10 / 122
第1章
10. 赤ちゃんの食事
しおりを挟む
僕はその脚で魔王様の元へ赤ちゃんを連れて行く。
「魔王様、無事生まれました。」
そう言って横たわる魔王様に赤ちゃんを差し出すと
、もそもそと起き上がり赤ちゃんを抱き止める。やはり親なだけあって赤ちゃんを抱くことが出来るようだ。
「ああ…ようやく生まれたか…。この目でその愛らしい姿を見れないのは寂しいものだな。サトー、次期魔王はどんな姿だ?」
「黒目黒髪の可愛らしい顔立ちですよ。」
そう答えるとフッと笑う。
「そうか…黒で生まれたということは魔力も心配いらぬな。」
そう言いながら手探りで赤ちゃんの顔や頭を撫でていく。そして額に人差し指を指すとこちらではわからない呪文のようなものを唱えた。
「魔王様、今のは…?」
「今のは真名を名付けたのだ。今の言葉は魔王しか受け継がれぬ言葉、だから誰一人理解は出来ん。しかし、言葉として覚えられてしまったら縛られるからな。サトーもこの子の名をつけても良いぞ?」
魔王様に言われハッとする。昨日からつけてもいいと言われていたが、完璧に考えるのを忘れていた。
「…申し訳ありません。まだ思い付いていませんので今日中には決めさせていただきます。」
「ああ…息子に似合う良い名を付けてやってくれ。」
それから僕は赤ちゃんを抱いて自室に戻ってきた。部屋に入ると既に赤ちゃん用のベッドが用意されており、側にオムツの代わりとなる大量の布が置かれていた。
「(ベッドがあるけど添い寝しないといけないし、オムツは魔法でどうにかしないといけないんだよね…。)」
僕がそんなことを思っているとネフライトに声を掛けられる。
「ショウ様、あの…先に言っておかなければならないことがあるのですが…。」
「はい?」
何故だろう…ネフライトの顔が赤い。
「次期魔王様を育てるにあたって乳児期はミルクをあげるのですが…。」
「そうですね…?」
「そのミルクというのが精液なのですが、ご存知でしたか?」
「………⁉︎」
予期せぬ事実に言葉を失う。
「あっあの本当は緊急用ですが胸からミルクを与えるという方法もございますので、そちらをやって頂いても構いません。ミルクといっても魔力を吸われる形になります…。しかし胸からの供給は精液の半分以下の栄養しか与えられないので、長時間与えないと次期魔王様は満足しないかもしれません。ですから1番の栄養は魔力の高い者…教育者に選ばれた方からの精液なのです。」
ネフライトは顔を赤くしたまま目線を彷徨わせ必死に説明する。
「(えぇ…そんなもの与えて大丈夫なの…?)」
まず僕が思ったのはそんなことだ。人間の常識が通用しないのはなんとなく分かっていたが、この世界ではミルク代わりが精液なのかと疑ってしまう。しかしネフライトがそう言うのだからそうなのだろう。
「大丈夫でしょうか、ショウ様。」
ネフライトが不安げに僕を見つめてくるので僕の不安が伝わったのか赤ちゃんも心配そうにこちらを見つめてくる。
「あぅ~。」
「あぁ…ゴメンね、心配かけちゃって。なんとかするからね?」
僕は赤ちゃんを撫でながらあやす様に揺すった。
「魔王様、無事生まれました。」
そう言って横たわる魔王様に赤ちゃんを差し出すと
、もそもそと起き上がり赤ちゃんを抱き止める。やはり親なだけあって赤ちゃんを抱くことが出来るようだ。
「ああ…ようやく生まれたか…。この目でその愛らしい姿を見れないのは寂しいものだな。サトー、次期魔王はどんな姿だ?」
「黒目黒髪の可愛らしい顔立ちですよ。」
そう答えるとフッと笑う。
「そうか…黒で生まれたということは魔力も心配いらぬな。」
そう言いながら手探りで赤ちゃんの顔や頭を撫でていく。そして額に人差し指を指すとこちらではわからない呪文のようなものを唱えた。
「魔王様、今のは…?」
「今のは真名を名付けたのだ。今の言葉は魔王しか受け継がれぬ言葉、だから誰一人理解は出来ん。しかし、言葉として覚えられてしまったら縛られるからな。サトーもこの子の名をつけても良いぞ?」
魔王様に言われハッとする。昨日からつけてもいいと言われていたが、完璧に考えるのを忘れていた。
「…申し訳ありません。まだ思い付いていませんので今日中には決めさせていただきます。」
「ああ…息子に似合う良い名を付けてやってくれ。」
それから僕は赤ちゃんを抱いて自室に戻ってきた。部屋に入ると既に赤ちゃん用のベッドが用意されており、側にオムツの代わりとなる大量の布が置かれていた。
「(ベッドがあるけど添い寝しないといけないし、オムツは魔法でどうにかしないといけないんだよね…。)」
僕がそんなことを思っているとネフライトに声を掛けられる。
「ショウ様、あの…先に言っておかなければならないことがあるのですが…。」
「はい?」
何故だろう…ネフライトの顔が赤い。
「次期魔王様を育てるにあたって乳児期はミルクをあげるのですが…。」
「そうですね…?」
「そのミルクというのが精液なのですが、ご存知でしたか?」
「………⁉︎」
予期せぬ事実に言葉を失う。
「あっあの本当は緊急用ですが胸からミルクを与えるという方法もございますので、そちらをやって頂いても構いません。ミルクといっても魔力を吸われる形になります…。しかし胸からの供給は精液の半分以下の栄養しか与えられないので、長時間与えないと次期魔王様は満足しないかもしれません。ですから1番の栄養は魔力の高い者…教育者に選ばれた方からの精液なのです。」
ネフライトは顔を赤くしたまま目線を彷徨わせ必死に説明する。
「(えぇ…そんなもの与えて大丈夫なの…?)」
まず僕が思ったのはそんなことだ。人間の常識が通用しないのはなんとなく分かっていたが、この世界ではミルク代わりが精液なのかと疑ってしまう。しかしネフライトがそう言うのだからそうなのだろう。
「大丈夫でしょうか、ショウ様。」
ネフライトが不安げに僕を見つめてくるので僕の不安が伝わったのか赤ちゃんも心配そうにこちらを見つめてくる。
「あぅ~。」
「あぁ…ゴメンね、心配かけちゃって。なんとかするからね?」
僕は赤ちゃんを撫でながらあやす様に揺すった。
22
お気に入りに追加
1,522
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
幼馴染の勇者が一般人の僕をパーティーに入れようとするんですが
空色蜻蛉
ファンタジー
羊飼いの少年リヒトは、ある事件で勇者になってしまった幼馴染みに巻き込まれ、世界を救う旅へ……ではなく世界一周観光旅行に出発する。
「君達、僕は一般人だって何度言ったら分かるんだ?!
人間外の戦闘に巻き込まないでくれ。
魔王討伐の旅じゃなくて観光旅行なら別に良いけど……え? じゃあ観光旅行で良いって本気?」
どこまでもリヒト優先の幼馴染みと共に、人助けそっちのけで愉快な珍道中が始まる。一行のマスコット家畜メリーさんは巨大化するし、リヒト自身も秘密を抱えているがそれはそれとして。
人生は楽しまないと勿体ない!!
◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。

俺は勇者のお友だち
むぎごはん
BL
俺は王都の隅にある宿屋でバイトをして暮らしている。たまに訪ねてきてくれる騎士のイゼルさんに会えることが、唯一の心の支えとなっている。
2年前、突然この世界に転移してきてしまった主人公が、頑張って生きていくお話。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!


禁断の祈祷室
土岐ゆうば(金湯叶)
BL
リュアオス神を祀る神殿の神官長であるアメデアには専用の祈祷室があった。
アメデア以外は誰も入ることが許されない部屋には、神の像と燭台そして聖典があるだけ。窓もなにもなく、出入口は木の扉一つ。扉の前には護衛が待機しており、アメデア以外は誰もいない。
それなのに祈祷が終わると、アメデアの体には情交の痕がある。アメデアの聖痕は濃く輝き、その強力な神聖力によって人々を助ける。
救済のために神は神官を抱くのか。
それとも愛したがゆえに彼を抱くのか。
神×神官の許された神秘的な夜の話。
※小説家になろう(ムーンライトノベルズ)でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる