字が書けない侯爵の長男は捨てられ、王の騎士を目指す

Allen

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「陛下は君の過去を知りたいと思うんだ。僕に言ってくれたこと、その他にも可能な範囲でいいから言ってくれないかな?無理はしなくていいから。あと、陛下も少し体調を崩してらっしゃったすぐ後だからあまり話せないと思う…。あと逆に、陛下には質問は控えるようにね。魔法も剣も禁止。僕の後ろについてきて、いいね?」
「はい!」

   その後も、カイル様からテキパキと陛下に会うための注意事項や内容を聞いた。嫌なことは言わないでいいとは言ってくれたものの、これまでのことを見返すと言わざるを得ない。それに、俺にかかっていた呪いのこともまだ詳しくはわかっていないけれど、陛下が直々に俺の様子を見たいそう。
   カイル様から以前、俺にかけられていた呪いの魔法は禁忌の術で、このルイビルの古い話に元からその人の魔力が決まっていたり、良くも悪くもとある特徴の持つ人には精霊がいたりと古い伝説の様なものがあったそう。その言い伝えのような伝説と関係している何らかの実験台だったかもしれないというのは聞いていた。でも、伝説であって、真実に一番近く知っているかもしれないのがディオス陛下ということらしい。
   他にも伝説はあるらしいが、陛下で言う有名なのが龍の命と自分の命を結ぶ血の契約を交わしたフェルレオ家のディオス陛下だから守護神と言うべきか、龍を呼び出せるとか。
   禁忌の術を使い、人体実験をしていたことだけでも大事なのに、国に関わるような事、その為の実験だとさらに大問題だという事をオブラートに包んで言ってくれた。

「これくらいかな。何か聞きたい事とかある?」
「あ、あの」
「どうしたんだい?」
「つ、杖って持っていってもいいですかね?陛下から貰った杖です。無くても歩けるほどにはなったと思うんですが、少し不安で…」
「見せてくれる?」
「こ、これです」

俺は近くに置いていた杖を取り、カイル様に渡した。カイル様は少し触っただけで、すぐに俺に返した。

「大丈夫だろう。流石陛下からの贈り物だよ。魔法石も綺麗だね」
「あ、ありがとうございます!」
「もう他には大丈夫かい?」
「はい!」
「じゃ、そろそろ行こうか。陛下との面会、気楽に行こうね」
「は、はい!」

   カイル様はにっこりと笑みを見せた。それに安心感はあったものの、外に出て、この服装で徐々に緊張は激しくなっていく。やはり杖を持ってきて良かった。足が震え、少し歩きずらい。あんなに練習したのに、足は言うことを聞いてくれにくい。それにカイル様はゆっくり合わせてくれていることに少しして気付いた。特に階段は大変だ。ゆっくり、ゆっくり歩いてくれて、本当に感謝しかない。
   高ぶる緊張を超え、陛下を守っている兵士達に礼をし、また長い廊下を歩く。そして、ついに陛下の扉の前に立った。
   変に体温が上がり、手が震えた。
   見かねたカイル様はぽんと肩を叩いて、何とか意識を持つ。にっこりしたこのカイル様の笑顔に何度助けられたことか……。

「ルーク、リラックスだよ。それじゃ、入ろうか」
「は、はいッ!!」
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