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第四章 ルインズガル大陸
第四十三話 アルサレム激闘①
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ジャンヌは黒い棺から舞い戻った。
元の王の墓へと戻ったジャンヌは風の女神が倒れこんでいる、今にも消えてしまいそうな姿を見て悲しい顔になっていく。
「アウアウ....」
ジャンヌは涙を流す。それを見ていたトゥルースは薄ら笑う。
「私や精霊はアストラル体、マナの体なのですよ。マナがある限り生き続ける。私がこの部屋のマナを独占したことで彼女は苦しんでいます。申し遅れましたね。自己紹介をいたしましょう。私はトゥルースと申します。お見知りおきを」
トゥルースは攻撃をすることが出来ないが精霊たちよりもマナを扱う事に長けている。なのでこの小さい部屋などではマナを独占する事も容易なのだ。
ジャンヌに見られてもいないのにトゥルースはジャンヌへとお辞儀をする。ジャンヌは風の女神の顔を撫でているとまだ死んでいないのが分かってジャンヌは笑みをうかべた。そして、
「ニイチャ~~~~~」
「何事です?」
ジャンヌは初めて喋った。これはジーニを越える記録だろう。まだガッジュにいるであろうジーニに聞こえるはずもないのだがジャンヌは叫ぶのだった。
しかしジーニは死ぬほどジャンヌを愛していた。なので超人的な聴覚を発揮する。
「ん?今妹の声が聞こえた....それも悲しそうな...」
「ジーニちゃんどうしたの?」
ジーニはすぐに声の元へと急ぐのだった。
「お兄ちゃんですか....これは急がなくては...アルス様も水晶を使った事ですしね。準備を進めましょう」
トゥルースはいち早くジーニがくると予想してすぐに墓を後にした。
その間もツヴァイ達の戦闘は続いていた。
「すみません、ツヴァイ様、俺達では足手まといのようです」
「俺が隙を作る。そのうちに逃げてくれ。ジーニを連れてくるんだ」
「....分かりました。私達にはそんなことしかできないみたいです」
何とかアルス達の目をかいくぐり合流を果たしていた。ツヴァイ達は撤退を実行する。
「兄弟!敵が来たぞ」
「ああ、わかってる。手はず通りに行くぞ」
「分かりました。ご武運を」
ツヴァイは一人王城にのこり、時間を稼ぐことに徹底していく。
「ツヴァイ!、逃げてばかりでは終わらないぞ」
「アルスよ。いつだったか言っただろう。勝てない戦いはするなってな」
王城内を鬼ごっこする二人、その時ツヴァイはエルエスが視界に入らない事に不安を感じていたがアルスの相手をするだけで手一杯な状況なので頭の中から排除していった。
王城内の十字路を幾つも駆けまわる二人、時折魔法や剣の音が鳴り響く。
「[スパイラルブリット]!」
「くっ、ゴールド頼む」
「おうよ、兄弟[ゴールドブレス]」
通路を隙間なく、螺旋を描いた剣による突きが横断してくる。
ツヴァイの肩に乗る金の竜、ゴールドが金のブレスを吐き金の壁を作り出した。金は柔らかく螺旋の突きを受け止める。その若干の時間で何とか十字路へとたどり着き横へと飛びのく。
飛びのいた瞬間、金の壁が壊れ螺旋の突きがツヴァイの横を通っていく。
「パワーアップし過ぎだ。弟子のくせに」
ツヴァイはホッとして呟く。アルスの足音がコツコツと迫る中ツヴァイは剣を交える覚悟を決める。そう、アルスを殺す覚悟だ。
「アルサレム王さえ生きていれば。だが仕方ない。しかし最後にあの見知らぬ仮面の男を試してみるか」
ツヴァイはうまく立ち回る。アルスを見て剣戟を捌き玉座の間へとたどり着く。そこには仮面の男、トゥルースとエルエスが水晶を周囲にばらまいていた。
「これはこれはツヴァイ様どうされたのですか。アルス様と訓練ごっこをしていたのではないんですか?」
「やはりお前が今回の首謀者か?」
ツヴァイは剣をトゥルースへと向ける。トゥルースは笑みをうかべてそれを見た。
「よそ見をしていて大丈夫ですか?」
「何?」
「「兄弟!!」」
ツヴァイは油断していた。背後から近づくアルスに気付くのが遅れたのだ。ツヴァイは左わき腹を切られて壁へともたれかかる。
「兄弟!すぐに回復を[ヒール]」
「すまねえ、気づくのが遅れた。奴は[ハイド]を使ってきてたみてえだ」
そうアルスは隠密の魔法[ハイド]を使っていたのだ。まさかこんな場面で使ってくるとは思わなかったのだろう。
「ハァハァ、やっと捕まえた....」
「アルス様ささ、こちらに」
「何をする気だ!!」
「兄弟!今は回復に専念しろ」
「急所は外れてるけど酷いけがだぞ」
トゥルースに声をかけられるとアルスの目から生気がなくなる。まるで操られていた時のフローラのようだ。
ツヴァイは傷ついた体でアルスを止めようと体を動かしたのだが力が入らずに壁にもたれかかる。
玉座の中央、水晶が撒かれていない所で跪くアルス。よく見るとエルエスも操られているようで、ただ玉座の横で中央を見ている。
「準備できましたね。では始め」
ギギギギ、ズシャ~ン!!
トゥルースが何かを始めようとした時お城の上部半分が何かに外された。
元の王の墓へと戻ったジャンヌは風の女神が倒れこんでいる、今にも消えてしまいそうな姿を見て悲しい顔になっていく。
「アウアウ....」
ジャンヌは涙を流す。それを見ていたトゥルースは薄ら笑う。
「私や精霊はアストラル体、マナの体なのですよ。マナがある限り生き続ける。私がこの部屋のマナを独占したことで彼女は苦しんでいます。申し遅れましたね。自己紹介をいたしましょう。私はトゥルースと申します。お見知りおきを」
トゥルースは攻撃をすることが出来ないが精霊たちよりもマナを扱う事に長けている。なのでこの小さい部屋などではマナを独占する事も容易なのだ。
ジャンヌに見られてもいないのにトゥルースはジャンヌへとお辞儀をする。ジャンヌは風の女神の顔を撫でているとまだ死んでいないのが分かってジャンヌは笑みをうかべた。そして、
「ニイチャ~~~~~」
「何事です?」
ジャンヌは初めて喋った。これはジーニを越える記録だろう。まだガッジュにいるであろうジーニに聞こえるはずもないのだがジャンヌは叫ぶのだった。
しかしジーニは死ぬほどジャンヌを愛していた。なので超人的な聴覚を発揮する。
「ん?今妹の声が聞こえた....それも悲しそうな...」
「ジーニちゃんどうしたの?」
ジーニはすぐに声の元へと急ぐのだった。
「お兄ちゃんですか....これは急がなくては...アルス様も水晶を使った事ですしね。準備を進めましょう」
トゥルースはいち早くジーニがくると予想してすぐに墓を後にした。
その間もツヴァイ達の戦闘は続いていた。
「すみません、ツヴァイ様、俺達では足手まといのようです」
「俺が隙を作る。そのうちに逃げてくれ。ジーニを連れてくるんだ」
「....分かりました。私達にはそんなことしかできないみたいです」
何とかアルス達の目をかいくぐり合流を果たしていた。ツヴァイ達は撤退を実行する。
「兄弟!敵が来たぞ」
「ああ、わかってる。手はず通りに行くぞ」
「分かりました。ご武運を」
ツヴァイは一人王城にのこり、時間を稼ぐことに徹底していく。
「ツヴァイ!、逃げてばかりでは終わらないぞ」
「アルスよ。いつだったか言っただろう。勝てない戦いはするなってな」
王城内を鬼ごっこする二人、その時ツヴァイはエルエスが視界に入らない事に不安を感じていたがアルスの相手をするだけで手一杯な状況なので頭の中から排除していった。
王城内の十字路を幾つも駆けまわる二人、時折魔法や剣の音が鳴り響く。
「[スパイラルブリット]!」
「くっ、ゴールド頼む」
「おうよ、兄弟[ゴールドブレス]」
通路を隙間なく、螺旋を描いた剣による突きが横断してくる。
ツヴァイの肩に乗る金の竜、ゴールドが金のブレスを吐き金の壁を作り出した。金は柔らかく螺旋の突きを受け止める。その若干の時間で何とか十字路へとたどり着き横へと飛びのく。
飛びのいた瞬間、金の壁が壊れ螺旋の突きがツヴァイの横を通っていく。
「パワーアップし過ぎだ。弟子のくせに」
ツヴァイはホッとして呟く。アルスの足音がコツコツと迫る中ツヴァイは剣を交える覚悟を決める。そう、アルスを殺す覚悟だ。
「アルサレム王さえ生きていれば。だが仕方ない。しかし最後にあの見知らぬ仮面の男を試してみるか」
ツヴァイはうまく立ち回る。アルスを見て剣戟を捌き玉座の間へとたどり着く。そこには仮面の男、トゥルースとエルエスが水晶を周囲にばらまいていた。
「これはこれはツヴァイ様どうされたのですか。アルス様と訓練ごっこをしていたのではないんですか?」
「やはりお前が今回の首謀者か?」
ツヴァイは剣をトゥルースへと向ける。トゥルースは笑みをうかべてそれを見た。
「よそ見をしていて大丈夫ですか?」
「何?」
「「兄弟!!」」
ツヴァイは油断していた。背後から近づくアルスに気付くのが遅れたのだ。ツヴァイは左わき腹を切られて壁へともたれかかる。
「兄弟!すぐに回復を[ヒール]」
「すまねえ、気づくのが遅れた。奴は[ハイド]を使ってきてたみてえだ」
そうアルスは隠密の魔法[ハイド]を使っていたのだ。まさかこんな場面で使ってくるとは思わなかったのだろう。
「ハァハァ、やっと捕まえた....」
「アルス様ささ、こちらに」
「何をする気だ!!」
「兄弟!今は回復に専念しろ」
「急所は外れてるけど酷いけがだぞ」
トゥルースに声をかけられるとアルスの目から生気がなくなる。まるで操られていた時のフローラのようだ。
ツヴァイは傷ついた体でアルスを止めようと体を動かしたのだが力が入らずに壁にもたれかかる。
玉座の中央、水晶が撒かれていない所で跪くアルス。よく見るとエルエスも操られているようで、ただ玉座の横で中央を見ている。
「準備できましたね。では始め」
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