16 / 122
第1章
16. 本番
しおりを挟む
モリオンのお披露目の儀が開催されることはネフライトをはじめ、アイオライトさん達の協力によって全魔族達に通達された。
それ以降、城内がピリピリとした雰囲気に包まれている。僕は不安を抱えながらも恒例である魔王様のところへ向かった。
「城内が騒がしいな。」
開口一番、魔王様はこの状況を分かっていた様に告げる。
「…はい、近々モリオンのお披露目の儀が行われますので。」
「なるほどな…それで魔族達が落ち着かないのか。」
「分かるのですか?」
「ああ、色んな奴らの不穏な動きが魔力を伝ってこちらに流れてくる。北の森の奴らが1番怪しいな。」
「北の森…。」
「サトー、モリオンのことを頼むぞ。きっとその日は其奴らが怪しい動きをするはずだ。」
「分かりました。ネフライトやアイオライトさん達にもお伝えします。」
僕は魔王様からの言付けを受け、部屋を後にした。
「モリオン、お披露目の時は気をつけないとね?僕がずっと抱っこしとくから安心してね?」
そう言いながらギュッと抱き締める。モリオンもそれが分かったのか「あー。」と言いながら僕の服を握りしめた。
そして当日、厳重な警備の元、モリオンのお披露目の儀が開催された。城の周りには多種多様の魔族が集まり、モリオンの姿を一目見ようと足を運んでいる。
僕はネフライトから登場の指示をされ、モリオンを抱いて城のベランダから顔を出す。僕がその場に立ち止まるとネフライトが特別な伝達機能を使い、モリオンの誕生や名前の説明、そしてこの場に集まった魔族達へお礼を告げる。その言葉が終わると同時に魔族達から「ワーッ!」と歓声が上がり、さらには所々から「モリオン様、万歳!」と賞賛の声が上がった。
これで無事閉幕と思いきや、問題はこの後に起こったのである。
お披露目の儀が終わり、魔族達がそれぞれ帰る様子をモリオンと共に眺めていると目線より上から…空中から攻撃を受けたのだ。瞬間的に僕の周りには防御壁が出来た為、その攻撃は弾かれたのだが、その衝撃は皆を驚かせる。
「やはり来たか!」
インペリアルが叫ぶ。
空の飛べるアイオライトとコウモリに変身したアルマンディンが空へと飛び立つ。そしてパパラチァが弓矢を構えた。
先程の攻撃でその場は騒然となり魔族達は逃げて行く。
「ショウ様!モリオン様!お怪我はありませんか⁉︎」
ネフライトが走り寄ってくる。
「はい!攻撃は受けましたが弾いたので大丈夫です。」
「良かった…!今から襲撃犯と撃ち合います。お二人は安全な場所に避難して下さい!」
そう言われ、僕はインペリアルさんに担がれた。
「うわっ!ちょっ…!」
「しっかり掴まっておけ、モリオン様を離すなよ!」
それ以降、城内がピリピリとした雰囲気に包まれている。僕は不安を抱えながらも恒例である魔王様のところへ向かった。
「城内が騒がしいな。」
開口一番、魔王様はこの状況を分かっていた様に告げる。
「…はい、近々モリオンのお披露目の儀が行われますので。」
「なるほどな…それで魔族達が落ち着かないのか。」
「分かるのですか?」
「ああ、色んな奴らの不穏な動きが魔力を伝ってこちらに流れてくる。北の森の奴らが1番怪しいな。」
「北の森…。」
「サトー、モリオンのことを頼むぞ。きっとその日は其奴らが怪しい動きをするはずだ。」
「分かりました。ネフライトやアイオライトさん達にもお伝えします。」
僕は魔王様からの言付けを受け、部屋を後にした。
「モリオン、お披露目の時は気をつけないとね?僕がずっと抱っこしとくから安心してね?」
そう言いながらギュッと抱き締める。モリオンもそれが分かったのか「あー。」と言いながら僕の服を握りしめた。
そして当日、厳重な警備の元、モリオンのお披露目の儀が開催された。城の周りには多種多様の魔族が集まり、モリオンの姿を一目見ようと足を運んでいる。
僕はネフライトから登場の指示をされ、モリオンを抱いて城のベランダから顔を出す。僕がその場に立ち止まるとネフライトが特別な伝達機能を使い、モリオンの誕生や名前の説明、そしてこの場に集まった魔族達へお礼を告げる。その言葉が終わると同時に魔族達から「ワーッ!」と歓声が上がり、さらには所々から「モリオン様、万歳!」と賞賛の声が上がった。
これで無事閉幕と思いきや、問題はこの後に起こったのである。
お披露目の儀が終わり、魔族達がそれぞれ帰る様子をモリオンと共に眺めていると目線より上から…空中から攻撃を受けたのだ。瞬間的に僕の周りには防御壁が出来た為、その攻撃は弾かれたのだが、その衝撃は皆を驚かせる。
「やはり来たか!」
インペリアルが叫ぶ。
空の飛べるアイオライトとコウモリに変身したアルマンディンが空へと飛び立つ。そしてパパラチァが弓矢を構えた。
先程の攻撃でその場は騒然となり魔族達は逃げて行く。
「ショウ様!モリオン様!お怪我はありませんか⁉︎」
ネフライトが走り寄ってくる。
「はい!攻撃は受けましたが弾いたので大丈夫です。」
「良かった…!今から襲撃犯と撃ち合います。お二人は安全な場所に避難して下さい!」
そう言われ、僕はインペリアルさんに担がれた。
「うわっ!ちょっ…!」
「しっかり掴まっておけ、モリオン様を離すなよ!」
24
お気に入りに追加
1,521
あなたにおすすめの小説
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。
続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』
かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、
転生した高校時代を経て、無事に大学生になった――
恋人である藤崎颯斗と共に。
だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。
「付き合ってるけど、誰にも言っていない」
その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。
モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、
そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。
甘えたくても甘えられない――
そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。
過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの
じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。
今度こそ、言葉にする。
「好きだよ」って、ちゃんと。
【完結】悪役令息の従者に転職しました
*
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
透夜×ロロァのお話です。
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく、舞踏会編、はじめましたー!
他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる