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第1章
30. 挨拶
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「えっ…?いや…ぼ…。」
ガチャッ
「僕は…。」と訂正しようとしたところで目的の部屋の扉が開く。
「やっぱりフェルだわ!声が聞こえたから、そうかと思って…あっ!カラマス君も中へどうぞ。」
とロザリーナ姉様は笑顔で出迎える。
「遅くなってゴメンなさい…姉様。」
「大丈夫よ。ちょうど予定した時間だし、カラマス君も一緒だから全員揃ったわ。ソファーに座ってくれる?」
僕達2人はソファーに腰掛けた。
テーブルを挟んでセイボリー様とカラマス君が並び、向かいに僕とロザリーナ姉様。父様と母様はお誕生日席っていうのかな?そこに2人で腰掛けている。
「ローランド家の皆様、本日はお忙しい中、お時間を作って頂いてありがとうございます。私はアミリス・セイボリーと申します。隣は弟のカラマス・セイボリーです。先日、私とロザリーナは正式に婚約致しました。これからは家族として共に協力し合いましょう。そしてアトラス様、イリス様これからどうぞ宜しくお願い致します。」
セイボリー様はそう言うと、2人に頭を下げた。
「セイボリー様、やめて下さい。そんな固い挨拶ではなくてもいいんですよ。ウチのロザと婚約して頂けただけでもありがたいのに。」
とクスクス笑いながら言う母様。
「ロザは少々、勝気な性格ですからセイボリー様にはご迷惑をかけると思いますが、ローランド家にとっては大事な娘です。宜しくお願い致します。」
そう父様も話を締めくくった。
「さぁ今からは堅苦しいのは止めにして楽しく話そうじゃないか。フェル、お前は初めてお会いする方だからご挨拶しなさい。」と急に話を振られる。
「(えー!父様、急に話振らないでよ!何言えばいいの!?とりあえす名前は言わなくちゃ!)
あのフェンネル・ローランドです。今7歳です。今年から魔法学院に入学しました。宜しくお願い致します。」
僕はペコッとお辞儀をした。なんとか最低限の挨拶は出来たと「ふぅ~。」と安心する。
「初めまして、フェンネル君。これからは君の義兄になるから気軽に話しかけてね。」とセイボリー様に言われた。
「はい、ありがとうございます。あの、兄から魔術学校の先生をされていると聞きました。もし、僕が魔術学校に行くことになったら是非、勉強を教えて下さい。」
念のため、頼んでおく。
「(僕の希望は騎士団に入ってBLウォッチングだけど、兄様に止められる可能性大だからな~。)」
「もちろん。フェンネル君は水の魔法を使うそうだね、ロザから聞いたよ。私は生憎、光だから高等技術は教えてあげられないけど、それなりの技術は教えれると思うからまた分からないことがあったら聞いてね。」と優しく言ってくれた。
「(セイボリー様は光なんだ。そしたらお世話になること多そうだなぁ…てかセイボリー様って姉様の言った通り、凄くいい人。姉様、素敵な人と結婚できてよかったね。)」と思い、姉様を見上げニコッと笑う。
「フェンネルも水なのか!?俺も水なんだ!仲良くしようぜ。」とカラマス様に話しかけられる。
「はい、もちろんです。」と答えると「敬語とか止めろよ、そんな歳も離れてないのに。」とブスッとしながら言ってきたので「うん、分かった。」と答えた。
「フェンネル君はもうカラマスと打ち解けたみたいだね、心配してたんだけど良かった。カラマスはちょっと口が悪いからフェンネル君みたいに礼儀正しい子とは合わないかもしれないと思っていたけど2人を見て安心したよ。これからもカラマスと仲良くしてね。」
そうセイボリー様に頼まれた僕は特に何も考えず「はい。」と答えた。
この答えが後々、ある事件を引き起こす要因となるとは思いもしなかった。
それからカラマス君に誘われて裏庭に戻ってくる。
「フェンネル、ありがとう。お前のお陰でロザリーナ様に暴言を吐かずに済んだ。まだ兄様の1番でないことに慣れてはいないけど、俺の唯一を見つけて兄様無しでもいれるぐらい頑張ってみるな。」
「ううん、僕は何もしてないよ。それに僕とは家族になるんだから気を遣わず、フェルって呼んでね。」
「…フェルはホント優しいな…俺とは大違いだ。」
と若干顔を赤らめたカラマス君に言われる。
てっきり僕は自分のことを恥ずかしがっているんだと思い「そんなことないよ。カラマス君なりに悩んで答えを見つけたんだからカラマス君も優しいんだよ。
(伊達に24年生きてないよ!お兄さんに任せなさい!)」と答えた。
「そっかな…ありがとな、フェル…あのさ…。」
とカラマス君が下を向いていた顔を急に上げ、真剣な顔でこちらを見る。
「(あれ?どうしたの?)」
「急にこんなこと言って信じてもらえないかもしれないけど、俺…お前のことが好きだ…!」
「えっ…?
(えーっ!何処に好きになる要素が!?そりゃ年長者として優しくはしたけども!)」
「俺、人を好きになったことない、って言ったよな?だからこれが好きってことかまだよく分かってないけど、今日の兄様とロザリーナ様を見て、俺もお前とずっと一緒に居たいって思ったんだ。お前は俺の悩みを真剣に聞いてくれて、笑顔を向けてくれた。だからその笑顔を他の人にも取られたくない!俺にだけ優しくして欲しいし俺だけを見て欲しい。」
そう熱い告白をしてくる。
ガチャッ
「僕は…。」と訂正しようとしたところで目的の部屋の扉が開く。
「やっぱりフェルだわ!声が聞こえたから、そうかと思って…あっ!カラマス君も中へどうぞ。」
とロザリーナ姉様は笑顔で出迎える。
「遅くなってゴメンなさい…姉様。」
「大丈夫よ。ちょうど予定した時間だし、カラマス君も一緒だから全員揃ったわ。ソファーに座ってくれる?」
僕達2人はソファーに腰掛けた。
テーブルを挟んでセイボリー様とカラマス君が並び、向かいに僕とロザリーナ姉様。父様と母様はお誕生日席っていうのかな?そこに2人で腰掛けている。
「ローランド家の皆様、本日はお忙しい中、お時間を作って頂いてありがとうございます。私はアミリス・セイボリーと申します。隣は弟のカラマス・セイボリーです。先日、私とロザリーナは正式に婚約致しました。これからは家族として共に協力し合いましょう。そしてアトラス様、イリス様これからどうぞ宜しくお願い致します。」
セイボリー様はそう言うと、2人に頭を下げた。
「セイボリー様、やめて下さい。そんな固い挨拶ではなくてもいいんですよ。ウチのロザと婚約して頂けただけでもありがたいのに。」
とクスクス笑いながら言う母様。
「ロザは少々、勝気な性格ですからセイボリー様にはご迷惑をかけると思いますが、ローランド家にとっては大事な娘です。宜しくお願い致します。」
そう父様も話を締めくくった。
「さぁ今からは堅苦しいのは止めにして楽しく話そうじゃないか。フェル、お前は初めてお会いする方だからご挨拶しなさい。」と急に話を振られる。
「(えー!父様、急に話振らないでよ!何言えばいいの!?とりあえす名前は言わなくちゃ!)
あのフェンネル・ローランドです。今7歳です。今年から魔法学院に入学しました。宜しくお願い致します。」
僕はペコッとお辞儀をした。なんとか最低限の挨拶は出来たと「ふぅ~。」と安心する。
「初めまして、フェンネル君。これからは君の義兄になるから気軽に話しかけてね。」とセイボリー様に言われた。
「はい、ありがとうございます。あの、兄から魔術学校の先生をされていると聞きました。もし、僕が魔術学校に行くことになったら是非、勉強を教えて下さい。」
念のため、頼んでおく。
「(僕の希望は騎士団に入ってBLウォッチングだけど、兄様に止められる可能性大だからな~。)」
「もちろん。フェンネル君は水の魔法を使うそうだね、ロザから聞いたよ。私は生憎、光だから高等技術は教えてあげられないけど、それなりの技術は教えれると思うからまた分からないことがあったら聞いてね。」と優しく言ってくれた。
「(セイボリー様は光なんだ。そしたらお世話になること多そうだなぁ…てかセイボリー様って姉様の言った通り、凄くいい人。姉様、素敵な人と結婚できてよかったね。)」と思い、姉様を見上げニコッと笑う。
「フェンネルも水なのか!?俺も水なんだ!仲良くしようぜ。」とカラマス様に話しかけられる。
「はい、もちろんです。」と答えると「敬語とか止めろよ、そんな歳も離れてないのに。」とブスッとしながら言ってきたので「うん、分かった。」と答えた。
「フェンネル君はもうカラマスと打ち解けたみたいだね、心配してたんだけど良かった。カラマスはちょっと口が悪いからフェンネル君みたいに礼儀正しい子とは合わないかもしれないと思っていたけど2人を見て安心したよ。これからもカラマスと仲良くしてね。」
そうセイボリー様に頼まれた僕は特に何も考えず「はい。」と答えた。
この答えが後々、ある事件を引き起こす要因となるとは思いもしなかった。
それからカラマス君に誘われて裏庭に戻ってくる。
「フェンネル、ありがとう。お前のお陰でロザリーナ様に暴言を吐かずに済んだ。まだ兄様の1番でないことに慣れてはいないけど、俺の唯一を見つけて兄様無しでもいれるぐらい頑張ってみるな。」
「ううん、僕は何もしてないよ。それに僕とは家族になるんだから気を遣わず、フェルって呼んでね。」
「…フェルはホント優しいな…俺とは大違いだ。」
と若干顔を赤らめたカラマス君に言われる。
てっきり僕は自分のことを恥ずかしがっているんだと思い「そんなことないよ。カラマス君なりに悩んで答えを見つけたんだからカラマス君も優しいんだよ。
(伊達に24年生きてないよ!お兄さんに任せなさい!)」と答えた。
「そっかな…ありがとな、フェル…あのさ…。」
とカラマス君が下を向いていた顔を急に上げ、真剣な顔でこちらを見る。
「(あれ?どうしたの?)」
「急にこんなこと言って信じてもらえないかもしれないけど、俺…お前のことが好きだ…!」
「えっ…?
(えーっ!何処に好きになる要素が!?そりゃ年長者として優しくはしたけども!)」
「俺、人を好きになったことない、って言ったよな?だからこれが好きってことかまだよく分かってないけど、今日の兄様とロザリーナ様を見て、俺もお前とずっと一緒に居たいって思ったんだ。お前は俺の悩みを真剣に聞いてくれて、笑顔を向けてくれた。だからその笑顔を他の人にも取られたくない!俺にだけ優しくして欲しいし俺だけを見て欲しい。」
そう熱い告白をしてくる。
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