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第二話
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「そうですね、私は、何と言っても小間物屋裁断というやつですか」
隣で酒を飲んでいた客が言った。老舗の旦那といった落ち着いたみなりの男だ。
この日、間部瀬は頼方と成瀬よりも一足先に、御目当ての小料理屋「支音魔庵」に来ていた。前任者から引き続き雇うことになった岡引「やましん」こと山奥の慎吉も一緒だ。
見るからに新米役人という振る舞いの間部瀬に皆の視線が集中していたが、後で奉行も来ると知れるや、客達の間でこれまで播磨守がくだした裁断の話で盛り上って行った。
あれは名裁断だ、これも良い、と客が好みの裁断を語り出したのだ。
「そちらさんの、ご贔屓の裁断ってぇのは、何ですか?」
慎吉の問い掛けに、隣に座る老舗の旦那風の客が答えたのが「小間物屋裁断」である。
店の主人が料理を運んできて話に加わる。
「ほう、小間物屋裁断ですか。それは知らないな」
間部瀬が料理を受け取りながらその客に顔を向けた。
「私も初めて聞きます。どのような裁断ですか」
主人が空いている席に腰を下ろすと、間部瀬に銚子を突き出した。
「おや、お役人さんもご存知ないのですか」
間部瀬が酒を注がれながら恥ずかしそうに肩をすぼめた。
「はあ、その・・」
既に赤い顔の慎吉がすかさず口を挟む。
「この旦那は、先日同心になられたばかりでして、まだ何も知らないのですよ」
客の間からドッと笑い声が上がった。
気遣うことを知らない上方出身の男が調子に乗る。
「だから、捕り物も経験が無くて、こりゃあ、今のところは見習いみたいなものですかねぇ」
間部瀬が顔を真っ赤にして立ち上がった。
「ばかぁ、やめろ、やましん」
慌てて店の主人が止めに入る。
「まあ、まあ、落ち着いてください。もうすぐお奉行様もお見えになることですし」
間部瀬が顔をしかめながら座った。慎吉は我関せずとばかりに料理に酒にと手を伸ばしている。
「それよりも、その小間物屋裁断の話を聞きたいですなぁ。お客さん、お話し願いますか」
老舗の旦那風の男が微笑みながら酒を口につけた。
「そうですね、では、少し長くなりますが・・」
他の客もその男に注目した。
「あれは確か、嘉永五年の春頃だったと思います。遠山の金さんがお辞めになり、新しい奉行はどの様な方なのかと思っていたら、何と、あの国定忠治に死罪を申し渡した方だと分かり、それはもう噂で持ちきりでした。町中の悪が震え上がったものです。そんな気分がまだ覚め切らない頃でした・・」
場が静かになった。慎吉だけが手と口を動かしている。
どこかで猫が鳴いている。
神田川を黒澤橋から少し上ったところに小さな中州がある。水嵩が少しでも多くなれば隠れてしまうぐらいのもので、春先などはほとんど見ることが無いほどだ。
その中州に何やら黒いものが引っかかっているのを、朝早くから主人の用事で橋を渡っていた丁稚小僧が発見して用事先の店に知らせ、店の者が番所に届け出た。ゆらゆらと揺れる様子は、遠目からも人だと判った。
身元は直に割れた。取立屋の市蔵という男である。
高利貸しの依頼を受けて強引な取立てを行っていることはその筋では知れ渡っていたこともあり、恨みを抱く者も少なからずいるであろうことは容易に想像がついた。
「その筋の揉め事だろう。こりゃあ、直ぐに方が付くな」
同心神宮燕五郎は事件の解決を楽観視した。早速、市蔵を使っていた高利貸しを調べ、そこを回った。
「へい、市蔵は使っていましたよ」
「金満屋」という高利貸し屋の主人が、胡散臭そうな目つきで神宮を見た。小太りでテカテカ光る色黒の肌、分厚い唇に横に広がった鼻と、いかにもあこぎな商売をしています、と語っている風貌だ。
「おたくの客と、何やら揉めているような話はなかったか」
「揉めているとは」
「市蔵は、脅し透しで強引な取り立てをしている話を聞いたものでな」
主人がフンと鼻で笑った。
「期限までにきちんと返していただく客の分などは、わざわざ取り立て屋などには頼みませんよ。奴に任せるのは、何やかんやと言って金を返さない奴の分でね。約束を守らねぇ客には、少しきつく言っても良くはございませんか」
神宮が苦笑いをした。
「いや、そういう意味では無くてだなぁ、市蔵が脅し・・、いや、少しきつく言ったために、客と揉めたような話だ」
店の奥から強面の屈強そうな二人の男が出て来て、主人の背後に立った。ジッと神宮を睨んでいる。主人が後ろをチラリと見て、余裕を得たように上体を起こして表情を崩した。
「さあ、知りませんなぁ」
神宮は全く表情を変えずに、主人の前に置いてある帳簿に手を伸ばした。
「そうですか。ちょっと、帳簿を見せてもらうよ」
二人の強面の男が動こうとするのを主人が右手をあげて止めた。
「良いでしょう。何らやましい所はございません」
神宮は帳簿を手にして、ゆっくりとめくり始めた。貸し付けの日付、金額、相手方、返済予定日付、返済日、返済額などの順に記載されている。
神宮は落胆した。
あるいは揉め事の痕跡でも、と思い期待を持って見たものの、粛々と数字が並んでいるだけで、何らそれらしいものは無かった。
「なるほど・・、まあ、商売は順調のようですな・・」
神宮が帳簿を閉じて主人に返した。
「ほう、お役人さんでも、商人の帳簿の見方がお分かりですか」
主人が馬鹿にしたような口調でボソッと呟いた。後ろの二人も口を開け汚い歯を見せながらニヤついている。
神宮はムカッとしたものの返す言葉が無かった。奉行所で見慣れている書類を吟味するのとは違って、商売の帳簿の記載内容を評価するだけの知識を持っていないのは確かだった。
少なくとも、帳簿からは市蔵殺しに繋がるようなものは何ら見て取れない。
「ありがとうよ、手間をかけたな」
神宮は立ち上がって店を後にした。背中で主人らの笑い声がした。
その後、数軒の高利貸し屋を回ったが結果は同じだった。神宮は、事件解決を楽観していた気持ちが一転し、急に行き埋まり感を覚えた。
隣で酒を飲んでいた客が言った。老舗の旦那といった落ち着いたみなりの男だ。
この日、間部瀬は頼方と成瀬よりも一足先に、御目当ての小料理屋「支音魔庵」に来ていた。前任者から引き続き雇うことになった岡引「やましん」こと山奥の慎吉も一緒だ。
見るからに新米役人という振る舞いの間部瀬に皆の視線が集中していたが、後で奉行も来ると知れるや、客達の間でこれまで播磨守がくだした裁断の話で盛り上って行った。
あれは名裁断だ、これも良い、と客が好みの裁断を語り出したのだ。
「そちらさんの、ご贔屓の裁断ってぇのは、何ですか?」
慎吉の問い掛けに、隣に座る老舗の旦那風の客が答えたのが「小間物屋裁断」である。
店の主人が料理を運んできて話に加わる。
「ほう、小間物屋裁断ですか。それは知らないな」
間部瀬が料理を受け取りながらその客に顔を向けた。
「私も初めて聞きます。どのような裁断ですか」
主人が空いている席に腰を下ろすと、間部瀬に銚子を突き出した。
「おや、お役人さんもご存知ないのですか」
間部瀬が酒を注がれながら恥ずかしそうに肩をすぼめた。
「はあ、その・・」
既に赤い顔の慎吉がすかさず口を挟む。
「この旦那は、先日同心になられたばかりでして、まだ何も知らないのですよ」
客の間からドッと笑い声が上がった。
気遣うことを知らない上方出身の男が調子に乗る。
「だから、捕り物も経験が無くて、こりゃあ、今のところは見習いみたいなものですかねぇ」
間部瀬が顔を真っ赤にして立ち上がった。
「ばかぁ、やめろ、やましん」
慌てて店の主人が止めに入る。
「まあ、まあ、落ち着いてください。もうすぐお奉行様もお見えになることですし」
間部瀬が顔をしかめながら座った。慎吉は我関せずとばかりに料理に酒にと手を伸ばしている。
「それよりも、その小間物屋裁断の話を聞きたいですなぁ。お客さん、お話し願いますか」
老舗の旦那風の男が微笑みながら酒を口につけた。
「そうですね、では、少し長くなりますが・・」
他の客もその男に注目した。
「あれは確か、嘉永五年の春頃だったと思います。遠山の金さんがお辞めになり、新しい奉行はどの様な方なのかと思っていたら、何と、あの国定忠治に死罪を申し渡した方だと分かり、それはもう噂で持ちきりでした。町中の悪が震え上がったものです。そんな気分がまだ覚め切らない頃でした・・」
場が静かになった。慎吉だけが手と口を動かしている。
どこかで猫が鳴いている。
神田川を黒澤橋から少し上ったところに小さな中州がある。水嵩が少しでも多くなれば隠れてしまうぐらいのもので、春先などはほとんど見ることが無いほどだ。
その中州に何やら黒いものが引っかかっているのを、朝早くから主人の用事で橋を渡っていた丁稚小僧が発見して用事先の店に知らせ、店の者が番所に届け出た。ゆらゆらと揺れる様子は、遠目からも人だと判った。
身元は直に割れた。取立屋の市蔵という男である。
高利貸しの依頼を受けて強引な取立てを行っていることはその筋では知れ渡っていたこともあり、恨みを抱く者も少なからずいるであろうことは容易に想像がついた。
「その筋の揉め事だろう。こりゃあ、直ぐに方が付くな」
同心神宮燕五郎は事件の解決を楽観視した。早速、市蔵を使っていた高利貸しを調べ、そこを回った。
「へい、市蔵は使っていましたよ」
「金満屋」という高利貸し屋の主人が、胡散臭そうな目つきで神宮を見た。小太りでテカテカ光る色黒の肌、分厚い唇に横に広がった鼻と、いかにもあこぎな商売をしています、と語っている風貌だ。
「おたくの客と、何やら揉めているような話はなかったか」
「揉めているとは」
「市蔵は、脅し透しで強引な取り立てをしている話を聞いたものでな」
主人がフンと鼻で笑った。
「期限までにきちんと返していただく客の分などは、わざわざ取り立て屋などには頼みませんよ。奴に任せるのは、何やかんやと言って金を返さない奴の分でね。約束を守らねぇ客には、少しきつく言っても良くはございませんか」
神宮が苦笑いをした。
「いや、そういう意味では無くてだなぁ、市蔵が脅し・・、いや、少しきつく言ったために、客と揉めたような話だ」
店の奥から強面の屈強そうな二人の男が出て来て、主人の背後に立った。ジッと神宮を睨んでいる。主人が後ろをチラリと見て、余裕を得たように上体を起こして表情を崩した。
「さあ、知りませんなぁ」
神宮は全く表情を変えずに、主人の前に置いてある帳簿に手を伸ばした。
「そうですか。ちょっと、帳簿を見せてもらうよ」
二人の強面の男が動こうとするのを主人が右手をあげて止めた。
「良いでしょう。何らやましい所はございません」
神宮は帳簿を手にして、ゆっくりとめくり始めた。貸し付けの日付、金額、相手方、返済予定日付、返済日、返済額などの順に記載されている。
神宮は落胆した。
あるいは揉め事の痕跡でも、と思い期待を持って見たものの、粛々と数字が並んでいるだけで、何らそれらしいものは無かった。
「なるほど・・、まあ、商売は順調のようですな・・」
神宮が帳簿を閉じて主人に返した。
「ほう、お役人さんでも、商人の帳簿の見方がお分かりですか」
主人が馬鹿にしたような口調でボソッと呟いた。後ろの二人も口を開け汚い歯を見せながらニヤついている。
神宮はムカッとしたものの返す言葉が無かった。奉行所で見慣れている書類を吟味するのとは違って、商売の帳簿の記載内容を評価するだけの知識を持っていないのは確かだった。
少なくとも、帳簿からは市蔵殺しに繋がるようなものは何ら見て取れない。
「ありがとうよ、手間をかけたな」
神宮は立ち上がって店を後にした。背中で主人らの笑い声がした。
その後、数軒の高利貸し屋を回ったが結果は同じだった。神宮は、事件解決を楽観していた気持ちが一転し、急に行き埋まり感を覚えた。
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