32 / 62
3章 不識と無情
4話
しおりを挟む
その後1週間は騎士団の訓練を見ていた。最初緊張気味だったものたちも二日目ぐらいになると普段通りに訓練をしだしていた。カロルとも話すことができなぜ彼が勇者と呼ばれることになるのか身に染みてわかるほどに彼は優しい人物だった。勇者として覚醒する前からルディアンと同等の力を持っていることも素晴らしいだろう。なぜかカロルと話しているとピエールとルディアンが変な顔をしているがアリアは気にしなくていいと言っていたので大丈夫だろう。
三日目になってカロルとルディアン以外の人が話しかけてきてくれたのだ。最初は驚いてなかなか話しずらかったがそれは相手もそうだったのかお互いがお互いで落ち着いてしまって今では普通に話せるようになって五日めになると皆と話し休憩時間には剣の振り方など教えてくれる程度には親しくなったのだ。
「騎士団はどうだった?」
「えっと、皆親しくしてくれた。いい、場所だったと思う」
「そうか、、、、少しきくがカロルとは一体どんな男だ?」
「?素敵な人」
「っぐ、、、、そうか」
「?」
「ふふ。陛下、失礼ながらまだ陛下の思っていらっしゃるところまではいっておりません」
「うむ、お主から聞いてはいるがどうにも、、、」
などといったよくわからない会話もあったがカロルが素敵な人なのは事実なので仕方ない。
期限は決めていなかったが次のレイドルトの仕事に付き添うこととなった。彼は忙しいので彼の仲間が色々と案内をしてくれるそうだった。続きもピエールがすると本人は言っていたが流石にずっと一緒に着いてくるのは申し訳ないし、彼には彼の仕事があるらしいのでやんわりと断っておいた。今回のルディアンのところの付き添いはただ危なかったためもしもの場合守ってくれるからこそ陛下はピエールに許可を出したのだ。だが次の場所は危険なんてものがあるとは思えないので守りはいらないのだ。
「兄上の仕事、、、」
「あぁ、お前はレイドルトの詳しい仕事は知らなかったな」
「うん」
「あいつは性格と運動神経は悪いが頭はすこぶるいいからな主に経済系の仕事を任せているな。他にもあるが」
最終決定は私だがというがそれでも国お金について任せられるだけでもすごいことだろう。
「そうそう、ただただ誰か悪いことしてないか確認するようなつまんない仕事だよ」
「!兄上」
「今日も俺のフランは可愛いぃなぁ」
すりすりと頭を撫でてくる兄に今少しなれてきているがやはりまだ照れくさい。
「なぜお前がいるんだ。エミナーザを呼んだはずだが」
「父上!俺の職場ですよ?俺が案内するのが筋ってもんじゃないですか!それにエミナーザはダメです。もしあいつがフランを気に入ったらどうするんですか!!こんな可愛いフランなんてペロリと食べられちゃうに決まってます」
「食べられ、、、」
レイドルトの言い様にそんな危ない人なのかと顔を青くしてしまう。そんな人と一緒にいても大丈夫なのだろうか、レイも一緒にいるのだから実質は二人と一匹なのだが。ちなみに今はアリアと部屋で待っている。
「ほらこんなこわがふっ!?」
「私が王子にそんな無礼なことするわけがないでしょう」
そんなことを言いながら王子であるレイドルトにチョップをかました女性こそエミナーザなのだろう。王子にも物おじしないその行いにフランはさらに顔を青くしてしまう。
「あら、失礼しました。そう怖がらないでくださいフラン王子。私はエミナーザ・ディ・ココレア。ココレア侯爵家のもの、フラン様の従兄弟に当たりますね。お会いするのは今日が初めてですが」
「!、、、従兄弟」
なの中にルイスもしくはディがあるものは王族の血縁者であることが基本だ。多くはないが一定数はいるのだ。彼女のココレア侯爵家は先王の弟君が婿に入った家だ。
従兄弟であるのならこれほど親しくても不思議ではない、、、のかもしれない。多分。
「(それにしても、、、)」
目の前に立っているからか年齢はレイドルトと近しいからそこまで離れているわけでもないのに首をとても上にあげないと行けないほど背が高いのだ。女性でここまで背が高い人は初めてかもしれない。圧を感じてみっともなく固まってしまう。
「、、、、」
「、、、、」
「ふむ、、、確かに可愛いですね。小動物みたいだわ」
「!」
何やら背筋がゾワっとするのを感じたまらずレイドルトの方に擦り寄ってしまった。
「ンン!!可愛い」
「あぁ、そういえば副官が探していましたよ。早く言って差し上げたらどうですか?どうせまた仕事を放り出してきたんですよね?早く戻ったらどうですか?」
「お前とフランを二人っきりにさせるか!」
「流石の私も陛下の前で可愛い王子様を味見なんてしませんよ。私のことなんだと思っているんですか」
「変態」
「婦女子に対していう言葉ですかそれは」
「お前が婦女子だったら世の中の男も女もみんな婦女子だ」
「あーひどいわ。女性にそんなこと言うなんてこついてしまうわよ」
「もうしただろ!」
レイドルトがここまで感情を露わにするのはとても珍しくついつい2人の会話を見てしまっていた。
「はぁとりあえず。エミナーザ明日からフランのこと頼んだぞ。レイドルトお前は早く戻って仕事を片付けろ。全部終わればフランと見回ればいいだろう」
「!?うぐぐぐっわかりました。すぐ終わらせるから!待っててねフラン!」
そう言って部屋を出て行ったレイドルトを見送り阻む者がいなくなってしまったため自然とエミナーザと対面してしまう。
「ふふ、よろしくおねがします、、、フラン王子」
「!、、、、ぅん」
「(人選ミスっただろうか)」
見るからに怯えてしまっているフランを楽しげに見つめるエミナーザに少しだけ不安になった陛下だった。
三日目になってカロルとルディアン以外の人が話しかけてきてくれたのだ。最初は驚いてなかなか話しずらかったがそれは相手もそうだったのかお互いがお互いで落ち着いてしまって今では普通に話せるようになって五日めになると皆と話し休憩時間には剣の振り方など教えてくれる程度には親しくなったのだ。
「騎士団はどうだった?」
「えっと、皆親しくしてくれた。いい、場所だったと思う」
「そうか、、、、少しきくがカロルとは一体どんな男だ?」
「?素敵な人」
「っぐ、、、、そうか」
「?」
「ふふ。陛下、失礼ながらまだ陛下の思っていらっしゃるところまではいっておりません」
「うむ、お主から聞いてはいるがどうにも、、、」
などといったよくわからない会話もあったがカロルが素敵な人なのは事実なので仕方ない。
期限は決めていなかったが次のレイドルトの仕事に付き添うこととなった。彼は忙しいので彼の仲間が色々と案内をしてくれるそうだった。続きもピエールがすると本人は言っていたが流石にずっと一緒に着いてくるのは申し訳ないし、彼には彼の仕事があるらしいのでやんわりと断っておいた。今回のルディアンのところの付き添いはただ危なかったためもしもの場合守ってくれるからこそ陛下はピエールに許可を出したのだ。だが次の場所は危険なんてものがあるとは思えないので守りはいらないのだ。
「兄上の仕事、、、」
「あぁ、お前はレイドルトの詳しい仕事は知らなかったな」
「うん」
「あいつは性格と運動神経は悪いが頭はすこぶるいいからな主に経済系の仕事を任せているな。他にもあるが」
最終決定は私だがというがそれでも国お金について任せられるだけでもすごいことだろう。
「そうそう、ただただ誰か悪いことしてないか確認するようなつまんない仕事だよ」
「!兄上」
「今日も俺のフランは可愛いぃなぁ」
すりすりと頭を撫でてくる兄に今少しなれてきているがやはりまだ照れくさい。
「なぜお前がいるんだ。エミナーザを呼んだはずだが」
「父上!俺の職場ですよ?俺が案内するのが筋ってもんじゃないですか!それにエミナーザはダメです。もしあいつがフランを気に入ったらどうするんですか!!こんな可愛いフランなんてペロリと食べられちゃうに決まってます」
「食べられ、、、」
レイドルトの言い様にそんな危ない人なのかと顔を青くしてしまう。そんな人と一緒にいても大丈夫なのだろうか、レイも一緒にいるのだから実質は二人と一匹なのだが。ちなみに今はアリアと部屋で待っている。
「ほらこんなこわがふっ!?」
「私が王子にそんな無礼なことするわけがないでしょう」
そんなことを言いながら王子であるレイドルトにチョップをかました女性こそエミナーザなのだろう。王子にも物おじしないその行いにフランはさらに顔を青くしてしまう。
「あら、失礼しました。そう怖がらないでくださいフラン王子。私はエミナーザ・ディ・ココレア。ココレア侯爵家のもの、フラン様の従兄弟に当たりますね。お会いするのは今日が初めてですが」
「!、、、従兄弟」
なの中にルイスもしくはディがあるものは王族の血縁者であることが基本だ。多くはないが一定数はいるのだ。彼女のココレア侯爵家は先王の弟君が婿に入った家だ。
従兄弟であるのならこれほど親しくても不思議ではない、、、のかもしれない。多分。
「(それにしても、、、)」
目の前に立っているからか年齢はレイドルトと近しいからそこまで離れているわけでもないのに首をとても上にあげないと行けないほど背が高いのだ。女性でここまで背が高い人は初めてかもしれない。圧を感じてみっともなく固まってしまう。
「、、、、」
「、、、、」
「ふむ、、、確かに可愛いですね。小動物みたいだわ」
「!」
何やら背筋がゾワっとするのを感じたまらずレイドルトの方に擦り寄ってしまった。
「ンン!!可愛い」
「あぁ、そういえば副官が探していましたよ。早く言って差し上げたらどうですか?どうせまた仕事を放り出してきたんですよね?早く戻ったらどうですか?」
「お前とフランを二人っきりにさせるか!」
「流石の私も陛下の前で可愛い王子様を味見なんてしませんよ。私のことなんだと思っているんですか」
「変態」
「婦女子に対していう言葉ですかそれは」
「お前が婦女子だったら世の中の男も女もみんな婦女子だ」
「あーひどいわ。女性にそんなこと言うなんてこついてしまうわよ」
「もうしただろ!」
レイドルトがここまで感情を露わにするのはとても珍しくついつい2人の会話を見てしまっていた。
「はぁとりあえず。エミナーザ明日からフランのこと頼んだぞ。レイドルトお前は早く戻って仕事を片付けろ。全部終わればフランと見回ればいいだろう」
「!?うぐぐぐっわかりました。すぐ終わらせるから!待っててねフラン!」
そう言って部屋を出て行ったレイドルトを見送り阻む者がいなくなってしまったため自然とエミナーザと対面してしまう。
「ふふ、よろしくおねがします、、、フラン王子」
「!、、、、ぅん」
「(人選ミスっただろうか)」
見るからに怯えてしまっているフランを楽しげに見つめるエミナーザに少しだけ不安になった陛下だった。
47
お気に入りに追加
548
あなたにおすすめの小説

そばかす糸目はのんびりしたい
楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。
母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。
ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。
ユージンは、のんびりするのが好きだった。
いつでも、のんびりしたいと思っている。
でも何故か忙しい。
ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。
いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。
果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。
懐かれ体質が好きな方向けです。今のところ主人公は、のんびり重視の恋愛未満です。
全17話、約6万文字。
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
冤罪で殺された聖女、生まれ変わって自由に生きる
みおな
恋愛
聖女。
女神から選ばれし、世界にたった一人の存在。
本来なら、誰からも尊ばれ大切に扱われる存在である聖女ルディアは、婚約者である王太子から冤罪をかけられ処刑されてしまう。
愛し子の死に、女神はルディアの時間を巻き戻す。
記憶を持ったまま聖女認定の前に戻ったルディアは、聖女にならず自由に生きる道を選択する。
国を救った英雄と一つ屋根の下とか聞いてない!
古森きり
BL
第8回BL小説大賞、奨励賞ありがとうございます!
7/15よりレンタル切り替えとなります。
紙書籍版もよろしくお願いします!
妾の子であり、『Ω型』として生まれてきて風当たりが強く、居心地の悪い思いをして生きてきた第五王子のシオン。
成人年齢である十八歳の誕生日に王位継承権を破棄して、王都で念願の冒険者酒場宿を開店させた!
これからはお城に呼び出されていびられる事もない、幸せな生活が待っている……はずだった。
「なんで国の英雄と一緒に酒場宿をやらなきゃいけないの!」
「それはもちろん『Ω型』のシオン様お一人で生活出来るはずもない、と国王陛下よりお世話を仰せつかったからです」
「んもおおおっ!」
どうなる、俺の一人暮らし!
いや、従業員もいるから元々一人暮らしじゃないけど!
※読み直しナッシング書き溜め。
※飛び飛びで書いてるから矛盾点とか出ても見逃して欲しい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる