3 / 13
第三話
しおりを挟む
廻り方同心の間部瀬勘太郎が、岡引きの慎吉を引き連れて、何件か茶屋を回っていた。
間部瀬は新米同心であった。小柄な体格ではあるものの、濃い眉毛にギョロリとした目で厳つい雰囲気だ。見た限り強面の頭の硬い役人だが、内面は至って純朴で素直な性格だ。世間慣れしていないうぶなところも時々顔を出す。
同僚の言葉ではあるが、クソが付くほどの真面目でもあった。
「ああ、奥田の旦那ね。あたいも一回だけ呼ばれたわぁ」
派手な格好で厚化粧をした女が舐めるような目で間部瀬を見た。名はさえといい、この茶屋で客相手をしている。丸顔でやや太めの体からは色気は感じられない。
「あのぅ・・いつ頃のことでしょうか・・」
間部瀬は赤い顔をして、目を合わせないようにうつむき加減だ。
「二月ほど前かなぁ、綾姉さんの代わりだったのよ。そんとき、綾姉さんが風邪気味でねぇ、あたいに行ってくれって」
「そうですか、そのお綾さんが、奥田殿の贔屓だった訳ですか・・」
間部瀬はオドオドしたように体を揺すった。それを珍しそうにさえが顔を近づけて見ている。こういう、うぶな男もいるのかという、明らかに興味津々といった眼差しだ。
「そう。いつもうちの店では綾姉さんが指名されていたの。あのお方は年増好みだったのよ。だから、若いあたいなんか、全然声がかからなくてねぇ」
間部瀬の後ろにいる慎吉が、背中越しに、驚いたようにさえを見た。
「あれぇ、若いって、お姉さんは、いくつですか」
さえが慎吉を睨んだ。
「ちょっとあんた、女に歳を聞くものじゃないわよ」
「だって、若いっていうわりには、見たところ・・」
「何よ、その言い方は、ええっ」
間部瀬が慌てて二人の間に入った。
「まあ、まあ、落ち着け、やましん」
やましんとは慎吉のことである。
慎吉は出身が上方の山奥で、「山奥の慎吉」と言われていたが、それが略されて、最近は「やましん」と呼ばれていた。上方の者らしく、ずけずけと物を言う性格があり、江戸をはじめとする東国における、いわゆる気遣いをあまり理解しない、というか、出来ない。無論、悪気はない。そこがまた、この男の憎めないところではある。
「何も、本当のことを言わなくても・・、あ、いや、その、つまり・・」
この言葉に、さえが即座に反応し、血相を変えて間部瀬に詰め寄った。
「ちょっとあんた、あたいが嘘を言っていると言うの」
「違う、そうじゃない、何も見たままを言わなくても良いと・・、あっ・・」
火に油を注ぐような言い方になってしまった、と反省する間もなく、気遣いを理解しない男がまた油を注ぐ。
「だって、それで若いっていえる容姿かと思うでしょ、誰でも」
慎吉が、間部瀬の陰に隠れるように身を沈め、顔だけ出しながら言った。慎吉を嗜める余裕すら無かった。さえが間部瀬の胸倉を掴んだ。
「キー、嘘じゃないわよ、綾姉さんより二つ若いのよ、本当だから、キー」
間部瀬が大きな体のさえに押されて後に倒れ込んだ。後の慎吉も、突き飛ばされて転がった。
ドタン、バタンと、茶屋全体が揺れるかと思うほどの衝撃だった。
その時、スッと襖が開いて、すらりとした細身の女が顔を出した。
「騒々しいわねぇ、あなたたち、何をしているの。さえちゃんも落ち着いて」
淡い紅色の着物を着て、色白で細面だ。歳は三十路を越えていると思われる。それだけに、柔らかい物腰で、妖艶な雰囲気を醸し出していた。
「あっ、綾姉さん、この役人どもがあたいを嘘つき呼ばわりするのよー」
さえが目に涙を浮かべて泣きべそをかいている。間部瀬が起き上がりながら首を振り、右手を突き出して否定した。
「違います、誤解です、そんな事は言っていません・・」
綾が場を取り成すように間に入って座った。ゆっくりと三人の顔を見回して微笑んだ。
「まあ、まあ、皆さん、落ち着いて話しましょう、ねえ、お役人さんも」
綾に見つめられ間部瀬が赤くなって、恥ずかしそうに下を向いた。慎吉は、子供がお菓子の山を前に興奮するように、口を半開きにして綾に見惚れている。
「奥田様のお話ですよねぇ・・」
綾が男たちに流し目を送りながら、色っぽく体をくねらせた。
数年前、この茶屋を使った奥田は綾を気にいる様になり、やがて屋敷に呼び寄せるようになった。奥田は勤め帰りに店に寄って前金を払い、綾が屋敷に来た時に残りを渡した。
金額は店が決めた料金で、決して多く渡すことは無く心付けも無い。かといって値切るようなこともなかった。一晩付き合って、早朝、奥方が起きる前に屋敷を去ることが取り決めとなった。月に二、三回が続いていた。
赤い顔の間部瀬が上目遣いで綾を見た。
「そうすると、奥田殿の屋敷に最後に行ったのは、いつになりますか・・」
「そうねぇ、もう二月近く前かしら。ここのところお呼びがなかったのよ。誰か、他に贔屓の人が出来たのかと思っていたわ。いくら良いものとはいえ、何事も飽きが来るものよ、ねぇ」
綾が色っぽい目で視線を向けると、間部瀬は恥ずかしそうに首を竦めた。
「そうでしょうかねぇ・・。ええとそれで、その、何か奥田殿が屋敷に呼ぶ女と、揉めるような話は聞いていませんでしたか」
「他の茶屋の方も呼ばれているとは聞いていましたが・・どうでしょう。少なくとも、私にはきちんと決められた金は毎回払ってくれましたし、そういう話も、あまり聞いていませんねぇ」
間部瀬が下を向いたまま、視線だけ上げた。
「そうですか、それで、その、他の茶屋の人とは誰でしょう」
「私が知っているのは、愛宕屋さんのお美津さんよ」
さえがパチンと手を叩いた。
「あたいもお美津さん知っている。やはり、あたいより年上よ、そうよ」
さえが、どうだと言わんばかりに慎吉を見ると、慎吉が下を向いて力なく首を振った。
「お美津さんには、何か話を聞いていませんか。その、例えば、奥田殿と揉めているというような話ですが」
間部瀬の問いに、綾は少し考えたが、首を振った。
「いいえ、そのような話は何も、といいますか・・」
間部瀬が身構えた。
「何かありましたか」
綾が斜め目線で間部瀬を見ながら、体をくねらせた。
「お美津さんも、もう、二月ほどは声がかからないって、愚痴を言っていたくらいですのよ。それまでは、少なくとも、月に二、三度は稼げたのに、ってね」
「やはり、奥田殿には、他に贔屓が出来たということですか」
綾が綺麗に結い上げた髪に右手を添えながら、口元を緩めて、視線を向けた。
「他に何がありますの。急に男として役立たずになった、というのなら別ですけど」
間部瀬は顔を真っ赤にして下を向いた。
さえが、喉の奥深くまで見えるほど大きな口を開けてあくびをした。
「色々と、ありがとうございました、はい・・」
間部瀬が立ち上がろうとすると、その袖を綾が掴んだ。
「もう、お仕事が終わりなら、どうですか、少し気晴らしに・・」
「え、あ、いや、その・・」
綾が、グイッと体を近づけて来た。
「あたし、すごく暇になって、今日はゆっくりとお相手出来ますのよ」
低くささやくような妖艶な声に、間部瀬の役人としての倫理観に凝り固まった気持ちがあっけなく壊されかけたが、かろうじて踏みとどまった。
「すみません、これから、愛宕屋さんにも行かないといけないので・・」
間部瀬は新米同心であった。小柄な体格ではあるものの、濃い眉毛にギョロリとした目で厳つい雰囲気だ。見た限り強面の頭の硬い役人だが、内面は至って純朴で素直な性格だ。世間慣れしていないうぶなところも時々顔を出す。
同僚の言葉ではあるが、クソが付くほどの真面目でもあった。
「ああ、奥田の旦那ね。あたいも一回だけ呼ばれたわぁ」
派手な格好で厚化粧をした女が舐めるような目で間部瀬を見た。名はさえといい、この茶屋で客相手をしている。丸顔でやや太めの体からは色気は感じられない。
「あのぅ・・いつ頃のことでしょうか・・」
間部瀬は赤い顔をして、目を合わせないようにうつむき加減だ。
「二月ほど前かなぁ、綾姉さんの代わりだったのよ。そんとき、綾姉さんが風邪気味でねぇ、あたいに行ってくれって」
「そうですか、そのお綾さんが、奥田殿の贔屓だった訳ですか・・」
間部瀬はオドオドしたように体を揺すった。それを珍しそうにさえが顔を近づけて見ている。こういう、うぶな男もいるのかという、明らかに興味津々といった眼差しだ。
「そう。いつもうちの店では綾姉さんが指名されていたの。あのお方は年増好みだったのよ。だから、若いあたいなんか、全然声がかからなくてねぇ」
間部瀬の後ろにいる慎吉が、背中越しに、驚いたようにさえを見た。
「あれぇ、若いって、お姉さんは、いくつですか」
さえが慎吉を睨んだ。
「ちょっとあんた、女に歳を聞くものじゃないわよ」
「だって、若いっていうわりには、見たところ・・」
「何よ、その言い方は、ええっ」
間部瀬が慌てて二人の間に入った。
「まあ、まあ、落ち着け、やましん」
やましんとは慎吉のことである。
慎吉は出身が上方の山奥で、「山奥の慎吉」と言われていたが、それが略されて、最近は「やましん」と呼ばれていた。上方の者らしく、ずけずけと物を言う性格があり、江戸をはじめとする東国における、いわゆる気遣いをあまり理解しない、というか、出来ない。無論、悪気はない。そこがまた、この男の憎めないところではある。
「何も、本当のことを言わなくても・・、あ、いや、その、つまり・・」
この言葉に、さえが即座に反応し、血相を変えて間部瀬に詰め寄った。
「ちょっとあんた、あたいが嘘を言っていると言うの」
「違う、そうじゃない、何も見たままを言わなくても良いと・・、あっ・・」
火に油を注ぐような言い方になってしまった、と反省する間もなく、気遣いを理解しない男がまた油を注ぐ。
「だって、それで若いっていえる容姿かと思うでしょ、誰でも」
慎吉が、間部瀬の陰に隠れるように身を沈め、顔だけ出しながら言った。慎吉を嗜める余裕すら無かった。さえが間部瀬の胸倉を掴んだ。
「キー、嘘じゃないわよ、綾姉さんより二つ若いのよ、本当だから、キー」
間部瀬が大きな体のさえに押されて後に倒れ込んだ。後の慎吉も、突き飛ばされて転がった。
ドタン、バタンと、茶屋全体が揺れるかと思うほどの衝撃だった。
その時、スッと襖が開いて、すらりとした細身の女が顔を出した。
「騒々しいわねぇ、あなたたち、何をしているの。さえちゃんも落ち着いて」
淡い紅色の着物を着て、色白で細面だ。歳は三十路を越えていると思われる。それだけに、柔らかい物腰で、妖艶な雰囲気を醸し出していた。
「あっ、綾姉さん、この役人どもがあたいを嘘つき呼ばわりするのよー」
さえが目に涙を浮かべて泣きべそをかいている。間部瀬が起き上がりながら首を振り、右手を突き出して否定した。
「違います、誤解です、そんな事は言っていません・・」
綾が場を取り成すように間に入って座った。ゆっくりと三人の顔を見回して微笑んだ。
「まあ、まあ、皆さん、落ち着いて話しましょう、ねえ、お役人さんも」
綾に見つめられ間部瀬が赤くなって、恥ずかしそうに下を向いた。慎吉は、子供がお菓子の山を前に興奮するように、口を半開きにして綾に見惚れている。
「奥田様のお話ですよねぇ・・」
綾が男たちに流し目を送りながら、色っぽく体をくねらせた。
数年前、この茶屋を使った奥田は綾を気にいる様になり、やがて屋敷に呼び寄せるようになった。奥田は勤め帰りに店に寄って前金を払い、綾が屋敷に来た時に残りを渡した。
金額は店が決めた料金で、決して多く渡すことは無く心付けも無い。かといって値切るようなこともなかった。一晩付き合って、早朝、奥方が起きる前に屋敷を去ることが取り決めとなった。月に二、三回が続いていた。
赤い顔の間部瀬が上目遣いで綾を見た。
「そうすると、奥田殿の屋敷に最後に行ったのは、いつになりますか・・」
「そうねぇ、もう二月近く前かしら。ここのところお呼びがなかったのよ。誰か、他に贔屓の人が出来たのかと思っていたわ。いくら良いものとはいえ、何事も飽きが来るものよ、ねぇ」
綾が色っぽい目で視線を向けると、間部瀬は恥ずかしそうに首を竦めた。
「そうでしょうかねぇ・・。ええとそれで、その、何か奥田殿が屋敷に呼ぶ女と、揉めるような話は聞いていませんでしたか」
「他の茶屋の方も呼ばれているとは聞いていましたが・・どうでしょう。少なくとも、私にはきちんと決められた金は毎回払ってくれましたし、そういう話も、あまり聞いていませんねぇ」
間部瀬が下を向いたまま、視線だけ上げた。
「そうですか、それで、その、他の茶屋の人とは誰でしょう」
「私が知っているのは、愛宕屋さんのお美津さんよ」
さえがパチンと手を叩いた。
「あたいもお美津さん知っている。やはり、あたいより年上よ、そうよ」
さえが、どうだと言わんばかりに慎吉を見ると、慎吉が下を向いて力なく首を振った。
「お美津さんには、何か話を聞いていませんか。その、例えば、奥田殿と揉めているというような話ですが」
間部瀬の問いに、綾は少し考えたが、首を振った。
「いいえ、そのような話は何も、といいますか・・」
間部瀬が身構えた。
「何かありましたか」
綾が斜め目線で間部瀬を見ながら、体をくねらせた。
「お美津さんも、もう、二月ほどは声がかからないって、愚痴を言っていたくらいですのよ。それまでは、少なくとも、月に二、三度は稼げたのに、ってね」
「やはり、奥田殿には、他に贔屓が出来たということですか」
綾が綺麗に結い上げた髪に右手を添えながら、口元を緩めて、視線を向けた。
「他に何がありますの。急に男として役立たずになった、というのなら別ですけど」
間部瀬は顔を真っ赤にして下を向いた。
さえが、喉の奥深くまで見えるほど大きな口を開けてあくびをした。
「色々と、ありがとうございました、はい・・」
間部瀬が立ち上がろうとすると、その袖を綾が掴んだ。
「もう、お仕事が終わりなら、どうですか、少し気晴らしに・・」
「え、あ、いや、その・・」
綾が、グイッと体を近づけて来た。
「あたし、すごく暇になって、今日はゆっくりとお相手出来ますのよ」
低くささやくような妖艶な声に、間部瀬の役人としての倫理観に凝り固まった気持ちがあっけなく壊されかけたが、かろうじて踏みとどまった。
「すみません、これから、愛宕屋さんにも行かないといけないので・・」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
仏の顔
akira
歴史・時代
江戸時代
宿場町の廓で売れっ子芸者だったある女のお話
唄よし三味よし踊りよし、オマケに器量もよしと人気は当然だったが、ある旦那に身受けされ店を出る
幸せに暮らしていたが数年ももたず親ほど年の離れた亭主は他界、忽然と姿を消していたその女はある日ふらっと帰ってくる……
戯作者になりたい ――物書き若様辻蔵之介覚え書――
加賀美優
歴史・時代
小普請の辻蔵之介は戯作者を目指しているが、どうもうまくいかない。持ち込んでも、書肆に断られてしまう。役目もなく苦しい立場に置かれた蔵之介は、友人の紹介で、町の騒動を解決していくのであるが、それが意外な大事件につながっていく。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
和ませ屋仇討ち始末
志波 連
歴史・時代
山名藩家老家次男の三沢新之助が学問所から戻ると、屋敷が異様な雰囲気に包まれていた。
門の近くにいた新之助をいち早く見つけ出した安藤久秀に手を引かれ、納戸の裏を通り台所から屋内へ入っる。
久秀に手を引かれ庭の見える納戸に入った新之助の目に飛び込んだのは、今まさに切腹しようとしている父長政の姿だった。
父が正座している筵の横には変わり果てた長兄の姿がある。
「目に焼き付けてください」
久秀の声に頷いた新之助だったが、介錯の刀が振り下ろされると同時に気を失ってしまった。
新之助が意識を取り戻したのは、城下から二番目の宿場町にある旅籠だった。
「江戸に向かいます」
同行するのは三沢家剣術指南役だった安藤久秀と、新之助付き侍女咲良のみ。
父と兄の死の真相を探り、その無念を晴らす旅が始まった。
他サイトでも掲載しています
表紙は写真ACより引用しています
R15は保険です
GAME CHANGER 日本帝国1945からの逆襲
俊也
歴史・時代
時は1945年3月、敗色濃厚の日本軍。
今まさに沖縄に侵攻せんとする圧倒的戦力のアメリカ陸海軍を前に、日本の指導者達は若者達による航空機の自爆攻撃…特攻 で事態を打開しようとしていた。
「バカかお前ら、本当に戦争に勝つ気があるのか!?」
その男はただの学徒兵にも関わらず、平然とそう言い放ち特攻出撃を拒否した。
当初は困惑し怒り狂う日本海軍上層部であったが…!?
姉妹作「新訳 零戦戦記」共々宜しくお願い致します。
共に
第8回歴史時代小説参加しました!
播磨守江戸人情小噺(二) 小間物屋裁断
戸沢一平
歴史・時代
南町奉行池田播磨守頼方(いけだはりまのかみよりまさ)が下す裁断についての、江戸市民たちの評判がすこぶる良い。大見得を切って正義を振りかざすような派手さは無いのだが、胸にジンと染みる温情をサラリと加える加減が玄人好みなのだと、うるさ型の江戸っ子たちはいう。
池田播磨守頼方は、遠山の金さんこと遠山景元の後任の町奉行だ。あの、国定忠治に死罪を申し渡した鬼の奉行として恐れられていた。しかし、池田が下す裁断は、人情味に溢れる名裁断として江戸市民たちの評判を呼んでいく。
取り立て屋の市蔵が死体で発見される。
調べが進むと、小間物屋「奄美屋」の番頭清二が、借金の取りたでで市蔵に脅され理不尽な要求をされ、止むに止まれず殺したことがわかった。
世間は奄美屋に同情する。
果たして、播磨守の裁断やいかに。
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)
三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。
佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。
幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。
ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。
又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。
海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。
一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。
事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。
果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。
シロの鼻が真実を追い詰める!
別サイトで発表した作品のR15版です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる