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第1章

6. 三年後

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初めて魔法を使ってから3年、僕は5歳になる年を迎えた。

あの日、僕の魔法の報告を聞いた兄姉達の反応は父様と同じだった。僕を天才だと言い、パーティーまで開こうとした。それはさすがに…と母様とエリーに止められていたが。

それからというもの、エリーの指導の元、僕は魔法の能力を上げるため訓練の日々を過ごした。

歩く練習、読み書き、魔法訓練の繰り返しである。

歩く練習は早々に終わり、読み書きも読みの方は勝手に出来てしまっていたので苦労はしなかったが、書く方は全然なのでそれは必死に頑張った。

「さすがフェンネル様ですね。飲み込みが早いので私が指導することはもうほとんどありません。」

「そんなことないよ、いつもありがとう、エリー。」と僕が答えると「本当にフェンネル様はご立派に成長なされて…。」と感極まった反応をされた。

「(いや、これで調子に乗ると後が怖いからね…。それにある程度強くなって騎士団に入るんだ!そしたら生BLを見れる!)」と僕はいつもそんなことを考えていた。

「それでは、少し休憩致しましょうか。お飲み物を用意して参ります、ソファーにお掛けになってお待ちください。」

エリーはそう言うと部屋を出て行った。

「(ふぅー…。読み書きが出来ないフリも大変だなー、結局わかっちゃうからどれが難しい問題かも分からないし…。もう面倒だから聞くのやめちゃおうかな…自分で調べます、とか言って…。あっ…そういえば、やっと鏡で自分の顔が見れたんだよねー。始めはビックリしちゃったよ、美少女!!って感じだったもん。母様の遺伝がそのまま出てたね、今思うと兄姉達の溺愛もわかる気がする…。このままいったら僕の理想の美人さんになれるはず!"儚げ"ってところが難しいけど、そこは手っ取り早く病弱設定とかがいいのかな…?でも、病弱だと騎士団には入れないし…うーん…難しい!!まぁ…まだ時間はあるし、ゆっくり考えよ!!)」

そう頭の中で考えているとエリーが紅茶のセットを持って入ってきた。

「(僕、転生前はコーヒー派だったんだけどここの紅茶がホント美味しくて紅茶派になったんだよねー。)」

「お待たせしました、フェンネル様。どうぞお召し上がり下さい。」

「ありがとう。」

僕は香りを楽しみながら紅茶を堪能する。

ゆったりとした時間が流れる中、ふと疑問に思ったことをエリーに聞いてみることにした。

「エリー、ちょっと質問があるんだけど。」

「はい、何でしょうか?」

「騎士団ってどんなところなの?」

「騎士団…ですか…そうですね…私も知ってる範囲は限られていますが、わかる範囲でお答えします。騎士団は十二の団体で構成されています。それぞれの団体の人数は様々ですが、第一部隊から第三部隊が特に優秀な騎士達が集まると言われています。その中でも第一部隊は王族直属の部隊です。決して第十二部隊が下というわけではなく、そこは光魔法を使う部隊で構成されているものも含まれますので一概には言えません。前にも言いましたが、15歳の成人を迎えてから一斉に部隊に配属されます。希望通りに行けることもあればそうではない時もあります。タジェット様は今、13歳ですのでもう少ししたら部隊に配属されるというわけです…私の知識としてはこれくらいなのですが、大丈夫でしょうか。もし、もっと詳しく知りたいようでしたら、タジェット様に直接伺うことをお勧めします。」

エリーはこう言うが、少し気まずくなることも起きていた。

「うん、大丈夫。そうだね、兄様に聞いたら詳しく教えてくれるかも。でも兄様に話を聞こうと思ったら膝の上に座らされて離してくれなくなるから…。」

タジェット兄様の溺愛ぶりは相変わらずであった。いや…フェンネルが成長する度にどんどん酷くなっていった。

「(僕もこの容姿を自覚してるから仕方ないといえば仕方ないか…。てか、これってフラグ立ってるの?まだ兄弟愛の範囲内…?いや…どうかな…?兄様たまに触り方、変な時あるし…。僕の初めて兄様に奪われるのかな…?うわー初めから近親相姦とかレベル高いー…。)」
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