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第2章
124. 両想い
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そして、その日は兄様の部屋に泊めてもらい一緒のベッドで就寝した。
次の日、ゴトッという音で目が醒め、隣を見ると兄様は既にベッドから消えていた。
「(なんか寂しいなぁ…。)」と思いつつ、さっきの物音が気になりベッドから出てみるとちょうど兄様が騎士団の制服を着て部屋を出るところだった。
「フェル、起きたんだね、おはよう。」
と額にキスされる。
妙に気恥ずかしくなり額を押さえて照れながら「おはよう、兄様。」と言うと兄様はニコッと微笑んで「そんな可愛い顔されたら仕事に行けなくなるな…。もっと顔をよく見せて。」と顔を近づけてきた。
「あっ…兄様、僕まだ顔も洗ってないし…!」と慌てて離れようとしたが頰に手を添えられると僕は動けなくなる。
「(前までは兄様のスキンシップなんて当たり前だったのに両想いを告白した途端、兄様のことを意識しちゃってなんか恥ずかしい…!)」
僕が恥ずかしさで「あっ…うっ…。」と言葉を発せずにいるとチュッと唇に軽くキスをされた。
「フェルはいつも可愛いけど、今日は特別可愛いね。フフッ、やっぱり両想いになったからかな?」
と兄様は意地悪く笑い、
「今日、なるべく早く仕事を切り上げてくるから帰ってきたら父様に報告しようね。」
と頰に添えられた手でなぞられる。
僕は顔を赤くしながら「うん、待ってるね、行ってらっしゃい。」と見送った。
兄様は外で待機していた火竜に飛び乗ると軽く手を挙げ王都へ飛んで行った。
兄様を見送った僕は…というと自分の部屋に戻ってくるなりベッドで身悶えていた。
「(うぅ~!兄様に告白しちゃったよー!自分でもこんなに早く事が動くなんて思ってなかったから正直、戸惑うー!兄様とは成人してから色々あると思ってたし。でも10歳には僕の処女が奪われるのは決まってるしな…。今更、嫌だとか言うつもりはないけど、急展開過ぎてついて行けない…。自分がやったくせに悩むとか…自業自得か…。けど実際問題、兄様とのことは兄弟であるとか跡取り問題とか、色々大変だから頑張らなくっちゃね。
後は重婚だ。カラマス君とサックルさん…一応、もう1人求婚されたけどあれはまぁ会わなかったら意味ない話だし、カウントには入れないとして…。重婚がわかった今、カラマス君もサックルさんも受け入れた方がいいのかな…って思ってきちゃったのが本音…そりゃもちろん2人が重婚にOKしたらだけど…。なんか、実際、重婚っていう選択肢が増えたおかげでかなり気持ち的には楽になった。最初もそうだし、これまではたった1人の人を見つける、とか言ってたけどこの世界はその常識を通さなくていいわけだし、ちょっとくらいこっちの世界に甘えちゃってもいいのかな…とか思ったり。そりゃ、考えが甘いのは重々わかってるんだけど、カラマス君もサックルさんも僕との結婚を望んでいるのならそれも受け入れていいんじゃないかなって。あぁ~…いいのかな~こんな甘い考えで…。神様…こんなのでいいんですか。ホントに僕の生きたいように生きちゃって。僕、昔から求められることに弱いから、どんな人であれ、好意を持たれると無下には出来ない…今更だけど、じゃあラーチさんとオットーさんはどうなるの?ってなるけど、そこはもう掘り返さないようにしよう…。掘り返したらその2人も受け入れることになりそうだし…。
てか、これから旦那さんが3人もいたら僕はどういうポジションで動けばいいんだろう…?それぞれ対等に、が理想だけど、きっと旦那さんの中でも優先順位が出てくるよね?僕は旦那さんを平等に愛することは大丈夫だと思うけど旦那さん同士でケンカしてほしくないな…。
そういえば今、ふと思ったけど僕、騎士団でBLウォッチング出来るんだろうか…てか、そもそも騎士団に入れるのかな?学力とかは問題ないだろうけど、兄様が反対したら絶対無理じゃん。10歳から花嫁修業…いやいや女の子じゃないんだから…。父様と兄様を説得しないと…はぁ…説得出来るか自信ないなぁ…。)」
そう色々と考えているとコンコンッと部屋の扉をノックされた。
「フェンネル様、エリーです。部屋にはお戻りですか?」
「(あっ!エリーに兄様のこと言わなくっちゃ!)
うん、どうぞ。」
エリーは部屋に入ってくると朝食の準備をし始めた。
「朝食の時間が過ぎてしまわれたので誠に勝手ながらこちらに用意をさせて頂きました。紅茶で宜しいですか?」
「(流石、エリー…よくわかってる。)
うん、ありがとう。お願いします。」
僕がエリーの淹れた紅茶でホッとしていると、
「フェンネル様、ご体調は大丈夫でしょうか?昨日のこともありますし少し前から心配だったのです。」
と話し掛けられた。
僕はちょうどいいタイミングだと思い、
「あっ!そのことなんだけどね、解決したんだ!エリーのアドバイスのお陰だよ、ありがとう。」
とニコニコしながらお礼を言った。
するとエリーも「それはようございました。」と喜んでくれ、僕は兄様との婚約を報告した。
次の日、ゴトッという音で目が醒め、隣を見ると兄様は既にベッドから消えていた。
「(なんか寂しいなぁ…。)」と思いつつ、さっきの物音が気になりベッドから出てみるとちょうど兄様が騎士団の制服を着て部屋を出るところだった。
「フェル、起きたんだね、おはよう。」
と額にキスされる。
妙に気恥ずかしくなり額を押さえて照れながら「おはよう、兄様。」と言うと兄様はニコッと微笑んで「そんな可愛い顔されたら仕事に行けなくなるな…。もっと顔をよく見せて。」と顔を近づけてきた。
「あっ…兄様、僕まだ顔も洗ってないし…!」と慌てて離れようとしたが頰に手を添えられると僕は動けなくなる。
「(前までは兄様のスキンシップなんて当たり前だったのに両想いを告白した途端、兄様のことを意識しちゃってなんか恥ずかしい…!)」
僕が恥ずかしさで「あっ…うっ…。」と言葉を発せずにいるとチュッと唇に軽くキスをされた。
「フェルはいつも可愛いけど、今日は特別可愛いね。フフッ、やっぱり両想いになったからかな?」
と兄様は意地悪く笑い、
「今日、なるべく早く仕事を切り上げてくるから帰ってきたら父様に報告しようね。」
と頰に添えられた手でなぞられる。
僕は顔を赤くしながら「うん、待ってるね、行ってらっしゃい。」と見送った。
兄様は外で待機していた火竜に飛び乗ると軽く手を挙げ王都へ飛んで行った。
兄様を見送った僕は…というと自分の部屋に戻ってくるなりベッドで身悶えていた。
「(うぅ~!兄様に告白しちゃったよー!自分でもこんなに早く事が動くなんて思ってなかったから正直、戸惑うー!兄様とは成人してから色々あると思ってたし。でも10歳には僕の処女が奪われるのは決まってるしな…。今更、嫌だとか言うつもりはないけど、急展開過ぎてついて行けない…。自分がやったくせに悩むとか…自業自得か…。けど実際問題、兄様とのことは兄弟であるとか跡取り問題とか、色々大変だから頑張らなくっちゃね。
後は重婚だ。カラマス君とサックルさん…一応、もう1人求婚されたけどあれはまぁ会わなかったら意味ない話だし、カウントには入れないとして…。重婚がわかった今、カラマス君もサックルさんも受け入れた方がいいのかな…って思ってきちゃったのが本音…そりゃもちろん2人が重婚にOKしたらだけど…。なんか、実際、重婚っていう選択肢が増えたおかげでかなり気持ち的には楽になった。最初もそうだし、これまではたった1人の人を見つける、とか言ってたけどこの世界はその常識を通さなくていいわけだし、ちょっとくらいこっちの世界に甘えちゃってもいいのかな…とか思ったり。そりゃ、考えが甘いのは重々わかってるんだけど、カラマス君もサックルさんも僕との結婚を望んでいるのならそれも受け入れていいんじゃないかなって。あぁ~…いいのかな~こんな甘い考えで…。神様…こんなのでいいんですか。ホントに僕の生きたいように生きちゃって。僕、昔から求められることに弱いから、どんな人であれ、好意を持たれると無下には出来ない…今更だけど、じゃあラーチさんとオットーさんはどうなるの?ってなるけど、そこはもう掘り返さないようにしよう…。掘り返したらその2人も受け入れることになりそうだし…。
てか、これから旦那さんが3人もいたら僕はどういうポジションで動けばいいんだろう…?それぞれ対等に、が理想だけど、きっと旦那さんの中でも優先順位が出てくるよね?僕は旦那さんを平等に愛することは大丈夫だと思うけど旦那さん同士でケンカしてほしくないな…。
そういえば今、ふと思ったけど僕、騎士団でBLウォッチング出来るんだろうか…てか、そもそも騎士団に入れるのかな?学力とかは問題ないだろうけど、兄様が反対したら絶対無理じゃん。10歳から花嫁修業…いやいや女の子じゃないんだから…。父様と兄様を説得しないと…はぁ…説得出来るか自信ないなぁ…。)」
そう色々と考えているとコンコンッと部屋の扉をノックされた。
「フェンネル様、エリーです。部屋にはお戻りですか?」
「(あっ!エリーに兄様のこと言わなくっちゃ!)
うん、どうぞ。」
エリーは部屋に入ってくると朝食の準備をし始めた。
「朝食の時間が過ぎてしまわれたので誠に勝手ながらこちらに用意をさせて頂きました。紅茶で宜しいですか?」
「(流石、エリー…よくわかってる。)
うん、ありがとう。お願いします。」
僕がエリーの淹れた紅茶でホッとしていると、
「フェンネル様、ご体調は大丈夫でしょうか?昨日のこともありますし少し前から心配だったのです。」
と話し掛けられた。
僕はちょうどいいタイミングだと思い、
「あっ!そのことなんだけどね、解決したんだ!エリーのアドバイスのお陰だよ、ありがとう。」
とニコニコしながらお礼を言った。
するとエリーも「それはようございました。」と喜んでくれ、僕は兄様との婚約を報告した。
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