できそこないの幸せ

さくら/黒桜

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第三章 たまにはお前も休めばいい

12 *R

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「……なんか……いつもとサイズが……違う」

見慣れぬ巨根の登場に、光は目をぱちくりさせた。光に半ば無理やり床に倒され服も脱がされた勝行は「やめろってば!」とまだ騒いでいる。

「なに……あ、たまってんのか、お前」
「うるさい馬鹿!」

割と当たっていると思ったのだが、軽く流した一言に即キレられ、光はより一層驚いてしまった。そもそも勝行の怒声なんて滅多に聞くことはない。本気で怒っているのは確かだ。はみ出る股間を無理やり手で隠し、顔を真っ赤にして説教してくる。

「ちょっとくらい人のこと考えろよ!」
「あ、あー……わる……かった?」
「なんでそこで疑問形なんだよ!」
「お、おう……そう、だな……」

頭ごなしに怒鳴られてばかりで光は戸惑う。考えなしに行動する失敗をまたやらかしてしまった。どうにか謝る以外に挽回する方法はないのだろうか。せっかくの旅行だと言うのに——。
しかし光はすっかり彼の股間にくぎ付けになっていて、ちっとも思考が回らなかった。

(普通にしててもデカいって知ってたけど、勃ったらマジで武器じゃねえか、これ)

思わず生唾をごくりと飲み込んだ。前にも勝行のそれを口に入れたことはあったけれど、こんなサイズじゃなかった。あの時も泣かれたし、悪いことをしたと激しく反省したものだが、今回は状況が違う。余裕なく張り詰めたそこは、辛く苦しそうだ。光は吸い込まれるように勝行に近づき、股間にもう一度手をかけた。

「なあ。お詫びに抜いてやる」
「——は?」
「だって、コレこのままじゃ風呂入れねえだろ?」

俺に任しとけって。突然の提案に戸惑う勝行の手を強引に退け、半端に残ったパンツをずり降ろす。光はそのまま剥き出しになった本体を手で掴み、軽く扱いた。

「ぁうっ」

腰が引けているけれど、ブツはビクビクンと素直に反応し、硬度を上げていく。逃がすものかと光は勝行に覆いかぶさり、掴んだままの竿先に舌を這わせた。固くなるどころか、しっかり中身が暴発寸前になっている様子だ。溢れる先走りを舐めて口に含みながら視線を上げると、顔を真っ赤にしたままこちらを凝視している勝行と目が合った。

「きもちいい? ……まだ、怒ってる?」
「ひっ……ひか、る、やめろっ……」

そうは言っても、このまま放置したらものすごい苛立ちとムズムズした感触に囚われて、気分よく過ごせないだろう。男の生理現象として光はそれをよく知っていた。急に怒り出したのはもしかしたら、そのせいかもしれない。
さっきまで本気で怒っていた勝行の声も、光に扱かれたり鈴口を吸われるたび上擦ってきて、腰も不自然に浮いていた。やはりしっかり者の勝行でも、生理現象には抗えないのだろう。素直に「抜きたい」と言ってくれればいいのに。ならばここはひと肌脱いで、勝行の溜まったストレスを気持ちよく発散してやろうと決意する。

「大丈夫、すぐにイカせてやるから」

それは過去に見た何人もの男のアイテムの中で一番大きくて、硬い。こんなもので喉奥を突かれたら本当に窒息しそうだ。だが光は躊躇うことなくそれを口にすっぽりと詰め込み、舌を這わせて快感のツボを探し始めた。じゅるっと音を立てて吸い上げると、頭上からは聴いたこともないような「うあぁっ」と苦し気な喘ぎ声が聴こえてくる。上目遣いで様子を伺うと、眉間に皺寄せ声を我慢しているのか、片手の甲で口元を押さえていた。

(よし……気持ちよさそうだ)

父親にフェラをしていた頃は、上手くできた時だけ「いい子だ」と頭を撫でて褒めてもらえた。勝行にも同じように褒めてもらいたい。もっと気持ちよくなってほしい。
光は夢中になって勝行の一物を撫で上げ、筋裏を刺激しては喉奥まで咥え込んだ。口いっぱいに頬張りすぎて涎が零れるが、カリ部分や先っぽをぐりぐりと口腔内で刺激するたび、ひくつく勝行の昂ぶりがグッと喉奥を突き刺してくる。

「かつゆきの……でか……っ」
「ん、ふぅっ……」

最初に見た時より更に巨大化している気がする。口の中パンパンに膨れ上がるそれを咥えたまま思わず呟いた。するとその吐息だけで感じてしまったのか、さらに物量を増して来て思わず嘔吐いた。口腔内の肉片も上下左右隈なく刺激されて、光の思考もだんだん浮ついてくる。

(……きもち……いい……苦し……)

もっと、もっと擦られたい。キスしている時より激しくて気持ちがいい。
奉仕のつもりが、気づけば自分自身が快感の虜になっていた。
根元から先っぽまで、何度も吸いついては喉を鳴らす。横にずらし、ハーモニカのように音立てて裏筋を啜ると、頭上からもふうふうと荒れた呼吸が聴こえてくる。勝行も気持ちよさそうだ、今はちっとも嫌がってない。嬉しくなった光は勝行の股間に頭を埋め、勢いよくディープスロートをし始めた。同時にふぐりをこりこりと揉み解し、鼠径部とキスをする。

「うあぁっ……くっ」

案の定勝行から悲鳴にも似た喘ぎ声があがり——同時に頭を鷲掴みにされると、そのまま股間に強く押し付けられた。腰から凶悪サイズのこん棒で喉をゴリゴリと突いて蓋をされているようだ。とんでもない硬さと物量に、光の喉が切なく啼いた。何度も酸素提供を止められ、意識も吹っ飛びそうになる。

「……も、だめ、いくっ……っく、ふぅっ……」
「んっ、んんんーっ」

生暖かい口腔内で、勝行の血管が激しく脈打つ。その感覚を共有しながらも、光は逃げようともせず喉を押し付けたままじっとしてた。喉奥めがけてびゅうびゅうと勝行の溜まった欲望が飛び散ってくるのがわかる。それを自ら音立てて、ごくんと全て飲み込んだ。あちこちに飛び散った精液も舌で舐め上げながら、そっと口から引き抜く。勝行は放心状態なのか、ぐったりしたまま床に倒れて荒れる呼吸を整えていた。

「はあ……はあ……はあ……」

息を切らし、馬乗りになったまま、光は勝ち誇った顔で口元の粘液を舐めとった。

「……っ、なあ……も、風呂入れる……?」

勝行のため込んだガスが全部抜けたなら、きっと入浴もすっきり顔で一緒に楽しんでくれるに違いない。そう思っていたのだが……。
起き上がりながら「このバカ……!」と低い声で罵る勝行は、光の腕を引っ張ると唇を無理やり奪い取ってきた。さらに舌を絡ませ、自分の精液が散々押し込まれた光の口腔内を必死に舐め取ろうとする。場数を踏んでいて、フェラも散々やり慣れている光もさすがにびっくりした。

「そんなもん、飲むなって言っただろ……っ」
「ふ、……っんん」

勝行の怒るところがよくわからない。だがこれはきっと自分を気遣ってくれている優しいキスだ。嬉しくなった光は舌を絡め合い、激しいキスの攻防に参戦した。
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