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第六章 学園都市ブラウディア

第五話 待ちに待った物はサボテン!!

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 僕はブラウディアを観光してます。

 シリカさんとララさんそれにフローラちゃんとヘリアも一緒にです。ローズさんとデシウスには情報収集をお願いしているので別行動。

「賑やかな街ですね~」
「うん、とっても豊みたいだね~」
「ん~、本屋さんはない」
「強い者もいないようだな」

 僕らは迷わないように街を散策。何人か僕らの耳を見て怪訝な顔をするけどそれほど気にはしていないように見える。やっぱりこの街でも加護なしにはいい顔しないのかも?。

 先生達はそれほど気にしてなかったみたいだけどね。

 街はとても平和でチンピラに絡まれることなく商店をまわる事が出来た。そしてなんと!!。

「これって!ショ~ユ!!」

 僕はある商店で試食をしていたので試食してみたんだ。醤油と全く同じ味の水だった。

 色合いはもちろん黒で少しとろみがある。僕は興奮して商店のおじさんに詰め寄った。

「おじ!おじ!おじさん!!、これは何ですか!!」

 おじさんは僕の迫力に戸惑いながらその水の元の商品を取り出してくれた。

「これじゃよ。ガザード大陸の名産品じゃ」
「ええ~、サボテン?」

 なんとそのアイテムは賢者がいるって言われてたガザード大陸のサボテンだった。

 おじさんがサボテンを切ると中からココナッツジュースのように黒い液体が出てきた。

「すご~い!!」
「そんなに興奮してどうしたんですか?」

 騒いでいる僕に気付いたシリカさん。サボテンショーユを舐めて感動してる。

「美味しいですね。お肉に合いそう」
「でしょでしょ~。あとあと~目玉焼きにかけたり~。それにそれにね~」

 僕が興奮して醤油のすばらしさを話すとシリカさんは目をパチクリとして微笑んだ。僕らは醤油を手に入れました。

「うむ、これは白米を探す旅に出たくなっちゃうな~」
「え!ジーニちゃんどっかいっちゃうの?」

 フローラちゃんが僕の独り言に反応して驚いてる。僕はそれを否定して頭をポンポンとしてあげると落ち着いてくれた。

 僕は旅に出るわけにもいかないのでこの街で白米を探します。こんなサボテン醤油があるんだから白米に変わる物があるかもしれない。もうパンは死ぬほど食べた。白米食べたい。僕は希望が見えて暴走気味です。

 だけど....白米はみつからなかった~。

「わ~ん、なかった~」
「ジーニ様、泣かないでください」
「アブ!」

 夕飯時、僕らは屋敷に帰ってきた。僕は見つからなかった事に涙しているとシリカさんに抱きしめられた。僕は口が緩んじゃうよ~。

 ああ、ララさんそんな目で見ないで~。とっても怖い顔で僕を見てるララさん。なんか魔法使おうとしてるみたいだけどやめてね。ここは家だよ~。

 何とかララさんのお怒りは収まったみたい。僕はシリカさんの最強の拘束から抜けた。

 晩御飯を食べながら次の日の構想を考える。今回は南側の商店を全部調べたから次は西側だ。僕は希望を胸にベッドに入っていく。今日はローズさんの日なので今日の活動内容を聞きながら一緒にベッドで寝てます。






 私はローズ、ジーニに言われた通り情報収集をしている。

 どうやらエマの同僚たちはファストの町にいるようだ。しかしあの町の悪党どもは私とデシウスで壊滅させたはず。そういえば縛られていた者達の中に冒険者のような装備をしていた人もいたような気がする。

 デシウスとも相談すると同じ答えにたどり着いた。という事は知らず知らずのうちにエマ達を助けていたみたいだ。

「では観光するか?」
「ジーニ様の為にこの街の事も調べておきましょ」

 私達は今後の為にと街を散策していくことにした。

 という事で、私は冒険者ギルドへ。

「ギルドマスターはいるか?」
 
 冒険者ギルドに入ると私はすぐにギルドマスターを呼んだ。

「[薔薇]のローズが呼んでいると聞いたがあんたがローズか?」

 マスターだと思われる女は踊り子のようなヒラヒラとした服を着ていて腰に二本のダガーを差していた。

 一見弱そうに思えるが姿を現せてから一回も隙を見せていない。中々の手練れだと思われる。

 私は頷くと奥の部屋へと案内された。





 部屋に入るとそこは応接室のような作りの部屋だった。奥のソファーにドカッと座るマスターは頬杖をついて口を開いた。

「ローズさん、私はこのブラウディアのギルドマスター、ファラよ。それで私に何か用があってきたのよね?」

 ギルドマスターのファラは自己紹介をしてすぐに本題を聞いてきた。

「ああ、今私はアステリア・ジーニの私兵になったんだが」
「ジーニってあのジーニアス商会の?」

 ファラは驚いてすぐに聞き返してきた。私は頷くと何かを考えるようにファラは顎に手を当てて首を傾げた。

「という事はこの間の学園のアリーナでの話かな?」

 ファラは私の聞きたいことを予想して当てた。私は頷くと更にファラは答えていった。

「あのハイオーガは私が捕まえておいた魔物だったんだよね。それをあんな風に悪用されちゃって、私も困ってるんだよね」
「では何もわかっていないのか?」

 私の疑問にファラは頷いてうなだれた。どうやらダンとエマは自力で捕獲したわけじゃないみたいだ。

 相当利用された事に苛立ちを感じていたのだろう。私が同じ立場でも同じように苛立っていたとと思う。

「それについては犯人はわかっている」
「ええ~、本当に?流石ローズだね。教えて教えて~」

 ファラは私に近づき胡麻をするポーズをする。私はただで教える気はないので取引を持ち掛ける。

「教えてもいいが私からも条件を出すぞ」
「ええ~....まあしょうがないわね。それで条件って何?」

「実行犯を捕まえない事。それとジーニの安全だ」
「え?それだけ?、それって実質実行犯を捕まえないだけで私的には約束を守ってることになっちゃうよ」

 ファラは優位すぎる条件に困惑してる。確かにジーニは守らなくてもいいがそういう意味で言ったわけじゃ。

「ジーニは加護なしだ。この街でも迫害されている事は知っている。そういう意味での安全を保障して欲しい」
「なるほど、教会からのアクションがあったら味方になればいいのね?わかったよ。正直、私、教会って嫌いだったのよね。回復魔法を独占してるし偉そうだし」

 ファラは乗り気のようだ。

 加護なしを迫害している教会はダインズ教会だ。このブラウディアのダインズ教会は西の区画にある。

「ジーニ坊やはあんまり西に行かせない方がいいよ。理由はわかるでしょ?」
「ああ、ダインズ教会には過激派もいると聞いているからな」

「それもわかってるなら学園でも同じように注意した方がいいよ」
「ええ、ジーニには敵が多いようだからね。注意するわ」

 そう言って私はファラに実行犯と依頼した貴族の名を教えた。ファラは青ざめていたけど納得したみたい。

「なるほどね。エグバンの宰相グラーフか。でもこっちのいざこざは私じゃどうしようもないよ。学園長に言っても学園都市とエグバンの戦争なんて笑えないしね」

 ファラはお手上げのようで首を横に振っていた。

 確かにこれだけの大都市とエグバンのような大都市同士の戦争なんて笑えないな。

「ああ、出来る限りの援護でいい。その時は頼む」
「わかったわ。ローズのお願いだものね」

 私はファラと固い握手をしてギルドを後にした。

 





「そっか、ギルドマスターのファラさんと仲良くなったんだね」

 報告を聞いて僕はローズさんに笑顔を向ける。ローズさんは頬を赤く染めて僕を抱きしめた。

「ジーニ、君は何故こんなにも可愛いのか!」
「ローズしゃん!」

 ローズさんが壊れた。ローズさんは僕を胸に押し付ける。シリカさんよりは小さい胸だけど程よい感じ。

「ああ、愛しくて愛しくてたまらない。君と離れている時が長すぎて私はおかしくなってしまったのかもしれない。それに君の唇を見ていると....重ねたくなってしまう」

 ローズさんの唇が僕に近づいてくる。ローズさんは僕のファーストキスの相手でもある、ローズさんは記憶にないかもしれないけど、体が覚えているのかもしれない。

 僕は拒もうとするんだけど逃れられない、だってとっても甘い匂いでくらくらするんだもん。

「そうはさせませんよ!」
「な!デシウス、今日は二人で寝ると言うことにしたんだぞ。次にすればいいじゃないか」

 間一髪でローズさんと僕の間にはいったデシウスは頑なに私からだと言っている。

 そういうデシウスはローズさんと別行動で情報収集していて何も得られなかったんだってさ。

 優しいローズさんはデシウスと一緒に今日、僕と寝る事で今度のデシウスの日に僕を独り占めにしようとしているみたい。ローズさんは策士だよね。

 やんややんやして疲れ切った二人は僕を挟んで静かに眠りに入っていった。僕はため息をついて二人の頭を撫でてあげる。

 どっちが子供何だか。

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