア様は誰か決めた方はいるのかな?」
「え?どうだろう?そんな話は聞いたことないけど....まさか?」
「そのまさかだよ。彼女を紹介して欲しい。オークから助けた時に一目見て綺麗な人だと思っていたんだ。しかしすぐにシュミットに帰ってしまって声もかけられなかった。今も割と近くにいるが声をかけずらくて」
「そう言う事なら任せて~。僕は今日からアルス様の恋のキューピットだよ」

 同じ屋根の下で暮らしているのに声をかけられないなんてアルス様も小心者だな~。でも今は僕とシリカさんのイチャイチャタイムなのでまた明日だね。

「じゃあそろそろ、魔道具屋に行くかい?」
「「は~い」」

 シリカさんとの甘いひと時はとても楽しいけどアルス様に少し悪いので食べたらすぐに魔道具屋へと向かいます。
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