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第一章 勇者殺しの勇者
第10話 告独白
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────────────────────────
〈殺◤〉の勇者
名前:ノウト・キルシュタイン
年齢:◤◥◣
【〈神技〉一覧】
《弑逆》:触れたものを殺す能力。
《◥◣》:◢◢█◤◥◤◣◥
《◤◣》:◥◣◢◥◤◣◥█▟◥◤◣◢◣█◤◥◣◢。
《█◤◣》:◢█▖◢◤◥◤◣◤。
────────────────────────
〈ステイタス〉に変化があったのは〈殺〉の勇者という肩書き、それにキルシュタインという姓。
そして一番大事な神技も今度はちゃんと明記されていた。
しかし、なんで初めて見た時はあんなに見えない所があったのだろうか。まぁ考えても仕方ないか。
〈殺◤〉とあるようにまだ隠されてはいるが何やら不穏過ぎる。
それよりも今はこの神技披露会においてどうやってこの能力を披露するか、だ。
『触れたものを殺す能力』
なんだよ───なんなんだよ、これ。
突拍子もない情報に言葉を失う。
まず思ったのは、これ、使い所少な過ぎないか、ということだ。
ノウトがこれを使って人に触れることで人を殺すより、フウカやレンが〈神技〉を使って人を殺す方が簡単そうだ。
例えばフウカと俺が正々堂々真正面から戦うとする。
ノウトは彼女の身体に触れることさえ出来れば勝ちだが、その前にフウカの風を操る能力で身体を両断されそうだ。
利便性もリアの治癒する能力やシャルの何でも造り出す能力にも劣っている。
なんか、あれ……? 弱い気がする。不意打ちしか出来ないな。
……って待てよ。ヴェロアの言葉を思い出せ、俺。
彼女は俺に『勇者の全滅』を命令した。
彼女を信じてそれを遂行し、今ここで、この4人を全員殺してしまったら───────
いやいやいや。何考えてんだ。
反撃を貰う可能性もあるし、何より『勇者の全滅』、つまり他の19人の処理もしなきゃいけないのにここで殺してしまったら仲間はどこいったんだ? とか言われて、その機会は無くなってしまうのでは。
それに他の19人の神技の詳細もよく分かっていない。
なんだこれ。無理だ。泣きそうになってきた。
取り敢えずここで能力を披露しないと。
いや、だから、どうやって。
触れたものを殺す能力だ。「見てろ。……じゃーん、レンの息の根が触れるだけで止まりましたー」みたいな阿呆なことも出来るわけない。
そんなことしたらドン引かれたあとにフウカに風で細切りにされたり、もしくシャルが造り出した物で圧殺されてしまう。
そうか、正直にこの能力を言えばいいのか。
しかし、そんなことをしたら、ヴェロアの命令を実行するのは容易ではなくなる。
触れないと相手を殺せない能力。皆は怖がってノウトに触れるのを少なくとも警戒するはずだ。例え仲間であっても。
触るだけで死ぬ可能性がある人間、ってまぁ良く考えたら恐ろしいかも。
この能力の醍醐味である不意打ちは難しくなるだろう。
ヴェロアの命令を聞かないことにして正直に話しても仲間に距離を置かれそうだ。かなり話しずらい。
そして、ここで披露しないという手もない。ここで披露しなければ明らかに仲間として不信を買うだろう。
詰んだ。
〈ステイタス〉を見ながら7秒ほど固まっていると、フウカがノウトの顔を覗き込み、
「ノウト、どうしたんです?顔色が悪いようですけど」
「いや、何でもないんだ。ちょっと焼死体になりかけたことをふと思い出しちゃって」
「その話はやめてって言ったでしょ……」
シャルが口を抑える。
「ご、ごめん」
覚悟を決めた。正直に話そう。
逡巡した結果それが一番最善の手だと結論付けた。
ヴェロアと話す時、また勇者全滅の命令のことは思い出そう。今は、勇者として素直に生きよう。
「実は俺の〈神技〉はここで披露できるものじゃなくてさ」
「それってどういう」
「大爆発起こすとか!?」
リアが目をきらきらさせながらこっちを見てくる。
うわぁ、その目きついからやめて。プレッシャーがやばい。
「そうじゃないんだ。対象が限られてて」
「うーん? どういうことです?」
「結論から言うと、俺の神技は『触れたものを殺す能力』なんだ」
「なるほど」
レンは単純に相槌をうつ。
「えっ、それだけ?」
「えっ。うん。俺の《ステイタス》にも『影に入る能力』としか書いてないし、それじゃ俺らと違って試しようがないからしょうがないよ」
「そ、そっか」
「ノウトくん、それ不便だって自分で思ったでしょ」
「う、うん」
「言ったら信頼が無くなるとも思った?」
「あぁ」
「ノウトくん、大丈夫だよ。私たちもう仲間じゃん?」
「……リア」
リアは元気付けるように親指を上げた。
シャルロットやレン、フウカを見ても誰一人として不信感を抱いてるような人は居なかった。
俺は何を悩んでたんだ。
「リアの言う通りよ。それに私は強力だと思う。不意打ちし放題だし」
「あとそれ、いつか絶対強い神技が追加されるパターンだよ。私わかるもん」
「そ、そうなのか」
「〈ステイタス〉で名前の上にある肩書きみたいなやつ、何か教えて貰っていい?」
「あぁ。〈殺〉の勇者、って書いてある」
「えぇ!? 何それかっこいい!! え!? ほんとにそう書いてあるの!? 自分で改良したんじゃなくて!?」
「うん。ってか自分で変えるわけないだろ」
「えぇ~。いいなぁ。かっこいいなぁ」
「ってさ。一人で悩むなよ。リアの言う通り、もう俺らチームなんだから」
「……おう。何か、ごめん」
「いいって」
レンはいつかのように爽やかに笑う。
それに釣られて笑ってしまう。
「深く考えなくていいんですよ。私達何も分からないんですから」
「そうだな」
俺は自然に笑ってみせようとしたが、何処と無くぎこちない笑顔となってしまった。
『勇者の全滅』、その一言がなければ、こんな思いはしないのに。
◇◇◇
神技披露会終了後、それぞれの部屋に戻り、早朝に起きなければならない明日に具えて寝ることにした。
時刻は午前2時過ぎ。
レンが寝ているのを確認して部屋を出る。
俺はヴェロアと対話するために宿のテラスへ向かった。宿三階の廊下から外に出ると、そこがテラスだ。もちろんこの時間だから誰もその場にはいない。
外用のテーブルと二つの椅子が設置されていた。そのうちの一つの椅子に座り、そこから城下町を見下ろす。ほぼ暗闇で灯りはまちまちと言ったところだ。少しの間待っていると、彼女が対面の椅子に座って現れた。
真っ白で美しい彼女が。
〈殺◤〉の勇者
名前:ノウト・キルシュタイン
年齢:◤◥◣
【〈神技〉一覧】
《弑逆》:触れたものを殺す能力。
《◥◣》:◢◢█◤◥◤◣◥
《◤◣》:◥◣◢◥◤◣◥█▟◥◤◣◢◣█◤◥◣◢。
《█◤◣》:◢█▖◢◤◥◤◣◤。
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〈ステイタス〉に変化があったのは〈殺〉の勇者という肩書き、それにキルシュタインという姓。
そして一番大事な神技も今度はちゃんと明記されていた。
しかし、なんで初めて見た時はあんなに見えない所があったのだろうか。まぁ考えても仕方ないか。
〈殺◤〉とあるようにまだ隠されてはいるが何やら不穏過ぎる。
それよりも今はこの神技披露会においてどうやってこの能力を披露するか、だ。
『触れたものを殺す能力』
なんだよ───なんなんだよ、これ。
突拍子もない情報に言葉を失う。
まず思ったのは、これ、使い所少な過ぎないか、ということだ。
ノウトがこれを使って人に触れることで人を殺すより、フウカやレンが〈神技〉を使って人を殺す方が簡単そうだ。
例えばフウカと俺が正々堂々真正面から戦うとする。
ノウトは彼女の身体に触れることさえ出来れば勝ちだが、その前にフウカの風を操る能力で身体を両断されそうだ。
利便性もリアの治癒する能力やシャルの何でも造り出す能力にも劣っている。
なんか、あれ……? 弱い気がする。不意打ちしか出来ないな。
……って待てよ。ヴェロアの言葉を思い出せ、俺。
彼女は俺に『勇者の全滅』を命令した。
彼女を信じてそれを遂行し、今ここで、この4人を全員殺してしまったら───────
いやいやいや。何考えてんだ。
反撃を貰う可能性もあるし、何より『勇者の全滅』、つまり他の19人の処理もしなきゃいけないのにここで殺してしまったら仲間はどこいったんだ? とか言われて、その機会は無くなってしまうのでは。
それに他の19人の神技の詳細もよく分かっていない。
なんだこれ。無理だ。泣きそうになってきた。
取り敢えずここで能力を披露しないと。
いや、だから、どうやって。
触れたものを殺す能力だ。「見てろ。……じゃーん、レンの息の根が触れるだけで止まりましたー」みたいな阿呆なことも出来るわけない。
そんなことしたらドン引かれたあとにフウカに風で細切りにされたり、もしくシャルが造り出した物で圧殺されてしまう。
そうか、正直にこの能力を言えばいいのか。
しかし、そんなことをしたら、ヴェロアの命令を実行するのは容易ではなくなる。
触れないと相手を殺せない能力。皆は怖がってノウトに触れるのを少なくとも警戒するはずだ。例え仲間であっても。
触るだけで死ぬ可能性がある人間、ってまぁ良く考えたら恐ろしいかも。
この能力の醍醐味である不意打ちは難しくなるだろう。
ヴェロアの命令を聞かないことにして正直に話しても仲間に距離を置かれそうだ。かなり話しずらい。
そして、ここで披露しないという手もない。ここで披露しなければ明らかに仲間として不信を買うだろう。
詰んだ。
〈ステイタス〉を見ながら7秒ほど固まっていると、フウカがノウトの顔を覗き込み、
「ノウト、どうしたんです?顔色が悪いようですけど」
「いや、何でもないんだ。ちょっと焼死体になりかけたことをふと思い出しちゃって」
「その話はやめてって言ったでしょ……」
シャルが口を抑える。
「ご、ごめん」
覚悟を決めた。正直に話そう。
逡巡した結果それが一番最善の手だと結論付けた。
ヴェロアと話す時、また勇者全滅の命令のことは思い出そう。今は、勇者として素直に生きよう。
「実は俺の〈神技〉はここで披露できるものじゃなくてさ」
「それってどういう」
「大爆発起こすとか!?」
リアが目をきらきらさせながらこっちを見てくる。
うわぁ、その目きついからやめて。プレッシャーがやばい。
「そうじゃないんだ。対象が限られてて」
「うーん? どういうことです?」
「結論から言うと、俺の神技は『触れたものを殺す能力』なんだ」
「なるほど」
レンは単純に相槌をうつ。
「えっ、それだけ?」
「えっ。うん。俺の《ステイタス》にも『影に入る能力』としか書いてないし、それじゃ俺らと違って試しようがないからしょうがないよ」
「そ、そっか」
「ノウトくん、それ不便だって自分で思ったでしょ」
「う、うん」
「言ったら信頼が無くなるとも思った?」
「あぁ」
「ノウトくん、大丈夫だよ。私たちもう仲間じゃん?」
「……リア」
リアは元気付けるように親指を上げた。
シャルロットやレン、フウカを見ても誰一人として不信感を抱いてるような人は居なかった。
俺は何を悩んでたんだ。
「リアの言う通りよ。それに私は強力だと思う。不意打ちし放題だし」
「あとそれ、いつか絶対強い神技が追加されるパターンだよ。私わかるもん」
「そ、そうなのか」
「〈ステイタス〉で名前の上にある肩書きみたいなやつ、何か教えて貰っていい?」
「あぁ。〈殺〉の勇者、って書いてある」
「えぇ!? 何それかっこいい!! え!? ほんとにそう書いてあるの!? 自分で改良したんじゃなくて!?」
「うん。ってか自分で変えるわけないだろ」
「えぇ~。いいなぁ。かっこいいなぁ」
「ってさ。一人で悩むなよ。リアの言う通り、もう俺らチームなんだから」
「……おう。何か、ごめん」
「いいって」
レンはいつかのように爽やかに笑う。
それに釣られて笑ってしまう。
「深く考えなくていいんですよ。私達何も分からないんですから」
「そうだな」
俺は自然に笑ってみせようとしたが、何処と無くぎこちない笑顔となってしまった。
『勇者の全滅』、その一言がなければ、こんな思いはしないのに。
◇◇◇
神技披露会終了後、それぞれの部屋に戻り、早朝に起きなければならない明日に具えて寝ることにした。
時刻は午前2時過ぎ。
レンが寝ているのを確認して部屋を出る。
俺はヴェロアと対話するために宿のテラスへ向かった。宿三階の廊下から外に出ると、そこがテラスだ。もちろんこの時間だから誰もその場にはいない。
外用のテーブルと二つの椅子が設置されていた。そのうちの一つの椅子に座り、そこから城下町を見下ろす。ほぼ暗闇で灯りはまちまちと言ったところだ。少しの間待っていると、彼女が対面の椅子に座って現れた。
真っ白で美しい彼女が。
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