207 / 215
番外編【ディル編】
4. 王妃生活1
しおりを挟む
私がファーの元に嫁いで1ヶ月が経ち、ある程度生活リズムがとれてきた。
というのも私は王妃になる教育を今まで受けてきたわけではないので初歩の初歩から教わらなければならない。不安でなかったと言えば嘘にはなるが、それも覚悟で嫁いできたのだから仕方のないことである。
そしてファーとの結婚式もひと段落がつき、次の日から王妃教育のスタートか、と思っていた矢先ファーから思いもよらないことを告げられた。
「ディル、新婚旅行へ行こう。」
そんなことを言われ私達は海の近い港町で新婚旅行を満喫している。
行きの船の中、ファーから「ディル、すまない…父の政務を手伝わなけれならないから1週間しか休めなかった…。」と哀しそうに告げられ、私は固まってしまった。私にとっては十分すぎるくらいの期間だからだ。
しかし素直に「十分な期間だね。」と答えてしまうとファーが拗ねてしまう恐れがある為、私は咄嗟に「仕方ないよ、忙しいのは分かっていたことだし。その分、沢山思い出に残ることをしよう。」と答えた。
ファーは僕の言葉に感動したように「やっぱりディルは優しい。」と僕を抱き締め髪に口付ける。私も苦笑いでハハッと微笑み返し、そっと心の中で溜息を吐いた。
何故、私がこんなにも気が重いのか、それはファーの愛が重すぎるからである。
彼はもう何年も私に片想いをしていたことから、私との恋が成就するとそれはもう凄まじかった。アプローチを受けている時から凄かったといえば凄かったが、成就後はそれの比ではない。何をするのも基本一緒で、学院内にいる時は強制的にセットにされた。そして私と初めて身体を重ねた時には私の記憶が飛ぶくらい激しく攻め立てられ、もう何度達したか自分でも分からないくらいグズグズに溶かされたことだけは覚えている。
それが1週間…!
海を満喫どころかベッドの住人になってしまうことに不安を抱えながら未だに私は彼に抱き締められている。
「あのっ…!ファー、せっかく海の近くに来たんだから海が見たいのだけど…?」
「ああ、そうだね。気が付かなくてゴメン、さぁ準備をして行こうか。」
その声を聞いた従者達が一斉に動き出す。流石、次期王様というべきか外に出かけるだけでも相当な重労働となる。ファー付きに3人、私付きに5人、荷物持ち5人、その他10人だ。
いや、私に5人もいらない…。
「ディル、海に行くのはいいのだけれどディルの白い肌が焼けるのも心配だし、皆に君の肌を見せたくない。上着を着て日傘をさすことになるがそれでもいいかい?」
うん…拒否権はないからね…。
「うん、構わないよ。ファーと海を見られるのなら…。」
「ああ、可愛い!なんてディルは可愛いんだ!」
そう言って再び僕を抱き締める。きつく抱き締められてるせいで下半身も当たっている。
えっ…なんか当たってるんだけど…。
「愛しい君のお願いも聞いてあげたいが、私の高ぶりもどうにかしてほしい…。」
どうしよう…話が進まない…。
というのも私は王妃になる教育を今まで受けてきたわけではないので初歩の初歩から教わらなければならない。不安でなかったと言えば嘘にはなるが、それも覚悟で嫁いできたのだから仕方のないことである。
そしてファーとの結婚式もひと段落がつき、次の日から王妃教育のスタートか、と思っていた矢先ファーから思いもよらないことを告げられた。
「ディル、新婚旅行へ行こう。」
そんなことを言われ私達は海の近い港町で新婚旅行を満喫している。
行きの船の中、ファーから「ディル、すまない…父の政務を手伝わなけれならないから1週間しか休めなかった…。」と哀しそうに告げられ、私は固まってしまった。私にとっては十分すぎるくらいの期間だからだ。
しかし素直に「十分な期間だね。」と答えてしまうとファーが拗ねてしまう恐れがある為、私は咄嗟に「仕方ないよ、忙しいのは分かっていたことだし。その分、沢山思い出に残ることをしよう。」と答えた。
ファーは僕の言葉に感動したように「やっぱりディルは優しい。」と僕を抱き締め髪に口付ける。私も苦笑いでハハッと微笑み返し、そっと心の中で溜息を吐いた。
何故、私がこんなにも気が重いのか、それはファーの愛が重すぎるからである。
彼はもう何年も私に片想いをしていたことから、私との恋が成就するとそれはもう凄まじかった。アプローチを受けている時から凄かったといえば凄かったが、成就後はそれの比ではない。何をするのも基本一緒で、学院内にいる時は強制的にセットにされた。そして私と初めて身体を重ねた時には私の記憶が飛ぶくらい激しく攻め立てられ、もう何度達したか自分でも分からないくらいグズグズに溶かされたことだけは覚えている。
それが1週間…!
海を満喫どころかベッドの住人になってしまうことに不安を抱えながら未だに私は彼に抱き締められている。
「あのっ…!ファー、せっかく海の近くに来たんだから海が見たいのだけど…?」
「ああ、そうだね。気が付かなくてゴメン、さぁ準備をして行こうか。」
その声を聞いた従者達が一斉に動き出す。流石、次期王様というべきか外に出かけるだけでも相当な重労働となる。ファー付きに3人、私付きに5人、荷物持ち5人、その他10人だ。
いや、私に5人もいらない…。
「ディル、海に行くのはいいのだけれどディルの白い肌が焼けるのも心配だし、皆に君の肌を見せたくない。上着を着て日傘をさすことになるがそれでもいいかい?」
うん…拒否権はないからね…。
「うん、構わないよ。ファーと海を見られるのなら…。」
「ああ、可愛い!なんてディルは可愛いんだ!」
そう言って再び僕を抱き締める。きつく抱き締められてるせいで下半身も当たっている。
えっ…なんか当たってるんだけど…。
「愛しい君のお願いも聞いてあげたいが、私の高ぶりもどうにかしてほしい…。」
どうしよう…話が進まない…。
4
お気に入りに追加
4,605
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
腐男子(攻め)主人公の息子に転生した様なので夢の推しカプをサポートしたいと思います
たむたむみったむ
BL
前世腐男子だった記憶を持つライル(5歳)前世でハマっていた漫画の(攻め)主人公の息子に転生したのをいい事に、自分の推しカプ (攻め)主人公レイナード×悪役令息リュシアンを実現させるべく奔走する毎日。リュシアンの美しさに自分を見失ない(受け)主人公リヒトの優しさに胸を痛めながらもポンコツライルの脳筋レイナード誘導作戦は成功するのだろうか?
そしてライルの知らないところでばかり起こる熱い展開を、いつか目にする事が……できればいいな。
ほのぼのまったり進行です。
他サイトにも投稿しておりますが、こちら改めて書き直した物になります。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
異世界転生して病んじゃったコの話
るて
BL
突然ですが、僕、異世界転生しちゃったみたいです。
これからどうしよう…
あれ、僕嫌われてる…?
あ、れ…?
もう、わかんないや。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
異世界転生して、病んじゃったコの話
嫌われ→総愛され
性癖バンバン入れるので、ごちゃごちゃするかも…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる