薄紅色コスモスの花束

佑佳

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番外編

番外編 CLOWN with bar PROPRIETRESS

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 全世界の皆さま、こんにちは。ご機嫌いかがかな。ご存知のとおり、僕は世界的有名パフォーマーのYOSSY the CLOWNヨッシーザクラウンです。
 ええと、わかりやすく言うと、佑佳作品に【C-LOVERSクローバーズ】というお話があるんだけど、僕はそれのメインキャストの一人ってワケ! ご存知の方もそうでない方もどうぞよろしくね☆

 で、この度こういう場を設けましたのは他でもない。僕がご贔屓にさせていただいている飲み屋さんにまつわるお知らせを持ってきたんだ。
 え? 僕もお酒を飲むのかって? 飲むよ飲む飲む。普通に飲むよ。お兄さんは成人男性だからね。飲むと笑い止まんなくなっちゃうんだけど。


 まぁ話が逸れそうなので前置きはこれくらいにして。
 ご紹介しましょう、Madamマダム小幸こゆき

小幸「やっだァ、マダムだなんてぇ! ふふふ、なんだか嬉しくなる呼び方ねぇ」

 喜んでいただけてなによりですよMadam。相変わらずの美人ママさんだなぁ。
 さてさて、ここからは対談形式だよー。


      * * *


YOSSY「Madam小幸……まぁ便宜上、僕も今は普段どおりママさんとお呼びしようかな」

小幸「ええ、どうぞどうぞ」

YOSSY「ママさんの経営する『スナックゆき』に僕が初めに訪れたのは、実は弟が酔い潰れてるって連絡をもらったからなんだよね」

小幸「そうだったわねぇ。にしても、まさかだったわぁ。世界のYOSSY the CLOWNが、あの『リョーちゃん』のお兄さんだなんて」

YOSSY「アッハッハ、恐縮です。けどズルいなぁ。噂の『リョーちゃん』はここでさぞ面白おかしいことを繰り広げてくれたんだろうなぁと思うと、妬けちゃうよ。YOSSY the CLOWNを差し置いて、密かにこんっな素敵な場所を舞台ステージにしてしまうんだからなぁ」

小幸「あらあら、フフッ。ヨシくんは本当にお上手ねぇ」

YOSSY「さて、話を本題に移そう。二〇二二年二月、なんとこのスナックゆきが舞台のひとつになってる物語が、文芸社さんから書籍販売していただけることになりましたっ」

佑佳「イエーーーッイ!!! フゥゥウーーーー!!」

YOSSY「ちょっと。二年半前と同じことしないでいただきたいな。カメラまわしてる人が叫んだら台無しだって言っただろ」

小幸「まぁまぁ、ヨシくん。佑佳自身も公表をかなーり我慢してたみたいだから、許してあげてくださらない?」

佑佳「マ、ママ……」

YOSSY「んんっ、んんんっ! 編集さんに指摘されたダイニングテーブルに関する恥ずかしい話んんんっ!」

佑佳「うわっマジのやつや。さっ! 対談を続けてくださいっ」

YOSSY「失礼。僕のビジネスパートナーが無礼を」

小幸「んっふふふふ、いつもの光景ね。もう見馴れたわ」

YOSSY「話を戻そう。今回書籍になったのは【薄紅色うすべにいろコスモスの花束はなたば】という現代ドラマ小説だね。佑佳は二〇一七年の冬に勢いだけで初稿を書ききって、勢いだけでウェブに投稿していたんだよね」

小幸「あの頃から私たちはさほど変わってないんだけれど、未咲ちゃんは変わったわねぇ。当時は今ほど純度が高くなかった印象で、強引なところも結構あったの」

YOSSY「ほーん? そうなんですね」

小幸「勝利かつとしくんなんかもう誰? ってくらい違うのよ。今と比べたら笑っちゃうんだから」

YOSSY「へえ、あのクールな彼がそんなに! 本っ当に勢いだけで書いた初稿だったんだな……」

小幸「んっふふふふ。だあって最後の方なんて『改稿したい』って言いながら書いてたのよォ? ウェブに上げて書き直しが効かないようにしたのは佑佳自身なのに。ねぇ佑佳!」

佑佳「…………」

YOSSY「ハハ、笑い話になるのはもうすこしだけ先かな? さてさてママさん。書籍での注目点やこだわりがあれば、是非とも教えていただきたいのですが」

小幸「そうねぇ。まずひとつは当然、勝利くんのお名前ね」

YOSSY「ほう、お名前が注目点とは具体的にどのように?」

小幸「さっきも言ったとおり、佑佳は本当に勢いだけでこのお話を始めてしまったのよ。ストーリーラインから出来上がったがために、登場人物名を仮置きで進めてしまったのよね」

YOSSY「確かに佑佳としては稀なケースですね」

小幸「仮の名前に困った当時の佑佳は、手近にあった版権キャラクターたちの名前をちょっとだけ変化させて、直接はわからないようにしたのよね。その結果、性格や容姿まで版権キャラクターに似せてしまったりして、オリジナリティが無くなったのよ」

YOSSY「まぁそこはもともとあってないようなものですが……」

佑佳「え?! 何か仰いまして善一よしかずさん?!」

YOSSY「Oh , my dear. すべて幻聴だよ」

小幸「お名前の代替案が二稿目までに間に合わなかった佑佳は、『万一書籍になったら改めよう』と開き直っちゃったのよね。それで仮案の名前のまま数年間馴染んでしまったわけ」

YOSSY「その間に愛着も沸いてしまうだろうしね。いやぁ、厄介厄介」

小幸「幸いなことに今回こうして書籍にして戴けるとのことで大層喜んでたんだけれど、結局書籍化作業一発目に頭を悩ませなければならなかったのがそこだったってわけよ」

YOSSY「なるほど。それであのお名前に落ち着いたってわけですか。いやあ、大分カッコいいですよね、彼のお名前」

小幸「ええ。前のお名前よりもずっとよくなったと私は思うわよ」

YOSSY「他にもこだわりポイントはあります?」

小幸「なんと言っても、構成ね」

YOSSY「アハハ、ママさんまでドヤ顔なんですね」

小幸「当然よう! 最も佑佳がこのお話の癌としていたポイントですもの! 勝利くんのお名前よりもこだわっている言っても過言ではないわね」

YOSSY「当物語の『親や進路に悩む冒頭』は、そこがあっての後半とも言えるほど重要な部分ですよね。佑佳はずっと『書いておきたいけれど蛇足ではないだろうか』と納得しきれていない様子でした」

小幸「一番始めに担当編集さんにそのことを相談した佑佳は、『通しのページ数に直すとそんなに喰っているわけでもないので、決して邪魔ではない』と気付かせていただけたの」

YOSSY「C'est merveilleux素晴らしい! そういうところはさすがプロといっていい」

小幸「それこそ、勝利くんが出てくるまで無駄に長いような思い込みがあったのよ、私たちでさえ」

YOSSY「なるほど。舵取りをしている佑佳が不安だと、演者キャストみんなも不安になる。まさしくだったわけですね」

小幸「自信がついてよかったと思うわ。私と未咲ちゃんで進む場面だから、結構慎重だったわ」

YOSSY「他にも見所などありますか?」

小幸「一にも二にも表紙よ!」

YOSSY「うんうん、同意だね。佑佳は前著同様、表紙をやっぱり杉村氏に描いてもらいたくてね。先方へ二年振りに連絡をしながらニタニタ笑っていたのは、僕も記憶に新しいな」

小幸「実はね、私のこともラフで描いていただいたのよ、フフフフ!」

YOSSY「ええっ、なんだそうだったんですか? うわあ、引き続き羨ましい」

小幸「杉村さんは佑佳のあのいつものらくがき絵から、あんなに素敵な表紙を作成してくださったわ。未咲ちゃんも目を惹くし、コスモスも素敵だし、でも何と言っても背景よ」

YOSSY「見ましたよ、僕も驚きました。あの表紙、スナックゆきがそこにあるんだ」

小幸「私嬉しくて、見た瞬間泣いたわ」

YOSSY「(笑)」

小幸「ラフの勝利くんも似すぎてて驚いたけれどね」

YOSSY「佑佳は彼のこと全然描けないからねぇ。僕もあとで見せてもらいます」

小幸「ええ、是非」

YOSSY「今回の【薄紅色コスモスの花束】は、佑佳の得意分野・現代ドラマです。恋愛だけじゃなく、家族、進路、金銭。そういう『リアル』に悩みながら進む姿を切り取り、乗り越えていく一作だよ」

小幸「是非多くの方のお手元へお迎えいただけると、私たちも佑佳も嬉しいわ」

YOSSY「今回、文芸社さんがきちんと宣伝をしてくださるみたいなので、発信力は確固たるものだし、より広い世界へスナックゆきが認知されるんじゃないかなと期待が膨らみます。僕も佑佳の右隣でしっかり見守らせてもらうよ」

小幸「本当に嬉しいことね。佑佳の『泣かせ』も『ニヤニヤ』も一人でも多くの方に体感していただきたいわ」

YOSSY「では、ママさん。今回は本当におめでとうございます! そして対談ありがとうございました」

小幸「いえいえこちらこそよ。世界のヨシくんから祝辞を戴けるなんて夢みたいだわ」
 
YOSSY「また遊びに来ます。あと弟がまた酔ったときはいつでも連絡をください……『俺が』迎えに来るから」

小幸「うふふ、かしこまりました。ヨシくんは本当、複雑ねぇ」

佑佳「【薄紅色コスモスの花束】は紀伊国屋書店さまはじめ全国書店、ならびにネットショッピングでご購入いただけまーす! BOOTHには副読本があるという噂がっ。ぜひTwitterをチェックしてみてくださいねー!」

YOSSY「今回もはしたないほどのダイレクトさだな……」



 多大なる感謝の気持ちと愛を込めて――

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