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第五章 兄妹の絆

第十話 前世の知識

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 私はジャンヌ、フレアアニマルとの戦いからいくらか過ぎて、私も少し成長しました。

「畑の様子が変だな」
「ああ、最近、粒が小さいんだよな」

 同じ畑で同じものばかり作っているのでとても効率の悪い農業がされている。

 私は少しずつ言葉を話せるようになってきたので前世の記憶を頼りに知識チートを使っていこうと思いマシュ!

「ブーンさん!」
「お?ジャンヌちゃんかい。どうしたんだ?」

「う~んとね。畑さんは同じモノばっかり作ると同じ力を吸い取っていっちゃうんだって。だから休ませるか違う野菜さんを植えてあげれば同じように大きな実がなるんだよ」
「ほ~それは精霊から聞いたのかい?」

「...うん、そうだよ。あとね。森の落ち葉が溜まってる所の地面はとても力をもってるんだって言ってた。それを畑に撒けば大地に力が宿るんだって~!」

 私はとっても可愛く話すとブーンさんとカインさんは顔が緩んで笑みをうかべた。ジーニお兄ちゃんほどじゃないけどうまくできたかな?。

 畑はジーニお兄ちゃんの魔力で今まで大きな実をつけていたんだよね。お兄ちゃんが遠く離れてしまったせいでただの畑になっちゃったみたい。ここは私がどうにかしないと。

「アウアウ!」
「ライ?どうしたの?」

 ジャンヌの足を引っ張るライは牛のいる牛舎を指さしている。牛舎には牛や豚がいるんだけど。

「牛は乳牛よね?乳牛って放牧するものなの?」
「おらたちの牛は放牧してるだ。だども都会の牛は繋ぎ飼いがおもらしいだ」

 確か前世の乳牛は繋ぎ飼いをしていたよね。その方が効率がいいはず。残酷かもしれないけどお肉は魔物を狩れば手に入るけどお乳は牛さんからしか手に入らないんだよね。

「うちも繋ぎ飼いにした方がいいよ~」
「そうかね~」
「バブブ!」

 ライがなんか言いたそうに私のズボンを引っ張ってきた。どうやら牛によって放牧にした方がいいのか悪いのかがあるみたい。うちの牛は放牧した方がいいらしい。言いたがらないけどライは畜産業をやっていたのかもしれない。

 あの牛は肉にした方がいい牛で本来なら1~2年の間にお肉にするんだってさ。もう時期は過ぎてるからこのままにしてあげた方がいいみたい。

「牛に関してはよくわからないな~」
「バブ」
「え?餌に野菜を混ぜるの?」

 ライはやっぱり畜産関係者だったみたい。何だか頼りになりそう。牛も栄養の偏りによって善し悪しがでるみたい。それは乳牛にも関係あってこの牛は確かに年取っているけど栄養次第であと数年大丈夫なんだってさ。

 その間に新しい牛を村からもらい受けに行きま~す。キーファさんを連れて行くとフッティアさんとマリーさんがついてきちゃうのでイートン君と一緒に行きま~す。







 牛を飼育しているのは元アドスバーンの北東の村、デイブの村。ここは豚も飼っている。

 アステリアは土地はあるのにあんまり有効に使用できてない。お兄ちゃんが忙しくて携われなかったみたい。

 じゃあ私がやっちゃうよ!。

「あの、ジャンヌ様。何故私を?」
「え?う~んと。キーファ君はめんどくさくなりそうだけどイートン君は大丈夫かな~って」

 私の言葉にキーファ君はとても落ち込んでた。「どうせ僕はモテませんよ」だってさ。可哀そうだけど何でもてないんだろ?結構カッコいいのに。

 でもお兄ちゃんの方がカッコいいけどね。

 牛を乗せるための馬車と一緒に移動してるからとても遅い。

 という事で、

「やっぱり~空とぶんですね~」

 私とイートン君それにライとレイを乗せた馬車が風の精霊に運ばれていく。歩きで二日の距離を10分程度で到着。

 帰りは牛が乗るから空は飛べないかもだけど。怖がっちゃうもんね。

「これはこれはジーニ様のご兄弟のジャンヌ様とライ様それにレイ様まで」
「ジーニ様は学園都市に行ったんでしたね」

 むむ、この人達はアドスバーンの双子ルーズにフーズだ。とってもカッコいいけど性格が悪いってお兄ちゃんが言ってた。

「可愛らしい方々が来てくれてとても今日はいい一日になりそうです」
「そうですね。できれば騒ぎを起こしてくれて僕たちの糧に....」

 ほらほら、すぐにボロが出てきた~、本音が丸見えだよ。

「ルーズさんにフーズさん。こんにちは!、騒ぎは起こさないですよ。でも"おもらし"はしちゃうかも」
「「!?」」

 ふふふ、私はお兄ちゃんから二人の秘密を聞かされているのですよ。

 双子はとってもびっくりして冷や汗をかいている。

「バブ?」
「バブブ!」

 ライとレイがおもらしに反応しちゃった。二人はおもらしはしないから大丈夫。こんなに手のかからない赤子も珍しいだろうね。ちゃんとおトイレで用を足せるんだよ。偉いでしょ?。

 私はライとレイをなだめてからルーズとフーズに来た理由を話す。

「チィ!、牛が欲しいだけか」
「あの親父が牛を取り仕切ってるはずだ話して見な」
「ありがとうございます!、おもらし!じゃなかったかっこい妹双子のお兄さん達!」

 グヌヌヌといった様子の双子を無視して牛を飼ってるおじさんの所へ歩いて行く。

「なんだなや!、めんこい子だ~。なんかわしに用か~?」

 何だか色々な土地のなまりが酷いおじさんだ。標準語わかるかな?。

「えっとですね。牛を5頭ほど欲しいんですけど」

 イートン君が先導して話してくれた。イートン君も言葉が通じるかわからなかったのでゆっくりと話しかけてる。

「あ~あ~、金さえ貰えればいくらでもええぞ。この村の牛は全部、わのもんだで」
「ええ!、全部?」
「あ~わしはこの村の村長だ~。わしのもんを全部みなに分配して育ててんだ~。実質全部わしのもんだ~」

 田舎じゃかなりのおかね持ちのおじさんだね。じゃあ代金を上げてっと。

「お~お~、凄いだな~。流石は領主様のお子だ~。太っ腹だべ」

 私は牛5頭を銀貨60枚で購入。一頭銀貨10枚が相場みたいだったので色を付けました。村長さんはとってもいい笑顔で受け取って牛を馬車にいれてくれた。

「あ~そうだ~。村の近くにアンデッドが湧くようになっちまったんだ~。何とかならないだか?」
「アンデッドが?」
「おい!、その話は俺達が解決するって言っただろ」

 どうやら双子達は私達が丁度来てしまった為にアンデッドの調査に行けなかったみたい。私はニヤッとしておじさんに話を続けるように言う。

「ここから北に一日程の森にアンデッド湧きだしたんだ~。あいつら生きてるもんを無差別に襲うから危険だ~。だからわきつぶししてほしいんだ~」

 わきつぶしとは松明を置く....ではなくマナだまりで魔法を使ってほしいという事なのだ。マナだまりのマナを使いつくすとマナだまりは霧散してなくなっていく。

 深淵の森のマナだまりはいくら魔法を使っても無くならないが通常のマナだまりはある一定の魔法を使うとなくなっていく。

「じゃあ、ルーズさんフーズさん、一緒に行きましょうか?」
「あ~?何で俺がお前なんかと」
「いや待て!フーズ、ゴニョゴニョ」
「ほうほう、なるほど.....分かった一緒に行ってやる」
「違うだろ。お供いたします。ジャンヌ様」

 双子は怪しく内緒話をする。フーズの言葉使いにルーズは頭を叩いて訂正してる。

 わかりやすい双子だこと。どうせ私に取り入ってアステリアかアドスバーンに帰ろうとしてるんでしょ。

 まあいいや、私達はイートン君に先に帰っているように伝えてアンデッドの調査に向かった。
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