皇帝にプロポーズされても断り続ける最強オメガ

手塚エマ

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第五章 皇帝の寵姫として

第50話 まるでそれが合図のように

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「なぜ泣く?」
「ヒートじゃなくても構わないって、言ってくれたからじゃないか」
「サリオン」
「あんたは俺を道具にしようとしている訳じゃないんだな」
「そんなこと、今更俺に言わせる気か?」
「何回でも言ってくれよ。そうでなければ信じない」
「それならうんざりするほど言ってやる」

 アルベルトの触れ合うだけのキスが落ちてきた。
 唇が離れると、乱暴に抱き上げられ、薄暗い寝室のベッドへ運ばれ、組み敷かれる。
 サリオンはアルベルトの首に腕を回すと、彼の唇に吸いついた。
 まるでそれが合図のように獰猛なまでに貫頭衣の腰ひもを抜き取られ、頭から服を脱がされる。
 食むように互いの唇がうごめいて、頭の後ろを包まれる。すると、ぐっと力を込められて、口接がさらに深まった。

 あっという間に息が上がり、荒いだ呼気と唾液が絡む卑猥な音が鎮まり返った寝所に響いた。
 噛みつくような口付けを享受して、サリオンはアルベルトを抱き寄せる。
 アルベルトの舌に犯される。
 ゾクリとするほど堪らない舌先を吸われて噛まれて喉が鳴る。上顎の奥まった半円辺りを、ざらついた舌の腹でいやらしく撫でて昂ぶらせる。

 アルベルトにうなじを吸われ、肌けた胸を揉み立てられて乳首を摘まれ、吐息が漏れる。
 サリオンの胸に顔をうずめたアルベルトの素肌を忙しなく撫で、下帯を解こうとする彼の為に腰を浮かせる自分がいた。

「あっ、ああ……」
 
 左胸の乳首を舌でべったり潰されて、捏ねるようにされてから吸い出されるのも、弾くように舐めずられるのも、尖らせた舌で丸くゆったり乳首の回りを擦られるのも堪らない。
 息も鼓動も乱れて弾み、みだりがましい声を上げ、卑猥な愛撫を甘えてにねだる。

 アルベルトの右手が右の乳首を摘んで捻り、サリオンに悲鳴を上げさせてから、脇を滑って尻まで下りる。
 左をさんざん弄ってから、右の乳首に吸い付くと、痺れるぐらいに凝った粒に歯を立てる。
 むず痒かった乳首を噛まれて嬌声ではなく、艶めいた息がふと洩れる。アルベルトの右手はサリオンの後ろを開きにかかり、人差し指をつぷりと入れた。

「アルベルト……」

 艶めいた声で囁いて恋人の肩に手を付いた。

「ヒートでなければ後ろは辛いか?」

 アルベルトのひそめた眉に落胆の色が滲んでいた。
 けれどもここまでさせてと憤慨したりはしなかった。
 サリオンは猫のように目を細め、自分を挟んで膝立ちになったアルベルトの下帯の足の間をするりと撫でた。

「辛いのは、俺もあんたも同じだろう?」

 サリオンはアルベルトのそこを布の上からやんわりと撫で、硬さと熱を確かめる。
 そして呆けたような顔をしたアルベルトの右の手を自分の性器に導いた。

 とっくに上を向いていたいやらしいそれを包み込ませて起き上がり、口付けながら扱かせる。アルベルトの厚みのある手が操られるまま上下する。

「ああ、んっ、あっ、あっ」

 すぐにアルベルトは自分で激しくサリオンのそれを擦り立て、怒ったような顔になる。
 サリオンは、わざと膝を開いて後ろに手を付き、弄られるそこを見せつけた。

 軸をきつく扱いてもらえれば、射精感がこみ上げる。
 鈴口の割れ目を指で掻い撫でられると、甲高く細い声が出る。

 先走りの体液は尻の奥まで伝って濡らした。

 ぬめりを帯びた後孔と、性器のつけ根のあの筋を、人差し指と中指で押すようにして撫でられた途端、腰が跳ね、陶酔し切った声になる。

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