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TRUST
2-5 colors has meaning
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二日後水曜日──若菜自宅上階 衣装作成部屋。
若菜は悶々としていた。
「んー」
『蜜葉の提案事項』に関する作業を進め終わり、はたと『あること』を思い出したのが、蜜葉がすっかり帰ってしまった後。慌ててその別件の作業に切り替え、黙々とそれに取りかかっていた。
「いや、けど……うーん」
出来上がって間もない『それら』を目の前に眺めては、そうしてうんうんと唸ること三〇分。
「そもそも、これ『だけ』でいいのか?」
口に出せば、一週間前に顔を真っ赤にして吐き出された「別に深い意味はねぇんだかんな」の言葉が、脳内を掠めた。
「私も特に、ふっ、『深い意味はありません』だし、充分すぎるでしょっ」
カアッと顔の熱が上がり、ブンと振る頭。不意に時計に目がいく。
「あれっ?! ウソマジ?!」
点いたままの照明。
夕方に、蜜葉によって閉められたカーテン。
時計の針が指すのは、しかし『朝』の六時五六分。
「徹夜じゃんっ!」
ガタン、と立ち上がると、立ち眩みでめまいがした。へなへなとそのまま椅子へ舞い戻る。
「あーあー、無理すぎる」
カシカシと頭を掻き、若菜は深々と溜め息を吐いた。
というのも、良二は徹夜に関して厳しく、睡眠不足を許さない。徹夜などもってのほかだろうと察していたためで。
この日、張り込みを終えた良二が、一週間振りに帰ってくる。ただし、戻ってくる時間などの詳細は一切伝えられていない。良二からの連絡は無いし、若菜もまた連絡をしていない。
徹夜がバレたら怒られるのかな──若菜は苦い顔をして、作業台になっている目の前のテーブルへ突っ伏した。ごん、と額が鳴る。
「眠たくはない。けど、このままだったら寝る気がする」
まばたきが少なくなって、やがて上下のまつげがくっついている時間の方が長くなる。あっという間に微睡みへ溶けていく意識。落ち着いた深い呼吸がゆったり繰り返されて、吐く息と共にその瞼は固く閉ざされていく。
ピンポンピンポンピンポンピンポーン
「どぅわっ!」
来客インターホンが連打されている。ビクリと全身を跳ね上げ、上体を起こし、玄関へとソロリソロリ。
「なに、誰、怖ァ……」
恐る恐るドアスコープを覗く若菜。「げっ」とその先の人物に顔を歪め、若菜は慌てて玄関扉を開けた。
「は、はひっ、あのっ」
「てんめぇー……」
そこには、態度最悪状態の良二が立っていた。張り込み用の荷物がその右肩に掛かったままで、いたるところに疲れが見てとれる。
「や、なぎ田さん……」
若菜はおずおずと、上目遣いで口角を引きつらせた。一週間振りの再会にもかかわらず、今にも噴火しそうなほどにグラグラ煮たっている良二を警戒する。
「なんでこの時間にここに居やがる」
「とりあえず、まだ朝早いので入ってください。廻りに声が響きます」
コソコソと話す若菜は、良二を玄関に招き入れた。扉を閉めて、良二の睨みの視線から顔を背ける。
「戻ったから早く知らせてやろうと思って下行ったのに、全っ然出て来ねぇしよ。外出てここの窓よく見りゃ、そこのカーテンの隙間から明かり漏れてっしよ」
頼みもしないのに、ネチネチと始まる良二の嫌味。若菜は居心地悪そうに肩を縮め、黙っている。
「んで、極めつきにその顔だ」
そうして左人指し指を向けられ、若菜は顔を上げた。ギュン、と筋が寄る、良二の鼻筋と眉間。顎を上げ、ワナワナと唇が震えている。
「徹夜しやがったな、テメー」
「むっ、無意識っ。無意識なんです! しようと思ってしたわけじゃなくって!」
「まぁた没頭してたのか! そーゆーのやめろって言ったろーがっ!」
「ごっ、ごめんなさいっ。でも今回はその、依頼品で徹夜になったわけじゃあないんで、無かったことにしてくださいっ!」
「あ? 依頼品じゃねぇってなんだ」
ハテナと共に、良二は上げていた顎を引く。
「えっとだから、その。しゅ、趣味で、というか」
「趣味ィ? 何やってた」
「あああ、編み物です」
「編み物だァ?」
声を裏返す良二。そろりそろり、若菜は作業台が良二に見られないよう、三歩分摺り足で横移動。
「何作ってたんだよ」
「はへ?! ぬゎっ、なんで柳田さんに、言わなきゃならんのですか」
「言えねぇようなモン作って徹夜したのか、テメー」
そう言われてしまっては、言い返しもままならず。若菜はぐぬぬと言葉に詰まり、奥歯をギリギリとさせた。
「ケッ、くだらねーな。まさか、今日休みだとか思ってたんじゃねーだろうな」
「おっ、思ってませんよ。むしろ、柳田さん何時頃帰ってくんだろーって思ってました」
「は……はァ?」
ギィ、と固まる両者。
「ちっ、違っ、事務所が開かないからですっ! 事務所開くまでどうしてようかなーって、昨日の夕方から考えててっ、だからっその」
「わっ、わーってるっつの。だっ、だからって、ここにこもって徹夜していい理由にはなんねーだろ」
「だあっ、無意識だったんですって。謝ってるじゃないですか」
「謝るくらいなら、なに作ってたのか教えろ」
「ええっ?! なっ、なんっ」
なぜそんなにも固執するのだろう、と冷や汗がダラダラの若菜。しかし、隠していてもいずれは良二へ見せることになるのだから、と考え至り。
ふはぁ、と脱力し、「わかりましたよう」と溜め息を混ぜて良二へ背を向ける。ポテポテと作業台であるテーブルへ近寄り、完成させた『それら』を後ろ手に持って、良二の元へと歩み戻る。
大あくびをかましていた良二。つられてあくびを漏らす若菜は、ズズッと鼻を啜ってから良二へ向き直る。
「あのっ。ふ、深い意味はありませんから」
「あん?」
「こっここ、この前のカツだっ、カツ丼の代わり、ですからっ」
そう言いながら全力で顔を逸らし、後ろ手に持った物を、良二の薄い胸板にバンと押し付ける若菜。良二が手に取ったと感覚で確認すると、右を向いた若菜は平たい胸の前で腕組みをした。
「柳田さんて、いっつも同じのしか着けないしっ。かっか簡単に編み上がる物って思ったらっなん、なんかその、そういうのがいいかなー、って思っただけですからっ。つつ、着ける着けないは別に、どうでもいいっていうか。ま、どうせ着けても私に毎度絶対に見られちゃうわけですからちょっと気まずいかもしれないやっぱり返してください別のにしますっ!」
心臓ばくばく状態で向き直り、前のめりに良二の手に渡してしまったそれらを掴まえようとする若菜。しかし、あっさりと良二にかわされてしまい、若菜は空気をひと掻きしたのみ。
「ちょ、柳……」
良二を下から窺う若菜は、良二の顔面を見てしまったことで、その目を見開く。
高く躱した右手に握り締めるは、渡してしまった『編み物』。
左掌が覆うは、その高い鼻の下からシャープな顎まで。
眉間にシワは無く、視線は尖った黒い革靴の先を向いている。
何より良二のその目元は、見たこともない柔らかさで充ちていて。
爆速で打ち鳴る心音。
掌のじっとりとした汗。
互いの赤面。
俯き合う両者。
固まったままの良二に、ペラペラと早口で若菜が補足を差し込む。
「ネネ、ネクタイ、です。編めるんですよ簡単に、たまにはいいかなーと思って、そんな色も。だっ、顔だけはまぁいい方じゃないですか柳田さんて、だーらなんでも似合うと思い、ます、けど」
艶やかな肌触りの綿とアクリルの併せ糸で、かぎ針編みをしたネクタイが三本。既製品とまったく同じ形に整い仕上がっている。
菫色、木蔦色、若草色のそれらは、どれもが普段、良二が着けたことのない落ち着いた色味。アクセントとして別の色がちらほら編み込まれ飾られているものの、悪目立ちしていない。
編み目もシンプルなもので、しかし手編みなのかを疑うほどに美しく均等。とても素人趣味のクオリティーではない、と良二はぐらり。
「あのだかっカツ丼、のお礼、ですから。せめてもの、的な」
消えるように細い声で、再びそう強調しておく若菜。
「……ん」
顔を逸らしたまま、小さく呼応する良二。やがて左掌を顔面から剥いで、若菜へ背を向けた。
「きょ、今日はだな、ぶっちゃけその、俺も、寝てなくて」
「え」
「だっ、からその、やす、臨時休業、にする、から」
「臨、時休……」
「そっそれ言いに来た、だけっつーか、ホントは」
毒気の抜けた『柳田良二』。困惑から、顔面ぐんにゃりな若菜。
玄関の扉が、良二によってそっと開けられる。
「デッ、ザ、イナー来るまで、その、オマエも家で寝ろ。いいな」
「今日っはマジでその」
「寝るのが、業務だ」
顔のみで半分振り返り、そう言い残した良二。玄関扉がバタンと閉まり、若菜が一人きりに戻る。
「…………」
その場にヘナヘナと腰を落とせば、猛烈な眠気が襲いかかった。
「いやこれ、マジにマジのやつ……?」
ひとりごちた若菜が下階に帰る気持ちになれたのは、それから三分も経ってからのことだった。
若菜は悶々としていた。
「んー」
『蜜葉の提案事項』に関する作業を進め終わり、はたと『あること』を思い出したのが、蜜葉がすっかり帰ってしまった後。慌ててその別件の作業に切り替え、黙々とそれに取りかかっていた。
「いや、けど……うーん」
出来上がって間もない『それら』を目の前に眺めては、そうしてうんうんと唸ること三〇分。
「そもそも、これ『だけ』でいいのか?」
口に出せば、一週間前に顔を真っ赤にして吐き出された「別に深い意味はねぇんだかんな」の言葉が、脳内を掠めた。
「私も特に、ふっ、『深い意味はありません』だし、充分すぎるでしょっ」
カアッと顔の熱が上がり、ブンと振る頭。不意に時計に目がいく。
「あれっ?! ウソマジ?!」
点いたままの照明。
夕方に、蜜葉によって閉められたカーテン。
時計の針が指すのは、しかし『朝』の六時五六分。
「徹夜じゃんっ!」
ガタン、と立ち上がると、立ち眩みでめまいがした。へなへなとそのまま椅子へ舞い戻る。
「あーあー、無理すぎる」
カシカシと頭を掻き、若菜は深々と溜め息を吐いた。
というのも、良二は徹夜に関して厳しく、睡眠不足を許さない。徹夜などもってのほかだろうと察していたためで。
この日、張り込みを終えた良二が、一週間振りに帰ってくる。ただし、戻ってくる時間などの詳細は一切伝えられていない。良二からの連絡は無いし、若菜もまた連絡をしていない。
徹夜がバレたら怒られるのかな──若菜は苦い顔をして、作業台になっている目の前のテーブルへ突っ伏した。ごん、と額が鳴る。
「眠たくはない。けど、このままだったら寝る気がする」
まばたきが少なくなって、やがて上下のまつげがくっついている時間の方が長くなる。あっという間に微睡みへ溶けていく意識。落ち着いた深い呼吸がゆったり繰り返されて、吐く息と共にその瞼は固く閉ざされていく。
ピンポンピンポンピンポンピンポーン
「どぅわっ!」
来客インターホンが連打されている。ビクリと全身を跳ね上げ、上体を起こし、玄関へとソロリソロリ。
「なに、誰、怖ァ……」
恐る恐るドアスコープを覗く若菜。「げっ」とその先の人物に顔を歪め、若菜は慌てて玄関扉を開けた。
「は、はひっ、あのっ」
「てんめぇー……」
そこには、態度最悪状態の良二が立っていた。張り込み用の荷物がその右肩に掛かったままで、いたるところに疲れが見てとれる。
「や、なぎ田さん……」
若菜はおずおずと、上目遣いで口角を引きつらせた。一週間振りの再会にもかかわらず、今にも噴火しそうなほどにグラグラ煮たっている良二を警戒する。
「なんでこの時間にここに居やがる」
「とりあえず、まだ朝早いので入ってください。廻りに声が響きます」
コソコソと話す若菜は、良二を玄関に招き入れた。扉を閉めて、良二の睨みの視線から顔を背ける。
「戻ったから早く知らせてやろうと思って下行ったのに、全っ然出て来ねぇしよ。外出てここの窓よく見りゃ、そこのカーテンの隙間から明かり漏れてっしよ」
頼みもしないのに、ネチネチと始まる良二の嫌味。若菜は居心地悪そうに肩を縮め、黙っている。
「んで、極めつきにその顔だ」
そうして左人指し指を向けられ、若菜は顔を上げた。ギュン、と筋が寄る、良二の鼻筋と眉間。顎を上げ、ワナワナと唇が震えている。
「徹夜しやがったな、テメー」
「むっ、無意識っ。無意識なんです! しようと思ってしたわけじゃなくって!」
「まぁた没頭してたのか! そーゆーのやめろって言ったろーがっ!」
「ごっ、ごめんなさいっ。でも今回はその、依頼品で徹夜になったわけじゃあないんで、無かったことにしてくださいっ!」
「あ? 依頼品じゃねぇってなんだ」
ハテナと共に、良二は上げていた顎を引く。
「えっとだから、その。しゅ、趣味で、というか」
「趣味ィ? 何やってた」
「あああ、編み物です」
「編み物だァ?」
声を裏返す良二。そろりそろり、若菜は作業台が良二に見られないよう、三歩分摺り足で横移動。
「何作ってたんだよ」
「はへ?! ぬゎっ、なんで柳田さんに、言わなきゃならんのですか」
「言えねぇようなモン作って徹夜したのか、テメー」
そう言われてしまっては、言い返しもままならず。若菜はぐぬぬと言葉に詰まり、奥歯をギリギリとさせた。
「ケッ、くだらねーな。まさか、今日休みだとか思ってたんじゃねーだろうな」
「おっ、思ってませんよ。むしろ、柳田さん何時頃帰ってくんだろーって思ってました」
「は……はァ?」
ギィ、と固まる両者。
「ちっ、違っ、事務所が開かないからですっ! 事務所開くまでどうしてようかなーって、昨日の夕方から考えててっ、だからっその」
「わっ、わーってるっつの。だっ、だからって、ここにこもって徹夜していい理由にはなんねーだろ」
「だあっ、無意識だったんですって。謝ってるじゃないですか」
「謝るくらいなら、なに作ってたのか教えろ」
「ええっ?! なっ、なんっ」
なぜそんなにも固執するのだろう、と冷や汗がダラダラの若菜。しかし、隠していてもいずれは良二へ見せることになるのだから、と考え至り。
ふはぁ、と脱力し、「わかりましたよう」と溜め息を混ぜて良二へ背を向ける。ポテポテと作業台であるテーブルへ近寄り、完成させた『それら』を後ろ手に持って、良二の元へと歩み戻る。
大あくびをかましていた良二。つられてあくびを漏らす若菜は、ズズッと鼻を啜ってから良二へ向き直る。
「あのっ。ふ、深い意味はありませんから」
「あん?」
「こっここ、この前のカツだっ、カツ丼の代わり、ですからっ」
そう言いながら全力で顔を逸らし、後ろ手に持った物を、良二の薄い胸板にバンと押し付ける若菜。良二が手に取ったと感覚で確認すると、右を向いた若菜は平たい胸の前で腕組みをした。
「柳田さんて、いっつも同じのしか着けないしっ。かっか簡単に編み上がる物って思ったらっなん、なんかその、そういうのがいいかなー、って思っただけですからっ。つつ、着ける着けないは別に、どうでもいいっていうか。ま、どうせ着けても私に毎度絶対に見られちゃうわけですからちょっと気まずいかもしれないやっぱり返してください別のにしますっ!」
心臓ばくばく状態で向き直り、前のめりに良二の手に渡してしまったそれらを掴まえようとする若菜。しかし、あっさりと良二にかわされてしまい、若菜は空気をひと掻きしたのみ。
「ちょ、柳……」
良二を下から窺う若菜は、良二の顔面を見てしまったことで、その目を見開く。
高く躱した右手に握り締めるは、渡してしまった『編み物』。
左掌が覆うは、その高い鼻の下からシャープな顎まで。
眉間にシワは無く、視線は尖った黒い革靴の先を向いている。
何より良二のその目元は、見たこともない柔らかさで充ちていて。
爆速で打ち鳴る心音。
掌のじっとりとした汗。
互いの赤面。
俯き合う両者。
固まったままの良二に、ペラペラと早口で若菜が補足を差し込む。
「ネネ、ネクタイ、です。編めるんですよ簡単に、たまにはいいかなーと思って、そんな色も。だっ、顔だけはまぁいい方じゃないですか柳田さんて、だーらなんでも似合うと思い、ます、けど」
艶やかな肌触りの綿とアクリルの併せ糸で、かぎ針編みをしたネクタイが三本。既製品とまったく同じ形に整い仕上がっている。
菫色、木蔦色、若草色のそれらは、どれもが普段、良二が着けたことのない落ち着いた色味。アクセントとして別の色がちらほら編み込まれ飾られているものの、悪目立ちしていない。
編み目もシンプルなもので、しかし手編みなのかを疑うほどに美しく均等。とても素人趣味のクオリティーではない、と良二はぐらり。
「あのだかっカツ丼、のお礼、ですから。せめてもの、的な」
消えるように細い声で、再びそう強調しておく若菜。
「……ん」
顔を逸らしたまま、小さく呼応する良二。やがて左掌を顔面から剥いで、若菜へ背を向けた。
「きょ、今日はだな、ぶっちゃけその、俺も、寝てなくて」
「え」
「だっ、からその、やす、臨時休業、にする、から」
「臨、時休……」
「そっそれ言いに来た、だけっつーか、ホントは」
毒気の抜けた『柳田良二』。困惑から、顔面ぐんにゃりな若菜。
玄関の扉が、良二によってそっと開けられる。
「デッ、ザ、イナー来るまで、その、オマエも家で寝ろ。いいな」
「今日っはマジでその」
「寝るのが、業務だ」
顔のみで半分振り返り、そう言い残した良二。玄関扉がバタンと閉まり、若菜が一人きりに戻る。
「…………」
その場にヘナヘナと腰を落とせば、猛烈な眠気が襲いかかった。
「いやこれ、マジにマジのやつ……?」
ひとりごちた若菜が下階に帰る気持ちになれたのは、それから三分も経ってからのことだった。
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