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第3話

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今回の話は、一部気持ちの悪い表現を含みます。

該当の表現は食事に関するものなので、食事中の方は特に閲覧しないことを強く勧めます。

(部分的にここからここまで読み飛ばして下さいとはやりにくかったので、ここで警告するだけに留めます)


*******

 そんなあまり良くないソフィアとエリーの初対面があった後、ソフィアは屋敷で働く使用人をよく観察した。

 その結果、この屋敷で働く使用人は殆ど全員ソフィアのことをよく思っていないことがわかった。

 
 リチャードとエリーの仲を引き裂いて、無理矢理リチャードの妻の座に収まった泥棒猫。

 そういう認識だった。


 ソフィアは実家から信頼出来る侍女を一人だけ連れてきており、自分の着替えや化粧等、入浴の手伝い等の身の回りの世話はその侍女にお願いしている。

 なので、ソフィアは基本的にハウエル伯爵家の使用人に直接身の回りの世話をしてもらう機会は少ないが、食事の給仕や屋敷内の清掃などはどうしてもハウエル伯爵家の使用人にしてもらうことになる。


 彼らはソフィアへのあたりが非常に強かった。

 食事の給仕担当は料理が盛り付けられたお皿をソフィアに給仕する時のみあからさまに雑に置いたり、ワインや水をお代わりしたくて呼んでも全て無視される。

 給仕担当は雑な給仕だが、料理人はソフィアの分だけわざと思い切り焦げた料理や生煮え状態でとても食べれる状態じゃない料理、味付けが明らかに変な料理を作る。

 ひどい時なんてグリーンサラダに生きた虫がうにょうにょと蠢いていたり、スープに小さな虫の死骸がたっぷりと浮いていた。
 

 清掃担当の使用人は、清掃中にソフィアが通りかかると、わざとモップを彼女の足元に出して、転ばせようとする。

 ソフィアが運良く回避出来ても、チッと舌打ちまでする始末だった。


 そんなことがあって、ソフィアはこの屋敷の使用人のことは全く信用しなくなった。

 食事やソフィアに宛がわれている部屋の清掃も全て実家から連れて来た侍女にやってもらうことにした。

 侍女も自分の家のお嬢様がそんな扱いを受けていることに心を痛め、想定よりも多い仕事に何一つ文句は言わず、ソフィアの世話をする。


 ソフィアとハウエル伯爵家の使用人はこんな状態だったので、ソフィアがエリーについて知りたいことを聞いても教えてくれないだろうということは簡単に推測出来た。

 なのでソフィアは変装して、盗み聞きをすることにした。
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