あのエピローグのつづきから 〜勇者殺しの勇者は如何に勇者を殺すのか〜

shirose

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第二章 蹉跌の涙と君の体温

第13話 でもいつか手を取り合って。

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 空を切り、暁の空を羽ばたく。
 ノウトはリアを抱えてニールヴルトの都、ロークラントへ向かおうとしていた。
 朝日が完全に顔を見せるまであと一時間弱ほどだろう。空が明るくなる前に着かなければ、非常に目立つ中、飛行しなくてはいけない。
 ノウトは今、勇者に狙われている。
 フリュードでの災害をノウトが起こしたと勘違いしているからだ。
 だからなるべく目立たずに急いで向かう必要がある。一番優先すべきは自分の命だ、と自らに強く言い聞かせる。自分の命がなければ護りたいものも護れない。生きろ、とにかく生きるんだ。

「だいぶ冷えてきたね」

「ああ」

 リアの言う通り、先程までいた湖のあたりとは気温が著しく変化していた。高度が高くなっているのもあるが、山脈から吹き降ろす風が凍るような冷たさを誇っている。

「リア、大丈夫か?」

「わたしは大丈夫だけど、ノウトくんは翼凍ってたりしてない?」

「まぁ、今んところは問題ないっぽい。これ以上高度上げるとキツそうだけど」

「あんまり、無理はしないでね。途中で降りてもいいから」

「大丈夫。心配すんな。まだ飛べるから」

 心配させまいと「大丈夫」が口癖になりつつあることに気が付いた。まぁ、いいか。本当に思っていることを言っているだけだし。

 ノウトはかれこれ二時間近く飛び続けている。不思議なことに、走ったり、歩いたりするよりも翼で飛んだ方が疲弊感が少ない。だからといって全く疲れがない訳ではなく、イメージとしては片足で立ち続けて、限界が来たらもう片方の足に変えてそれを繰り返す、くらいの疲弊感だ。
 正直言って疲れよりも、寒さが身体に支障をきたしている。とめどなく吐く息はいつの間にか白くなっているし、速度もあるので身体が凍てつくような冷たさだ。寒いと言うより、もはや痛い。
 でも、自分のことよりもリアの方が気になる。冷たく、痛い思いをさせているのは確かだ。早く、暖かい場所に行かないと。

「あれっ、街じゃない?」

 リアの声にノウトは視線を下方に向けた。
 真白い視界に遮られて、はっきりとは見えないが、街のような何かは見える。

「急ごう……!」

 リアの身体に回す手にぎゅっと力を込める。
 ノウトは高度を徐々に下げながら、翼を凍らせないような速度で滑空した。もう少しだ。もう少し。
 息を吸い込むたびに肺が凍りつきそうだ。
 リア、リア。大丈夫か。声をかけたいけど、無理だ。口を開くと、喉が凍てついてしまいそうで恐ろしい。
 見える。見えてきた。街だ。雪に覆われた街。山の間、というよりは山を削って造ったようなそんな街が見える。
 東から覗き始めた日が街を照らし始めている。
 街の中心に高くそびえる塔が見える。近付くと、その塔に大きな時計が付いていることが分かった。これは時計塔だ。短針は午前六時前を指している。
 ぎりぎり間に合ったと言ったところか。
 足を下に向けて、ゆっくりと時計塔の最上部の開口部に入り込んで着地する。ここなら何とか風は防げそうだ。

「……よしっ」

「お疲れさまっ」

「気分悪くないか? 風邪引いてたりとか」

「大丈夫大丈夫、たぶん」

 リアはそう言って、街を見下ろせる開口部の前に立つ。

「すっごい綺麗だね」

「……ほんとだな」

 リアの隣に立って、街を見下ろす。東から望む太陽が街を照らし、雪をきらきらと反射させて、輝かせていた。
 こういうの、なんて言うんだっけな。たしか───

「……ダイヤモンドダストだ」

 リアがその答えを呟く。昇華した大気中の水蒸気が氷晶が宙を舞い、街を白く彩っている。
 その美しい光景の端にリアの横顔が写り、ノウトはそっちに目を奪われてしまった。その楽しそうな彼女の顔がどんな時よりも綺麗に見えたのだ。

「どしたの?」

「い、いや何でもない」

「ほんと? なんかあるって顔してるけど」

「何でもないって言ってるだろ」

「なら、いいけどね」

 リアはふふっと笑ってから、白銀の髪を揺らして振り返った。

「さ、これからどうしようか」

「そうだな。明るいうちはあまり空飛んでたくないし、ここに隠れてたいけど」

「でも夜になるまでずっとここにいたら寒すぎてやばいよね」

「そうなんだよなぁ」

 ノウトはそう言って腹をさする。昨日も丸一日なにも食べていなかったし、さすがにそろそろキツイ。それに服に関してもリアとノウトどちらもこの寒い中で活動しやすい格好とは確実に言えない。
 かと言ってノウトがこの姿で街に繰り出せば確実に騒ぎになってしまう。

「まずは食事と、あと衣服をどっかで調達しないとだけど」

「よし、わかった。じゃあわたしが行ってくるからここで待っててよ」

「悪い、頼む」

「任して。すぐ戻ってくるから。でも、ちゃんと身体休めててね」

 リアは室内の端に備え付けられている階段に向かう。そして彼女の姿はすぐに見えなくなってしまった。
 すぐにでも魔人領へと赴きたいが、いまは無駄に動くべきではない。

 例えば、対象を視界に入れるだけで殺すことの出来る勇者がいたら。
 例えば、声を掛けるだけで殺すことの出来る能力を持っていたら。

 決して大袈裟な考えではない。
 不死のリア。星を造れるというシャルロット。他の勇者全員の能力が使えるフェイ。
 ノウトが知っているだけでこんなに強力な〈神技スキル〉を持つ勇者がいる。
 ノウトに敵意を持っている勇者がいるのは確かだ。ダーシュやスクード、ミカエルはノウトに対して確かな殺意を発していた。恐らくだが、同じパーティの誰かが死んでしまったのだろう。
 彼らがリアを人質に取ったノウトをリアごと殺さなかった理由が分かったかもしれない。リアは〈生〉の勇者だ。それを知っている彼らは仲間を蘇生しようとしたのかもしれない。だから、何としてもリアを手に入れたい。そんな所だろうか。
 真相は分からない。何もわからないままだ。

 胸が、心臓が酷く痛む。

 どうすればこの状況を打開できるのか。
 いや、それをするためにヴェロアに会いに行くんじゃないか。そうだ、今はそのことだけを考えろ。
 生きて、生きて、生き延びるんだ。

 ふと、あることを思い出して左手甲に鈍く光る〈エムブレム〉を見つめる。それを右手で触れて〈ステイタス〉を呼び起こす。


────────────────────────
《殺◤》の勇者

名前:ノウト・キルシュタイン
年齢:▟█歳
【〈神技スキル〉一覧】
弑逆スレイ》:触れたものを殺す能力。
殺陣シールド》:◢い█殺す能力。
暗殺ソロリサイド》:息を殺█能◢▟
█殺◣デ▟サイ◣》:《異█▆▄◢▟◢》を█じ◥能力。
────────────────────────


 内容はと同じだ。
 《殺陣シールド》に《暗殺ソロリサイド》、この二つを巧みに使ってフェイを倒すことが出来た。
 〈ステイタス〉では相変わらず見えないところも多々あるが、その二つに限ってはどんな能力かが本能的に分かる。
 《殺陣シールド》は防御時に使う能力だ。物理攻撃に限り、どんな攻撃も力をゼロにすることが出来る。正確なことは分からないが、この翼と同じで何となく頭の奥の方で理解している感じだ。
 《暗殺ソロリサイド》は息を殺す能力だ。おそらく、息を止めている間、気配を完全に消すことが出来る。これと触れたものを殺す能力《弑逆スレイ》を使えばどんな相手も殺すことが出来るだろう。
 まぁ、今のこの状況では無用の長物だ。人を殺す予定なんてない。殺すなら殺される方がマシだ。
 しかし、どうだろう。この《暗殺ソロリサイド》を使えば、ノウトも街へと繰り出すことが出来るのではないだろうか。
 それに、よく考えてみればリアを単独で行動させるのは不味い。非常に不味い。
 なぜなら、彼女が他の勇者に見つかったら何をされるか分からないからだ。
 フェイの嘘でリアにはあらぬ誤解があるし、ノウトの居場所を吐かせるために拷問紛いのことをされるかもしれない。
 想像したら、背中にぶわっと嫌な汗がにじんだ。
 ノウトはそれが頭によぎった瞬間、行動に出ていた。
 時計塔の開口部から外へと飛び込む。とんでもない高さだ。
 《暗殺ソロリサイド》を使いながら飛び降り、翼と《殺陣シールド》で着地する。記憶が失くなる前の本能がノウトの背中を押しているのか、自然な身のこなしと能力の使い方が出来る。《暗殺ソロリサイド》を維持したまま路地裏へと入り込み、息を吐く。白い息が宙を漂う。
 当然、早朝も早朝だから人の影はぽつりぽつりとしか見えない。それでも最善の注意を払って行動する。
 リアを探さなくては。
 だがしかし、よく考えてみて欲しい。どうやって探せばいいんだろうか。索敵能力は皆無に等しい。
 そうだ。リアが時計塔の上部から降りていってからもう少しで10分くらい。
 もしかしたら時計塔の周辺を上から見下ろしてたら見つかるかもしれない。そう思い、熟考に浸るのをやめて路地裏の外へ出ようとする────が、予期せぬ障壁にぶち当たり、路地裏から出ることは叶わなかった。

 一人の幼い少女がこちらを見ている。
 翼とノウトの顔を交互に何度も見る。

 思考が停止し固まった。
 やばいやばいやばい。見つかってしまった。
 急いで息を止めて《暗殺ソロリサイド》を使い、その少女の隣を通り過ぎようとする。
 だが、少女は通り過ぎるノウトの顔を目線で追っていた。
 ………え? 見えてるのか? 《暗殺ソロリサイド》ってもしかして気配を消す能力じゃないのか? いや、それはない。フェイとの戦闘でその実感は得られた。
 もしや、目の前で使ったら効果がないとかか……?

「ゆ……」

 少女がノウトの左手を見て、顔色を大きく変えた。

「……勇者さま……」

 少女はあまり表情を変えずに呟いた。感情をあまり表に出さない子なのだろう。
 しかし、この姿を見て、勇者だと思ってくれるのか、ノウトはそのことに驚いていた。

「……俺が勇者だって分かるのか?」

 幼い少女はこくりと頷いた。

「女神さまの紋章と、その翼は勇者さまの証……」

「なるほど……。確かに〈エムブレム〉目立つからな────って、えっ……翼が……証……?」

「『悪しき魔人が蔓延る時、翼と紋章を携えし、女神憑きの勇者が魔を退かん』」

「……それは?」

「言い伝え。どんなこどもでも、知ってる」

 驚いていた。
 この翼はやはりヴェロアの言っていた魔眷属とは違う、勇者本来のものなんだ。フェイが言っていた女神のことがいよいよ本当だと思えてきた。
 すると、小さい女の子は何かを思い出したかのように目を見開いた。

「……………あっ……」

「どうした?」

「………これ、勇者さまに言っちゃだめだった………」

「………えっ?」

「───あたし、いかないと……」

 その少女は何かに取り憑かれたように足早に駆けて行った。

「ちょっ、おい!」

 ノウトの声は虚しく、寒空へと消えて行った。追いかけるか。いや、姿を晒すのは危険だ。
 あの子は勇者さまに言ってはいけないと言っていた。何を言ってはいけないんだ? どの部分のことだろうか。まぁ、考えるまでもなくタイミング的に言い伝えのところだよな。

『悪しき魔人が蔓延る時、翼と紋章を携えし、女神憑きの勇者が魔を退かん』

 気になる点は多々ある。
 まず、翼について。
 これは勇者の中ではノウトしか顕現していないものだ。フェイとの戦闘中に突然、現れた翼。それが勇者本来の姿なのか?

 そして『女神憑き』という単語。
 フェイは女神が勇者に力を送って〈神技スキル〉を使わせていると言っていた。大嘘つきのフェイが言っていたことだが、どうにも信じるしかなさそうだ。

「………なぁ、女神。そこにいるのか?」

 ノウトは小声で問いかけた。ノウトの問い掛けは虚空へと消えゆき、返事は返ってこなかった。
 あの少女は言っちゃいけないことだと言っていたが、なぜこのことを言ってはいけなかったんだろうか。誰にそう釘を刺されたのだろうか。なんの為の箝口令なのか。
 勇者達は目覚めた直後からとにかく忙しかった。
 目覚めた次の日には竜車に乗って魔人領へと向かわされた。それこそ、情報を集めさせないように。
 王都アカロウトでレンの話を聞いた限り、どの民衆に質問しても詳しいところまでは聞き出せなかったらしい。
 曰く、勇者様に助言を呈することは教えにより禁じられている、と。

 今まで特に違和感を感じなかったが、勇者には隠されていることが多すぎる。
 そもそもの話、記憶を消すこと自体おかしな話だ。
 記憶がないから戸惑うことも多かったし、軋轢もあった。記憶があった方がスムーズにことが進んだ場面も多いはずだ。この世界の人間なら、魔皇を倒すのも名誉あることだ、とか言って進んで行ったかもしれない。

 そして突然、久方ぶりの感覚が訪れた。
 視界の端で違和感を感じ、ジジッ、とノイズを奏でながらが現れる。

『久しいな、ノウト』

「久しぶり、ヴェロア」

『久しい、と言っても二日ぶりくらいか。それでも久しく感じてしまうのは……これはもうさがのようなものだな』

 ヴェロアは相変わらず隠すべき場所のみが隠れてるような際どい格好をしていて、非常に目のやり場に困る。

「こっちのことってどれくらい知ってるんだ?」

『大体は見ていたぞ。受信は造作ないのだが、不便なことに送受信となると豁然と難しくなるのがこの魔術なんだ』

 ヴェロアの声を聞くと安心する。心が安らいでいく。

「ごめん、ヴェロア。知っての通り、難儀してるんだ。他の勇者に追われてて。……だから、不躾で悪いけど……力を貸して欲しい」

 ノウトがそう言うとヴェロアはニカッと笑って、

『当然だ』

 きっぱりと言い放つ。そして快活に、はははっと笑った。

『やっと頼ってくれたな、ノウト』

「そ、そう、かな」

『ああ、ノウトはいつも蛇行しながら独走して、その後ろを着いていくだけで大変だったんだぞ』

「ご、ごめん」

『なぁに。謝ることはない。やっと力を貸せるんだ。私はお前を護るためにお前に会いに行っていたんだからな』

「………ありがとう、ヴェロア」

 彼女の顔が眩し過ぎて、直視できない。
 どうして人間は魔皇を殺すなんて発想に至ったのだろう。こんなにもヴェロアは優しくて、温かいのに。

『まず、私から伝えたいことがいくつかある』

「は、はい」

 ノウトは何故か敬語で答えてしまう。

『一つ目は、帝都への行き方についてだ』

 帝都。それはヴェロアの治める帝国の中心に当たる場所のことだろう。

『〈封魔結界〉を越えてすぐにある砦に転移魔術の魔法陣が設置してある。臨時で置いていたものだ。〈封魔結界〉近くだから人も魔物も誰も近寄らないはずだが、もしかしたらダアフォから追い出されたはぐれゴブリンが住み着いてるかもな』

「分かった。まずはとりあえず、その砦に向かえばいいってことか?」

『そうだ。砦にはメフィを向かわせるから転移魔術陣での移動は円滑に進むだろう』

「了解。えっと、さっきの話の質問なんだけど、ゴブリンとかダアフォとかは?」

『そうだな。それも説明すべきだ、が…………』

 ヴェロアは急に口をくぐもらせた。その瞳は動転した様子をノウトに伝えるには十分だった。

『ノウト、早急にこの場を移動した方がいい! 今すぐにだ!』

「ど、どうして?」

『他の勇者がすぐそこに来ているっ……!』
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