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第1章
19. 敵城
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なんとかモリオンを抱き止めた魔王様は「サトー!何処だ⁉︎」と叫ぶ。彼は僕の位置が見えないので魔力だけで位置を把握しようとするが、その時既にその呼び掛けに応えれないほどの距離まで離されていた。
どうにか自分も攻撃して難を逃れようとするが、その瞬間口を塞がれ気絶させられる。
「フフッ魔王様、この者は人質として貰い受けますよ。是非、弟が戻ってくることを願っています。」
そう言って敵は姿を消した。
「…ゔぅ…。」
首の後ろが痛い…そこを殴られたようだ。今更ながら僕は創造主に防御力や攻撃力の能力は上げてもらったが身体能力や物理的攻撃への耐性はそれ程高く与えられなかったようだ。
目を覚ますとベッドに寝かされており真っ暗な部屋に仄かに光るランプのみ。攫われたにしてはベッドに寝かされているという好待遇な状態に驚いた。
「目が覚めましたか?」
全く人の気配がしなかった為、ビクッと身体が揺れる。現れた人物は先程、魔王様に攻撃した人物だった。
「初めましてですね、私はグロッシュラー。吸血鬼達を束ねる長をしております。貴方の名前をお聞かせ願えますか?」
彼は魔王様の前に現れた時もそうだったが、常に礼儀正しく挨拶をしているようだ。
「…ショウ・サトーです…。」と恐る恐る答えると「サトー様ですか、珍しいお名前ですね。」と和やかな笑みを浮かべる。
「あっ…あの僕はどうなるんですか…?」
こんな僕でもこれが人質ということは分かる。よくある話ではとりあえず牢屋に入れられて人質として生き永らえるか、暴力を振るわれて死ぬのかのどちらかだ。
「そうですね…私共は美しいものを好みますので、むやみやたらに暴力は振るいたくないのです。しかし…それも魔王様次第かと。」
そうか…彼の言っていた弟が戻らなければ僕は暴力を振るわれる恐れがあるということか。彼の表情は常に微笑んだ状態で、真意が分かりにくい。
「しかし、貴方は何者なのですか?次期魔王と共に式典に出たり、魔王様に庇われたりと…もしや魔王様に雇われた魔族…?」
僕はその質問に素直に答えるか迷ったが下手に嘘を付いても自分の立場が危うくなるだけだと思い「…はい、そうです。」と答える。
「なるほど、それで貴方はとても美味しそうな魔力をしているのですね。貴方の見た目からある程度、予想はしてましたが貴方は魔王様並みに高い魔力の持ち主…。」
するとグロッシュラーは僕の頰をスルッと撫でると首筋まで撫で付ける。
「ただ貴方は私達、魔族のどの種族にも当てはまらない容姿。不思議に思ってはいましたが魔王様に雇われたというなら納得です。何処か違う国からやって来たのでしょう?まぁ私にとってはそんなことより貴方の血の方が興味があります。高い魔力を持った者の血は私達の大好物。是非、貴方の血を吸ってみたいものです。」
グロッシュラーのセリフで思い出した。たしかアルマンディンにも自己紹介で同じことを言われたことを。
「(じゃあさっき話してた弟ってアルマンディンのこと…?)」
そう僕が思い出してる間にグロッシュラーはすぐ側まで来ていた。
どうにか自分も攻撃して難を逃れようとするが、その瞬間口を塞がれ気絶させられる。
「フフッ魔王様、この者は人質として貰い受けますよ。是非、弟が戻ってくることを願っています。」
そう言って敵は姿を消した。
「…ゔぅ…。」
首の後ろが痛い…そこを殴られたようだ。今更ながら僕は創造主に防御力や攻撃力の能力は上げてもらったが身体能力や物理的攻撃への耐性はそれ程高く与えられなかったようだ。
目を覚ますとベッドに寝かされており真っ暗な部屋に仄かに光るランプのみ。攫われたにしてはベッドに寝かされているという好待遇な状態に驚いた。
「目が覚めましたか?」
全く人の気配がしなかった為、ビクッと身体が揺れる。現れた人物は先程、魔王様に攻撃した人物だった。
「初めましてですね、私はグロッシュラー。吸血鬼達を束ねる長をしております。貴方の名前をお聞かせ願えますか?」
彼は魔王様の前に現れた時もそうだったが、常に礼儀正しく挨拶をしているようだ。
「…ショウ・サトーです…。」と恐る恐る答えると「サトー様ですか、珍しいお名前ですね。」と和やかな笑みを浮かべる。
「あっ…あの僕はどうなるんですか…?」
こんな僕でもこれが人質ということは分かる。よくある話ではとりあえず牢屋に入れられて人質として生き永らえるか、暴力を振るわれて死ぬのかのどちらかだ。
「そうですね…私共は美しいものを好みますので、むやみやたらに暴力は振るいたくないのです。しかし…それも魔王様次第かと。」
そうか…彼の言っていた弟が戻らなければ僕は暴力を振るわれる恐れがあるということか。彼の表情は常に微笑んだ状態で、真意が分かりにくい。
「しかし、貴方は何者なのですか?次期魔王と共に式典に出たり、魔王様に庇われたりと…もしや魔王様に雇われた魔族…?」
僕はその質問に素直に答えるか迷ったが下手に嘘を付いても自分の立場が危うくなるだけだと思い「…はい、そうです。」と答える。
「なるほど、それで貴方はとても美味しそうな魔力をしているのですね。貴方の見た目からある程度、予想はしてましたが貴方は魔王様並みに高い魔力の持ち主…。」
するとグロッシュラーは僕の頰をスルッと撫でると首筋まで撫で付ける。
「ただ貴方は私達、魔族のどの種族にも当てはまらない容姿。不思議に思ってはいましたが魔王様に雇われたというなら納得です。何処か違う国からやって来たのでしょう?まぁ私にとってはそんなことより貴方の血の方が興味があります。高い魔力を持った者の血は私達の大好物。是非、貴方の血を吸ってみたいものです。」
グロッシュラーのセリフで思い出した。たしかアルマンディンにも自己紹介で同じことを言われたことを。
「(じゃあさっき話してた弟ってアルマンディンのこと…?)」
そう僕が思い出してる間にグロッシュラーはすぐ側まで来ていた。
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