152 / 182
序章 きみが灰になったとしても
第28話 風と花
しおりを挟む魔皇や魔皇城上層部の者たちで会議を進め、正式に『大地掌握匣奪還作戦』が発足された。今回の事情を知る者は魔皇城でも有数だ。どこから情報が漏れるか分からない、というところが一番大きい。
今回の作戦は相手陣にこちらの侵入がバレた時点で失敗と言っても過言ではない。だからこそ、内密に会議を進め、侵入経路や奪取手段等々を定めることが出来た。
なんと、連邦側に斥候に出ていた斥候兵の一人が大地掌握匣の居所をすでに入手したようで、こちらの計画は順調に進んでいた。
ノウトが帝都に帰ってきて三日経った今日、ノウトはメフィと共に大地掌握匣を持って帰るための瞬間転移陣の最終準備へと入っていた。
「よいしょ……っと」
ノウトが瞬間転移陣の入った背嚢を背負う。
瞬間転移陣は傍から見たらただの丸い絨毯だ。ただ、絨毯よりも心持ち厚く、そして重い。毎日筋トレをしているノウトですらこれを背負って連邦まで向かうのはきついかもしれない。
「どうじゃ?」
「まだかなり重い、かな。ぎりぎり持ち運び出来るレベルって感じ」
「ううむ。これ以上の軽量化はソフトに問題が発生するために不可能じゃからなぁ……。作戦に同行するメンバーで交互に持ってもらう他あるまい」
「まぁ、最終的にはそうだよね」
「なに、ラウラとダーシュが行くことは決まっておるのじゃ。あの筋肉ダルマ二人に任せておけばノウトが気にするとこはあるまいて」
「いや、事実そうなんだけど、持ってもらってるあいだ、すごい不甲斐なくて申し訳ない気持ちでいっぱいになりそうでさ」
「仕方あるまい。どうにもならぬことを補強し合うのが仲間じゃろ」
メフィが言ったその言葉が妙に腑に落ちて、ノウトは頷いた。
「それじゃ、持って行く瞬間転移陣はこれでいいとして、帝都に設置する片割れの瞬間転移陣はどこに置く?」
「それは、適当でいいじゃろ……と言いたいところじゃが、もしものことがあっては困るからの。この部屋に置いておくとしよう。然らば、わしがいつでも監視下に置けるからの」
「そうだな。それが一番いいかも」
ノウトは頷いて、それからメフィの部屋を見渡した。薄暗くて、でもどこか安心する。
「そう言えば」ノウトが思い出したかのように口を開いた。
「ノワ=ドロワが使用して帰ったっていう瞬間転移陣はこっちにあるんだろ?」
「うむ。今もわしの研究室にあるが、それがどうした? まさか、それを使ったら連邦に一瞬で行けるなんて思っちゃいまいな?」
メフィにノウトの心中を当てられたから、ノウトは内心驚いた。
「だめ、かな?」
「駄目に決まっておろう。連邦がそれくらい考えてないと思っておるのか? 当然、跳べたとしても連邦側で瞬時に罠にかかって拘束されるに決まっておる」
「まぁ、それくらい対策しないとこの作戦は出来ないよね」
「うむ。瞬間転移陣は相手も使えるゆえ諸刃の刃じゃ。そう何も考えずに使ってはいかん」
そりゃ、そうだけど。例えばノウトだったら向こうに着いて、何か罠があっても対処出来る自信があったが、それは驕りだ。瞬間転移陣で跳んだ瞬間に深海にいたり、溶岩に落とされたりしたらさすがのノウトも対策できない。
「メフィは今回の神機奪還作戦のメンバーに加わってないんだよな?」
「うむ。自慢ではないが、わしは20分歩けば一時間の休息を必要とする肉体なのでな。遠出の旅は物理的に不可能なのじゃ」
「ちょっとは運動はした方がいいと思うよ、メフィ」
「面倒くさいからしないのじゃ」
「ま、メフィはそう言うよね」
ノウトは肩を竦めて小さく笑った。
「しかし、分かってるとは思うが瞬間転移陣の起動にはわしレベルではなくともかなりの魔力量を必要とする。じゃから参加メンバーには魔力量の多い者を同行させることは必須じゃ」
「今確定してるのは俺とラウラとダーシュの三人だよな?」
「そうとわしも聞いておるが、なんでも、今日の最終会議で参加メンバーは全員分かるそうじゃ」
今回の奪還作戦は極秘裏に進められている計画されているため、参加メンバーですら作戦に加わる者にしか伝えられない。今日行われる最後の作戦会議でその全容が伝えられるのだろう。
「その中に、瞬間転移陣を発動出来る者がいるそうじゃぞ」
「なるほど、そういう事か」
すると、ガチャリと扉が開けられた。
「所長、失礼します」
そこに居たのは一人の血夜族の少女だった。
「ノエル」メフィが彼女の名前を呼んだ。
「よう、ノエル。元気か?」ノウトがノエルと目を合わせる。
「え、ああ。まぁ、普通ですね」
ノエルは曖昧に頷いた。ノエルは無愛想で不真面目に見えるが、神機関連についてだけは真面目に取り組む少女だ。
彼女は魔術研究所に務めていて、そんなノエルはメフィの部下に当たる。暗いところが好きなメフィと気が合うのか、ノエルは率先して彼女の仕事を手伝っている。
「頼まれた資料をまとめておきました」ノエルが紙の束を胸に抱えてメフィに近づく。
「ありがとう、ノエル。ではノウト、これから神機の最終工程に入るからの」
「分かった。俺はここら辺でお暇するよ」
「うむ。話が早くて助かる」
「それじゃ、またな。メフィ、ノエル」
ノウトは彼女らに手を振って、その部屋を出た。計画の進行は順調だ。明日にはノウトたちは連邦へと向かうだろう。
明日に備えて諸々の準備を整えるために、自分の部屋へと向かうその途中だった。
背後で小さな破裂音が聞こえ、その直後、ノウトの首に刃が当てられていた。
ノウトは当然、殺陣で身を守っていたので無傷だ。無意識に暗殺を使って距離を置く。
そこに居たのは猫耳族の少年だった。黒い髪に黒いしっぽ。両腕は包帯に巻かれて傷だらけだ。そして、その瞳にはぎらぎらと輝く憤怒が見て取れた。
おそらく、ノウトを暗殺しようとしたのだろう。正直、こういう手合いは少なくない。勇者を恨む見知らぬ輩が襲ってくるなんてノウトにとっては日常茶飯事だ。だから、ノウトはそこまで驚かなかった。歩く災厄である勇者を密かに殺そうとする派閥がいるのはここ二年で痛いほど分かった。
だから、目の前にいる猫耳族の少年が誰か分かった時にこそ驚いた。
「……リューリ」
ノウトがその名前を呼んだ。
「……………」
リューリは短剣を握ったまま黙ってノウトを睥睨している。
彼はダーシュの配下だ。今まで彼とは会話らしい会話をしたことはないが、顔を合わしたことくらいはある。
「ナイフ、しまってくれないか?」ノウトはリューリと目を合わせた。「ルーツァとシャーファのことは……ほんとに、守れなくてごめん」
リューリは今なおノウトを睨んでいる。とてもミャーナやシファナと同い歳とは思えないくらいの凄みがその眼に宿っていた。
リューリは「ふん」と鼻を鳴らして短剣を鞘にしまった。
「これくらいで死んでもらっちゃ困るからな」
そう言って、不敵に笑ってみせた。
「ルーツァ様やシャーファ様、フィーユさんのことは、今更掘り返すつもりはねぇよ……、だけど……」
リューリがノウトに近付いて、
「どうして……っ!」
ぐっと胸倉を掴んだ。
「どうして、刺客を殺さなかったんだよ、お前は……っ!」
声を振り絞るように言った。
「殺せたんだろ? あんたなら。どうして殺さなかったんだよ、なぁ」
刺客というのはエヴァのことだ。エヴァがルーツァやシャーファ達を殺したのは事実だ。
そんなエヴァが今ものうのうと生きている。リューリはそれがたまらなく悔しいのだろう。
そして確かに、あの状況でノウトはエヴァのことを殺せた。
でも、そんなことをする必要は無い。エヴァはアヤメの力でもう誰も殺せない身体になった。───いや、だから殺さなくていいという話ではない。
「人は殺しちゃいけないからだよ、リューリ。復讐は何も生まない」
ノウトはリューリの目を見て、そう言った。リューリは目を丸くした。
「……ハッ」
リューリはノウトの胸倉から手を離して、失笑した。
「……お前、頭おかしいんじゃないのか?」
「そうかもな」
ノウトは小さく笑う。リューリは一瞬、目を見開いて、それから舌打ちした。
「次しくじったら、オレがあんたを殺す」
リューリはそう呟いて、その場から消えるように去って行った。「精進するよ」と呟いて、ノウトは帰路につく。リューリに言われたことを反芻しながら、歩き始めた。
廊下を角に曲がったところで、彼女らにばったり遭遇した。
「あ、ノウトじゃん」
そこにはラウラとダーシュが立っていた。ダーシュはラウラの二歩後ろに佇立して不機嫌そうな顔でこちらを見ている。
「良かった。ちょうどアンタを呼ぼうとしてたんだ」
「俺を?」
「察しろ」ダーシュがノウトを見下すように言った。「最終会議だ」
「じゃあ、連邦へは明日出発するんだな」
「そゆこと」ラウラが頷いた。「これから魔皇様のいる作戦会議室行くから着いてきて」
「分かった」ノウトが肯定して、歩いていくラウラを追いかけた。
「ダーシュが今回の作戦に加わってくれるなんて、心強いよな、ほんと」
「姫が行くなら俺が行くのも道理だ」
ダーシュは淡々と言葉を紡ぐ。
猫耳族の国の姫君であるラウラの専属護衛騎士ダーシュはラウラを第一に考えて動いている。
ダーシュは強い。ノウトが剣術だけでダーシュとやり合っても、まともな戦いにならないだろう。ダーシュは強すぎる。だが、そんなダーシュよりもラウラの方が遥かに強い。剣術も、武術も、体術も。
だけど、ダーシュは姫の護衛騎士に選ばれたその日から、守る必要のないラウラを守っている。ノウトはそんなダーシュのひたむきなところに憧れを感じて、同時に尊敬している。
「なんだ」ダーシュが低く唸るように言って、ノウトを見た。
「いや、なんでも」
「なんでもなくはないだろ」
「うん。なんでもなくはない」
「じゃあ、なんだ。何か俺に文句があるのか?」
「いや、ダーシュってかっこいいよなって思っただけ」
「お前は本当に気持ち悪いな」
「それは酷くない?」
「男を褒める男は総じて気持ち悪い」
「ノウトは正直に生きてるからなー。慣れたらなんともないけど」
前を歩くラウラが苦笑いしているのが、顔を見なくても見なくても分かった。
「姫、それは姫も俺のことをかっこいいと見なすと、そういうことですか?」
「何でそういうところめざといかな」
ラウラは後ろをちらっと振り返って肩を竦めた。ダーシュは再び前を見て、ラウラの三歩後ろを律儀に保守している。廊下を三人で歩いていると、いつの間にか某会議室の前に辿り着いていた。ラウラががちゃりと扉を開ける。
円卓が中央にあり、そこには血夜族の男が座っていた。彼はこちらを見ると、爽やかな笑顔を伴って立ち上がった。
「やぁ、みんな」
レンだ。そこにはレンがいた。
「レンがここにいるってことは……」
「そう。俺も作戦に加わることになったんだ」
レンがみんなと顔を見合わせて、手を出してくる。
「改めてよろしく。ラウラ、ダーシュ、ノウト」
「ああ、よろしく」
ノウトはレンと握手を交わした。ダーシュはラウラの二歩後ろで腕を組んで立っている。
「アンタが加担するんだ。あたしはロスかヨルアだと思ってたけど」
ロスというのは言わずもがな、ロストガンのことで、ヨルアというのはロストガンやレンと同じで血夜族の国の王子の一人だ。ヨルア・ヴァン=ユウグルア。王位継承権は第三位だが、王子と言ってもヨルアは女性だ。
血夜族が耐日服無しに遠征に参加するのは自殺行為なので、基本的に遠征する時は耐日服を持っている血夜族の王子に委託される。
「今回は俺が立候補したんだ」
レンが控えめに微笑んだ。
「立候補って、……今回の作戦は公には晒されてないだろ?」
「もともと姉さん──ヨルアに任務を当てられていたんだけど、無理言って俺に変わってもらってさ」レンが俯き気味に顔を伏せた。「俺があの日、あの街にいたら、未然に防ぐことも出来たんじゃないかってずっと思っててるんだ」
「レン……」
エヴァが奇襲してきたあの日、レンは自国へと飛んで帰っていた。あれは偶然だ。そこをエヴァに付け狙われたという可能性もある。というのも、血夜族は昼と夜で戦闘能力が180度変化する為、夜に血夜族と戦闘をするのは無謀だからだ。
「気にやむ必要はないよ」
ラウラが腕を組んだ。そして、いたずらっぽい笑顔で笑った。
「シャーファとルーツァが勝てなかった相手をアンタが何とかできると思ってんの?」
「それは……」レンが困った顔をして、「そうだね」
それから笑ってみせた。レンのその笑顔が、どうしてかノウトには本当のものに見えなかった。その理由は分からない。
「みんな、集まってるようだな」
魔皇が奥の扉から現れた。彼女は歩いてきて、円卓の上に手を置いた。
「いよいよ明日、みんなには連邦の首都ファガラントまで行ってもらうわけだが」
「あの、魔皇様」
ノウトが口を挟んだ。
「どうした、ノウト」
「参加メンバーは五人ですよね? もう一人が来てませんけど」
ノウトが言うと、魔皇が小さく笑った。
「彼女なら初めからいるぞ、ノウト」
「えっ、…と?」
ノウト、それにレンが周りを見渡した。
ここにいるのはノウト、レン、ダーシュ、ラウラ、それに魔皇だけだ。それ以外の誰もこの部屋には見当たらない。
ダーシュとラウラは魔皇が何を言わんとしているのか分かっているらしい。
「まさか、魔皇様?」
「私が行きたいのはやまやまなんだが、私が帝都を留守にするわけにはいかないからな」
そう言って上を見上げた。釣られるようにノウトも上を見上げる。すると、
「わっ」
黒い何かが上から落ちてきた。そして、音もなく華麗に着地した。それは、人だった。女性だ。頭には角が生えていて、背中には翼がある。血夜族とも魔人族とも見える。初めて見た種族だ。だが、それよりも明らかにおかしなことがひとつある。
彼女は黒いポニーテールを揺らして立ち上がった。そして、胸に手を当てて口を開いた。
「私は今回の作戦に同行させていただくカザミ・フウカと申します。宜しく御願いします」
礼儀正しくそう言うが、全く頭に入って来ない。
なぜなら、カザミ・フウカと名乗った少女は、身体のラインが異様なほど強調された真っ黒なつなぎを着ていたからだ。
0
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説

幼馴染のチート竜,俺が竜騎士を目指すと伝えると何故かいちゃもんつけ始めたのだが?
モモ
ファンタジー
最下層のラトムが竜騎士になる事をチート幼馴染の竜に告げると急に彼女は急にいちゃもんをつけ始めた。しかし、後日協力してくれそうな雰囲気なのですが……
月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~
みやま たつむ
ファンタジー
【本編完結しました(812話)/後日譚を書くために連載中にしています。ご承知おきください】
事故死したところを別の世界に連れてかれた陽キャグループと、巻き込まれて事故死した事なかれ主義の静人。
神様から強力な加護をもらって魔物をちぎっては投げ~、ちぎっては投げ~―――なんて事をせずに、勢いで作ってしまったホムンクルスにお店を開かせて面倒な事を押し付けて自由に生きる事にした。
作った魔道具はどんな使われ方をしているのか知らないまま「のんびり気ままに好きなように生きるんだ」と魔物なんてほっといて好き勝手生きていきたい静人の物語。
「まあ、そんな平穏な生活は転移した時点で無理じゃけどな」と最高神は思うのだが―――。
※「小説家になろう」と「カクヨム」で同時掲載しております。
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します
湯崎noa
ファンタジー
ブラック企業に入社して10年が経つ〈宮島〉は、当たり前の様な連続徹夜に心身ともに疲労していた。
そんな時に中高の同級生と再開し、その同級生への相談を行ったところ会社を辞める決意をした。
しかし!! その日の帰り道に全身の力が抜け、線路に倒れ込んでしまった。
そのまま呆気なく宮島の命は尽きてしまう。
この死亡は神様の手違いによるものだった!?
神様からの全力の謝罪を受けて、特殊スキル〈コピー〉を授かり第二の人生を送る事になる。
せっかくブラック企業を卒業して、異世界転生するのだから全力で謳歌してやろうじゃないか!!
※カクヨム、小説家になろう、ノベルバでも連載中
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております

ド田舎からやってきた少年、初めての大都会で無双する~今まで遊び場にしていたダンジョンは、攻略不可能の規格外ダンジョンだったみたい〜
むらくも航
ファンタジー
ド田舎の村で育った『エアル』は、この日旅立つ。
幼少の頃、おじいちゃんから聞いた話に憧れ、大都会で立派な『探索者』になりたいと思ったからだ。
そんなエアルがこれまでにしてきたことは、たった一つ。
故郷にあるダンジョンで体を動かしてきたことだ。
自然と共に生き、魔物たちとも触れ合ってきた。
だが、エアルは知らない。
ただの“遊び場”と化していたダンジョンは、攻略不可能のSSSランクであることを。
遊び相手たちは、全て最低でもAランクオーバーの凶暴な魔物たちであることを。
これは、故郷のダンジョンで力をつけすぎた少年エアルが、大都会で無自覚に無双し、羽ばたいていく物語──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる