163 / 215
第3章
162. 従兄弟
しおりを挟む
僕の自己紹介にフラン様とシトロ様以外は「小さいタインがいる…。」と話し始めた。
「(やっぱりそんな似てるんだ。)」と思っているとキーワ様に「フェンネル君はとてもタインに似てますね、驚きました。」と話し掛けられる。
「あっ…そうですね、髪の色も目の色も一緒ですしね。」と答えると「でも纏ってるオーラは少し違いますね…。フェンネル君のオーラは緑と青…タインは赤と青ですから。」と言った。
僕はその言葉の意味がわからず不思議な顔をしているとタイン様に
「キーワはエルフの血が4分の1入ってるからそういうの見えるらしいよ、フェンネルは緑と青か~…冷静さと温厚ね、フェンネルっぽい。」
と納得される。
「(へぇ~そうなんだ、でもさすがに僕が転生者ってことはわからないよね?まぁ別にバレても問題はないんだけど、なんか全部見透かされるかもって思うと怖いな…。)」
と思いながら黙々と夕食を進めた。
それから、次々と合流する子供達の自己紹介が始まり、僕はメモを取りながら名前を覚えるのに必死だった。
この家にいる子供は全部で6人。年齢的に、もう子供ではない人もいるが一括りで言うとそうなる。
まずフラン様の子供が2人。実はもう結婚して家庭があるのでこの場には来ていなかった。双子で22歳。
次はシトロ様の息子、クレメさん。19歳で王都で働いてるみたい。シトロ様に似て体格がよく、人懐っこさのある人だ。
そしてキーワ様の息子、クローブさん16歳。魔術学校卒業後、その才能を生かした職種に就いているそうだ。詳しくは教えてもらっていない。
アダン様の息子はマツリカさん15歳。華奢な体格に叔父様と同じで銀髪。今後は教師を目指すらしい。
スクリュー様の息子はアラビ君11歳。騎士団に所属していて今は体力作り中だとか。騎士団の宿舎にいるのでこの子もここにはいない。
なので、ここにいる僕と1番歳が近いマツリカさんが親切に色々と教えてくれている。見た目も似ていることから一緒にいると本当の兄弟みたいに見える。タイン様も2人一緒に並んでー!と何故か言ってくる。僕達は苦笑いになりながらリクエストに応えた。
夕食後、マツリカさんが部屋に招いてくれた。
「フェンネル君、長旅疲れたでしょう?紅茶をどうぞ。」と言って差し出してくる。
僕は「ありがとうございます。」と受け取るとそれをゆっくりと堪能した。
「美味しい…。」と思わず呟くとマツリカさんは「良かった。」と喜び、2人の間にゆったりとした時間が流れる。
「この茶葉はこの辺りで採れたもので私が1番好きなものなんだ。飲んだときにフルーティーな香りがするのが分かった?実は茶葉の中に果皮が混ぜられていてその分、あっさりと飲めるし、砂糖を入れなくても十分甘い。疲れた時とか眠れない時に飲むととてもいいんだよ?」
と話すマツリカさんの表情はとても楽しそうだ。
「確かに柑橘系の香りがしました。僕もこの紅茶、好きです。美味しいですね…マツリカさん、紅茶が本当にお好きなんですね。」と笑うと「あっ!ゴメンね、ちょっと興奮しちゃって…。お父様とお母様には内緒にしててね?」と言われた。
「えっ?でも紅茶が好きなことは悪いことじゃないですよ?」
「…そうなんだけど、家族はコーヒー派なんだ。だから私は1人の時に紅茶を飲むようにしてる。こうやってお客様に披露できるのも嬉しいよ。」と少し悲しそうな顔をした。
「(そういえば、マツリカさんが紅茶を淹れる時は一から茶葉をフィルターに入れてたなぁ…。かなり手間をかけてくれて作ってくれたんだ。)
そうなんですね…わざわざありがとうございます。」
そう答えると笑顔で返してくれた。
それから少し雑談をして僕は部屋に帰ってきた。
「(マツリカさん、凄く良い人だったなぁ…でも紅茶好きなこと内緒にしてるんだ…でもそれってなんか寂しい…皆と共有できたらもっと楽しいと思うんだけど…。)」
僕はそんなことを考えながら眠りについた。
次の日の朝食時、僕はコーヒーが出ていたにもかかわらず、思い切って「朝は紅茶が飲みたいです!」とワガママを言った。
すると叔父様が
「え~…紅茶ってあったっけ?フラン、知ってる?」
「いや、この家にはコーヒーしか置いてないと思うが…。キッチンに聞いてみるか?」
「そうだね、お願い。」
そう言って確認の為にフラン様が立ち上がった。するとマツリカさんが「フランお父様!あの私…私が持ってます。」と言って慌てて立ち上がった。
「えっ?そうなの?マツリカ、紅茶が好きなの?」と叔父様が聞くとマツリカさんは恥ずかしそうに「はっ…はい、実は。」と答えた。
それからマツリカさんは自分の部屋にあるティーセットを持ってきて、順番に淹れ始めた。すると他の人達も「せっかくだから私達も貰おう。」と言って結局、全員分を用意することになった。マツリカさんはこんなに沢山の量を淹れたことはないようで大変そうにしていたが、その顔はとても嬉しそうだった。
「(やっぱりそんな似てるんだ。)」と思っているとキーワ様に「フェンネル君はとてもタインに似てますね、驚きました。」と話し掛けられる。
「あっ…そうですね、髪の色も目の色も一緒ですしね。」と答えると「でも纏ってるオーラは少し違いますね…。フェンネル君のオーラは緑と青…タインは赤と青ですから。」と言った。
僕はその言葉の意味がわからず不思議な顔をしているとタイン様に
「キーワはエルフの血が4分の1入ってるからそういうの見えるらしいよ、フェンネルは緑と青か~…冷静さと温厚ね、フェンネルっぽい。」
と納得される。
「(へぇ~そうなんだ、でもさすがに僕が転生者ってことはわからないよね?まぁ別にバレても問題はないんだけど、なんか全部見透かされるかもって思うと怖いな…。)」
と思いながら黙々と夕食を進めた。
それから、次々と合流する子供達の自己紹介が始まり、僕はメモを取りながら名前を覚えるのに必死だった。
この家にいる子供は全部で6人。年齢的に、もう子供ではない人もいるが一括りで言うとそうなる。
まずフラン様の子供が2人。実はもう結婚して家庭があるのでこの場には来ていなかった。双子で22歳。
次はシトロ様の息子、クレメさん。19歳で王都で働いてるみたい。シトロ様に似て体格がよく、人懐っこさのある人だ。
そしてキーワ様の息子、クローブさん16歳。魔術学校卒業後、その才能を生かした職種に就いているそうだ。詳しくは教えてもらっていない。
アダン様の息子はマツリカさん15歳。華奢な体格に叔父様と同じで銀髪。今後は教師を目指すらしい。
スクリュー様の息子はアラビ君11歳。騎士団に所属していて今は体力作り中だとか。騎士団の宿舎にいるのでこの子もここにはいない。
なので、ここにいる僕と1番歳が近いマツリカさんが親切に色々と教えてくれている。見た目も似ていることから一緒にいると本当の兄弟みたいに見える。タイン様も2人一緒に並んでー!と何故か言ってくる。僕達は苦笑いになりながらリクエストに応えた。
夕食後、マツリカさんが部屋に招いてくれた。
「フェンネル君、長旅疲れたでしょう?紅茶をどうぞ。」と言って差し出してくる。
僕は「ありがとうございます。」と受け取るとそれをゆっくりと堪能した。
「美味しい…。」と思わず呟くとマツリカさんは「良かった。」と喜び、2人の間にゆったりとした時間が流れる。
「この茶葉はこの辺りで採れたもので私が1番好きなものなんだ。飲んだときにフルーティーな香りがするのが分かった?実は茶葉の中に果皮が混ぜられていてその分、あっさりと飲めるし、砂糖を入れなくても十分甘い。疲れた時とか眠れない時に飲むととてもいいんだよ?」
と話すマツリカさんの表情はとても楽しそうだ。
「確かに柑橘系の香りがしました。僕もこの紅茶、好きです。美味しいですね…マツリカさん、紅茶が本当にお好きなんですね。」と笑うと「あっ!ゴメンね、ちょっと興奮しちゃって…。お父様とお母様には内緒にしててね?」と言われた。
「えっ?でも紅茶が好きなことは悪いことじゃないですよ?」
「…そうなんだけど、家族はコーヒー派なんだ。だから私は1人の時に紅茶を飲むようにしてる。こうやってお客様に披露できるのも嬉しいよ。」と少し悲しそうな顔をした。
「(そういえば、マツリカさんが紅茶を淹れる時は一から茶葉をフィルターに入れてたなぁ…。かなり手間をかけてくれて作ってくれたんだ。)
そうなんですね…わざわざありがとうございます。」
そう答えると笑顔で返してくれた。
それから少し雑談をして僕は部屋に帰ってきた。
「(マツリカさん、凄く良い人だったなぁ…でも紅茶好きなこと内緒にしてるんだ…でもそれってなんか寂しい…皆と共有できたらもっと楽しいと思うんだけど…。)」
僕はそんなことを考えながら眠りについた。
次の日の朝食時、僕はコーヒーが出ていたにもかかわらず、思い切って「朝は紅茶が飲みたいです!」とワガママを言った。
すると叔父様が
「え~…紅茶ってあったっけ?フラン、知ってる?」
「いや、この家にはコーヒーしか置いてないと思うが…。キッチンに聞いてみるか?」
「そうだね、お願い。」
そう言って確認の為にフラン様が立ち上がった。するとマツリカさんが「フランお父様!あの私…私が持ってます。」と言って慌てて立ち上がった。
「えっ?そうなの?マツリカ、紅茶が好きなの?」と叔父様が聞くとマツリカさんは恥ずかしそうに「はっ…はい、実は。」と答えた。
それからマツリカさんは自分の部屋にあるティーセットを持ってきて、順番に淹れ始めた。すると他の人達も「せっかくだから私達も貰おう。」と言って結局、全員分を用意することになった。マツリカさんはこんなに沢山の量を淹れたことはないようで大変そうにしていたが、その顔はとても嬉しそうだった。
36
お気に入りに追加
4,593
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
迷子の僕の異世界生活
クローナ
BL
高校を卒業と同時に長年暮らした養護施設を出て働き始めて半年。18歳の桜木冬夜は休日に買い物に出たはずなのに突然異世界へ迷い込んでしまった。
通りかかった子供に助けられついていった先は人手不足の宿屋で、衣食住を求め臨時で働く事になった。
その宿屋で出逢ったのは冒険者のクラウス。
冒険者を辞めて騎士に復帰すると言うクラウスに誘われ仕事を求め一緒に王都へ向かい今度は馴染み深い孤児院で働く事に。
神様からの啓示もなく、なぜ自分が迷い込んだのか理由もわからないまま周りの人に助けられながら異世界で幸せになるお話です。
2022,04,02 第二部を始めることに加え読みやすくなればと第一部に章を追加しました。
女性が全く生まれない世界とか嘘ですよね?
青海 兎稀
恋愛
ただの一般人である主人公・ユヅキは、知らぬうちに全く知らない街の中にいた。ここがどこだかも分からず、ただ当てもなく歩いていた時、誰かにぶつかってしまい、そのまま意識を失う。
そして、意識を取り戻し、助けてくれたイケメンにこの世界には全く女性がいないことを知らされる。
そんなユヅキの逆ハーレムのお話。
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる