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8話
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五時間目終了のチャイムが鳴ったのを合図に、オレと高城先輩はようやくデンをあとにした。
「放課後のことをアイツ何か言ってましたけど、先輩は無視していつもどおり部活してくださいね」
「で、でも」
「大丈夫っス。なんかあったらオレに電話ください。部活中だろうとなんとか都合つけてすぐ駆けつけるんで」
3Aの教室に近いギリギリのところまで高城先輩を送り届け、菅平に遭遇しないようにそそくさと1Cへ戻る。高城先輩は不安そうな表情のまま、階段を降りていくオレを眺めていた。
1Cに戻ると、五時間目をサボったことを友人たちにつつかれた。腹を下して保健室にいたと嘘を並べて事なきを得たが、高城先輩は何と言って誤魔化したろうか。放課後のことにばかり気を向けていて、目先のことに気が回っていなかった。
終業のチャイムが鳴る。
部活生と帰宅生に分かれるその雰囲気は、学生モードから半プライベートモードへと移行するような、どこか浮ついてソワソワする瞬間だ。その雰囲気が恥じらいや躊躇いをかき消すので、オレはいつも教室の自分の席で惜しげもなく着替えをしている。
二分たらずで身も心もバドミントン部モードに切り替えて、すべての荷物を肩に引っ掛け教室から飛び出そうとしたところで、腰に入れていたスマートフォンがブイブイ震えた。つい入口付近で立ち止まり、教室内を背に中身を確認。
『朝、連絡くれてたのにごめんね。いまさら気が付きました』
高城先輩だった。しかも予想どおり、高城先輩は放課後になるまでスマートフォンを見ない人らしい。フーッと長く溜め息のような深呼吸をして続きを読む。
『顧問の先生が部活でミーティング開くことにしてくれたので、菅平くんとは帰れなくなりました。今日のところは大丈夫そう。だから丈くんも気にせず部活頑張ってね』
「マジか、よかった……」
気が抜けるような安心感を得て、オレはすぐにそのままの言葉を返信した。喜びの気持ちを込めて『嬉しい!』と書いてあるゆるいたぬきのスタンプも押す。
浮足立ったまま体育館へ向かい、準備をそこそこに部活が開始。
「瀬尾お前さ、今日菅平と何かあったの?」
ウォームアップのランニングの最中に三年の先輩の一人からコソコソと話しかけられた。「何かって何スか?」とケロリとした顔で返す。高城先輩が被っている内容についてはどうにか秘密にしておかなければならない。
「アイツ、昼過ぎからお前のことしつこく探ってたんだよ。『タケルってやつ後輩にいるか』って。『名乗り出ろ』って」
「……先輩は、なんて返事したんスか」
「安心しな、返事しなかったから。アイツが勝手に教室中に大声で訊いてただけだから、ほぼみんな無視してたし」
「もしかして他のクラスにもそうやって声かけてたんスかね?」
「どうだかなぁ。けどまぁ、わざわざアイツに口割るバド部三年なんていないから、訊き廻ったところで平気だとは思うけど」
「代わりに明日あたり、一年の教室に乗り込んできそうっスね」
「つーことはお前、やっぱり高城鈴蘭と『平日に』接触したな?」
向けられるジト目。いたたまれなくなって、苦笑で肯定する。
「どうせ高城に会いに三年のとこまでノコノコ来たんだろ」
「ア、アハハ……まぁ」
「ったく。だからやめとけって言ったんだ、菅平に目ェつけられたら後先めんどくさいから」
「スンマセン、せっかく忠告してくださったのに」
「別にいいけど、謝るくらいなら最初から自分の手綱ぐらいきっちり操れよ。悪いけど、お前のこと俺らじゃかばいきれなくなるかもしんねぇかんな」
たしかに、菅平に瀬尾丈の味方だと認識されてしまうと、先輩たちの身の置き場が危うくなってしまうだろう。受験を控えた三年生たちだ、横暴で常識はずれな菅平とかかわり合いになど、特に大事な今の時期にはなりたくないに決まっている。
かばってもらえないのは仕方がないことだ、だってオレが勝手に忠告を破ったそれ相応の代償だから。先輩方に恨みはないし、友達同様先輩たちを巻き込むこともしたくない。
「まぁ、そうは言ってもだ」
声の雰囲気を、怒気から楽観的なものへと一変させる先輩。
「瀬尾がそこまで高城鈴蘭に真剣に臨んでるってのは、俺としては正直好感高い」
「そう、ですか?」
「恥ずかしい話、菅平に怯えて高城のこと諦めた三年男子は何人もいたもん。けど結局アイツにダル絡みされたって、瀬尾は高城のこと諦めた感じに見えない。つーことは、アイツに太刀打ちしようとしてるわけじゃん?」
先輩を見上げる。汗の流れる横顔が爽やかに笑んだ。
「アイツにビビってない瀬尾は、俺らの世代の男どもよりスゴいってことだ」
「先輩……」
「単純バカだとは思うけどな」
「先輩っ!」
❖
その夜。
『お腹やその他、身体の具合はいかがですか』
寝る間際になって、高城先輩からメッセージが入った。やったぜな気持ちのオレは、布団の中でゴロゴロしながら『マジ問題ないです』と返す。雰囲気が悪くならないようにテンションが高めなスタンプを添えたりして、既読がつくと満足気にニヤニヤしてしまった。
高城先輩からのメッセージはいつもどれも丁寧だ。育ちがいいのだろうなと、いくつか交わすと簡単に予測できる。
それだけに、菅平がやっていることはやはり許せない。
断ることが苦手な性格を逆手に取って「いいよね?」「そうだよね?」を重ね続け、無理矢理にも肯定を引き出させる手口だ。ただでさえ否定意見を言う習慣のない高城先輩からかすかに芽吹いた反抗する気持ちすら根こそぎ奪っていく所業。
「どうやって辞めさせたらいいんだ」
悪いことを悪いと言っても処罰されそうにない学校の都合と現状。加えて相手は上級生で、しかも校長の孫だ。
「やっぱり、オレ一人で何とかできる話じゃねぇのかな」
自分に何の力もないことが急にのしかかったように思えた。ごろりと寝返りをうつと、既に高城先輩からメッセージが返ってきていた。
『本当によかったです。安心したよ』
先輩の声で脳内再生。そうして「何を弱気になっているのやら」と自分に鞭を打つ。
すべてはこの人の笑顔と日常を取り戻すためだろうが。寝て起きて飯を食って、花の終わりと新緑芽吹いた匂いの混ざる晩春の空気を吸ったなら、きっといい策が思いつくかもしれないじゃあないか!
『先輩こそ大丈夫ですか? アイツに会いたくねぇときはガッコ休むのも手ですからね? 自衛することも、何でも快諾しちゃう自分から抜け出す一歩だってこと、忘れないでください』
『うん、そうだね。ありがとう。起きてなんともなかったら、いつもどおり学校に行きます』
ちょっとえらそうだったかな、と送ってしまってから反省。謝るきっかけとして、さっき思い出したことを先輩へ告白。
『そういえばごめんなさい。オレ、どさくさにまぎれてあのとき鈴先輩って呼んじゃってました』
『ううん、気にしないでいいよ。忘れちゃった? 二人のときはなんて呼んでくれても構わないよって、前に言ったと思ったんだけど』
『わー、マジスか。オレ「学校内では」って言われたような気がしてました! そしたらもしかして、オレに名前で呼ばれるのは平気ってことですか?!』
ガバッと布団から飛び起きる。オレと高城先輩の仲、意外と進んじゃってねぇ?
胸がバクバクと鳴るなかで興奮気味にそう打ち込み、それに対する返事を勝手に想像してビクビクしながら送信。何と返ってくるのだろうかを考えるだけで、それまで停滞していた眠気はすっかりどこかへ消えてしまった。
「き、きたぁ!」
三分後に返事が投下された。食い入るように画面を見つめる。
『丈くんは、今まで私のことを好きになってくれた人たちとはちょっと違う感じがするの。最近は私の中でも、ちょーっと特別な存在になってます。だから、知らないうちに特別扱いしてる……かも』
そして、間髪容れず付与されたのは『ナイショだよ』の激かわスタンプ。
「ひえっ」
うっかり裏声の小さな悲鳴が出てしまった。
もちろんこれは、喜びの気持ちが爆発したときの音。たとえば心内でドカーンと鳴ったその爆発音が、大きさのあまり口から少ーし漏れてしまったようなものだ。灰白色の煙をモワンと吐いていたとしても遜色ないだろう。……なんて。
『ありがとうございますっ! マジで嬉しくてヤベーっす』
悶絶とともに膝を抱えたオレは、掛け布団ごと腕でぎゅうぎゅうと締めていく。胸が苦しい! 惚れ直すぜ高城先輩! さて、今日みんなに紹介したいのはオレ史上もっとも話題を呼んでいるこのタイトル。『オレの好きな人がかわいすぎる件について』!
『丈くんを見てたら、私も変わりたいなって思いました』
そんなバカなことはさておき。
真っ赤な顔でジタジタしていると、高城先輩からそんな文言が送られてきた。
『丈くんがスポーツ推薦を取ってまで慈み野にきてくれたことは、私にとってきっと何かの転機なんだよね? この機会を逃さないように、私も丈くんと一緒に高城鈴蘭を変えられたらいいな』
部活の先輩が言っていたように、今まで高城先輩に好意寄せをしていた人たちとオレとでは違う温度で彼女に向いているのかもしれない。ただ好きだからという感情があるだけで、そんなご大層な自覚がないのが本音なのだが。
「絶対に、なんとかしてやりたいな」
ジンとしながら返信を考えていると、『おやすみなさい』のスタンプで締められた。オレはふっと頬が緩んで、『おやすみなさい』とゆるいたぬきのスタンプで返した。
「放課後のことをアイツ何か言ってましたけど、先輩は無視していつもどおり部活してくださいね」
「で、でも」
「大丈夫っス。なんかあったらオレに電話ください。部活中だろうとなんとか都合つけてすぐ駆けつけるんで」
3Aの教室に近いギリギリのところまで高城先輩を送り届け、菅平に遭遇しないようにそそくさと1Cへ戻る。高城先輩は不安そうな表情のまま、階段を降りていくオレを眺めていた。
1Cに戻ると、五時間目をサボったことを友人たちにつつかれた。腹を下して保健室にいたと嘘を並べて事なきを得たが、高城先輩は何と言って誤魔化したろうか。放課後のことにばかり気を向けていて、目先のことに気が回っていなかった。
終業のチャイムが鳴る。
部活生と帰宅生に分かれるその雰囲気は、学生モードから半プライベートモードへと移行するような、どこか浮ついてソワソワする瞬間だ。その雰囲気が恥じらいや躊躇いをかき消すので、オレはいつも教室の自分の席で惜しげもなく着替えをしている。
二分たらずで身も心もバドミントン部モードに切り替えて、すべての荷物を肩に引っ掛け教室から飛び出そうとしたところで、腰に入れていたスマートフォンがブイブイ震えた。つい入口付近で立ち止まり、教室内を背に中身を確認。
『朝、連絡くれてたのにごめんね。いまさら気が付きました』
高城先輩だった。しかも予想どおり、高城先輩は放課後になるまでスマートフォンを見ない人らしい。フーッと長く溜め息のような深呼吸をして続きを読む。
『顧問の先生が部活でミーティング開くことにしてくれたので、菅平くんとは帰れなくなりました。今日のところは大丈夫そう。だから丈くんも気にせず部活頑張ってね』
「マジか、よかった……」
気が抜けるような安心感を得て、オレはすぐにそのままの言葉を返信した。喜びの気持ちを込めて『嬉しい!』と書いてあるゆるいたぬきのスタンプも押す。
浮足立ったまま体育館へ向かい、準備をそこそこに部活が開始。
「瀬尾お前さ、今日菅平と何かあったの?」
ウォームアップのランニングの最中に三年の先輩の一人からコソコソと話しかけられた。「何かって何スか?」とケロリとした顔で返す。高城先輩が被っている内容についてはどうにか秘密にしておかなければならない。
「アイツ、昼過ぎからお前のことしつこく探ってたんだよ。『タケルってやつ後輩にいるか』って。『名乗り出ろ』って」
「……先輩は、なんて返事したんスか」
「安心しな、返事しなかったから。アイツが勝手に教室中に大声で訊いてただけだから、ほぼみんな無視してたし」
「もしかして他のクラスにもそうやって声かけてたんスかね?」
「どうだかなぁ。けどまぁ、わざわざアイツに口割るバド部三年なんていないから、訊き廻ったところで平気だとは思うけど」
「代わりに明日あたり、一年の教室に乗り込んできそうっスね」
「つーことはお前、やっぱり高城鈴蘭と『平日に』接触したな?」
向けられるジト目。いたたまれなくなって、苦笑で肯定する。
「どうせ高城に会いに三年のとこまでノコノコ来たんだろ」
「ア、アハハ……まぁ」
「ったく。だからやめとけって言ったんだ、菅平に目ェつけられたら後先めんどくさいから」
「スンマセン、せっかく忠告してくださったのに」
「別にいいけど、謝るくらいなら最初から自分の手綱ぐらいきっちり操れよ。悪いけど、お前のこと俺らじゃかばいきれなくなるかもしんねぇかんな」
たしかに、菅平に瀬尾丈の味方だと認識されてしまうと、先輩たちの身の置き場が危うくなってしまうだろう。受験を控えた三年生たちだ、横暴で常識はずれな菅平とかかわり合いになど、特に大事な今の時期にはなりたくないに決まっている。
かばってもらえないのは仕方がないことだ、だってオレが勝手に忠告を破ったそれ相応の代償だから。先輩方に恨みはないし、友達同様先輩たちを巻き込むこともしたくない。
「まぁ、そうは言ってもだ」
声の雰囲気を、怒気から楽観的なものへと一変させる先輩。
「瀬尾がそこまで高城鈴蘭に真剣に臨んでるってのは、俺としては正直好感高い」
「そう、ですか?」
「恥ずかしい話、菅平に怯えて高城のこと諦めた三年男子は何人もいたもん。けど結局アイツにダル絡みされたって、瀬尾は高城のこと諦めた感じに見えない。つーことは、アイツに太刀打ちしようとしてるわけじゃん?」
先輩を見上げる。汗の流れる横顔が爽やかに笑んだ。
「アイツにビビってない瀬尾は、俺らの世代の男どもよりスゴいってことだ」
「先輩……」
「単純バカだとは思うけどな」
「先輩っ!」
❖
その夜。
『お腹やその他、身体の具合はいかがですか』
寝る間際になって、高城先輩からメッセージが入った。やったぜな気持ちのオレは、布団の中でゴロゴロしながら『マジ問題ないです』と返す。雰囲気が悪くならないようにテンションが高めなスタンプを添えたりして、既読がつくと満足気にニヤニヤしてしまった。
高城先輩からのメッセージはいつもどれも丁寧だ。育ちがいいのだろうなと、いくつか交わすと簡単に予測できる。
それだけに、菅平がやっていることはやはり許せない。
断ることが苦手な性格を逆手に取って「いいよね?」「そうだよね?」を重ね続け、無理矢理にも肯定を引き出させる手口だ。ただでさえ否定意見を言う習慣のない高城先輩からかすかに芽吹いた反抗する気持ちすら根こそぎ奪っていく所業。
「どうやって辞めさせたらいいんだ」
悪いことを悪いと言っても処罰されそうにない学校の都合と現状。加えて相手は上級生で、しかも校長の孫だ。
「やっぱり、オレ一人で何とかできる話じゃねぇのかな」
自分に何の力もないことが急にのしかかったように思えた。ごろりと寝返りをうつと、既に高城先輩からメッセージが返ってきていた。
『本当によかったです。安心したよ』
先輩の声で脳内再生。そうして「何を弱気になっているのやら」と自分に鞭を打つ。
すべてはこの人の笑顔と日常を取り戻すためだろうが。寝て起きて飯を食って、花の終わりと新緑芽吹いた匂いの混ざる晩春の空気を吸ったなら、きっといい策が思いつくかもしれないじゃあないか!
『先輩こそ大丈夫ですか? アイツに会いたくねぇときはガッコ休むのも手ですからね? 自衛することも、何でも快諾しちゃう自分から抜け出す一歩だってこと、忘れないでください』
『うん、そうだね。ありがとう。起きてなんともなかったら、いつもどおり学校に行きます』
ちょっとえらそうだったかな、と送ってしまってから反省。謝るきっかけとして、さっき思い出したことを先輩へ告白。
『そういえばごめんなさい。オレ、どさくさにまぎれてあのとき鈴先輩って呼んじゃってました』
『ううん、気にしないでいいよ。忘れちゃった? 二人のときはなんて呼んでくれても構わないよって、前に言ったと思ったんだけど』
『わー、マジスか。オレ「学校内では」って言われたような気がしてました! そしたらもしかして、オレに名前で呼ばれるのは平気ってことですか?!』
ガバッと布団から飛び起きる。オレと高城先輩の仲、意外と進んじゃってねぇ?
胸がバクバクと鳴るなかで興奮気味にそう打ち込み、それに対する返事を勝手に想像してビクビクしながら送信。何と返ってくるのだろうかを考えるだけで、それまで停滞していた眠気はすっかりどこかへ消えてしまった。
「き、きたぁ!」
三分後に返事が投下された。食い入るように画面を見つめる。
『丈くんは、今まで私のことを好きになってくれた人たちとはちょっと違う感じがするの。最近は私の中でも、ちょーっと特別な存在になってます。だから、知らないうちに特別扱いしてる……かも』
そして、間髪容れず付与されたのは『ナイショだよ』の激かわスタンプ。
「ひえっ」
うっかり裏声の小さな悲鳴が出てしまった。
もちろんこれは、喜びの気持ちが爆発したときの音。たとえば心内でドカーンと鳴ったその爆発音が、大きさのあまり口から少ーし漏れてしまったようなものだ。灰白色の煙をモワンと吐いていたとしても遜色ないだろう。……なんて。
『ありがとうございますっ! マジで嬉しくてヤベーっす』
悶絶とともに膝を抱えたオレは、掛け布団ごと腕でぎゅうぎゅうと締めていく。胸が苦しい! 惚れ直すぜ高城先輩! さて、今日みんなに紹介したいのはオレ史上もっとも話題を呼んでいるこのタイトル。『オレの好きな人がかわいすぎる件について』!
『丈くんを見てたら、私も変わりたいなって思いました』
そんなバカなことはさておき。
真っ赤な顔でジタジタしていると、高城先輩からそんな文言が送られてきた。
『丈くんがスポーツ推薦を取ってまで慈み野にきてくれたことは、私にとってきっと何かの転機なんだよね? この機会を逃さないように、私も丈くんと一緒に高城鈴蘭を変えられたらいいな』
部活の先輩が言っていたように、今まで高城先輩に好意寄せをしていた人たちとオレとでは違う温度で彼女に向いているのかもしれない。ただ好きだからという感情があるだけで、そんなご大層な自覚がないのが本音なのだが。
「絶対に、なんとかしてやりたいな」
ジンとしながら返信を考えていると、『おやすみなさい』のスタンプで締められた。オレはふっと頬が緩んで、『おやすみなさい』とゆるいたぬきのスタンプで返した。
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