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『本心』(アーサー目線)
俺は久しぶりにディオの顔と部屋の暗さに驚いた。ディオは前より痩せて、しっかり寝れてないのか顔色がとても悪い。部屋は空気もこもっている感じだし、カーテンでしっかりと光が閉ざされてる。ディオ、こんな場所に独りでいるから気分も下がるんだよ・・・まぁ、俺だってそうなると思うけどよ・・・
「ディ、ディオ?あっ、あの・・・1度さ、カーテン開けよ?窓開けて空気の入れ替えした方がいいんじゃないかな?」
「・・・うん」
「じっ、じゃ、開けるぞ?」
俺はカーテンをゆっくり開けた。ディオはその光が眩しいようで俯き、部屋の角に腰をおろした。多分、ずっとあそこで座っていたんだろう。随分と慣れている様子。俺もアップルパイとおにぎりが入った袋を持ち、隣に座る。
「ディオ、これ。食べる?」
「・・・うん、ありがとう」
良かった。まだテンションは低いけど大分マジだ。ディオはおにぎりをゆっくりと食べ始めた。始めの一口を食べると少し笑ったように思えた。良かった、何とか元気そうだ。ディオはゆっくりと一口一口食べる。そりゃ、ずっと食べてないならお腹もすくだろうにこいつ、ずっと部屋に閉じ籠りやがって・・・何だよ・・・何で・・・
「・・・あっ、アーサー?お前、泣いて・・・」
「ごめん、ごめんな。こうして会うと、なんか嬉しくてさ。って何で俺なんか泣いてるんだよ!あぁーもぉー」
もう自分が何言ってるかも分からなくなってきた。でも、俺はそれ以上泣かなかった。と言うか泣かないようにした。本当に泣きたいのはディオの方・・・
しばらくして、ディオはおにぎりを食べ終わった。温かい風がこの部屋に入り込み、光が差し込む。先ほどの暗い部屋とは大違いだ。
「さぁーディオ、あと、これもあるぞ?」
「・・・」
「どうした?」
「・・・うっ、ううん。何でもない」
「そっか」
ディオは外を見ながら何か悲しそうな顔をしていたので聞くとさっと顔を下げた。俺は隣にいるディオを横顔を眺めた。とても悲しそうな顔。今にも泣き出しそうな顔をしている。貴族達から話は聞いた。目の前で無惨にも母と父が死ぬところを見たんだ。5日ほどで気持ちが戻る訳がない・・・ディオはその悲しみを独りで背負っているんだ。俺にも・・・この俺にもディオの助けになれることは・・・
「なぁ、ディオ。もし、この俺に話せることがあったら遠慮なく言ってくれ。俺はお前の友達だからさっ?」
「アーサー・・・」
「俺はいつでもお前の味方だせ・・・!だからさ、独りで抱え込むなよ?」
「うっ・・・うん・・・」
俺はディオの横顔を見ながらディオの様子を見た。だんだんと泣き出しそうになっている。目に涙がたまる。それに手を見ると手が震えてる。どうせ我慢しているんだろう?頑固で強くて案外恥ずかしがり屋で優しいあいつの事だ。俺はディオの背中を優しくさすりながら言った。
「ディオ、泣けよ・・・思い切り泣いてもいいんだぞ?」
「・・・うぅうっ」
ディオの顔から涙が溢れ落ちる。それを必死に手で拭うが追い付きそうに無い。ディオ、我慢しなくてもいい・・・
「ディオ、何も話さなくていいから・・・これはお前のせいじゃない・・・俺はお前がなんと言おうともずっと傍にいるからな・・・?」
「うっ・・・ううっ・・・うぁぁぁっっ!!」
ディオはついに大声たてて泣き始めた。静かな部屋に泣き声が響き渡る。ディオの服や床に大きな水滴が溢れ落ち、濡らしていく。ディオは何度も何度も震える手で涙を拭うが大粒の雨は止まる事なく降り続ける。俺はただただディオの背中をさする。
「大丈夫・・・大丈夫・・・」
「うぁぁっ・・・うぅっ!!」
泣き続けるディオを俺は見守りながら背中をさすり、大丈夫だと言い続ける。
少しして、ディオが何かを言い始めた。
「アっ、アーサー・・・ゴメン、ゴメン・・・来てくれてるの知ってたのにずっとずっと・・・ゴメン」
ディオは涙を流しながら言う。そんなことはどうでもいいのに・・・
「そんなの心配しなくたって良いよ!ほら俺はただのお節介者だからさ!」
「うぅっ・・・俺は・・・俺の、俺のせいでッ・・・みっ、みんなに迷惑をかけてるだけで・・・身勝手だッ、愚か者だッ・・・ううっうぅっ・・・」
「ディオ、あまり自分を責めるなって!たまには、人に頼ることも大切だぜ?お前のことは俺がよく知ってる。お前は何も悪くないっ!」
「ううっ・・・うぁぁぁっっ!!」
再び大声を上げて泣き出す。本当、どんだけ悲しかったんだ・・・俺はひたすら背中をさすり続けた。ただずっと傍にいたかった。俺も、ディオスを、守れなかった。本当は、友達としても、主君としても、こんな風に泣かせたくなかった。俺はこの人を守れと言われたのに・・・。
しばらくして、ディオの泣き声がどんどんと小さくなっていった。気付くと泣き声がしなくなっている。あれ?もしかして?
「ディオ、寝てるのか・・・?って寝てる・・・」
はっと隣を見るとすやすや寝てるディオがいた。泣き疲れて寝てしまったのか・・・まだ目の辺りには涙が残っている。確かに、色々なことがあったな・・・。本当に、また会えて良かった。はぁ・・・何だか俺も眠くなってきたな・・・少し、寝るか。
俺はそう思ってゆっくりと目を閉じた。
俺は久しぶりにディオの顔と部屋の暗さに驚いた。ディオは前より痩せて、しっかり寝れてないのか顔色がとても悪い。部屋は空気もこもっている感じだし、カーテンでしっかりと光が閉ざされてる。ディオ、こんな場所に独りでいるから気分も下がるんだよ・・・まぁ、俺だってそうなると思うけどよ・・・
「ディ、ディオ?あっ、あの・・・1度さ、カーテン開けよ?窓開けて空気の入れ替えした方がいいんじゃないかな?」
「・・・うん」
「じっ、じゃ、開けるぞ?」
俺はカーテンをゆっくり開けた。ディオはその光が眩しいようで俯き、部屋の角に腰をおろした。多分、ずっとあそこで座っていたんだろう。随分と慣れている様子。俺もアップルパイとおにぎりが入った袋を持ち、隣に座る。
「ディオ、これ。食べる?」
「・・・うん、ありがとう」
良かった。まだテンションは低いけど大分マジだ。ディオはおにぎりをゆっくりと食べ始めた。始めの一口を食べると少し笑ったように思えた。良かった、何とか元気そうだ。ディオはゆっくりと一口一口食べる。そりゃ、ずっと食べてないならお腹もすくだろうにこいつ、ずっと部屋に閉じ籠りやがって・・・何だよ・・・何で・・・
「・・・あっ、アーサー?お前、泣いて・・・」
「ごめん、ごめんな。こうして会うと、なんか嬉しくてさ。って何で俺なんか泣いてるんだよ!あぁーもぉー」
もう自分が何言ってるかも分からなくなってきた。でも、俺はそれ以上泣かなかった。と言うか泣かないようにした。本当に泣きたいのはディオの方・・・
しばらくして、ディオはおにぎりを食べ終わった。温かい風がこの部屋に入り込み、光が差し込む。先ほどの暗い部屋とは大違いだ。
「さぁーディオ、あと、これもあるぞ?」
「・・・」
「どうした?」
「・・・うっ、ううん。何でもない」
「そっか」
ディオは外を見ながら何か悲しそうな顔をしていたので聞くとさっと顔を下げた。俺は隣にいるディオを横顔を眺めた。とても悲しそうな顔。今にも泣き出しそうな顔をしている。貴族達から話は聞いた。目の前で無惨にも母と父が死ぬところを見たんだ。5日ほどで気持ちが戻る訳がない・・・ディオはその悲しみを独りで背負っているんだ。俺にも・・・この俺にもディオの助けになれることは・・・
「なぁ、ディオ。もし、この俺に話せることがあったら遠慮なく言ってくれ。俺はお前の友達だからさっ?」
「アーサー・・・」
「俺はいつでもお前の味方だせ・・・!だからさ、独りで抱え込むなよ?」
「うっ・・・うん・・・」
俺はディオの横顔を見ながらディオの様子を見た。だんだんと泣き出しそうになっている。目に涙がたまる。それに手を見ると手が震えてる。どうせ我慢しているんだろう?頑固で強くて案外恥ずかしがり屋で優しいあいつの事だ。俺はディオの背中を優しくさすりながら言った。
「ディオ、泣けよ・・・思い切り泣いてもいいんだぞ?」
「・・・うぅうっ」
ディオの顔から涙が溢れ落ちる。それを必死に手で拭うが追い付きそうに無い。ディオ、我慢しなくてもいい・・・
「ディオ、何も話さなくていいから・・・これはお前のせいじゃない・・・俺はお前がなんと言おうともずっと傍にいるからな・・・?」
「うっ・・・ううっ・・・うぁぁぁっっ!!」
ディオはついに大声たてて泣き始めた。静かな部屋に泣き声が響き渡る。ディオの服や床に大きな水滴が溢れ落ち、濡らしていく。ディオは何度も何度も震える手で涙を拭うが大粒の雨は止まる事なく降り続ける。俺はただただディオの背中をさする。
「大丈夫・・・大丈夫・・・」
「うぁぁっ・・・うぅっ!!」
泣き続けるディオを俺は見守りながら背中をさすり、大丈夫だと言い続ける。
少しして、ディオが何かを言い始めた。
「アっ、アーサー・・・ゴメン、ゴメン・・・来てくれてるの知ってたのにずっとずっと・・・ゴメン」
ディオは涙を流しながら言う。そんなことはどうでもいいのに・・・
「そんなの心配しなくたって良いよ!ほら俺はただのお節介者だからさ!」
「うぅっ・・・俺は・・・俺の、俺のせいでッ・・・みっ、みんなに迷惑をかけてるだけで・・・身勝手だッ、愚か者だッ・・・ううっうぅっ・・・」
「ディオ、あまり自分を責めるなって!たまには、人に頼ることも大切だぜ?お前のことは俺がよく知ってる。お前は何も悪くないっ!」
「ううっ・・・うぁぁぁっっ!!」
再び大声を上げて泣き出す。本当、どんだけ悲しかったんだ・・・俺はひたすら背中をさすり続けた。ただずっと傍にいたかった。俺も、ディオスを、守れなかった。本当は、友達としても、主君としても、こんな風に泣かせたくなかった。俺はこの人を守れと言われたのに・・・。
しばらくして、ディオの泣き声がどんどんと小さくなっていった。気付くと泣き声がしなくなっている。あれ?もしかして?
「ディオ、寝てるのか・・・?って寝てる・・・」
はっと隣を見るとすやすや寝てるディオがいた。泣き疲れて寝てしまったのか・・・まだ目の辺りには涙が残っている。確かに、色々なことがあったな・・・。本当に、また会えて良かった。はぁ・・・何だか俺も眠くなってきたな・・・少し、寝るか。
俺はそう思ってゆっくりと目を閉じた。
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