129 / 252
第五章 兄妹の絆
第二十話 アステリア帰還
しおりを挟む
ジャンヌ達が戦っている間も地上ではオークレが連れてきたゾンビ達と戦闘が行われていた。
デイブ村からアステリアへ戻っていた部隊を何とかアステリアの城壁まで連れてきたツヴァイは城壁の上からジャンヌ達を心配しながらも仲間達に指示を出していく。
「俺もあそこに行きたいがこんなにゾンビが来ていたとは思わなかった...」
ツヴァイはヘンダークへと斥候を放っていたのだがその情報には少数のゾンビしか確認されていなかったのだった。
地面を覆いつくすほどのゾンビが来ていた事に気付けなかったの失態だった。しかしオークレにより[ハイド]が施されたのだからしょうがない。
「皆!気張るぞ!ジャンヌ達にばかりいい格好させるな!!」
「「「「「応!!」」」」」
「「「「「ファイアランス」」」」」
城壁より魔法が放たれる。続けて矢がいかけられていく。
「第一歩兵隊出るぞ!」
北門から200人の部隊が出る。大盾を構えながらゾンビが門に付くのを防ぎつつ前進していく。
「四足に気をつけろ、早いぞ」
まるで戦車のように全体を大盾で防ぎながら歩く部隊は軽々とゾンビ達を粉砕していく。
「第二歩兵隊も続くぞ」
第二から第五まで歩兵隊が戦場を蹂躙していき門の前のゾンビ達は一掃された。そして、
「第一騎兵隊出る!」
確保された戦場を騎兵隊が駆ける。まだまだいるゾンビ達が騎兵によって粉砕されて行く。
城壁からの攻撃も続けられていくが一向に数が減らない。
「いくらいるんだ!。やはりジーニを」
「ツヴァイ様まだ行けます。補給はなくても食料は十二分にあります。いけますよ!」
「そうか、そうだな。お前達を信じるのも俺の役目か」
ツヴァイは一度アドスバーンに負けている。その為兵士が傷つく事に抵抗があるのだった。
アドスバーンと戦争をする前の内戦ではツヴァイは敵知らずで仲間に死人を出したことがなかった。
それはツヴァイの戦闘スタイルによるもの、戦場を疾走して敵の将を瞬時に狩る事で勝ってきたのだ。しかしこの戦場に将はいない。たとえいたとしてもゾンビは将が倒された事を気にも留めずに近くの生物を襲うだろう。
「第一騎兵隊、戻りました」
「ああ、ご苦労だった。それで戦場はどうだ?」
「ハッ!、ヘンダークの方角へ行けば行くほどゾンビ達の様相が変化していくようです」
騎兵隊は気付いたことを報告していく。
どうやらゾンビにも強弱があり、今城壁に迫っているのはF~Eランクのゾンビだそうだ。少しずつランクがあがっていくようで報告ではオークのゾンビも確認したらしい。
「ちゃんと見たわけではないのですがオークキングもいるかもしれません」
「...そうか。皆引き締めろ。ゾンビに夜はない。交代で事にあたってくれ」
「「「「「ハッ!!」」」」」
ツヴァイはため息をつきジャンヌ達が戦っているであろうアダマイオスを見やる。城壁から一キロほど離れた所にそれはいる、その為大きさがよくわかる。
「俺もあそこで子供達を....」
「王!、強い個体が現れました」
「お、おう。ガルド!頼んだ」
「了解!キーファ君、マリー、フッティア行くぞ!」
「「「了解!」」」
キーファも[薔薇]の一員に加えられその俊敏性から繰り出される連撃を買われ幹部にまで上り詰めた。
ガルドに追従して青く光るゾンビの集団へと突撃していく。ゾンビがマナを纏い強化されたアストラルゾンビである。まだCランク程度の敵の為ガルド達ならばまだまだ簡単に一掃できるが何せ数が多い。
「城壁から離れすぎるな。城壁からの魔法に頼れ!仲間を信じろ」
「了解!!くらえ![三双]!」
キーファはゾンビを三つ切りに両断。地面に切断されたゾンビが零れ落ちる。
[三双]は首胸腰を一瞬で切りつける技である。速度のあるキーファを象徴するような技だ。
「[トリプルアロー][ワイドショット]」
マリーの連打の矢が放たれる。
[トリプルアロー]名前の通り三発の矢を放つ。
[ワイドショット]扇状に5発の矢が放たれる。
「私も大暴れだ![ホールドアッパー]」
フッティアの戦斧が一人のゾンビを捕まえる。捕まえたままフッティアは自転して振り回す、しばらく周りに攻撃を加えて捕まえていたゾンビが吹き飛び着地したところでもダメージが発生した。
まだまだアステリアはゾンビに負けていない。
デイブ村からアステリアへ戻っていた部隊を何とかアステリアの城壁まで連れてきたツヴァイは城壁の上からジャンヌ達を心配しながらも仲間達に指示を出していく。
「俺もあそこに行きたいがこんなにゾンビが来ていたとは思わなかった...」
ツヴァイはヘンダークへと斥候を放っていたのだがその情報には少数のゾンビしか確認されていなかったのだった。
地面を覆いつくすほどのゾンビが来ていた事に気付けなかったの失態だった。しかしオークレにより[ハイド]が施されたのだからしょうがない。
「皆!気張るぞ!ジャンヌ達にばかりいい格好させるな!!」
「「「「「応!!」」」」」
「「「「「ファイアランス」」」」」
城壁より魔法が放たれる。続けて矢がいかけられていく。
「第一歩兵隊出るぞ!」
北門から200人の部隊が出る。大盾を構えながらゾンビが門に付くのを防ぎつつ前進していく。
「四足に気をつけろ、早いぞ」
まるで戦車のように全体を大盾で防ぎながら歩く部隊は軽々とゾンビ達を粉砕していく。
「第二歩兵隊も続くぞ」
第二から第五まで歩兵隊が戦場を蹂躙していき門の前のゾンビ達は一掃された。そして、
「第一騎兵隊出る!」
確保された戦場を騎兵隊が駆ける。まだまだいるゾンビ達が騎兵によって粉砕されて行く。
城壁からの攻撃も続けられていくが一向に数が減らない。
「いくらいるんだ!。やはりジーニを」
「ツヴァイ様まだ行けます。補給はなくても食料は十二分にあります。いけますよ!」
「そうか、そうだな。お前達を信じるのも俺の役目か」
ツヴァイは一度アドスバーンに負けている。その為兵士が傷つく事に抵抗があるのだった。
アドスバーンと戦争をする前の内戦ではツヴァイは敵知らずで仲間に死人を出したことがなかった。
それはツヴァイの戦闘スタイルによるもの、戦場を疾走して敵の将を瞬時に狩る事で勝ってきたのだ。しかしこの戦場に将はいない。たとえいたとしてもゾンビは将が倒された事を気にも留めずに近くの生物を襲うだろう。
「第一騎兵隊、戻りました」
「ああ、ご苦労だった。それで戦場はどうだ?」
「ハッ!、ヘンダークの方角へ行けば行くほどゾンビ達の様相が変化していくようです」
騎兵隊は気付いたことを報告していく。
どうやらゾンビにも強弱があり、今城壁に迫っているのはF~Eランクのゾンビだそうだ。少しずつランクがあがっていくようで報告ではオークのゾンビも確認したらしい。
「ちゃんと見たわけではないのですがオークキングもいるかもしれません」
「...そうか。皆引き締めろ。ゾンビに夜はない。交代で事にあたってくれ」
「「「「「ハッ!!」」」」」
ツヴァイはため息をつきジャンヌ達が戦っているであろうアダマイオスを見やる。城壁から一キロほど離れた所にそれはいる、その為大きさがよくわかる。
「俺もあそこで子供達を....」
「王!、強い個体が現れました」
「お、おう。ガルド!頼んだ」
「了解!キーファ君、マリー、フッティア行くぞ!」
「「「了解!」」」
キーファも[薔薇]の一員に加えられその俊敏性から繰り出される連撃を買われ幹部にまで上り詰めた。
ガルドに追従して青く光るゾンビの集団へと突撃していく。ゾンビがマナを纏い強化されたアストラルゾンビである。まだCランク程度の敵の為ガルド達ならばまだまだ簡単に一掃できるが何せ数が多い。
「城壁から離れすぎるな。城壁からの魔法に頼れ!仲間を信じろ」
「了解!!くらえ![三双]!」
キーファはゾンビを三つ切りに両断。地面に切断されたゾンビが零れ落ちる。
[三双]は首胸腰を一瞬で切りつける技である。速度のあるキーファを象徴するような技だ。
「[トリプルアロー][ワイドショット]」
マリーの連打の矢が放たれる。
[トリプルアロー]名前の通り三発の矢を放つ。
[ワイドショット]扇状に5発の矢が放たれる。
「私も大暴れだ![ホールドアッパー]」
フッティアの戦斧が一人のゾンビを捕まえる。捕まえたままフッティアは自転して振り回す、しばらく周りに攻撃を加えて捕まえていたゾンビが吹き飛び着地したところでもダメージが発生した。
まだまだアステリアはゾンビに負けていない。
0
お気に入りに追加
5,867
あなたにおすすめの小説
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク
普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。
だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。
洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
------
この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが
ラストダンジョンをクリアしたら異世界転移! バグもそのままのゲームの世界は僕に優しいようだ
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はランカ。
女の子と言われてしまう程可愛い少年。
アルステードオンラインというVRゲームにはまってラストダンジョンをクリア。
仲間たちはみんな現実世界に帰るけれど、僕は嫌いな現実には帰りたくなかった。
そんな時、アルステードオンラインの神、アルステードが僕の前に現れた
願っても叶わない異世界転移をすることになるとは思わなかったな~
【創造魔法】を覚えて、万能で最強になりました。 クラスから追放した奴らは、そこらへんの草でも食ってろ!
久乃川あずき(桑野和明)
ファンタジー
次世代ファンタジーカップ『面白スキル賞』受賞しました。
2022年9月20日より、コミカライズ連載開始です(アルファポリスのサイトで読めます)
単行本は現在2巻まで出ています。
高校二年の水沢優樹は、不思議な地震に巻き込まれ、クラスメイト三十五人といっしょに異世界に転移してしまう。
三ヶ月後、ケガをした優樹は、クラスメイトから役立たずと言われて追放される。
絶望的な状況だったが、ふとしたきっかけで、【創造魔法】が使えるようになる。
【創造魔法】は素材さえあれば、どんなものでも作ることができる究極の魔法で、優樹は幼馴染みの由那と快適な暮らしを始める。
一方、優樹を追放したクラスメイトたちは、木の実や野草を食べて、ぎりぎりの生活をしていた。優樹が元の世界の食べ物を魔法で作れることを知り、追放を撤回しようとするが、その判断は遅かった。
優樹は自分を追放したクラスメイトたちを助ける気などなくなっていた。
あいつらは、そこらへんの草でも食ってればいいんだ。
異世界で活躍する優樹と悲惨な展開になるクラスメイトたちの物語です。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
最強の赤ん坊! 異世界に来てしまったので帰ります!
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
病弱な僕は病院で息を引き取った
お母さんに親孝行もできずに死んでしまった僕はそれが無念でたまらなかった
そんな僕は運がよかったのか、異世界に転生した
魔法の世界なら元の世界に戻ることが出来るはず、僕は絶対に地球に帰る
墓守の荷物持ち 遺体を回収したら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアレア・バリスタ
ポーターとしてパーティーメンバーと一緒にダンジョンに潜っていた
いつも通りの階層まで潜るといつもとは違う魔物とあってしまう
その魔物は僕らでは勝てない魔物、逃げるために必死に走った
だけど仲間に裏切られてしまった
生き残るのに必死なのはわかるけど、僕をおとりにするなんてひどい
そんな僕は何とか生き残ってあることに気づくこととなりました
転生した社畜は異世界でも無休で最強へ至る(旧題|剣は光より速い-社畜異世界転生)
丁鹿イノ
ファンタジー
【ファンタジア文庫にて1巻発売中!】
深夜の職場で人生を終えた青桐 恒(25)は、気づいたらファンタジーな異世界に転生していた。
前世の社畜人生のお陰で圧倒的な精神力を持ち、生後から持ち前の社畜精神で頑張りすぎて魔力と気力を異常に成長させてしまう。
そのうち元Sクラス冒険者である両親も自重しなくなり、魔術と剣術もとんでもないことに……
異世界に転生しても働くのをやめられない!
剣と魔術が存在するファンタジーな異世界で持ち前の社畜精神で努力を積み重ね成り上がっていく、成長物語。
■カクヨムでも連載中です■
本作品をお読みいただき、また多く感想をいただき、誠にありがとうございます。
中々お返しできておりませんが、お寄せいただいたコメントは全て拝見し、執筆の糧にしています。
いつもありがとうございます。
◆
書籍化に伴いタイトルが変更となりました。
剣は光より速い - 社畜異世界転生 ~社畜は異世界でも無休で最強へ至る~
↓
転生した社畜は異世界でも無休で最強へ至る
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる