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白うさぎと黒うさぎの物語
猛毒のような罠、王子の過ち
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禁断の果実の匂いって、こういうものかもしれない。
お腹がすいてしようがない。ヒカルに会いに来ただけなのに、ぼくの口からだらしない涎が垂れた。慌てて白いシャツの袖でそれを拭いた。
これが……毒?
アルファを脅かす兵器になるという。まるで瘴気のような。
「ひか……ヒカル、大丈夫?」
どうにか声を出して暗闇の中部屋の奥に進んでみると、ヒカルが寝ているはずのベッドは沢山の服で埋めつくされていた。よくみたらその服は、全部ぼくのものだ。
ヒカルに洗濯してもらったばかりのぼくの下着。ぼくのスラックス。ぼくの上着。
どうして?
その中でうずくまっているヒカルは、暗闇でもぼくが傍まで来たことに気が付いたらしい。
がばりと起き上がってきて、苦しそうな声で叫んだ。
「なっ……なんで……なんでくんだよ! ばか!」
「だって、ヒカルが熱で」
「……近づくなって……言ったのに……っ」
ヒカル、泣いている?
ぼくは約束を破ったから、ヒカルに怒られているのかもしれない。
でもなぜかぼくの身体は、自分でコントロールできなくなっていた。ふらふら、足が勝手に進む。視界も脳みそもくらくらする。そうか、ぼくがヒカルの身代わりになって、病気になったのかもしれない。
これが、じいやの言っていた「会ってはいけない理由」だったのかもしれない。でも、これでヒカルが元気になれるんだったら、むしろ本望じゃないか。
そう思っているのに、ぼくの身体は言うことをこれっぽっちもきかない。
「カツユキ……しっかりしろ……なあ、まだ間に合うから、出ていけって」
「……はぁ……はぁっ……くるし……っ」
「おれに……おれに近づいたらダメだって……」
「だって……でも……ヒカルの方が……」
おいしそう。
口から出た言葉はこんなだった。
ヒカルが泣いて苦しんでいるのに、ぼくは……ぼくは、思うがままそのたれ耳に歯を突き立てた。
「ひゃぅっ」
ヒカルの身体がびくびく魚のように跳ねた。可愛い、甘い。首、齧りたい。
「食べたい……たべたい」
「らめっ……ぅあ、ああんっ」
ぼくが身体中のあちこちに歯を立てて舌を這わすたびに、ヒカルが可愛い声をあげる。涙も一緒に飛び散る。よくみたら下半身何も身に着けていない。さっきまで沢山の服とシーツに埋もれていたのに、ベッドから落ちてきたヒカルは一糸纏わぬ生まれたての姿だ。その漆黒の耳には似つかわしくない、真っ白いマシュマロのような手触りの、柔い肌。ぼくの肌が綿毛のようなふわふわ羽毛だとしたら、ヒカルの肌はベルベットの高級絨毯。もっちりした感触だ。その下腹部の下についた生殖器からは、甘い液がだらだら零れていた。
うわあ、もったいない。
ぼくは思わずそれをぺろりと舐めた。
「あ、ああああっ、やっ――」
「気持ちいい? ……ヒカル、おいしい」
「おれ……おれも……ぅ……やら……アルファ……こわ……い……っ」
「ヒカル、可愛い……もっとちょうだい……中まで、全部」
「ぅぁ……あ、ああっ……らめぇ」
病みつきになる甘い身体を散々舐めて堪能しながら、気づけば自分の生殖器も表に放り出していた。完全に無意識だったけど、ぼくはこれを運命の番の中に入れて子種を噴射することしかきっと頭になかったんだろう。
「ねえヒカル、気持ちいい? ……かわいい……ひくひくしてる……もっと触って。ぼくを感じて」
ヒカルが全力で首を横に振っていても、ぼくの身体は止まらない。腰が勝手に揺れ動く。いやがって泣いてるくせに、ヒカルはぼくの強引な腕から逃げない。ぼくの子種を欲しがって、その可愛い尻尾をひくひく振っている。おかしな光景だなあ。
ああ、これもきっと、毒のせい――。
お腹がすいてしようがない。ヒカルに会いに来ただけなのに、ぼくの口からだらしない涎が垂れた。慌てて白いシャツの袖でそれを拭いた。
これが……毒?
アルファを脅かす兵器になるという。まるで瘴気のような。
「ひか……ヒカル、大丈夫?」
どうにか声を出して暗闇の中部屋の奥に進んでみると、ヒカルが寝ているはずのベッドは沢山の服で埋めつくされていた。よくみたらその服は、全部ぼくのものだ。
ヒカルに洗濯してもらったばかりのぼくの下着。ぼくのスラックス。ぼくの上着。
どうして?
その中でうずくまっているヒカルは、暗闇でもぼくが傍まで来たことに気が付いたらしい。
がばりと起き上がってきて、苦しそうな声で叫んだ。
「なっ……なんで……なんでくんだよ! ばか!」
「だって、ヒカルが熱で」
「……近づくなって……言ったのに……っ」
ヒカル、泣いている?
ぼくは約束を破ったから、ヒカルに怒られているのかもしれない。
でもなぜかぼくの身体は、自分でコントロールできなくなっていた。ふらふら、足が勝手に進む。視界も脳みそもくらくらする。そうか、ぼくがヒカルの身代わりになって、病気になったのかもしれない。
これが、じいやの言っていた「会ってはいけない理由」だったのかもしれない。でも、これでヒカルが元気になれるんだったら、むしろ本望じゃないか。
そう思っているのに、ぼくの身体は言うことをこれっぽっちもきかない。
「カツユキ……しっかりしろ……なあ、まだ間に合うから、出ていけって」
「……はぁ……はぁっ……くるし……っ」
「おれに……おれに近づいたらダメだって……」
「だって……でも……ヒカルの方が……」
おいしそう。
口から出た言葉はこんなだった。
ヒカルが泣いて苦しんでいるのに、ぼくは……ぼくは、思うがままそのたれ耳に歯を突き立てた。
「ひゃぅっ」
ヒカルの身体がびくびく魚のように跳ねた。可愛い、甘い。首、齧りたい。
「食べたい……たべたい」
「らめっ……ぅあ、ああんっ」
ぼくが身体中のあちこちに歯を立てて舌を這わすたびに、ヒカルが可愛い声をあげる。涙も一緒に飛び散る。よくみたら下半身何も身に着けていない。さっきまで沢山の服とシーツに埋もれていたのに、ベッドから落ちてきたヒカルは一糸纏わぬ生まれたての姿だ。その漆黒の耳には似つかわしくない、真っ白いマシュマロのような手触りの、柔い肌。ぼくの肌が綿毛のようなふわふわ羽毛だとしたら、ヒカルの肌はベルベットの高級絨毯。もっちりした感触だ。その下腹部の下についた生殖器からは、甘い液がだらだら零れていた。
うわあ、もったいない。
ぼくは思わずそれをぺろりと舐めた。
「あ、ああああっ、やっ――」
「気持ちいい? ……ヒカル、おいしい」
「おれ……おれも……ぅ……やら……アルファ……こわ……い……っ」
「ヒカル、可愛い……もっとちょうだい……中まで、全部」
「ぅぁ……あ、ああっ……らめぇ」
病みつきになる甘い身体を散々舐めて堪能しながら、気づけば自分の生殖器も表に放り出していた。完全に無意識だったけど、ぼくはこれを運命の番の中に入れて子種を噴射することしかきっと頭になかったんだろう。
「ねえヒカル、気持ちいい? ……かわいい……ひくひくしてる……もっと触って。ぼくを感じて」
ヒカルが全力で首を横に振っていても、ぼくの身体は止まらない。腰が勝手に揺れ動く。いやがって泣いてるくせに、ヒカルはぼくの強引な腕から逃げない。ぼくの子種を欲しがって、その可愛い尻尾をひくひく振っている。おかしな光景だなあ。
ああ、これもきっと、毒のせい――。
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