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第五章 皇帝の寵姫として
第49話 信じる
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「わかった」
サリオンはアルベルトの瞳を射抜くようにして頷いた。
信じることに決めたのだ。
「あんたの言葉を信じるよ」
「サリオン」
感極まったような目をして名前を呼ばれる。
肘掛け椅子の背もたれに手をついたアルベルトと、どちらからともなく口づけた。
羽に触れるように唇を重ね合わせ、次第に口接を深くする。
アルベルトの肉厚な舌が中に入り、サリオンの舌を絡め捕る。
歯列の裏を舌でなぞられ、感じる場所をすぐに見つけたアルベルトの舌先で撫でられる。
「アルベルト……」
キスの合間に名を呼ぶと、愛おしそうに双眸を細めて見つめ返される。
「サリオン」
艶めいた声音でベッドへ誘われ、手足が蕩けたようになる。
「一人じゃ立てない」
両手を伸ばしてアルベルトの首に手を回す。アルベルトは何も言わずに軽々サリオンを抱き上げた。
ゆったりとした足取りで寝所に向かう途中でも、額や頬にもキスされる。
「……なあ、アルベルト」
心許なくなったサリオンは、恋人としての男の首に自分の頬をすりよせる。
「今は俺はヒートじゃないけど、いいのか? それで」
「ヒートでなくても俺はお前を今、抱きたい」
赤ん坊でも下ろすようにベッドに寝かされ、アルベルトがトガを脱ぎ始めた。
寝室にまで連れ込んだのは、自分が挑発したからか。
たまたまそういう流れになったという、気紛れみたいなものではないのか確かめたい。
「愛している」
ベッドの側らに腰かけたアルベルトに優しく髪を撫で梳かれながら告げられる。
間近に寄せられた双眸には、温かみのある瞳の光が宿っている。アルベルトの指の背が頬が触れ、愛でるように上下した。
「……他には言葉が見つからない」
「アルベルト……」
たとえ体を重ねても、自分が身ごもることはない。
子供が欲しいと、あえてのように言わないアルベルトの優しさが胸に染み入り、涙になる。
サリオンはアルベルトの瞳を射抜くようにして頷いた。
信じることに決めたのだ。
「あんたの言葉を信じるよ」
「サリオン」
感極まったような目をして名前を呼ばれる。
肘掛け椅子の背もたれに手をついたアルベルトと、どちらからともなく口づけた。
羽に触れるように唇を重ね合わせ、次第に口接を深くする。
アルベルトの肉厚な舌が中に入り、サリオンの舌を絡め捕る。
歯列の裏を舌でなぞられ、感じる場所をすぐに見つけたアルベルトの舌先で撫でられる。
「アルベルト……」
キスの合間に名を呼ぶと、愛おしそうに双眸を細めて見つめ返される。
「サリオン」
艶めいた声音でベッドへ誘われ、手足が蕩けたようになる。
「一人じゃ立てない」
両手を伸ばしてアルベルトの首に手を回す。アルベルトは何も言わずに軽々サリオンを抱き上げた。
ゆったりとした足取りで寝所に向かう途中でも、額や頬にもキスされる。
「……なあ、アルベルト」
心許なくなったサリオンは、恋人としての男の首に自分の頬をすりよせる。
「今は俺はヒートじゃないけど、いいのか? それで」
「ヒートでなくても俺はお前を今、抱きたい」
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寝室にまで連れ込んだのは、自分が挑発したからか。
たまたまそういう流れになったという、気紛れみたいなものではないのか確かめたい。
「愛している」
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間近に寄せられた双眸には、温かみのある瞳の光が宿っている。アルベルトの指の背が頬が触れ、愛でるように上下した。
「……他には言葉が見つからない」
「アルベルト……」
たとえ体を重ねても、自分が身ごもることはない。
子供が欲しいと、あえてのように言わないアルベルトの優しさが胸に染み入り、涙になる。
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