巻き戻った王子は幸せを掴む【三章完結】

そろふぃ

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2章 懺悔と喜悦

4話 

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着いたお店は想像していた通り自分にとってはとても久しく来ていなかったがそれでも自分が愛用していたお店だった。店の名は創設者にちなんでシェーラ・スミス、代々そも子孫が店を継いでいいる。平民でありながらデザイナーとしての才能とその経営のスキルを王に認められ貴族位を与えられたのだ。

「じゃあ行こうか」

「ん、、、」

また手を繋ぎながら店の中へと入っていく、お店のものがフランたちに気付き、一瞬驚いたようにしたがすぐに通常に戻り、応接室に案内をした。支配人を呼びにいくといい部屋を出ていった。おそらくフラン一人であったならここまでしなかっただろう。レイドルトは滅多に来ないが、それでもフランと違い見るめがあり、その上、上客も上客。従業員全員が顔を知っているのだ。フランも別の意味で知られているだろうが、、、。

「失礼いたしました!レイドルト殿下、フラン殿下、お待たせしてしまって、今日はどのようなものをお求めでこちらへ?」

ほとんどが呼ばれて城に向かうことが普通だったので、とても驚いたようだ。彼、モルテ・スミスは創始者の子孫の一人であり、帝国内の本部を仕切っている支配人である。総支配人は彼の姉、リリィ・スミスが担っている。基本彼女は多くある店舗を見回っているため早々出会えないのだ。

「あぁ、私の服ではなく、弟の服を頼みたいんだ。モアナ島は暖かいから、涼しい服を仕立ててほしい」

「フラン殿下の服、、、ですか?」

何かとても驚いたようにフランとレイドルトを交互に見るモルテ。今までのことを考えればそれも仕方ないだろう。そもそもフランが兄弟の誰かと一緒に服を買いに来ることなど滅多にないのだ。フランだけならここまで丁重に接することはない。

「、、、何か問題があるか?」

「い、いえ!何もございません!すぐに用意いたします!」

「フラン、気に入ったやつがあればなんでも言って、全部俺が買ってあげる」

「え、、、あ、えっと」

キラキラした期待した目で見られてしまうと断り辛い。この顔を前に断ることなんてまずできない。困ってしまってアリアに助けを求めるように視線を向けるとアリアもわかったようでうなづいてくれた。

「レイドルト様、今回はお茶会の服だけでも差し支えはないかと思われます」

「いや、しかし、それだと数着だけになってしまうじゃないか。せっかく来たんだクローゼットがいっぱいになるぐらいには、、、」

「そのクローゼットが今現在いっぱいになっておりますので、本日は必要な量だけにして欲しいのです。“またの機会”にフラン様とお店に来られてはいかがですか?」

「またの機会か、、、そうだな、それもいいかもしれん。ふむ、なら今日は滞在日数分の服だけにしようか」

「うん」

よかったこのままでは服で部屋がいっぱいになってしまうところだった。
部屋にあった服たちを思い浮かべながらほっと胸を撫で下ろした。

「お待たせしました。モアナにいくのでしたらこちらなどのデザインでどうでしょうか」

「ふむ、、、」

「?」

「フラン王子の年頃の子であれば、あちらではショートパンツが多いですし、お茶会の際は礼節を考えてこちらのデザインが、、、」

何やらレイドルトとモルテで小難しいく話し合いをしていてフランはなかなかその輪の中に入れずにいた。フラン自身は特に入りたいとは思っていないが、楽しげに話しているのを見ると自分も第二王子ともっと話してみたいという欲が出てくるのだ。服については正直着れるのであればなんでもいいと思っているので話にはついていけないだろうが、、、。

「フラン?」

「あ、なに」

「こっちとこっちのデザインどっちがいい?」

「えっと、、、?」

これは一体何が違うんだろうか、、、。ほとんど何も変わってない気がする。強いて言うなら胸元の飾りが違うぐらいだ。

「えっと、、、左?」

「!だよな!俺もこっちの方がフランに似合うと思う!よし、これとこれと、あとこれをできるだけ早く作ってくれ!」

「か、かしこまりました。では、フラン様のサイズ用に作るのでまず採寸をしてもよろしいですか?」

「えっ、、、うん」

サイズを測ると言うことはこのひとが近くに来ると言うことになる。まだ前のことを消化しきれていないのでどうにも反応してしまう。できるだけ目を瞑っていれば大丈夫だろうか、、、。不安になりそっとレイドルトの方を見る。

「大丈夫だ、採寸は彼の仕事ではないから、やるのはまた違う人だ。ちゃんとわかっているからな」

「!そう、、、ありがと、兄上」

「!そんなことないよ!もーなんでそんな可愛いんだ!!」

「ぅぐっ」

ぎゅーぎゅーと抱きしめられ少し息苦しい。でも不思議と離れたいとは思わなかった。

レイドルトの言う通り採寸をするのは女性の人だった。まだ新人なのか、たどたどしく測っていく様子を見てフラン自身の緊張はなくなった。

「こここ、これでお、終わりでですうぅ!!」

「?」

終わってもまだ緊張しているのか女性はまだ顔が赤い。不思議に思ってじっと見つめているとパッと目があった。そして爆発したようにさらに顔を真っ赤にして変な声を出しながら何処かに行ってしまった。何かしてしまったのかと不安になり二人にどうするべきかと視線を向けるとどこか呆れたような仕方ないなぁと言うような顔をしていた。

「俺、、、何かした、、、かな、、、?」

「あー、大丈夫だよ。フランが何かしたわけじゃ、、、ないよ?」

「、、、ほんと?」

謎の間に少し不安になる。

「大丈夫です。彼女はまだ王族などの高貴な方のお客さまは初めてだったのかもしれません。緊張しただけなのでフラン様が悩むことではありませんよ」

「ん、、、わかった」

「服ができるまでまだ数日かかるし、出来たら城に送ってもらう」

「うん」

「まだ帰るには早いし、、、少し城下を見に行こうか」

「!ん、行く」

手を差し出されまだためらいがあるも、ゆっくりと手を繋いだ。心が温かくなっていくのを感じるまでもなく、フラン自身も嬉しいと言う気持ちが心に広がるのがわかった。
嫌われていいると思っていた相手とこうやって手を繋いで買い物をすることができるなんて夢みたいだ。好かれていると勘違いしてしまいそうになる、、、。

「フラン様、よかったですね」

「、、、うん」
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