3 / 122
第1章
3. 異世界転生
しおりを挟む
「…あれ?ここ…。」
目を覚まし周りを見渡すと真っ白な空間に木製の机と豪華な椅子、そしてパソコンのディスプレイのようなものがその周りに10台程浮いている。生憎、椅子は背もたれ側がこちらに向いているのでそこに誰が座っているかは確認できない。
しかし、普通とは違うその異様な光景に寝惚けていた僕の頭は一気に覚醒した。
その時、椅子がキーッと動きこちらを向く。驚くことにそこには小学1~2年生くらいの男の子が体育座りをし座っていた。僕は目をパチクリとさせ、その子と見つめ合う。
「やぁ、起きた?」
そう言ってその少年は笑顔で顔の横で手を振る。
僕は呆然としながらも「あっ…はい。」と返事をする。すると少年は「よしっ!」と言って椅子から飛び降りると僕の隣に一瞬で近付いた。
「(えっ…5m以上向こうにいたのに…。)」
僕はその光景にまた言葉を失った。しかし、少年は気にした風もなく口を開く。
「初めまして、佐藤 翔一(しょういち)君。僕はこの世界の創造主と呼ばれる者だよ。」
「…創造…主。」
「そう、神様って言った方が分かりやすいかもしれないね。それで、なんで君がここにいるかってことを説明するからよく聞いてね。」
僕はこの状況を未だに把握出来なかったが、取り敢えず頭には入れないと、と思い耳を傾ける。
「佐藤君、君、あの親子を庇って亡くなったんだけど覚えてる?」
「えっ⁉︎」
「ああ、まだ亡くなったって理解してなかったか…。まぁそういうことなんだよね、悪いけど。普通はそれで君の魂は消滅して…成仏って言ったほうがいいかな、それで消えるはずだったんだけど、たまたまその瞬間を僕が見てたからコッチに連れて来ちゃった。で、なんでそんなことをしたかったっていうと万年、コッチの天界は人手不足でさぁ…佐藤君にそれを手伝ってもらおうかと思って。」
「えっ…?」
「まぁ、でも大丈夫。難しいことじゃないから、なんせ育児をしてくれたらいいだけだから。」
「育児…ですか?でも僕、死ぬ前は独身で子供もいなかったんですが…。」
「でも子供は好きでしょう?」
「それは…まぁそうですが…。」
「なら、大丈夫だよぉ。それも子供が成人する15年だけでいいからさぁ。その後はキチンと"人間界"に連れて行ってあげるから。それに君は亡くなった年齢、24歳から歳はとっても見た目は変化しないようにしてあげるし、衣食住も保証する。勿論、お給料も出すよ!育児といっても日本の育児よりよっぽど楽だし、もし君が行ってくれるならその世界は魔法とかが使えるファンタジーそのものだし!どう⁉︎好奇心掻き立てられない⁉︎」
創造主…見た目は少年だが、その少年は僕に死んでもなお再就職を勧めたいらしい。
それも育児を。
「あの、もう少し詳しくいいですか?」
「了解。君に育てて欲しい子はもうすぐ生まれる予定の男の子なんだけど、その父親の寿命がもうすぐ終わるんだ。母親は既に亡くなっていてその子にとっては肉親は父親しかいない。ただ、父親は自分が亡くなることを大体は予知しているから自分の代わりに子供を育ててくれる人を探しているってわけ。その父親はちょっと特殊な立ち位置の人だから信用のおける人にしか子供を託せない。それで僕の方にその依頼…というかお願いがきたんだ。」
「…はぁ…。いくら肉親は父親だけといっても、こんな得体の知れない僕の方が怪しいんじゃないですか?それに僕がキチンと子育てができる保証もないですし。」
「いや、そんなことないよ。僕はもう数え切れない程の年月を生きてるけど、君みたいな綺麗な魂は珍しいんだ。だから僕はそんな君にお願いしたくてね。それに育児もそうだけどその子に一般常識を教えてあげて欲しいんだ。きっとこのままだとその子は誰にも愛情を与えられず、育ってしまう。そうなると世界の均衡がとれなくなる恐れがある。だから君が持てるだけの愛情で接してくれればそれで良いから。あっそれにね、ちゃんとチート?っていうのも付加してあげるから安心して!」
「はぁ…なんかよく分かりませんが、取り敢えず僕に良い待遇で仕事を斡旋してくれるってことですね。それが今後生まれてくる予定の男の子で、育児兼教育係を担えばいいんですね。」
「そうそう!どう?行ってくれる?」
「…わかりました。一度死んだ身なので、せっかくですからもう一度人生をやり直してみます…。」
「やった!ありがとう、佐藤君!向こうの世界に行ってもその世界のルールブックとか置いておくから。」
「はい、宜しくお願いします。」
「じゃあ、早速…。」
少年は何か呪文を唱えると僕の肩に手を置く。そして言葉を切れたその時、僕は眩しい光に包まれた。
目を覚まし周りを見渡すと真っ白な空間に木製の机と豪華な椅子、そしてパソコンのディスプレイのようなものがその周りに10台程浮いている。生憎、椅子は背もたれ側がこちらに向いているのでそこに誰が座っているかは確認できない。
しかし、普通とは違うその異様な光景に寝惚けていた僕の頭は一気に覚醒した。
その時、椅子がキーッと動きこちらを向く。驚くことにそこには小学1~2年生くらいの男の子が体育座りをし座っていた。僕は目をパチクリとさせ、その子と見つめ合う。
「やぁ、起きた?」
そう言ってその少年は笑顔で顔の横で手を振る。
僕は呆然としながらも「あっ…はい。」と返事をする。すると少年は「よしっ!」と言って椅子から飛び降りると僕の隣に一瞬で近付いた。
「(えっ…5m以上向こうにいたのに…。)」
僕はその光景にまた言葉を失った。しかし、少年は気にした風もなく口を開く。
「初めまして、佐藤 翔一(しょういち)君。僕はこの世界の創造主と呼ばれる者だよ。」
「…創造…主。」
「そう、神様って言った方が分かりやすいかもしれないね。それで、なんで君がここにいるかってことを説明するからよく聞いてね。」
僕はこの状況を未だに把握出来なかったが、取り敢えず頭には入れないと、と思い耳を傾ける。
「佐藤君、君、あの親子を庇って亡くなったんだけど覚えてる?」
「えっ⁉︎」
「ああ、まだ亡くなったって理解してなかったか…。まぁそういうことなんだよね、悪いけど。普通はそれで君の魂は消滅して…成仏って言ったほうがいいかな、それで消えるはずだったんだけど、たまたまその瞬間を僕が見てたからコッチに連れて来ちゃった。で、なんでそんなことをしたかったっていうと万年、コッチの天界は人手不足でさぁ…佐藤君にそれを手伝ってもらおうかと思って。」
「えっ…?」
「まぁ、でも大丈夫。難しいことじゃないから、なんせ育児をしてくれたらいいだけだから。」
「育児…ですか?でも僕、死ぬ前は独身で子供もいなかったんですが…。」
「でも子供は好きでしょう?」
「それは…まぁそうですが…。」
「なら、大丈夫だよぉ。それも子供が成人する15年だけでいいからさぁ。その後はキチンと"人間界"に連れて行ってあげるから。それに君は亡くなった年齢、24歳から歳はとっても見た目は変化しないようにしてあげるし、衣食住も保証する。勿論、お給料も出すよ!育児といっても日本の育児よりよっぽど楽だし、もし君が行ってくれるならその世界は魔法とかが使えるファンタジーそのものだし!どう⁉︎好奇心掻き立てられない⁉︎」
創造主…見た目は少年だが、その少年は僕に死んでもなお再就職を勧めたいらしい。
それも育児を。
「あの、もう少し詳しくいいですか?」
「了解。君に育てて欲しい子はもうすぐ生まれる予定の男の子なんだけど、その父親の寿命がもうすぐ終わるんだ。母親は既に亡くなっていてその子にとっては肉親は父親しかいない。ただ、父親は自分が亡くなることを大体は予知しているから自分の代わりに子供を育ててくれる人を探しているってわけ。その父親はちょっと特殊な立ち位置の人だから信用のおける人にしか子供を託せない。それで僕の方にその依頼…というかお願いがきたんだ。」
「…はぁ…。いくら肉親は父親だけといっても、こんな得体の知れない僕の方が怪しいんじゃないですか?それに僕がキチンと子育てができる保証もないですし。」
「いや、そんなことないよ。僕はもう数え切れない程の年月を生きてるけど、君みたいな綺麗な魂は珍しいんだ。だから僕はそんな君にお願いしたくてね。それに育児もそうだけどその子に一般常識を教えてあげて欲しいんだ。きっとこのままだとその子は誰にも愛情を与えられず、育ってしまう。そうなると世界の均衡がとれなくなる恐れがある。だから君が持てるだけの愛情で接してくれればそれで良いから。あっそれにね、ちゃんとチート?っていうのも付加してあげるから安心して!」
「はぁ…なんかよく分かりませんが、取り敢えず僕に良い待遇で仕事を斡旋してくれるってことですね。それが今後生まれてくる予定の男の子で、育児兼教育係を担えばいいんですね。」
「そうそう!どう?行ってくれる?」
「…わかりました。一度死んだ身なので、せっかくですからもう一度人生をやり直してみます…。」
「やった!ありがとう、佐藤君!向こうの世界に行ってもその世界のルールブックとか置いておくから。」
「はい、宜しくお願いします。」
「じゃあ、早速…。」
少年は何か呪文を唱えると僕の肩に手を置く。そして言葉を切れたその時、僕は眩しい光に包まれた。
22
お気に入りに追加
1,516
あなたにおすすめの小説
お前らの相手は俺じゃない!
くろさき
BL
大学2年生の鳳 京谷(おおとり きょうや)は、母・父・妹・自分の4人家族の長男。
しかし…ある日子供を庇ってトラック事故で死んでしまう……
暫くして目が覚めると、どうやら自分は赤ん坊で…妹が愛してやまない乙女ゲーム(🌹永遠の愛をキスで誓う)の世界に転生していた!?
※R18展開は『お前らの相手は俺じゃない!』と言う章からになっております。
僕は性奴隷だけど、御主人様が好き
泡沫の泡
BL
鬼畜ヤンデレ美青年×奴隷色黒美少年。
BL×ファンタジー。
鬼畜、SM表現等のエロスあり。
奴隷として引き取られた少年は、宰相のひとり息子である美青年、ノアにペットとして飼われることとなった。
ひょんなことからノアを愛してしまう少年。
どんな辱めを受けても健気に尽くす少年は、ノアの心を開くことができるのか……
勇者の股間触ったらエライことになった
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
勇者さんが町にやってきた。
町の人は道の両脇で壁を作って、通り過ぎる勇者さんに手を振っていた。
オレは何となく勇者さんの股間を触ってみたんだけど、なんかヤバイことになっちゃったみたい。
くっころ勇者は魔王の子供を産むことになりました
あさきりゆうた
BL
BLで「最終決戦に負けた勇者」「くっころ」、「俺、この闘いが終わったら彼女と結婚するんだ」をやってみたかった。
一話でやりたいことをやりつくした感がありますが、時間があれば続きも書きたいと考えています。
21.03.10
ついHな気分になったので、加筆修正と新作を書きました。大体R18です。
21.05.06
なぜか性欲が唐突にたぎり久々に書きました。ちなみに作者人生初の触手プレイを書きました。そして小説タイトルも変更。
21.05.19
最終話を書きました。産卵プレイ、出産表現等、初めて表現しました。色々とマニアックなR18プレイになって読者ついていけねえよな(^_^;)と思いました。
最終回になりますが、補足エピソードネタ思いつけば番外編でまた書くかもしれません。
最後に魔王と勇者の幸せを祈ってもらえたらと思います。
23.08.16
適当な表紙をつけました
【R18】満たされぬ俺の番はイケメン獣人だった
佐伯亜美
BL
この世界は獣人と人間が共生している。
それ以外は現実と大きな違いがない世界の片隅で起きたラブストーリー。
その見た目から女性に不自由することのない人生を歩んできた俺は、今日も満たされぬ心を埋めようと行きずりの恋に身を投じていた。
その帰り道、今月から部下となったイケメン狼族のシモンと出会う。
「なんで……嘘つくんですか?」
今まで誰にも話したことの無い俺の秘密を見透かしたように言うシモンと、俺は身体を重ねることになった。
生贄として捧げられたら人外にぐちゃぐちゃにされた
キルキ
BL
生贄になった主人公が、正体不明の何かにめちゃくちゃにされ挙げ句、いっぱい愛してもらう話。こんなタイトルですがハピエンです。
人外✕人間
♡喘ぎな分、いつもより過激です。
以下注意
♡喘ぎ/淫語/直腸責め/快楽墜ち/輪姦/異種姦/複数プレイ/フェラ/二輪挿し/無理矢理要素あり
2024/01/31追記
本作品はキルキのオリジナル小説です。
【R18・完結】ショウドウ⁈異世界にさらわれちゃったよー!お兄さんは静かに眠りたい。
カヨワイさつき
BL
20代最後の日、コンビニ帰りに召喚に巻き込まれてしまった、正道晴人(しょうどう はると)と
同時刻、ゲームを買いに来た岡真琴(おか まこと)は神子召喚されてしまった。
2人の神子は不吉とされ、正道は召喚場所から追い出されてしまった。
正道を中心に世界は動き出したかもしれない?!
衝動、正道の異世界物語!
☆予告なしにR 18入る場合入ります。
暴力や無理矢理なのは、なるべくボカした
表現にしてます。
大切なご意見ご感想、毎回うれしいです😆
読んでくださる皆様に感謝を込めて
ありがとうございます❤️
小さな幸せが
たくさん降り注ぎますように❤️
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる