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番外編【ディル編】
8. 王妃生活5
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なんとか城の外に出れた私は侍従達が話していた噂を思い出す。
「知ってる?最近、噂になっている魔術師のこと。」
「魔術師?そういえば私もそんな噂を聞いたことがあるわ。」
「なんでも私達が想像もつかない魔法を次々とやってのけるらしいのよ。」
「そうなの⁉︎じゃあ死人を生き返らせたり…?」
「さぁ?それはどうかしら?私も噂でしか聞いたことがないのだけど、なんでも瞬間移動が出来るらしいわよ。」
「えっ!凄い!なら私も家からこのお屋敷まで瞬間移動してみたいわぁ。」
「なら早く、越して来なさいよ!」
「「アハハッ!!」」
こんなことを話していた。
ということは、その魔術師に頼めば私をフェルの元へ転移させてくれるのではないか、そんな考えが過ぎり私は城を抜け出て市内までやってきたのだ。
「はぁ…はぁ…。」
身重の身体では走るのは辛いな…。
1人目の時で経験はしているが、こういうのは一向に慣れない。
私は持ってきた外装に身を包み顔を隠しながら市民に声を掛ける。
「あの…少しいいか?」
「はい、いらっしゃい。何をお求めかい?」
声を掛けたのは果物や野菜を売っていた元気の良さそうな壮年の女性だ。
「尋ねたいことがあるんだが最近、噂になっている魔術師の話を知らないか?」
尋ねる相手を間違えてるかもしれないがこういう人程、人の噂話が好きな事を知っている私は敢えてこの人に声を掛けた。すると彼女は一瞬驚いた表情を見せると小声で「アンタもあの噂を聞いたのかい?」と告げてくる。当たりだ、とそう確信をした。
「ああ、私もその魔術師に会いたいのだ。行方を知らないか?」
「それが…神出鬼没と言われていてねぇ…どこに現れるか私にも分からないんだ。ただ困っている人の前で現れることが多いらしいからスラムに近い所の方が出やすいんじゃないのかい?」
「なるほど…分かった。ありがとう、ではお礼にこの果物を包んでくれ。」
「あいよ!」
そんな会話を経て、私は包みを持ちながらスラム街へと向かった。
異臭が立ち込めスラムが近付いて来たのが分かる。
うぅっ…妊娠中だからか匂いに敏感になっている…。
私は外装の裾で鼻を覆い街中を進んで行きながら街の現状に驚きを隠せないでいた。
ある程度、一掃できたとは思っていたが…。
ファーが王となり、貧しい民を救おうと奔走してきた姿は知っている。しかしまだ完全に全ての民を救えてはいなかったようだ。物乞いをしている者に少しばかりの食料を施しながら情報収集をしていく。
こちらの方で見たという話だが…。
「知ってる?最近、噂になっている魔術師のこと。」
「魔術師?そういえば私もそんな噂を聞いたことがあるわ。」
「なんでも私達が想像もつかない魔法を次々とやってのけるらしいのよ。」
「そうなの⁉︎じゃあ死人を生き返らせたり…?」
「さぁ?それはどうかしら?私も噂でしか聞いたことがないのだけど、なんでも瞬間移動が出来るらしいわよ。」
「えっ!凄い!なら私も家からこのお屋敷まで瞬間移動してみたいわぁ。」
「なら早く、越して来なさいよ!」
「「アハハッ!!」」
こんなことを話していた。
ということは、その魔術師に頼めば私をフェルの元へ転移させてくれるのではないか、そんな考えが過ぎり私は城を抜け出て市内までやってきたのだ。
「はぁ…はぁ…。」
身重の身体では走るのは辛いな…。
1人目の時で経験はしているが、こういうのは一向に慣れない。
私は持ってきた外装に身を包み顔を隠しながら市民に声を掛ける。
「あの…少しいいか?」
「はい、いらっしゃい。何をお求めかい?」
声を掛けたのは果物や野菜を売っていた元気の良さそうな壮年の女性だ。
「尋ねたいことがあるんだが最近、噂になっている魔術師の話を知らないか?」
尋ねる相手を間違えてるかもしれないがこういう人程、人の噂話が好きな事を知っている私は敢えてこの人に声を掛けた。すると彼女は一瞬驚いた表情を見せると小声で「アンタもあの噂を聞いたのかい?」と告げてくる。当たりだ、とそう確信をした。
「ああ、私もその魔術師に会いたいのだ。行方を知らないか?」
「それが…神出鬼没と言われていてねぇ…どこに現れるか私にも分からないんだ。ただ困っている人の前で現れることが多いらしいからスラムに近い所の方が出やすいんじゃないのかい?」
「なるほど…分かった。ありがとう、ではお礼にこの果物を包んでくれ。」
「あいよ!」
そんな会話を経て、私は包みを持ちながらスラム街へと向かった。
異臭が立ち込めスラムが近付いて来たのが分かる。
うぅっ…妊娠中だからか匂いに敏感になっている…。
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ある程度、一掃できたとは思っていたが…。
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こちらの方で見たという話だが…。
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